どうしたんでしょうか。そういえば、さっき、この技を使うと大切なものがなくなるって。まさか、い、命とか。きっと、ゆ、ゆい先輩は自分の命を削って私を助けてくれたんだ。今まで、ちゃらんぽらんでやってきたのは、こういうことだったんですね
「ご、ごめんなさい、ゆい先輩。さっきは意地悪を言って」
「……うぅ、あずにゃ~ん。だっこして」
「はいです」
もう最後だもんね。こんなことなら、もっと、抱っことかしてやればよかったです。そんな思いもあって、私はぎゅう~っと抱きしめました。
「……ゆい先輩」
もう、マサラタウンに帰ろう。私は大事なポケモンを死なせてしまったんだから。
「あずにゃ~ん、苦しいよ~」
私が、そんな決意をしていると、のんきな声が聞こえてきます。
「ゆい先輩、生きてたんですか!」
「人を勝手に殺さないでよ。私の大切なものがなくなって、ちょっと倒れちゃっただけだよ」
大切なものって命じゃない?あ、よくあるオチで、エネルギー使いすぎちゃっておなか減った~ってやつですね。
「ゆい先輩、おなか減ったんですか?」
「ん?そういえば、もう、そろそろご飯だね。あずにゃん、今日のご飯はな~に?」
あれ?これでもない?
「ゆい先輩の大切なものって何ですか?」
「それはもちろん、あずにゃんだよ」
そんな、満面の笑みで言われても…
「どうしたの?顔、真っ赤だよ」
「そ、そんなことより、大切なものって何ですか?あの技を使うとなくなるって」
「それはね、あずにゃん分だよ~」
「……なんですか、それは」
「詳しくは分かんないけど、私の技を出すための源だよ」
「分からないって…。で、それはもう大丈夫なんですか?」
「今、抱っこしてもらったから大丈夫だよ。あ、キスもしよっか。そうすれば、たくさん貯まるから」
「結構です」
まったく、心配して損しました。……でも、何事もなくてよかったです。
「く~ん」
あ、そういえば、デルビルがいたことを忘れてました。
「この子は捨てられてたんですよね」
「うん」
「私達と一緒に来る?」
「ワンッ」
「もちろんだって」
私は頷いて、モンスターボールをデルビルに投げて、ゲットしました。
「やったね、あずにゃん。これで、3匹目だよ」
「そうですね」
全然少ないんですけどね。
「あずにゃん、あずにゃん」
「何ですか?」
「私のおかげで、デルビルもゲットできたし、スピアーも退治できたんだから、褒めてもいいんだよ~」
ゆい先輩は胸を張って誇らしげにしています。たしかに、今日、ゆい先輩はものすごく活躍しました。だから褒めても、いいかもしれません。
「そうですね~。でも、ゆい先輩のおかげで、こんな森で野宿しなきゃいけませんし。だから、褒めるのはまた今度ですね」
「ええっ!でもでも、私は2個良い事して、悪いことは1個なんだよ。合計して、良い事を1個した事になるんだから、私の頭を撫でて、褒めてもいいんじゃないのかな?」
「駄目ですよ。ゆい先輩はとっても悪い事したんですから」
「え?どんなこと?ねえ、あずにゃん」
すっごく困った顔をして、ゆい先輩が聞いてきますが、私は無視し、
「それは教えません。さて、荷物のある場所に戻りますか」
「あ、待ってよ、あずにゃ~ん」
だって、私の勘違いとはいえ、さっきはあんなに心配させるし、ゆい先輩がいない間、どんなに寂しくて心配だったか。だから、ちょっとくらい、意地悪してもいいですよね。
トキワの森編はここまでです。
主人公 梓 手持ちポケモン ゆい ハッサム デルビル
注 今回、結構グダグダかもしれない
以下、ニビシティ編① 「新たなるライバル」投下
それは、ゆいが旅立つ前日のこと…
『えいっ』
ビューンっと、棒みたいなものが私に向かって飛んできます。私はよけきれずに、おでこに……
バーン。
『イテッ』
バタン。避けきれずに、おでこに命中し、倒れちゃった。う~、痛い。
『ゆい、戦闘不能。勝者、うい』
『大丈夫、お姉ちゃん?』
