主人公 梓 手持ちポケモン ゆい ハッサム
あらすじ(念のため)
ポケモンマスターになることを夢見て、律、澪、ムギとともにオーキド博士の助手として、勉強し、
いざ出発の日になり、本来なら、ヒトカゲ、フシギダネ、ゼニガメ、ピカチュウから好きなのを1匹
もらえるはずだった。しかし、たまたま、研究所の前で行き倒れてたところを保護されてたゆいが
梓を逆指名。周りに流されたこともあり、梓はゆいを選び、律はヒトカゲ、澪はゼニガメ、ムギは
フシギダネを選び、旅が始まる(ピカチュウは梓がゆいを選んだことで、本来、選ぶべき、3匹のみ
とするため、選択肢から除外)。トキワでは、ゆいが前に助けたハッサムがゆいに恩を返すために
仲間となる。
「戻れ、ハッサム」
「くっ、君は強いな。ほら、500円だ」
「どうもです」
しかし、不思議なシステムですね。ポケモンバトルに勝つとお金がもらえるんですから。まあ、
負けたら、お金を払うんですけど。
「また勝ったよ、あずにゃん。今ので、5000円貯まったよ。これも、私のおかげだね」
「戦ってたのは、ハッサムですけどね」
「ハッサムは私のおかげで仲間になったんだから私のおかげだよね」
「まあ、そうですけど。ゆい先輩は戦わないんですか?」
「私はいいんだよ~」
「強くなれませんよ」
「私はあずにゃんのそばにいることができればいいんだよ。それに、私は戦わなくても強いよ」
「自信がないって、言ってませんでしたっけ」
「そうだっけ?」
今、私たちはトキワシティを出発し、トキワの森といわれる所にきています。ここを抜ければ、ニビシティなんですけど…。
「不気味な森ですね」
「そうだね。早くここを出て、次の町で美味しいもの食べたいよ~」
「それは別にいいんですけどね」
まあ、早く、この森を抜けませんと、野宿になっちゃいますから。
「早く、行きましょう、ゆい先輩。……あれ?ゆい先輩がいない」
さっきまで、ここにいたはずなのに。
「どこに行ったんだろう?」
辺りを見回してみます。あ、あそこに何かと一緒にいます。あ、あれって。
「いや~、君は可愛いね~」
「キャタ」
キャタピーです。ここには、虫ポケモンが良く出るって聞いたけど、うぅ~気持ち悪いです。
「
この子、可愛いよ~。仲間にしようよ、あずにゃん」
「絶対に嫌です」
このままじゃ、虫タイプしかいないメンバーになっちゃいます。
「絶対に嫌だって。ごめんね、あずにゃんがひどいこと言って」
「キャタピ(あれくらいの年頃の女の子は私を嫌うものですよ。気にしないで下さい)」
「嫌われることになれちゃ駄目だよ。あずにゃんは私が説得するよ。あずにゃんは私がお願いすれば、聞いてくれるから」
「キャタピ(いいんです。そもそも、私はあなた方の仲間にはなれないのです)」
「どうして?」
「キャタピ(私には将来を誓い合ったキャタピーがいて、バタフリーになったら、一緒に子供を作ろうって、約束しているのです。だからこの地を離れるわけには行かないのです)」
「そっか。なら、仕方がないね。ところで、その子って可愛い?」
「キャタ(それはもう)」
「うんうん。その子を大切にしなきゃ駄目だよ」
「キャタピ(もちろんです。あなたにもそういう人がいるのですか?)」
「もちろんだよ。あそこにいる可愛い女の子がいるでしょ。名前はあずにゃんっていうんだよ」
「キャタピ(なるほど、あなたと彼女はとってもお似合いですね)」
「えへへ~、ありがとね~。お礼にクッキーをあげよう」
「キャタ(できれば、葉っぱのほうがいいんですがね)」
「それは残念だね。美味しいのに。ちょっとだけでも駄目かな?」
「キャタ(残念ながら、虫なので)」
「そっか。虫も大変だね」
「キャタ(慣れればいいものですよ)」
「でも、虫になったら、あずにゃんに嫌われちゃうからな~」
「キャタ(それは仕方がないことですよ。……む、逃げた方がいいですよ)」
「どうして?」
「キャタ(それは……、あぶない!)」
「危ないです、ゆい先輩!」
「えっ…。わっ!?」
ゆい先輩はキャタピーに体当たりされて飛ばされました。ゆい先輩がいた場所には、鋭い槍
みたいななにかを地面に刺している黄色と黒のあれは……。
「スピア」
「スピアー?!何で、急に」
「キャタピ(ここら辺はスピアーのテリトリーなのです。では、私はこれで)」
「あ、逃げないでよ」
「スピア」
地面から、針を抜き、再び、ゆい先輩に襲い掛かろうとしています。……このままでは!?
