―――ホーリータウン 大教会

唯「おじさん!!」

住民「なんだ? このくび ほしいのか? ほしいのか?」

唯「どうしてもそれが……むぐぐ」

律(バカ!唯!!私にまかせろ)

律「なぁおっちゃん!それ、処分に困ってるんだろ?
  私達が引き取ってやってもいいぜー?」

住民「いい つぎの なまごみのひ だす」

律「ば……やめろ!」

住民「? ………」

住民「20000魔貨で どうだ」

律(金取る気かこのオッサンはぁ~!)

律「ちょ、ちょっと待ってくれ」

律(おい!唯いくら持ってる?)

唯(………魔貨)

律(ゲッ……梓は!?)

梓(……魔貨です)

律(でかした梓!!)

住民「いる いらない はっきりしろ」

律「8000魔貨だ!」

住民「すてるか」

律「ああああ9000!!」

住民「10000だ」

住民「10000魔貨で うってやる」

律「わ、わかったよっ!ほら」

律(くぅ~~!!)

じゅうみん「くび おまえに わたす ありがと」

……
………

律「これか!」

梓「ぽいですね」

―――揃えたようだな―――

律「ヒルコ!」

―――公の体を一つにするのだ―――

―――ロッポンギの邪教の館へ行け―――

梓「ようやくこれで……」


―――邪教の館―――

館の主「何と!!将門公の体が全て
     揃っているではないか!!
     ぜひ合体させてくれ!!」

館の主「合体で将門公を復活させられるとは
     合体師冥利に尽きるというもの
     頼む!!この通り!!」

唯「む、むしろこちらこそお願いします」

将門の体が合体装置に収められる

館の主「おお……そなたらもしかと見届けるがよい!
     ……将門公復活の瞬間を!!」

唯「………」

ゴポポポポポポ……

将門公の体が徐々に消えていき

中央にある魔法陣が輝き始めた……

カッーーーーーー!!

律「うわぁっ!!」

……
………

将門「我は…平 将門……なるぞ……」ブルブル

律「な、なんか様子がおかしいぞ?」

将軍「ぐは……苦しい……なんだこれは……」ガクッ

唯「!?」

館の主「か、体はできたが……
     まだ何か足りないのではないか?」

律「えええ!?」

梓「と、とりあえずヒルコさんの所へ連れて行きましょう!」

将門「」

律「いいか?担ぐぞ!!せーのっ!!」


唯達の手によって

平の将門は再びこの世に舞い戻ったかに見えた……

しかし平 将門は復活を遂げた直後に倒れてしまう

一体何が足りないというのだろうか……


第九章 ホンソウ!!  完



律「はぁ…はぁ…ヒルコはいる!?」

ミュータント「なんと……」

ミュータント「ヒルコ様!!将門公が!将門公が!!」



第10章 ウタノキモチ!


ヒルコ「よくぞ将門公の体を集めてくれた……」

将門「」

唯「で、でもこれじゃ…」

ヒルコ「将門公を復活させるには……
     実は私が持っている公の御霊がいる」

律「な……それを早く言ってくれよ!!」

ヒルコ「だが……将門公の御霊は今も眠りつづけておる」

ヒルコ「私達が何度呼びかけても
     魂は目覚めてくれぬ……」

梓「そんな……」

ヒルコ「昔…一度だけ将門公の御霊が反応を示したことがあった」

律「なんだ!?」

ヒルコ「……[歌]だ…一度だけアマテラスの歌声が地下世界に
    聞こえたことがあった……」

ヒルコ「気持ちが込められた歌声に御霊が震えたのだ」

唯「…………」

ヒルコ「歌なんぞ……古の昔に忘れてしまったよ…」

すうーっ

唯「いま―わたしの― ねがいごとが―」

律「ゆ、唯?」

唯「かなうならば―つばさがほしい―」

梓「………」

ヒルコ「なんと……綺麗な歌声じゃ……」

―――この背中に 鳥のように―――

―――白い翼 つけてください―――

……
………

ドッ…クン…   ドックン……

律「!!」

梓「御霊が!!」

ヒルコ「おお…将門公よ……」

ヒルコ「将門公の身体に御霊を入れて
     公は復活する!」

ヒルコ「今すぐ御霊を入れよう」

……
………

将門「…ぬ……」

将門「おおっ……我が身体の隅々に
    力がみなぎってくるぞ……」

ヒルコ「将門公が復活された……」

将門「ヒルコか?我を再び蘇らせたのは?」

ヒルコ「公よ、ここに控えし
     唯達が働きによるものだ」

唯「あ……えへへ…」

律「どーもどーも……」

将門「そうか……そなただな?歌っていたのは?」

唯「あ……はい!」

将門「心の隅々まで染み渡ったぞ……」

将門「唯とやら……礼を言う
    …ところでヒルコよ
    急がねばならぬのであろう?」

ヒルコ「ただちに封印の岩戸へ参ろう」

ヒルコ「唯達も来るがよい」

唯「は、はい!」

……
………

……ま、将門公!!!……

……おお……ついに復活された!!……

……トウキョウに光あれ……


―――封印の岩戸(旧皇居)

