……
………

岡本「たまき!!お前今までどこで油売ってたんだ!!」

たまき「ひゃ~ごめんなさーい!」

岡本「ったく、悪魔にでも襲われたかと思ったぜ」

たまき「心配…してくれたの?」

岡本「…ばかやろう!明日は決勝戦だぞ!!」

たまき「ああ!!そうだった!!」

岡本「あと1勝でお前はチャンピオンだ!
   今日はもうゆっくり休みな」

たまき「うん!ありがとう岡本さん!
    私……頑張るね!!」

岡本「へっ!早く寝ろってんだ」

……
………

……がなぁ…もう少しで……

たまき「んぁ………?」

たまき(岡本さん……まだ起きてたんだ…)

岡本「あと1勝でチャンピオンなんだぞ~」

岡本「お前も生きてりゃ……ぐっ…うっうっ」

たまき(写真見て……泣いてる……)

岡本「たまきよぉ………」

たまき(え!?)ガタッ

岡本「!!」

たまき「あ……」

岡本「み、見てたのか?」

たまき「あ、いや、その……」

たまき「写真……たまきって……」

岡本「俺の娘だ」

たまき「娘……さん」

岡本「丁度お前くらいの年にな……」

岡本「悪魔に殺された」

岡本「ギターバトルのスタジアムに向かう途中にな」

たまき「そんな……じゃあ、このギターは!」

岡本「娘の形見だ……」

岡本「ギターバトルトーナメントに優勝することは…
   俺の夢であり、娘の夢でもあるんだ」

岡本「俺は悪魔が心底憎い」

たまき「岡本さん……」

岡本「だが今更悪魔の野郎どもに復讐しようなんざ思わん」

岡本「娘もそんなことしたところで浮かばれねぇ」

岡本「俺は記憶を無くしたお前に娘と同じ名前を付けちまった……」

岡本「たまき……娘の夢を…叶えてやってくれ…頼む…」

たまき「岡本さん……私、絶対優勝する!
    娘さんのギターで……優勝してみせるよ!」

岡本「たまき……」

岡本「とりあえずもう今日は寝ろ!」

岡本「それとな……パジャマの下くらい穿いて出てこいよ…
   目のやり場に困るわい」

たまき「え?……きゃあっ!!」

……
………

岡本「おう、たまき…起きろ!!」

たまき「あ…おはよう!岡本さん!」

岡本「な……珍しく寝起きがいいじゃねぇか」

たまき「だって、今日は大事な日だもん!」

岡本「へっ……さぁ、早いとこスタジアムへ行くぜ」

岡本「たまき!!」がしっ

たまき「は、はい!!」

岡本「いいか、お前は上手い!必ず勝てる!!
   俺の教えた事を守ればな」

たまき「うん!!……頑張ります!!」


―――スタジアム

スタジアムの男「よお、岡本のおっさん!
         おまえん所のギタリストを
         連れてきたようだな……
         ヘマしないようにな
         客どもが頭にきて暴れるからな」

岡本「なんだとこの野郎!」

スタジアムの男「へへ…まぁまぁ落ち着け」

スタジアムの男「決勝戦はダンジョン・マッチだ
          それぞれの入口から中に入り
          ダンジョンを通って真ん中にある
          ステージに向かう」

スタジアムの男「ダンジョンの中にはエフェクターが
          いくつか置いてある
          うまく拾えば有利に演奏できるだろう」

スタジアムの男「両方のギタリストがステージに上がったら
          本当の戦いの始まりだ
          客の投票が多かった方が勝ち…
          ルールはわかったな?」


たまき「はい!」

スタジアムの男「じゃあたまき、上に行け」

岡本「ここまで来たらもう何も
   言うことはねぇ!自分の力を信じろ!
   お前は上手い!おまえは勝つ!
   さぁ、行ってくるんだ!」

……
………

ワアアアアァァァァ……

アナウンス「本日のメイン・イベント!
      トーナメント決勝戦を行います!
      チャンピオンを争うギタリストは……
      キャサリン・サワコ!
      ……そして、たまき!
      READY! GO!」

キャサリン・サワコ「お前が………」

たまき(うっ……頭が……こんな大事な時に!!)

……
………

男「……彼女は君によく似ている……
  力もほとんど同じ……
  …彼女の名乗るべき名を
  決められるかね?」

たまき「はい、中野 梓です」

男「彼は梓と名乗るのか…なるほど……」

……
………

キャサリン・サワコ「ちょっと!聞いてるの!?
            スルーだけはやめて!こたえるから!!」

たまき「あ……」

キャサリン・サワコ「ふふふ…よくここまで勝ち上がってきたわね
            ほめてあげる……あなたの演奏を
            そして……
            悲しんでやるぜえええ
            貴様のラストステージを!」

ドラムのカウントが始まる……

たまきとキャサリンのアドリブバトル開始

キャサリン・サワコ「おおおお前ら会いたかったぜえええ」~~♪

ワアァァァァァァ

たまき(う・上手い!なんて正確な速弾きなの……)

キャサリン・サワコ「どりゃあああああ」~~♪♪

たまき(ライトハンドタッピング!!)

キャサリン・サワコ「ガギグゲゴガギ」~♪

たまき(歯ギター!!)

