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『いよいよだね』

私はバージンロードで愛しの人が来るのを待つ。まあ、バージンじゃないんだけどね。ここまでくるのにいろんな人からの反対があったけど、なんとか、ここまで来れたよ。なんて、考えてきたら、愛しの人が入場してきた。

『……あずにゃん』

私は愛しの……あずにゃんが入場してくる姿に見惚れてしまった。一歩一歩近づいてくるたびに、私の心臓がドキドキってしてくる。そして、なんやかんや、あって、つ、ついに誓いのキスに。

『……唯先輩』

愛しのあの子が目を閉じる。私はその子の唇に私の唇を近づける。

ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ

「くらえ、 ゆいちゃん真拳超奥義『君の心にサンダーボルト』」

ビシャーっと、スターミーに雷が落ちます。しかも、さっきまでとは全然威力と時間が違い、10分くらい、スターミーは雷による電撃を喰らっています。……なんて、冷静に考えてますけど、私の頭も今の映像でショート寸前なんですけどね。だ、だって、あれ、私ですし、相手は大きさこそ違えど、ゆい先輩ですし。せめて、今のゆい先輩がこれくらい大きければ、こんな未来も……なんて、何考えてるんでしょうか。

「スターミ……」

スターミーは力尽き、プールに落っこちて、プカプカと浮いてしまいました。

「スターミー、戦闘不能。ゆいの勝利。よって、あずにゃん選手の勝利です」

ワーワー、という歓声があがるとともに、

「ゆーいあず、ゆーいあず、ゆーいあず、ゆーいあず」

というコールまで、始まりました。

「みんなー、ありがとねー」

それに答えるように、ゆい先輩は手を振りながら、浮き輪でプカプカと浮きながら、私のところに戻ってきます。

「どうだい、あずにゃん。見事に勝利したよ!」

「そ、そうですね。よくやりました」

ナデナデ。

「えへへ~」

「ゆーいあず、ゆーいあず、ゆーいあず、ゆーいあず」

という、歓声の中、私達は退場して行きました。


――――

「こ、こんなにくれるんですか」

「ええ。盛り上がったからね。そのお礼」

今、私は今回のショーのお礼とジム戦の勝利として、お金をもらったんですけど……。

「10万円は多すぎませんか」

「これでも少ない位よ。それくらい盛り上がったんだから」

たしかに、盛り上がりましたけどね。

「それに、あんなに楽しいバトルは久しぶりよ。これからも頑張ってね」

「ありがとうございます」

「あずにゃん分、補給~」

私達はジムを後にし、ホテルに向かいます。

「今日はたくさんのあずにゃん分を消費しちゃったよ~」

「そうですね。今日は大活躍でしたね」

私はゆい先輩を抱っこしながら、言います。

「えへへ~。頑張ったでしょ?」

「普段から、これくらい頑張って下さい」

「あうう~。あずにゃん先輩は厳しいな~」

「なにを言ってるんですか」

そういえば、最後に、結婚式みたいな風景がありましたけど、ゆい先輩にも見かけはこんなでも、18歳ですし、恋愛に興味でもあるんでしょ
うか?ちょっと聞いてみましょう。