私はういの手を借りて、起き上がる。
『大丈夫だよ。ありがとね、うい。結局最後までういには勝てなかったよ。やっぱり、ういはすごいよ』
『そんなことないよ。お姉ちゃんはもっと、強いよ』
『ふむ、相変わらず、ういは強いのう』
『あ、村長さんたちだ~。こんにちは~』
『こんにちは』
『うむ。それにしても、どうしてこう、姉妹で差がついたのかのう』
『えへへ~』
『褒められてはないよ、お姉ちゃん』
ここは、私の住んでいる島、キョウアニアイアイ諸島っていわれてるらしいけど、そこにある村が私の故郷なんだ。今、私は妹のウイと一緒に立派なポケモンになるための修行中なんだよ~。といっても、明日には、トレーナーを探すために旅立つんだけどね。
『しかし、本当に大丈夫かのう。ういは問題ないが、ゆいはまだまだ、修行が必要じゃからのう』
『大丈夫だよ~。私は強いもん』
『でも、ゆいは口だけだもんな』
『そうだよな。成績も最下位だし、全ての分野でトップクラスのういとは違うよな』
『これ!そういうことは言うもんじゃない。ゆいよ、後で、私の家に来なさい』
『は~い』
『お姉ちゃん、さっきのことは気にしない方が……』
『さっきのこと?えーと、何だっけ?』
『覚えてない。…さすが、お姉ちゃん。さっきの人たちの悪口だよ』
『ああ~。別に気にしてないよ。ほんとのことだし。でもね、いつか、最高のトレーナーを見つけてきっと、強くなって見せるよ』
『お姉ちゃん……』
『だから、約束だよ、うい。次に私達が会う時は、全力で戦おう。いつもみたいに手を抜かないで』
『いつもって……。別に私は』
『私はういのお姉ちゃんなんだよ。それくらい分かるよ。でも、今度会う時は、きっと、別々のトレーナーになってると思うんだ。だから、私
達が手を抜いたら、迷惑かけちゃう。それはいけないことだよ』
『……分かったよ。今度、会う時は全力で戦おうね、お姉ちゃん』
『うん。約束』
『来たよ~、村長さん』
『うむ』
『で、用事ってな~に?』
『やはり、心配だからのう。今からでも、やめにはせんか』
『それは村長さんでも無理だよ~。私は最高のパートナーを見つけにいくんだ。これはもう決めたことなんだ』
『やっぱりのう。ゆいはそう言うだろうと思ったよ』
『用事はそれだけ?じゃあ、もう行くね。明日は早く起きないといけないから早く寝ないとね』
『待て。ゆいよ、お前には1つ、これだけは言っておく。お前がどんなトレーナーに就こうとも、トレーナーとの絆を大切にしなさい、これだけは忘れないでほしい。これが、わしから、ゆいに向ける最後の言葉じゃ』
『は~い。じゃあ、おやすみなさ~い』
『やれやれ、本当に分かっておるのかのう』
~~~
「……ムニャムニャ。分かってるよ……そんなことは……」
「もう、いい加減起きて下さい!!」
「ふえ。もう、朝?もうちょっと寝かせてよ~」
「寝ぼけないで下さい。もう、ニビシティですよ」
「う~ん、あれ、いつの間に!?」
「いつの間に、じゃありませんよ。起きて、1時間くらいしたら、『疲れたから、抱っこして~』っていうから、抱っこしたら、急に寝始めるんですもん」
「それは、きっと、あずにゃんの腕の中が気持ち良かったからだよ~」
「……」
「ん?また、顔真っ赤だよ?」
「気にしないで下さい」
私たちは、何とか、気味の悪いトキワの森を抜け、ニビシティに到着することができました。トキワシティでは、挑戦することはできませんでしたが、このニビシティで始めてのジム戦に挑戦することになります。今から、緊張しますね。
「さて、ポケモンセンターに行って、早速……」
「美味しいものを食べるんだね!!」
「違います。ニビジムに挑戦するんです!」
まったく、いつものんきなんですから。
「え~。でも、おなか減ったよ~。ご飯食べないと力出せないよ~」
「我侭言わないでください。それに、ゆい先輩が戦わなくても、私には、ハッサムとデルビルが……」
