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―――マダムの館

執事「これは新チャンピオン様……
   よくいらっしゃいました
   マダムがお待ちかねです」

執事「マダム…ただいま新チャンピオンが
   いらっしゃいました」

執事の背後にあった緞帳が上がり巨大なモニターが現れ

煙草を燻らす女性の姿が映し出される


マダム「私はこのヴァルハラを治める者
     みなは私を”マダム”と呼びますわ
     私はヴァルハラの事全てを
     センターから任されていますのよ」

マダム「私達が開くコロシアムやカジノに
     人々は群がり……その場限りの快楽に
     身を委ねています
     そしてヴァルハラは平和に栄え
     人々は争う事もなく楽しむ……
     良い事ではありませんか
     私は今のヴァルハラは
     望ましい姿だと思っていますわよ
     これをご覧なさい」

モニターの映像がマダムから巨大な建設物へと変わる

マダム「これがミレニアムを管理し
   治めている”センター”ですわ
   センターはミレニアム全体の
   管理体制の強化を目論んでいますの
   しかし私はヴァルハラをこれまで通り
   自由なエリアにしておくつもりですわ」

マダム「…ところで困った事が起こりました
     私の所で使っていた科学者が
     逃げ出してしまったのです
     彼は魔界との入口を開けて地上に
     多くの悪魔を召喚するつもりですわ」

マダム「あなたを私の館に呼んだのも
     彼を探し出し、連れ戻してもらいたいから
     なのです……よろしいかしら?
     彼の名は花田……」

律「花田だって!?花田はここにいるんじゃなかったの!?」

マダム「そう…花田はスラム街に
     逃げたらしいのです
     頼みましたわよ、たまき
     ああ、そうそう……
     あなたに私のペットを
     貸してあげましょう」

マダム「ケルベロス、いらっしゃい」

たまき「うわわ!おっきい犬!!」

マダム「魔獣ケルベロスがあなたに
     力を貸します
     きっと役に立つでしょう
     ケルベロス……たまきに
     ご挨拶しなさい」

たまき「ねーねー律ちゃん立派な犬だねぇ」

ケルベロス「お前が新チャンピオンのたまきか」

たまき「うお!律ちゃん!犬が喋ったよ!これは一大事!」

ケルベロス「低レベルの人間は相手にしないが
       マダムの頼みだ……ついていってやるよ
       今後ともよろs」

たまき「よーしよしよし!お手!ワンちゃんお手!!」

ケルベロス「………」

たまき「あっおやつに食べようと思ってた干し肉!食べる?」

律「おいたまき…いい加減に」

律「あ、食べた」

律「お手どころかチ○チンまで……」

マダム「では頼みましたわよたまき」


―――スラム街

ケルベロス「そっちじゃない!右だ、右へ行け」

たまき「へーい……」

ケルベロス「お前真性の方向音痴だな」

たまき「う…(図星)」

ケルベロス「右へ行って奥の階段だ!
       この下の階から匂ってくるぞ」

律「使えるナビだな!」

たまき「ケルナビだね!」

ケルベロス「貴様ら……」

ケルベロス「この部屋だ、この部屋に花田がいる」

律「花田……たまき!行こう!」

……
………

花田「貴様ら!ここは大天才科学者
    ドクター花田様の研究所だ!入るな!
    今大事な所なのだ!」

律「花田!お前をセンターに連れ戻す!」


花田「おれのような大天才はだな
    自由に研究させるべきなのだ!
    センターの奴らもマダムのババアも
    そこが全くわかっとらんから俺は
    1人で研究する事にしたのだ!!」

花田「魔界へのトンネルができたのだぞ!
    今までの面倒なやり方はおさらばだ!
    これからは悪魔を呼び放題!」

たまき「ええ!?」

花田「まずは次の品々を揃える
    最初に”わらうにんぎょう”
    つぎに”なくにんぎょう”
    さらに”おこるにんぎょう”
    そして最後に”おどるにんぎょう”
    この霊力に満ちた4体を現界と
    魔界が近づいている場所に置く……
    そうすれば魔界への入口が開くのだ!
    見よ!!」

魔界の入り口が開く……

花田「さあ、メルクリウスよ!
   俺の邪魔をするこいつらを
   殺してやれ…れれれ…
   こここ……
   …殺すのは…俺じゃ…ないよ…」ドサッ

悪魔の姿が具現化していく

ケルベロス「ふん、相手してやるか」

たまき「ひ、ひええええ」

律「たまき、下がってろ!!」パン!パン!