「ゆいせんぱ……あっ」

「う~ん、ムニャムニャ」

ゆい先輩は私の腕の中で寝てしまってました。

「今日は頑張りましたもんね」

私はゆい先輩の頭をなでながら、起こさないように、帰路に着きました。


ハナダ編③ 「VSカスミ」 終了




「ここがクチバジムですか」

「そうだね。それより、もうジム戦?もう少し、のんびりしようよ~」

「なにを言ってるんですか。律先輩でさえ、バッチ3個なんですよ。このまま、のんびりしてるわけには行きません」

「それ、りっちゃんに失礼だよ」

私達は、朝早く、ハナダのホテルを出発し、クチバシティに到着しました。ポケモンセンターでの回復も済ませ、早速、挑戦することに。

「じゃあ、入りますか。……失礼しまーす」

私はクチバジムの扉を開きました。

「どうしたんだい、お嬢ちゃん。ここは子供が来る場所じゃないよ」

マッチョな男の人が話しかけて来ました。

「あの、ジムリーダーに挑戦したいんですけど……」

「お嬢ちゃんが?変な冗談はよしてくれよ」

ハッハッハッと笑って相手にしてはくれません。

「こら!私達はジムリーダーに挑戦したいって言ってるんだよ。ちゃんと話を聞いてよ」

ゆい先輩はたまりかねたのかそう言いました。

「おいおい。ジムに戦いに来たのに幼稚園の妹連れかい。マチスを舐めちゃいけないよ」

「む。私は幼稚園の妹じゃないよ。年は18歳で、立派なポケモンなんだよ」

「そうかい、そうかい。分かったから、お姉ちゃんと帰りな」

「むう~」

「……おい、何をしてる」

「何って、訳の分からないガキを……って、マチスさん」

後ろから、軍人さんのようにマッチョな人が出て来ました。

「お嬢ちゃんは何をしに来たんだい?」

「あ、はい。私はジムリーダーに挑戦したくて……」

「なるほど。それでこいつに何を言われたんだ?」

「それは……」

「その人、私達を馬鹿にして、取り次いでくれなかったんだよ」

私が答えるよりもゆい先輩が答えました。

「なるほどな~。それはいけないな~、おい」

「申し訳ありません、マチスさん」

「あなたがマチスさん!?」

このマッチョさんが、っていうのは失礼ですけど、ジムリーダーよりも軍人さんとか格闘技とかやってたほうがいい気がしますね。

「うーん、なるほど」

そんなことを考えてたら、マチスさんがジロジロと、見てきます。

「なあ、お嬢さん。ジム挑戦よりもミーたちの助手にならないか?」

「はい?」

「さっきの男みたいなマッチョな男しかいなくてね。君のような可愛いガールが来てくれれば、むさ苦しいジムでも、少しは華やかになるもんだ」

「すいません。せっかくのお話ですけど、旅を続けたいので、お断りします」

「それは仕方がないね。ではどうだい。私との勝負で決めるというのは?」

「はい?」

「私との勝負で勝てば、バッチをあげよう。負ければ、私達のジムに所属するというのは?」

「あの、さっき、お断りしたんですけど……」

「それは聞いたさ。だから、これは賭けだよ。ペナルティ。それとも、自信がないかい?」

そう言われると、ムッ、としますけど、そんな挑発に乗ってはいけませんね。相手はジムリーダー。こっちも十分に負けるかもしれないんですから、慎重にいかないといけません。

「なにを言ってるの。私とあずにゃんのコンビが負ける訳ないよ。いいよ、その挑戦受けて立つよ!」

「ちょっと、ゆい先輩。そんな簡単に……」

「大丈夫。あずにゃんには私がついてるんだから。どーんと、大船に乗った気でいなさい」

タイタニックでないことを祈りますが。……まあ、たしかに、ゆい先輩はまだ一度も大事なところで負けてはいませんが。

「オーケー。では、早速、始めよう」


私は今回、戦うフィールドに案内されました。今までのように特殊ではなく、ごく普通のフィールドです。

「勝負は3対3。ルールは点取り試合です。マチスが勝ったら、挑戦者がマチス専属メイドになり、挑戦者が勝ったらバッチを掛けていただきます」

「え、いつの間にそんなことに……」

今までのバトルで一番負けられない戦いが始まろうとしています。

「まずは先鋒戦です。用意はいいですか?」

「いつでもいいぜ」

「こっちも大丈夫です」

「それでは……」

「「「バトル開始」」」

「いけっ、マルマイン」

「きてください、ニューラ」

「ニューラ?昨日は出さなかったのに」

「昨日、ゆい先輩が寝た後に簡単に練習したんです」

「あ~ん、もう。起こしてくれればよかったのに~」

「マルマイン、先制を取って、ころがる攻撃だ」

「ニューラ、みきってください」

猛烈な勢いで転がってくるマルマインの攻撃をニューラはみきってかわします。

「一度、かわしても地獄は続くぜ」

マルマインは向きをかえ、再び、ニューラに向かってきます。

「ニューラ、かげぶんしん!!」

ぎりぎりのところで、なんとか、かわします。しかし、これでは……。

「かわしてるだけじゃ、勝てません。なんとかしないと……」

マルマインは向きをかえ、またもや、ニューラに向かってきます。

「あずにゃん、あずにゃん」

足元にいたゆい先輩は私の体をよいしょ、よいしょと登って私の耳元にささやくように言います。

「なんですか。ニューラ、かげぶんしんで、もう一度、かわして」

ニューラは再び、残像を作って、マルマインのころがる攻撃をかわします。

「マルマインの横を狙えばいいんだよ」

「はい?」

「だから、転がってくる前後は無理だけど、その横なら、何とかなるんじゃないかな?」

「なるほど」

確かにいい作戦です。

「オラオラ、どうした。かわしてばかりじゃ勝てないぜ」

マルマインはまた、向きをかえ、ニューラに迫ります。だんだんと、勢いも増してきてます。

「ニューラ、こうそくいどうで、よけて。そして、マルマインの横にばくれつパンチ」

寸前のところでかわし、マルマインの横にばくれつパンチを叩き込みます。

「マルマイン!」

ガッシャーン

その衝撃で、壁まで、ふっ飛んでしまいました。

「マルマイン~」

マルマインはばくれつパンチの効果で混乱しています。今がチャンスです。

「ニューラ、アイアンテール!」

ニューラは自分のシッポを固くして、マルマインに攻撃を仕掛けます。マルマインは混乱しているため、かわしきれず、見事に命中しました。

「さすが、あずにゃん。同じ、ネコだから、ニューラの使い方がバッチリだね」

「なにを言ってるんですか」

それにしても、ゆい先輩は何者なんでしょうかね。ニビジムの時でも、アドバイスしてくれましたし。もしかしたら、トレーナーとしての才能もあったりして。……なんて、まさかね。