ぐう~。
「……」
「あ~、あずにゃんのおなかの音だ。可愛いね~」
「……そうですね。まずは、きっちりと食事をして、万全を期して、ジムに挑戦すべきですね。ゆい先輩、まずは食事にしましょう」
「あ、ごまかした」
「うるさいです。嫌なら、ゆい先輩にはあげません」
「ごめんなさい」
私達はポケモンセンターでの回復を済ませ、お昼を食べることに。
「じゃあ、ここで食べますか」
私は、ファーストフードとして、カントー地方などの全国展開してるチェーン店に来ました。
「えー。せっかく、ニビシティに来たんだから、美味しいもの食べようよ~」
「駄目です」
「ぶう~ぶう~、あずにゃん、最近冷たいよ~」
「別に冷たくしてるわけではありません。いいですか、ゆい先輩。これは切実な問題なんです」
「どういうこと?」
「ゆい先輩は旅に出るのに必要なものは何だと思います?」
「う~ん。……あ、わかった。パートナーとの相性!つまり、私とあずにゃんの相性だね。それなら、バッチシだよ」
「全然違いますから、勝手に興奮しないで下さい」
「え、違うの?う~んと、え~と、そうだ!パートナーとの絆だね。それもバッチシだよ」
「それも違います」
「ええ?!これも違うの。う~、じゃあ、一体何なのさ」
「それはですね、お金です」
「お金?あずにゃん、たくさんトレナーに勝ったじゃん。お金も結構たまったと思うけど」
「確かに、貯まりましたよ。でも、ニビシティの後はおつきみやまに行くんですよ。だから、その準備で結構、お金がかかるので、あんまり、無駄遣いはできないんです」
「世知辛い世の中だね」
「そうなんです。だから、我慢して下さい」
「でもでも、せっかくニビシティに来たんだし、ここでしかできないことをしたいよ」
「それはそうですけど」
お財布の中だって、余裕があるわけじゃないんだし。う~ん、そうだ。一度、入ってみたいところがあったけ。
「ゆい先輩、博物館はどうですか?」
「博物館?そこには、何があるの?美味しいものある?」
「美味しい物はありませんけど、見たいものがあるので」
「分かった、じゃあ、そこに行こう」
「でも、ジム戦が終わってからですよ」
「うぅ~、仕方ないね。じゃあ、私は頑張って応援するよ」
「そうして下さい」
また、訳の分からない技を使われるのもごめんですし。
私達はそんなこんなで、お昼ご飯を済ませ、早速ニビジムへと向かいます。
「あずにゃん、ニビジムのジムリーダーさんはどんなポケモンを使うの?」
「確か、岩タイプですね。何でも、とっても我慢強い人だとか。名前はタケシっていうらしいです」
「ふ~ん。……ねえ、その人って、男の人?」
「まあ、そうでしょうね」
タケシって、名前の女の人もなんだかな~って、気になりますし。
「……むう~」
「どうしたんですか、ゆい先輩。なんか、不機嫌になってますけど」
「だって、そのタケシっていう人が、かっこよくて、もし、あずにゃんが惚れちゃったら、嫌だなって。駄目だよ、あずにゃん。私がいるのに浮気しちゃ、嫌だからね」
「浮気以前に私たちはそんな関係でもありませんけどね」
「もう、恥かしがらなくてもいいんだよ~」
「はいはい」
なんだかんだで、ニビジムに到着しました。初めてのジム戦。緊張しますがやってやるです。
「ねえねえ、あずにゃん」
ゆい先輩は私の頭の上で、話しかけてきます。(基本的に、ゆい先輩は私の横や後ろを歩くか、肩車みたいに私の頭のところにいます。まあ、早い話、サトシさんのピカチュウみたいな位置にいると考えてください)
「なんですか、ゆい先輩。人がせっかく気分を高めてるのに邪魔しないで下さい」
「ごめんね。でも、ジムのドアに貼り紙がしてあるよ」
「貼り紙?」
確かに何か貼ってありますね。ふむふむ、『本日は都合により、ジムリーダは不在のため、お休みさせていただきます』なるほど、お休みですか。……って、お休みですか!!
