デルビルの体が光り輝き、デルビルの体が変化していき、輝きが収まると、ヘルガーになりました。

「やりましたよ、ゆい先輩。デルビルはヘルガーに進化しました」

「へー、これがヘルガーなんだね。とっても、可愛いね」

これが可愛い?うーん、それはどうでしょうね。

「ガルーラ」

片方の手に、傷を負った、ガルーラBが対峙します。そして、ヘルガーがBの傷ついた手に、ほのおのきばを繰り出します。

「ガルーラ」

Bは傷ついてない方の手で、その攻撃を受けますが、それでも、かまわずにヘルガーは手にがぶりつきます。炎のせいか、ジューと焦げる音がして、Bは苦痛の表情をさらに強めます。しばらくの時間が立ち、Bはヘルガーをやっとの思いで振り払います。

「ヘルガー、オーバーヒートです!」

「ヘル」

ヘルガーのフルパワーで、ガルーラに突っ込むます。

「ガルーラ」

それに対抗するように、ガルーラも、ヘルガーに突進してきます。

ガシャーン。

両者が激突し、その衝撃で、煙が出ます。煙が晴れると、両者は激突したままでしたが、どちらともなく、両方倒れてしまいました。

「引き分けですか。……!?戻って下さい、ヘルガー」

私は、慌てて、ボールにヘルガーを戻します。

「ガルーラ」

今まで様子を見ていた、Aの方が、気絶したヘルガーに追撃してきました。

「ガルーラ」

Aは仲間をやられた恨みか、睨みつけてきます。

「よし。あずにゃん、ここは私に任せて」

「大丈夫ですか」

「うん。ヘル太が頑張って進化したんだもん。私も頑張るよ」

そう言って、Aに対する、ゆい先輩。

「いっくよ~、ゆいちゃん真拳超奥義『こんなあずにゃんがいたら、ゆいはもう…!!』」


『幼馴染編』

『もう少し、早く起きてくださいよ~』

私は、今、あずにゃんの運転する自転車の後ろの荷台に椅子に座るみたいに座っている。つまりは二人乗りだね。良い子は真似しないでね。

『らくちん♪らくちん♪』

『何、のんきにしてるんですか。遅刻寸前なのに』

『遅刻寸前でもいいよ。あずにゃんと一緒にようやく登校できるし』

私達は1年違うしね。

『よくありませんよ、遅刻は』

『もう、真面目なんだから』

ギュッと後ろから、抱きつく。

『にゃ。運転中に何するんですか』

『にゃ、だって。可愛い~』

『あ、危ないですから、離れてくださいよ』

『……私ね、1年間、待ったんだよ。……こんな風に登校するの』

『……唯』

『……あずにゃん』


「いっくよ~。 ゆいちゃん真拳奥義『自転車☆パレード』」

たくさんのゆいぐるみが自転車に乗って、Aに突撃し、ガルーラを上に跳ね飛ばします。

「ゆい先輩、今の奥義は……」

「この奥義はちょっとした、寸劇に使われた、小道具を使って、攻撃を加えるんだよ」

「えーと、つまり……」

「今、使われたのは、自転車。だから、自転車を使ったんだよ」

「はあ、なるほど。ところで、寸劇は必要なんですか?」

「……」

「なんですか、今の沈黙は」

「……テンションをあげるためだよ」

「はあ」

「もう、何でもいいんだよ。次、行くよ~」


『メイド編』

ガチャ。

私の執事がリムジンのドアを開ける。

『どうぞ、ゆいお嬢様』

『うん、ありがとう』

私はリムジンを降りて、自宅への扉を開ける。

『お帰りなさい、唯お嬢様』

たくさんのメイドさんのお出迎え。その中心のツインテールの女の子、私専属のメイドさんが声をかけてくる。

『お帰りなさい、唯お嬢様』

『そんな、堅苦しくしなくてもいいんだよ、あずにゃん』

『いえ、これも、メイドの務めですから』

『もう。そんな堅苦しく、考えなくてもいいんだよ~』

私はあずにゃんに抱きつく。

『ちょ、皆、見てるんですよ』

『皆、見てなかったなら、いいのかい?』

『そんなことが言いたいんじゃありません!!』

『まったく、メイドさんなのに、ご主人様の言うことに逆らうのかな?』

『他の人にはご主人様ぶらないのに、私には言うんですね』

『だって、私はあずにゃんだけのご主人様でいたいから』

『な、何、恥ずかしいこと言ってるんですか、もう!』


周りのメイドさん達『和むな~、この2人を見てると』

「ゆいちゃん真拳奥義『メイドさん☆ヤッチャッテクダサイ』」

「任せてください、ゆいお嬢様」

私(?)達を温かい眼で、見ていた、劇中のメイドさんたちがガルーラに襲い掛かります。例えるなら、浦島太郎の亀をいじめてる感じですかね。

「ガルーラ」

ガルーラは傷つきながらも、立ち上がります。その眼はなにか、大切なものを守ろうとしているような眼です。私は辺りを見ると、ガルーラが出てきた穴から、なにが動いているのが見えます。

