梓「そういえばここに来る途中に
  神社みたいな建物がありましたね!」

律「時間に余裕も無さそうだ……手分けしていこう!」

唯「おぉ~!!」

律「じゃあ六本木で落ち合おう!!」

梓「みなさん気を付けて!!」

唯「急げや急げ~」

律「おい、唯……」

唯「はーーい?」

律「ほこら……あっちだぞ」

唯「あ…あはははは」

律(大丈夫か……)



第九章 ホンソウ!!


―――コトシロヌシの祠

律「まずはあそこだな!」

律(こんなちっちゃいほこらに国津神がいるのか?)ギィ……

律「うわわ!?吸い込まれ……」

律「……って……おぉ!?」

そこには国津神 コトシロヌシをかたどった

石像があった

―――コトシロヌシは石にされ封印された―――

律「ひ、ヒルコの声!?」

―――石の封印を解いてくれ―――

律「と、解いてくれって……」

律(ど、どうしよ……)

律「あ!!そういや石化を治す魔法があったな!」

律「なんだっけ……ああああちゃんと覚えときゃよかった……」

……よって、これが石化を治す魔法、……だ……

……田井中!聞いてるのか!……

……だ、大丈夫でーすっ………

律「たしか……パ……いや違うな……」

律「ポ……?」

律(うむむむむむむ)

……石化を治す魔法、…トラディだ……

律(思い出した!!!)

律は恐る恐るコトシロヌシの石像に両手をかざす

律「ペトラディ!」

律(………)

律「お??」

石化したコトシロヌシの体が徐々に元の色を取り戻していく

コトシロヌシ「う……うぬぬ……」

コトシロヌシ「そなたが石化を解いてくれたのか?
       礼を言うぞ」

律「あ、あの!!ヒルコから頼まれて将門公の体を……」

コトシロヌシ「ヒルコから?そうか……その時がきたか……
       わかった、公の胴体をやろう」

律(ひぇ……えっ、こんなに小さいの!?)

コトシロヌシ「将門公を頼んだぞ……」

……
………

律「あれ……外?
  今ほこらにいたはずなのに……」

律「なぁ!!これって……」グッ

律「あれ、開かない……」

律「まぁいいや!次だ次!!」


―――オオナムチのほこら

梓「あったあった!あの建物だ!!」

……すぐに立ち去れ……

梓「!?……誰!?」

バフォメット「すぐに立ち去れと言ったのだ……」

バフォメット「さもなくば黄泉の国でヨモツシコメと
        デートさせてやるぞ」

梓「遠慮したいですね!」

バフォメット「そうか……ならば生かしては帰さん!!」

堕天使 バフォメットが 一体出た


バフォメット「貴様、俺に勝てると思うのか?」

梓「それはこっちのセリフです!!」チャキッ

梓「でやああああ!!」

スッ

ガシッ

梓「!?」

バフォメットは梓の一撃を腕を掴み止めた

梓(ち、力が抜ける……!?)

梓「は、離して!!」バッ!

バフォメット「ふん……貴様の力、吸い尽くしてくれる」

梓(……一か八か…)

バフォメット「ザンマ!」

キイイイィィィ…… ボゴォ!!

梓「くうぅっ!!」

バフォメット「捉えた……」

ガシッ

梓「………」

バフォメット「ふふふ……このまま黄泉の国へ堕ちよ」

梓「………かかりましたね」

バフォメット「!?」

梓「この至近距離なら!!」

梓は刀に一点の力を込める

梓「冥界波ああああ!!!」

バフォメット「しまっ……!!」

……
………

オオナムチ「奴を倒したのか……ご苦労だった
       ヒルコから話を聞いたのだな?」

梓「はい!」

オオナムチ「ではこれで何をすればいいかはわかってるな」

梓「これが……将門公の……」


―――サルタヒコのほこら

律「唯と梓…大丈夫かな」

律「きっと大丈夫だよなっ!」ギィ…

サルタヒコ「………」

律「あの~……」

律「ヒルコに頼まれて将門公の……」

サルタヒコ「……渡さん………」

律「へっ……」

サルタヒコ「これは渡さん!誰にも渡さん!
       絶対渡さん!」チャキッ

サルタヒコ「うおおおおおお!!」

律「うわわわわ!!」


国津神 サルタヒコが 一体出た


サルタヒコ「だあっ!!!」バゴーン

律「危ねっ!!おい!!やめてくれ!!」

サルタヒコ「渡してなるものか!!!」

律(話して通じる相手じゃなさそうだ……)

律「しゃーないなもう~!!」

律「燃えろ!!マハラギ!!」

ゴオオォォォ

サルタヒコ「ぐうっぬおおお」プスプス

サルタヒコ「だああああ!!」ブン

律「まだまだぁ!!」パチ…パチ……

律「ジオンガ!!」

バリバリバリ

サルタヒコ「がああ……!!」

サルタヒコ「………ぬああっ!!」ブンッ

バゴッ

律「いっ……てえええ」

律「可愛い乙女の顔に傷付いたら
  どう責任取っちゃられらっ!!」

律の鉄拳パンチ!!