「…くっ。いけっ、ハッサム」
「ハッサム」
「バレットパンチ!!」
ハッサムの攻撃で、スピアーは吹っ飛んでしまいました。
「スピア」
スピアーは勝てないと思ったのか、方向を変えて、逃げ出しました。ふう~、危なかったです。
「大丈夫ですか、ゆい先輩」
「わ~ん、怖かったよ~、あずにゃ~ん」
ぎゅっと、ゆい先輩が抱きついてきます。
「怪我とかはありませんか?」
「うん」
「そうですか。それはよかったです。それにしても、良くやってくれましたね、ハッサム」
私はハッサムの頭を撫でます。スキンシップは大事だって博士も言ってましたし。
「また、よろしくね。戻れ、ハッサム」
「ジー」
「ん?どうしたんですか、ゆい先輩」
「私も撫でていいよ、あずにゃん」
「? どうしてですか」
「サムちゃんをゲットできたのは私のおかげなんだよ。つまり、サムちゃんが活躍できたのも、私のおかげなんだよ。だから、褒めてもいいんだよ~」
ドキドキ。きっと、このあとのあずにゃんは……。
『それもそうですね。撫で撫でしてあげます』
『わ~い』
えへへ~、こう考えるのはちょっと都合がよすぎるかな?でもでも、それくらいなら、望んでもいいかな?
「ゆい先輩」
「ん、な~に~?」
さあ、いつでも褒めていいよ~。
「駄目ですよ、人(?)の手柄を横取りしちゃ」
「
えっ?!」
ちょっと、想像と違うよ。
「
ハッサムをゲットできたのは、確かにゆい先輩のおかげですけどね。でもこのハッサムが活躍
したのはこの子の力なんですよ。だいたい、ゆい先輩は助けてもらったんですから、ちゃんと
お礼を言わないと」
確かにあずにゃんのいうとおりだね。反省しよう。
「大体、ゆい先輩はボーっとしすぎなんですよ。キャタピーなんかに助けられるなんて。だいたい、ずっと、戦わないでいるから、こんなことになるんですよ」
「む、そこまで、言うことないんじゃないかな。私はとっても、強いんだよ」
「トキワシティにいた時は自信はないって言ってたじゃないですか」
「そ、それは、そうだけど。私だって、ゆいちゃん真拳を使えば、とっても強いんだよ!」
「じゃあ、どうして使わないんですか?」
「うっ……、それを使うと、私の大切なものがなくなっちゃうんだよ」
「口では何とでも言えますよね」
「……うぅ~」
「さて、時間もなくなっちゃうし、そろそろ出発しますか。ん?どうしたんですか、ゆい先輩」
「……」
「あの、どうしたんですか?……もしかして、怒ってます? すいません、少し、言い過ぎましたね。ゆい先輩はいてくれ…」
「……分かった」
「はい?」
「分かったよ、あずにゃん。私がすごい役に立つってことを証明してあげるよ」
「はい?いきなり何を……」
「待ってて。今、私がすごいポケモン捕まえてくるから」
「あ、ちょっと待って下さい」
私はあずにゃんが止めるのを聞かずに駆け出す。なんとしても、すごいポケモンをゲットして
あずにゃんを見返して、あずにゃんに褒めてもらうんだ。
「行っちゃった。……どうやって、ポケモンをゲットするんでしょう?モンスターボールも持って
いかないで。まあ、ボールを持ってても、ピカチュウくらいの大きさのゆい先輩じゃボールを持つ
のも無理でしょうけど。はあ~、今日はこの森で野宿になりそうですね」
とりあえず、テントでも建てとこうかな。あ、後、今日の夕食は何にしよっかな。
勢いよく出てきたはいいものの、これからどうしよう。
「もう疲れたよ~」
ポケモンは全然現れないし。もう、帰ろうかな~。でも、勢いよく、飛び出しておいて、何も、
捕まえられないっていうのもな~。
「どうしよう……」
ムシャムシャ。
「ん、なにか、聞こえる」
草の中から、様子を見てみる。黄色の芋虫さんみたいのが草を食べてる。普通の芋虫よりも
大きいので、多分、ポケモンだろう。
「よし、あれを捕まえよう」
そうすれば、きっと……。
『よくやりましたね、ゆい先輩』
なでなで。
『えへへ~』
うんうん、きっと、こうなるよね。さ~て、ゲットしますか。
そうだ、芋虫さんなんだから、餌で釣ろう。……ん、芋虫さん?そういえば、あずにゃんはキャタピー(っていうんだっけ?)が嫌だって
言ってたな。ということは、あの芋虫さんを捕まえても、褒められないじゃない。
「もう、いいや。帰ろう」
また別の機会に褒められればいいや。
「ん?そういえば、私が来た道ってどっちだっけ?」
も、もしかして……。
「迷っちゃったのかな…」
あらためて、周りを見ると暗くてジメジメしてて、気持ち悪いよ。
「わ~ん、あずにゃ~ん。どこにいるの~」
大きな声で叫んでみても、反応はない。こんなことなら、役に立つところを見せてやるなんて、言
わなきゃ、よかったよ。
「く~ん」
ん?何か聞こえる。あ、あの草むらの方からだ。私は慎重に草むらの影から見てみると、その音は
ダンボールの中から聞こえてくる。近づいてみると、ダンボールには「可愛がってください」って、