「次、いっく……」

「待って下さい、ゆい先輩」

「あう。なにさ、あずにゃん。せっかく、いい気持ちで奥義を出せると思ったのに」

「奥に何か、あります」

私が指差すと、ボロボロながらも、必死に立ち上がり、指差す方向を行かせないように守ろうとする、A。そして、さっき、ヘルガーと相打ちになった、Bとニューラと私が倒したCもやってきて、その先を守るように立ちます。

「やっぱり、何かありますね」

「お宝かな?」

「まさか」

その時、

「ガル……ラ」

弱弱しい鳴き声とともに、傷ついたガルーラDが出てきました。

「なるほど。このガルーラを守るために私達に攻撃を仕掛けてきたんですね」

だとすると、可哀想なことをした気がしますね。なんとかしてあげたいですが。

「ゆい先輩、この子の傷を治してあげて下さい」

「うん」

私の傷を治したみたいにするのかと、思ったら、カスタネットを出しました。

「ゆいちゃん真拳奥義『うんたん♪うんたん』」

カスタネットをリズムカルに叩く、ゆい先輩。実に可愛らしいですね。……ハッ、見とれてる場合じゃありません。ガルーラ達を見ると、あの、傷ついたガルーラだけでなく、私達が倒したガルーラたちの傷も癒えていきます。ついでに私の心も癒されま……ゴホン。

「ふう~、終わったよ」

「お疲れ様です。どうして、私が怪我した時にこの技を使わなかったんですか?」

「この技はポケモン用なんだ。それとも、あずにゃんにもしてほしかったの?」

「そういうことを、言いたいんじゃありません」

「ガルーラ」

ガルーラ達が私達によってきます。

「ガルーラ」

「何を言ってるんですか?」

「ありがとう、だって」

「ガルーラ」

「お礼にトンネルの出口まで、案内してくれるって」

「あ、ありがとうございます」

「ガルラ」

「では行きましょう、だって」


そして、出口に。

「ありがとうございました」

「ガルーラ」

「このご恩は忘れません、だって」

「それでは、また、会いましょう」

「じゃあね~」

私達はシオンタウンに向かおうとしました。

「ガルラ」

ガルーラのうちの1匹、3匹が守っていたDが話しかけてきました。

「ガルラ」

「えーと」

私はゆい先輩に目を向ける。

「私は、あなた達の優しさに感動しました。ぜひ、仲間にして下さいって」

「はあ。でも、いいんですか、仲間達とか」

私は後ろのがルーラを見ます。

「ガルーラ、ガルーラ」

「なんでも、可愛い子には旅をさせるものです。この子が行きたいというなら止めません。それにあなた方なら、大丈夫でしょう。どうか、こ
の子をよろしくお願いします、だって」

ガルーラ達の真剣な目。なるほど、相当な覚悟なんでしょう。

「……分かりました」

私はガルーラにモンスターボールを当てて、ゲットします。

「わ~い、やったね、あずにゃん」

「はい!」

「ガルーラ」

私達は改めて、ガルーラと別れて、シオンタウンに向かいます。

「いい子達だったね」

「そうですね」

「次の町でも、そんな出会いがあればいいね」

笑顔で言う、ゆい先輩。今まで、嫌な人も多く会ってきましたからね。次の町では、平和にいきたいものです。

「はい」

まあ、ゆい先輩といれば、大丈夫ですよね。そんなことを思いながら、次の町であり、シオンタウンに向かいました。


イワヤマトンネル編② 「VSガルーラ 祝・初進化」 終了




タマムシのとある地下施設

『これが例の……』

さわ子はロケット団の研究地下施設にある、培養液に浸されたポケモンを見て、言う。

『ええ。幻のポケモンといわれるポケモンミュウから採取された遺伝子を元に、私達が作り出したポケモン。……ミュウツー・プロトタイプよ』

さわ子の問いに、和は答える。このポケモンはさわ子達がでんせつのポケモンのうちの1匹、フリーザを捕獲する時にグレンタウンに寄った際にそこにある研究所に残された、ミュウの遺伝子を採取し、ロケット団にて、作り出したものだ。

『まだ、入手して短いのに、早いわね』

『研究所に資料もありましたしね。……これで、伝説の3匹と最強のポケモン、プロトタイプであるけど、ミュウツー。この4匹がいれば、私達が世界を掌握するのも……』

『ええ』


――――

シオンタウン

「ここがシオンタウンですか」

イワヤマトンネルを抜けたのは夕方で、シオンタウンに到着したころには夜になってしまいました。シオンタウンはポケモンタワーっていうポケモンの墓場があり、幽霊が出るということで、大変に怖い町だということを噂に聞き、その噂にふさわしいかどうかは知りませんけど、おどろおどろしい雰囲気ですね。とりあえず、ポケモンセンターに行かないと……。