サルタヒコ「ぐわっ」

……
………

サルタヒコ「」

律「はぁ…はぁ……」

サルタヒコ「はっ!私は……何をしていたのだ……」

律「正気に戻ったかよ~?」

サルタヒコ「そうか、そなたがわたしを……」

サルタヒコ「!?なぜ公の胴を持っている!」

律「これから将門公を復活させるのさ!」

サルタヒコ「おぉ……ついにこの時が!!」

サルタヒコ「では…これを持って行け」

律は公の左腕を受け取った

律「よし!次ぃ!!」


―――オオヤマツミのほこら

梓「な……」

梓「なんでこんなに中が広いの!?」

梓「これじゃまるで迷路……」

「とっとっと!!」

「梓!」

梓「え…律先輩!!」

律「お前もこのほこらに来てたんだな!」

梓「はい!」

律「うわぁ~なんだここは……」

律「おーーーーい誰かいるかぁ~!?」

律「……」

梓「……」

律「おーーーーーーい!!!」

……助けてくれ~ぃ……

律「お!!誰かいるみたいだ!!」

律「行くぞ梓!!」

梓「り、律先輩!!ちゃんと来た道……」

梓「ま、待ってくださいよ~!」

……
………

律「おーいどこだー!?」

「こっちじゃこっち!」

律「こっちってどっち……あっいた!」

オオヤマツミ「おお、そこの者!助けてくれ!
        迷って出られないのだ……
        連れていってくれ…頼む……」

律「こ、ここあんたのほこらじゃないのか?」

オオヤマツミ「気晴らしに散歩しとったら
        帰れなくなってしもた」

律&梓「………」

……
………

梓「律先輩……一応聞きますけど」

律「な、なんだよっ……」

梓「来た道……覚えてます?」

律「も、もっちろん!!こっちだ!!」

梓「行き止まりじゃないですか」

律「………スマン」

梓「だから言ったのに~~~!!」

律「大丈夫!!こういう時は野性の勘を頼りにだな!」

梓「何言ってんですかもうっ!」

……
………

律「な、なんとか……」

梓「戻ってこれましたね……」

オオヤマツミ「いやぁ~助かった!!ではこれをそなたらに
        授けよう!」

律と梓は公の右足を手に入れた

律「胴体に両腕に右足……と」

梓「あとは左足と頭だけですね!」

律「唯……大丈夫かな……」


―――スクナヒコナのほこら

唯「え!?なんでこの階はアームターミナル使えないの~!?」

唯(もっと早くにケルベロス呼んでおけばよかった……)

唯「うぅ……どっちに行けば……」

唯(これは……迷子ってやつでしょうかあああ)

唯「こっちかな……いや、こっち?」

唯「うぇぇぇんもうやぁだ~~!」

……
………

唯「また行き止まり……」

唯(戻るか……)

「貴様、何者だ」

唯「ひゃあ!!……誰もいない」

「ここじゃ」

唯「え?え?」キョロキョロ

「ここじゃと言っておろう!」

プスッ

唯「い!!!ったーーーい!!」

針のようなもので刺された感触が

唯の太ももに伝わる

唯「へ………えぇ!?ちっちゃ」

視線を落とすとそこには

唯の足首くらいまでしかないであろう

小人がいた

「無礼な!!」

……
………

「私はスクナヒコナ……どうやら邪悪のものでは
 ないようだな」

スクナヒコナ「実はここに閉じ込められてしまい
     困ってるのだ……
         私を外まで連れて行け」ピョンッ

そう言うとスクナヒコは唯の肩に乗る

唯「あの……」

スクナヒコナ「なんだ」

唯「私も……迷っちゃったんですけど」

スクナヒコナ「………」

……
………

唯「」ぜーぜー

スクナヒコナ「外に出られたな」

スクナヒコナ「これしきで音を上げるとは情けない……」

唯「私の…肩に……乗ってただけだったくせに……」ぼそっ

スクナヒコナ「なんだと」プスッ

唯「あいた~~!!何でもございませぬぅ!!」

スクナヒコナ「ならよい」

律「おーーい唯!!」

梓「唯先輩!!」

唯「りっちゃん!!あずにゃん!!」

唯「よくここにあたしがいるってわかったね!」

律「残るはこのほこらだけだからな!」

唯「えっ、じゃあ後は全部?」

梓「集めましたよ!」

スクナヒコナ「そうか…そなたらは将門公を
        復活させるのであったな」

スクナヒコナ「礼を言うぞ唯とやら…これを収めよ」

唯「ありがとうございます!」

唯は公の左足を手に入れた

律&梓「え……?」

……
………

唯「足りないって何が~?」

梓「頭です!」

律「ほこらはこれで全部のハズなんだ!」

唯「ということは……」

唯「ど、どこにあるんでしょう?」

律「知るかー!」

梓「困りましたね……」

唯「あずにゃんあたし疲れたよぉ~……」

梓「せ、先輩!もたれかかたないでください!」

律「地下にはないってことはミレニアムか!?」

梓「でもヒルコさんは地下に散らばったって……」

唯(地上……地下……)

唯(地上の……地下?)


……さっき へんな なまくびひろった……

……ぶきみ うれない おまえら いるか?……


唯「あーーーーーーー!!!」

梓「に゛ゃあああぁぁぁ!?」

梓「唯先輩耳元で叫ばないでくだ……」

唯「ホーリータウンだぁ!!」

梓「はい?」

律「唯、心当たりあるのか!?」

唯「うん……首を拾ったって人がいたの!」

律「……行ってみよう!!」


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最終更新:2011年07月31日 00:47