「ニューラ、きりさく攻撃です」

「調子に乗るなよ。マルマイン」

ニューラの鋭いツメが見事にマルマインに命中……したと思いましたが、マルマインをすり抜けてしまいました。

「そんな、命中したはずなのに」

「かげぶんしんを使えるのはそっちだけじゃないぜ、キュートガール。マルマイン、でんじはだ」

ニューラは油断していたこともあり、まともに受け、マヒ状態になりました。

「さて、トドメだ。マルマイン、ギガインパクト!!」

マヒしていて、動きの悪い状態、かつ、距離も近いため、まともにくらい、上に飛ばされて、そのまま、落下してしまいました。

「ニューラ、戦闘不能。マルマインの勝利。よって、マチスに1ポイント。1対0」

「よく頑張りました、ニューラ」

私はニューラを戻します。


「では、次鋒戦です」

「これで決めろ、エレブー」

「頑張って下さい、ハッサム」

これで負けたら、終わり。そう思うと、緊張してきますね。

ナデナデ。

さっきから、私に肩車されている、ゆい先輩が私の頭をナデナデしてきました。いつもとは逆なので、変な気分ですね。

「大丈夫だよ、あずにゃん。あずにゃんには私がついてるよ。だから、落ち着いて」

「わ、私は落ち着いてますよ」

「なら、大丈夫だね」

ニコッと笑顔で言ってくる、ゆい先輩。……まったく、たまにこんなことをしてくるんだから、油断ならない先輩です。

「ハッサム、先制攻撃です。バレットパンチ」

「エレブー、受けて立て、かみなりパンチ」

2匹の拳が激突します。プシューと煙があがりますが、どうやら、互角です。

「ハッサム、距離をとって、シザークロス」

「エレブー、距離をとって、かわらわりだ」

ハッサムのはさむをクロスさせる攻撃とエレブーの拳が再び、激突する。やはり、互角で、ジリジリと力比べを始めます。

「やるな、ガール。エレブー、距離をとって、十万ボルトだ」

「ハッサム、ここは、いったん引いて……」

「あずにゃん、ここは引いちゃ駄目だよ。一気に攻めなきゃ」

「そ、そうですね。ハッサム、アイアンヘッドで攻めて下さい」

ハッサムは距離をとる、エレブーに近づき、エレブーに頭突きを食らわします。

「エレブ~」

エレブーは目を回して怯んでいます。今がチャンスです!!

「ハッサム、さっきのお返しです。ギガインパクト!!」

ハッサムの持てる力の全てを集めた突撃がエレブーに直撃し、マチスさんの横を通り越して、壁までふっ飛ばされてしまいました。

「エレブー、戦闘不能。ハッサムの勝利。よって、梓選手に1ポイント。1対1」

「やるな、ガール」

「よくやったよ、あずにゃん。よしよし」

ナデナデ。

「そんなに撫でないでください。それよりも、ゆい先輩につなげましたよ。頑張って下さいよ」

「任せなさい」

「君がポケモンというのは知ってるよ。ジムリーダーの中でも噂だ。よく分からない、リトルガールにタケシ、カスミが負けたってな」

「噂になってるの?照れちゃうな~。えへへ~」

ゆい先輩は顔を赤らめて、照れています。

「さて、じゃあ、ミーの最後のポケモンで相手をしよう。来い、ライチュウ!!」


「最後に大将戦です」

「では、早速、ゆいちゃん真拳で……」

「させるな、ライチュウ。十万ボルトだ」

ライチュウの繰り出した十万ボルトがゆい先輩に襲い掛かります。

「よけて、ゆい先輩!!」

しかし、よけきれずに、ゆい先輩に直撃しました。

「あぶぶぶぶぶぶ」

「ゆい先輩!!」

「トドメだ。メガトンキック!」

しびれて、動きの鈍っているゆい先輩のおなかににライチュウのメガトンキックが炸裂し、私の横を抜けて、壁まで飛ばされてしました。

「ゆい先輩!!」

壁まで飛ばされて、地面に倒れてしまった、ゆい先輩に私は駆け寄ります。

「梓選手。バトルポケモンに触れたら、その場で、あなたの負けですよ」

「そんなこと言ってる場合じゃ……」

「それじゃあ、キュートガールの負けでいいのかな?正直残念だよ、そのリトルガールはもう少し強いと思ったんだが、買いかぶり過ぎたかな?」

「……ゆい先輩の実力はこんなものじゃありません!!」

私は、ゆい先輩に駆け寄らなきゃいけないのに、マチスさんのその言葉に腹が立った。

「ゆい先輩はこの程度で負けるポケモンじゃないんです!」

「では、あそこで気絶してるのはなんだい?審判、早く、判定をしてやれよ」

私はここで負けてしまうのでしょうか。負けるのは自分の実力のせいだからにしても、ゆい先輩を馬鹿にされるのは嫌だった。

「あ、はい。ゆい、戦闘ふの……」

「……待って、まだ、終わりじゃないよ……」

その時、ゆい先輩の声が聞こえました。

私はこのまま、負けちゃうのかな?あずにゃんに自信満々に「任せてよ~」、って言ったのに、情けないね。でも、本当は、こんな所で負けてる場合じゃないんだよ。本当だったらさ……


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最終更新:2011年08月02日 01:27