ヒルコ「公よ、ここを開けて下され」

将門「承知した……」

将門が岩に手をかざすと

将門の体からまばゆい光が放たれる


ゴゴゴゴ……


ヒルコ「さぁ…天津の神々よ!出てくるがよい!!」

将門の力により洞窟を塞いでいた岩はどかされ

中から次々と天津神が顔を出す

タヂカラオ「いやぁかたじけない
       わしの力も役に立たず 
       みすみす封印されたのは情けなかった」

タケミカヅチ「おのれ!!
        このわしをたばかって封印した奴に
        目に物見せてやる!そこをどけい!!」

律「おわぁっ!!」

タケミカヅチは走り去っていった……

ヒルコ「残るは最後の一人……」

アマテラス「わらわの封印を解いてくれたのか?」

アマテラス「はっ……ヒルコ……」

ヒルコ「アマテラス…やはり
     そなたは光り輝いておる
     光が無くてはこの世は闇…」

アマテラス「ヒルコよ……そなたも
       苦しんだのだな……我々の封印まで
       解かれるようその者たちに頼むとは……」

アマテラス「そんな力を持つ人の子とは一体何者じゃ?
       唯、律、梓……
       今のそなたたちこそ光り輝いて見える
       重ねて礼を言うぞ」

アマテラス「ではヒルコよ…共に参ろう
       我らの傷ついた身体を癒すため
       あの金剛神界へ……」

……
………

将門「どうやら私の仕事はすんだな
   しかし復活したばかりの私には
   ちとこたえたぞ……」

将門「だが身体を取り戻してくれた
    唯達に改めて礼をしたい……
    二つの品をそなたに授けよう」

唯「えっ…コレ…もらっていいんですか!?」

唯達はたいようのピラーと将門の刀を受け取った

将門「では私もしばしの間
    金剛神界で休ませてもらうとしよう…さらばだ」

……
………

梓「みんな行っちゃいましたね……」

唯「これで…少しはトウキョウも良くなるのかな!?」

律「だといいな!」

律「さて……と…六本木にでも戻るか!」

唯「私お腹空いちゃったよ~!!」

梓「唯先輩……お金持ってるんですか?」

唯「あ……」

律「私達首を買ったせいでスッカラカンだろうが!!」


―――六本木

ルイ・サイファー「おや、ユイ・ヒラサワ……奇遇だね」

唯「な、なんでここに!?」

ルイ・サイファー「かの平 将門公が復活されたと聞いてね」

ルイ・サイファー「そうだ…地上ではミオ・アキヤマが
          動き回っているようだな」

唯「澪ちゃん……」

律「そうだった……あいつ、大丈夫かな」

ルイ・サイファー「ファクトリーで何か問題が起きたらしいが」

律「なんだって!?」

梓「唯先輩!」

唯「律ちゃん!!ファクトリーに行こう!」


―――ファクトリー


……~♪……

唯(やっぱり歌が聞こえる!!)

澪「唯!律!!来てくれたか!」

唯「澪ちゃん!!」

澪「えっと……そちらは…?」

梓「あ!な、中野 梓です!!」

律「こっちも色々あってな……
  一緒に戦ってくれる仲間だ!」

澪「そうか!よろしくな、梓!」

澪「みんな聞いてくれ……ここはセンターが
  ファクトリーなんて言ってるが実は……
  強制収容所なんだ!」

唯「うそ!?」

律「ど、どういうことだ……」

澪「入れられた人はみんな死ぬまで
  働かされている
  何とかしなければ犠牲者は増えるばかり……」

澪「あそこを見てくれ」

唯達は澪が指差した方角を見た

唯「あの建物……」

澪「監視塔だ……
  そこにきっと何か原因があるはず!」

澪「一緒に来てくれ!」

……
………

澪「妙だな……見張りがいない……」

律「チャンスじゃないか!正面突破しちまおうぜ~!」

澪「あ、あぁ……」

……~~♪……

唯(この塔から……歌が聞こえる?)


―――監視塔

梓「誰もいませんね……」

澪「静かすぎる……」

澪「……!!……出てこい」

「ハッハッハ……」

ベルフェゴール「良く分かったな」

律「監視塔に悪魔!?」

ベルフェゴール「残念だがここを通すわけにはいかん」

ベルフェゴール「おとなしく死ね!!」


魔王 ベルフェゴールが 一体出た


唯「いくよ……坤竜丸」スラァ

……出番か……

……いいだろう……

澪「くそっ!こんなトコで!!」

ベルフェゴール「うりゃぁ!!」ブン!

唯「ぐっ……」ガキィッ

律「ザンマ!!」

キイイイィィィ 

ベルフェゴール「そうはいくか!」サッ

ボゴォ

律「澪!!今だ!早く行け!!」

唯「あたしたちが何とかするから行って!」

澪「みんな……すまない」ダッ

ベルフェゴール「一匹逃したか……」

律「お前の相手はあたし達だろ?」

唯「あずにゃん」チャキッ

梓「はい」チャキッ

唯梓「だああああ!!」

……
………

澪「はぁ……はぁ……」カンカンカン

……~~♪……

澪「これは……」

……
………

律「もうすぐだ!!」カンカンカン

澪「唯達か!?」

唯「!!……澪ちゃん!!」

澪「こっちに来てくれ!!」

唯「これが……原因?」

そこには妖鳥 セイレーンが牢屋にいた

扉はすでに澪の手によって開けられていた

しかしセイレーンななおも悲しげな歌声で歌い続ける

澪「やめろ!歌うのをやめてくれ!!」

~~♪

澪「どうしたらいいんだ!?」

唯「あきらめよう……」

澪「な……!?」

唯「あ、いや……あんなに我を忘れるほど歌うなんて……
  きっと何かあるんだと思う」

唯「人の心を奪うくらいの悲しい歌……」

梓「どうします?」

澪「しょうがない……一旦ホーリータウンに戻ろう」


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最終更新:2011年07月31日 00:49