たまき「負けない……負けてられない!!」

たまき「感情を音で表現するんだ!!」

たまき「震えるぞハート!燃え尽きるほどヒートぉ!!」♪♪♪

……
………

アナウンス「結果発表!!889対956票で……」

アナウンス「チャンピオンが決まった!
       新チャンピオンは……
       たまきだ!!
       新チャンピオンは……」

キャサリン・サワコ「……あと1回勝てば……
            私はチャンピオンになって…
            センターへ行けたのに……」


―――新岡本事務所

岡本「まったくチャンプさまさまだなぁ
    ジムも立派になったし……  
    これからも勝ち続けて稼いでくれよ!
    勝ち続けりゃマダムからお声がかかって
    お屋敷に招かれて……
    うへへへ…マダム様……」

たまき(うぅ…昨日の岡本さんはどこへ……)

岡本「た、たまき!何見てやがる……」
    おう、お前だってセンター市民に
    なれるんだぜ!」

岡本「おっそうだ……お前宛に差出人不明の荷物が届いてたぞ」

たまき「荷物?」

……大事に使ってくれたまえ……

たまき(まさか……本当に!)


岡本「お前宛に荷物なんて珍しいことも……
    おい!それ……アームターミナルじゃねえか!
    お前戦士にでもなるつもりか!?」

たまき(夢じゃなかったんだ……)

岡本「……ん?
   おまえに客が来たみたいだな」

「新チャンピオンホークはここかぁ!?
 ……あんたがそうか!!」

「私は田井中 律!センターから来たんだ!」

たまき「田井中……律?」

たまき「占い師!!」

律「は、はい?」

岡本「センターから来た姉ちゃんが
   一体何の用だ?」

律「新チャンピオンにお願いがあって来たんだ!
  人探しの手助けをしてくれ!
  実は半年前センターで爆発事故が起きて……
  その時の大混乱で小さな女の子が
  1人行方不明になった……」

律「爆発事故は2人の科学者目加田と
  花田が起こしたらしいんだ
  2人とも事故の時に姿を消した……
  私はすぐに女の子を探したんだけど
  手がかりは全く無かったんだよ
  ただ、2人の科学者のうち
  花田の隠れ家がわかったんだ!」

律「それがヴァルハラのマダムの館
  チャンピオンはマダムの館に
  招かれるって言うじゃん!
  だから私も連れてってよ!
  他にマダムの館へ入る方法が無いんだ!!
  お願い!私も連れてってくれ!」


たまき「で、でも……」

律「もうあんたしか頼れないんだよ!お願い!」

岡本「女がこれだけ頼んでるんだ……
    聞いてやれや」

たまき「う、うん……わかった!律さん、一緒に行こ!」

律「あ、ありがとう!!」

岡本「お?また客が来たみてぇだな」


男「あなたが新チャンピオンの
  たまきさんですね
  私はマダムの使いで参りました
  マダムはぜひあなたにお会いしたいと
  申しております
  館までおいで下さい」

男「こちらがマダムからの
  ”招待状”でございます
  なお付き添いの方は1人までです
  悪しからず……
  ではヴァルハラ北東の
  マダムの館でお待ちしております」

岡本「どういうこった!?
   マダムの館には
   2人しか行けねぇってのはよぉ!!」

たまき「おおお岡本さん落ち着いて!」

岡本「まぁ約束は守らねぇとな……
   早ぇとこ2人で行ってきな」

……
………

律「さすがに道中丸腰じゃ危ないな……
  たまき!身を守る物を買いに行こう!」

たまき「了解です!50魔貨しかないけど……」

律「しょうがない……私が立て替えるよ……」

……
………

たまき「ど……どうかな?」

律「おーサマになってるじゃないか!」

たまき「でも…私銃なんて使ったことないよ……」

律「簡単だよ!ここをこうやって……」

たまき「ふんふん」

律「あとは狙いを定めて……」

たまき「ふんふ……」パーン!!

律「ぎゃああああ!!あ、危ねっ!!」

律「私を殺す気か!!!」

たまき「す、すびばぜん……」

……
………  

たまき「ねね、律さんってさ……」

律「ははっ、[律]でいーよ!
  さん付けで呼ばれるのには慣れてなくてさ」

たまき「ん~呼び捨てじゃ私もなんか恥ずかしいなぁ……
    じゃあ、律ちゃんって呼んでもいーぃ?」

律「律ちゃんか……好きに呼んでくれていいよ!」

たまき「えへ~、律ちゃーん」

律「な、なんか恥ずかしい……」

律(こんな普通の女の子が本当にチャンピオンなのか……?)

律(そしてなんでアームターミナルを……)

律「たまきはなんでまたヴァルハラで
  ギターなんか弾いてるんだ?」

たまき「ん~……わかんない!」

律「へ?」

……
………

律「そうか……じゃあ気付いたらヴァルハラにいたんだ……」

たまき「そうなの……このたまきって名前も岡本さんに
    付けてもらったんだぁ」

たまき「昔の事思い出そうとすると頭がキーンって痛くなって」

律「思い出せるといいな……昔の事」

たまき「うん……あっ!あれがもしかして!」

律「あぁ、マダムの館だ!間違いない」

門番「”招待状”を持っているな……
   あ、あなたが新チャンピオンのたまき様!
   さあ!エレベーターへどうぞ!」

律「す、すごい待遇だな……たまき?おい!」

……
………

男「彼女は…君の……なのだ
  …彼女にふさわしい名を
  付けてあげたまえ」

たまき「真鍋 和です」

男「和か……良い名だ……」

……
………

律「おい!…しっかりしろ!!」

たまき「ほぇっ」

律「急にぼーっとしちゃってどうしたんだよ!」

たまき「あ、ああゴメ~ン!」

律「さっ行こう!」


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最終更新:2011年07月30日 02:28