書いてある。中を見ると、く~ん、と鳴いてる、真っ黒な犬さんがいる。
「どうしたの?おなか減ったの?困ったな。……そうだ、クッキーをあげよう」
クッキーを取り出し、犬さんにあげます。始めは警戒して食べようとしなかったけど、よっぽど、
お腹が減っているのか勢いよく食べ始めました。
「美味しい?ひどいね、君みたいに可愛いわんちゃんんを捨てるなんて。じゃあ、私は行くね」
「わんっ!」
「わっ?!」
いきなり、急に体当たりしてきた。
「いきなり何するの!!って、あっ!」
私が体当たりされて飛ばされた場所には、鋭い槍みたいななにかを地面に刺している黄色と黒
のあれは……。さ、さっきも見た、あ、あの蜂さんは。
「スピア」
そうです、スピアーです。しかも、さっきは一匹だったのに、今度は10匹くらいいる。も、もしかして、
さっきの仕返しかな。こっちを思い切り睨んでるし。ど、どうしよう、た、戦うしかないのかな。
「わんっ(私が気を引いてる間に逃げてください)」
ワンちゃんは私に襲いかかろうとするスピアーにひのこを出します。
「逃げろって、言われても…。あっ、私が言葉が分かるってことは君、ポケモンなんだね」
「スピア」
「の、のんきにしてる場合じゃないね。うぅ~、あずにゃ~ん」
スピアーの針が私に向かって、突っ込んできます。ああ、さようなら、私の人生。せめて、最後にあずにゃんとキスしたかった。
「バレットパンチ」
私は急いで、ハッサムを出して、スピアーをふっ飛ばしました。
「大丈夫ですか、ゆい先輩」
「あ、あずにゃ~ん」
「まったく、心配かけて」
「うぅ~、ごめんなさい。でも、どうしてここが」
「あの場所から、そんなに遠くない場所ですからね。それに、スピアーの大群が飛んでいくのが
見えましたから。でも、数が多すぎですね」
さすがにこの数はハッサムでも……。
「わん」
「あ、さっきのワンちゃん」
「ワンちゃん?あのデルビルのことですか?」
「捨ててあったの。それで、私を助けてくれたの」
「それはひどいですね。って、そんなこと言ってる場合じゃありませんよ。早く逃げないと……」
「スピア」
私達の周りにも、スピアーが・・・・くっ、数が多すぎます。
「……こうなったら、ゆいちゃん真拳を出すしかないよ」
「今は冗談を言ってる場合では……」
「まあ、見ててよ。……出てきて、ゆいぐるみ!!」
ポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポン
ゆい先輩の掛け声とともに、たくさんのゆい先輩の姿をした、ヌイグルミが落ちてきました。
すごいですね~。でも……。
「ヌイグルミなんか出しても意味ないじゃないですか」
スピアーもはじめは警戒してましたが、すぐに攻撃態勢に入ってますし。
「慌てないで、これからだよ。では、ミュージックスタート(ふわふわ時間を想像して下さい)」
ゆい先輩がギターを弾き始めると、どこから、ドラムとかの音楽も聞こえてきました。でも、それだけじゃなく……。
「わっ!ゆい先輩のヌイグルミが……」
音楽に合わせて、ゆい先輩のヌイグルミがスピアーに群がり、攻撃を始めました。
「アアアアア」
ヌイグルミたちはパンチやキック、噛み付きや舌でなめたりとやりたい放題です。なんとなく、スピアーには同情しますけど。ゆい先輩の歌が進むとともに、スピアーが1匹、1匹と倒されて行きます。
「す、すごい。あれだけいたスピアーが一気に……」
でも、何故でしょう。まったく、尊敬できません。
「ふわふわ時間、ふわふわ時間」
というところになったら、スピアーに群がってたゆいぐるみ(もうめんどくさいのでこう呼びます)が消えていきました。さっきの攻撃で、かなりの数のスピアーが倒されてますが、まだ、数匹残ってます。
「よくやりました、ゆい先輩。後はハッサムが……」
「
待って。まだ、この奥義はまだ終わってないんだよ~。上を見てごらん」
「上?」
上を見てみると、さっきのゆいぐるみが、ぷかぷかと浮いてます。
「ゆいちゃん真拳奥義『ゆいぐるみスコール』」
ゆいぐるみが、残っているスピアーに降り注ぎます。……どんな地獄絵図ですか。
「スピアアアアアアアアアアアアア」
残っていたスピアーも、今の攻撃で、全滅しました。
「ふう~、終わったよ」
「え、ええ」
まさか、これほど強いなんて。どうして、今まで、この技を出さなかったんでしょうか?
「怪我はない?あずにゃん」
「は、はい」
「そう。それはよかったよ~」
「そんなことより、ゆい先輩がこんなに強かったなんて、私、さっきまで、誤解……」
バタッ。
「どうしたんですか、ゆい先輩!!」
急にゆい先輩は倒れてしまいました。私は急いで、駆け寄って、ゆい先輩を抱き起こすと、ゆい先輩の顔は真っ青です。
「……うぅ」
「だ、大丈夫ですか、ゆい先輩」
最終更新:2011年08月01日 03:13