「すう……すう……」

ゆい先輩がさっきから、静かなのは、私の頭の上で、寝ているからですね。ゆい先輩の寝顔を見れないのは実にざんね……ゴホン。

「まずはポケモンセンターに行かないと」

暗い夜道を抜け、ポケモンセンターに着きました。

「これをお願いします」

私はゆい先輩達をジョーイさんに預け(当然に、ゆい先輩についてはいつもの問答をしましたが)、回復させます。その間にパソコンでミニリュウを預けて、ガルーラを手持ちにくわえます。そして、ジョーイさんに話しかけます。

「ジョーイさん。今日、宿泊所って、空いてますか?」

「ごめんなさい、今日は空いてないのよ」

「そうですか。今日はどうしようかな」

「一応、部屋じゃないけど、ポケモンセンターに泊まれるけど……」

ジョーイさんとともに、周りを見る。妖しい男の人がたくさん居ます。

「女の子が泊まるにはね……」

「そうですね。仕方がないので、ホテルに泊まることにします」

「でも、この時間から、泊めてくれるかしらね」

それはちょっと、不安ですけどね。

「気をつけてね。この町は夜になると出るらしいわよ」

「何がです?」

「ゆ・う・れ・い」

「まさか~。そんなことあるわけないですよ」

「ウフフ。それは冗談にしても、あなたは可愛いから、気をつけたほうがいいわよ」

「もう。さっきから、冗談ばっかりですね」

「冗談じゃないよ~」

奥から、回復を終えた、ゆい先輩達が来ました。いつの間にか、起きていたようです。

「あずにゃんは可愛いよ~。だって、私の彼女だもん」

「な、何を言ってるんですか」

「そうなの?可愛い彼女ね」

ジョーイさんはナデナデとゆい先輩の頭を撫でます。

「でしょ?えへへ~」

嬉しそうに笑う、ゆい先輩。でも、私には1つ否定しなければならないことがあります。

「恋人ではありません。恋人(仮)です」

私はロリコンではありませんからね。

「(仮)にどんな意味があるのかしら」

「一種の境界線らしいよ。もっと、素直になればいいのにね」

「そうね。あなたも大変ね。でも、頑張ってね」

「うん。ありがとね、ジョーイさん」

「どういたしまして」

「そこ、勝手に分かり合わないで下さい」

とりあえず、ポケモンセンターを出て、泊まる場所を探しに。

「怖いね、あずにゃん」

ゆい先輩は私の腕の中で、ギュッと抱きついてきます。まあ、さっきまで、寝てましたしね。

「ホテルの空きがあるといいんですけど」

一応、ジョーイさんに何軒かのホテルの地図をもらいましたけど、時間も時間ですしね、泊まれなかったら、どうしましょうか。

「あ。あれ、見て、あずにゃん」

ゆい先輩が指差す方を見ると、両手に食材などをたくさん持つ、老人の姿がありました。

「手伝ってあげようよ」

「そうですね。……もしもし、おじいさん」

私はおじいさんに声をかけます。

「なんじゃ。お前さんたちは」

「荷物が重そうだったので、手伝いましょうか?」

私がそう言うと、おじいさんは笑顔で、言いました。

「お嬢さん達ありがとう。ちょうど、重くて、辛かったところじゃ」

私は片方の手にある、袋をもらいました。なるほど、結構な重さですね。

「お嬢ちゃん達、この町の人じゃないじゃろ。名前はなんていうんじゃ?」

「私の名前は中野梓です。マサラタウンから来ました」

「私はゆいだよ~」

「わしはフジというんじゃ。お嬢ちゃん達はマサラから?随分と遠いところから来たのう。旅をしているのかね?」

「はい。ポケモンマスターになるために、バッチを集めてるんです」

「なるほど、なるほど。そっちのお嬢ちゃんは妹かね?それにしては似てないが」

「私はこれでも、ポケモンなんだよ、おじいちゃん」

「ほほう、お嬢ちゃんがかね?」

フジさんは子供が、将来は仮面ライダーになるって言う子供を見る目でゆい先輩を空いてる手で撫でます。

「うぅ、信じてくれない」

「すいません、信じられないかもしれないんですけど、一応、この子はポケモンなんです」

いつもの動作を片方の手で行う。もう、慣れたものですね。

「ふーむ。これは面白いのう」

フジさんが感心して言う。まあ、逆の立場だったら、私でも、同じことを言いますけどね。しばらく歩いていくと、ポケモンハウスって、書い
てある、施設に着きました。

「ここは……?」


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最終更新:2011年08月03日 03:16