律「しまった!外したか」

律「たまき!!危ない!!」

メルクリウスはたまきめがけて猛然と突進する

たまき「きゃあああ!!……あ」

たまき(頭が……)

……
………

気が付くと私はアタックナイフを手にして

立ち尽くしていた

目の前には

八つ裂きにされたメルクリウスの死体……

ケルベロス「こりゃ驚いたな」

律「たまき……お前……」

たまき「へ?……きゃあっ!!」カランッ

たまきは何色ともとれぬ血液が付着したナイフを投げ出す

律(なんだあの尋常じゃない戦闘能力は……)

ケルベロス「なかなかやるじゃないかたまき……
        気に入ったぞ」

たまき「私……私……!?」

律「と、とにかく無事で良かった!」

祭壇には花田が使用した4体の人形があった

律「この人形は回収しよう!誰かがまた変な気を起こしても
  困るからな」

たまき「そ、そうだね!」


―――マダムの館

執事「お待ちしておりましたたまき様……
    ただいまマダムをお呼びします」

ケルベロス「ではお別れだ
        花田は連れ戻せなかったが
        おまえなかなか強かったな
        気に入ったぜ……
        いずれまた会おう」

ケルベロスは去って行った

マダム「たまき、ご苦労さまでした
     あなたなら花田を連れ戻して
     くれると思ったのに…残念だわ」

マダム「ところであなたにお客様が
     いらしてるの
     センターからの使いの方よ」

たまき「お客??」

?「君が新しくチャンピオンになった
  たまきか……
  思い出すんだ!自分の名前を!
  君の名は……」

……
………

男「……目覚めたか……
  君が神の僕となるか…
  悪魔の手先となるか…
  これは大いなる”賭け”だろう
  全ての人間の未来をかけた……
  では君の名を自分の意のままに
  名乗るがいい」   

「ユイ……ヒラサワ」

唯「平沢……唯です」

男「唯か……良い名を選んだな…ふふふ」

……
………

?「……唯!
  どう?思い出した?
  唯……私は秋山 澪
  ずっと…君を探していたんだ」

澪「元々君はセンターの人間なんだよ、唯……」

唯「私が……センターの人間?」

律「な、なんだってえ!?」

澪「そして律……
   あなたにもセンターへ戻れという
   命令が出ている
   2人ともすぐセンターに来てもらいます」

マダム「驚いたわね……
     あなたがセンター市民だったなんて……
     それならわざわざスタジアムで
     バカな真似ををしなくてもよかったのに」

マダム「あなたはこんな所にいる人ではないわ
     さあ、早くセンターへお行きなさい」

たまき、いや、唯は自分の名前を思い出した

だが、蘇った記憶は完全ではなかった

唯は失った記憶の断片を求めるかのように

センターへと向かう


第一章 キヲクノカケラ! 完



―――センター管制室

律「司教!戻って参りました」

司教「2人揃って来ましたね
    2人共帰ってきたと言うべきですか」

唯「帰ってきた……」

唯はその言葉に違和感を覚えた

司教「とにかく無事で何よりです
    この”市民IDカード”は
    唯、あなたの物です
    やっと本来の持ち主に渡せます」

律「良かったな唯!これで晴れてセンター市民だぞ!」



第二章 ワタシハメシア!?


司教「さて、律……
   輝けるテンプルナイトが勝手に
   センターの外へ出てはいけませんね
   奥でわけを聞きましょう
   誰かヒロコを連れていって
   あげなさい」

律「!?ちょ……やめろっ離せ!」

唯「律ちゃん!」

律「唯!!…いろいろ助けてくれてありがとう!
  女の子が見つけられなくて残念だけど……
  いつかまた会えたらいいな!」

テンプルナイト「ほら、行くぞ!」

律「うるさいな!わかってるよ!」

律はテンプルナイトに連行されていった


司教「唯よ……よくぞ戻ってくれました
    あなたはセンターからさらわれた時
    目加田に記憶を消されました
    本来自分が行うべき事もあなたは
    覚えていないようです」

唯「さらわれた?行うべき事??」   

司教「唯、あなたは救世主となるのです
    メシアとなる定めを背負って
    生を受けたのです
    あなたの素晴らしい力は
    人々を救うためにあるのです」

司教「我々はかつてトウキョウと呼ばれた
    この地に”ミレニアム”を作りました
    荒れ果てた世界で人々を救うため
    人々が永遠に平和な日々を送れる
    千年王国を現実のものとするために……
    そして我々のミレニアムが
    真の千年王国となるためには
    我々を導くメシアが必要となりました」

司教「そこへ生まれてきたのがあなたです
    あなたこそ神が救世主として
    我々につかわされた御方なのです
    神はまたメシアたるあなたにふさわしい
    パートナーもつかわされました」

唯「私が……嘘……」


司祭「和…お入りなさい」

唯「!?」


和「お帰りなさい、唯……
  と言ってもあなたは覚えていないのね」

唯「うん……何が何だか」

和「かわいそうに……
  でもこれからは私がついていて
  あげるわ
  少しずつ思い出していけばいつか
  元の唯に戻れるはず……」

唯「あ、ありがとう」

司教「唯よ……
    ホーリータウン・エリアで大変な事が
    起こっています
    キングフロストがエリア全てを凍らせ
    バジリスクが毒ガスを撒き散らし
    多くの人々が死んでいます
    ホーリータウンを人々をお救い下さい
    センター西の入口から
    ホーリータウンに入れます」

……
………

和「唯、名前以外に何か思い出した?」

唯「んーとね……よくわかんない」

和「悪魔との戦い方は?」

唯「私今まで戦ったことなんか……あ!」

唯「スラム街で悪魔にやられそうになって……
  もうダメだ~!って思ったら頭がボーっとして
  気が付いたら私…悪魔をやっつけてたみたい……」

和「そう……(戦闘能力は失ってない…か)」

唯「あとは……アイスが好き!」

和「ふふ……それは変わってないのね」

唯「そうだ!ちょっと寄りたい所があるの!」


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最終更新:2011年07月30日 02:31