「そんな~」
「お休みなら仕方がないね。さあ、あずにゃん。遊びに行こう!」
「行きません」
「あう~、さっきから冷たいよ~」
さて、これから、どうしましょうか。やっぱり、まずはレベルを上げるために特訓ですかね。デルビルもゲットしたばかりですし。
「あずにゃん、あずにゃん。さっき、博物館行くっていってたよね。そこなら、いいでしょ?行こうよ、あずにゃん」
「それもいいですね」
たしかに、私が行ってみたいところだから、行くのは構わないんですけどね。でも、ジム戦が終わって、ゆっくりと見学したいですし。まあ、たまにはのんびりするのもいいかもしれません。
「そうですね。じゃあ、博物館に行きますか」
「わ~い。じゃあ、早くいこっ、あずにゃん」
そして、博物館に。
「ここが博物館?何があるの、あずにゃん」
「たしか、いろいろなポケモンの化石やスペースシャトル、後、つきのいしがあるそうです」
「……それって、面白いの?」
「ここでしか見られないって、昔、博士の助手をしてた時に聞いたので、一度見てみたいなって。それとも、ゆい先輩は嫌ですか?」
「そういうわけじゃないんだけど。まあ、いいや、行こうよ、あずにゃん」
とりあえず、中に入ることに。
「すいません、いくらですか」
「18歳未満の方は500円、一般は1000円になります」
むむ、ちょっと高いですね。前に聞いた時は50円って聞いたんですが。まあ、これも不景気のせいなんでしょうね。
「じゃあ、18歳未満、1枚お願いします」
「1枚ですか?そちらのあなたの頭にいる、お子様の分はよろしいんですか?」
「あ、いえ、この子は……」
「む、失礼だね。私は子供じゃないよ。私はこれでも、18歳なんだよ。それで、あずにゃんの恋人なんだよ~」
「そうなんですか?とっても、お似合いですね」
ナデナデ。
「えへへ~」
「な、何を言ってるんですか。この子はこんな姿でも、一応はポケモンなんです」
「そうは申されましても、証明するものがなければ……」
「仕方がありません。行きますよ、ゆい先輩」
「ちょっとだけにしてね、あずにゃん」
私はゆい先輩にボールを向ける。すると、ゆい先輩はボールの中に戻っていきました。
「出てきてください、ゆい先輩」
私は再び、ボールから、ゆい先輩を出します。
「ふう~、相変わらず、ボールの中は窮屈で嫌だよ」
「あの、これで、信じてもらえましたか?」
「そうですね。まあ、いいでしょ。では、500円です」
私はお財布から500円を渡します。
「はい、ありがとうございます。ところで、そこのちっちゃいポケモンさんはなんて言うんですか」
「私はゆいっていうんだよ」
「じゃあ、ゆいちゃん。可愛い恋人さんと仲良く見学してきてくださいね」
「なっ!?」
「うん。じゃあ、またね~」
最終更新:2011年08月01日 03:17