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「では、サイコロを……6ですか」

「いきなり、大きな数字だね」

「そうですね。……やっと、後、半分ですか」

「大分、苦労したみたいに言ってるけど、今はじめたばかりだからね。では、スタート」


『あずにゃん、アイス、おいしいね』

ぺろぺろ

『そうですね』

『あ、ほっぺにアイスついてるよ』

『え、本当ですか』

『うん。今取ってあげるね』

唯先輩は手で、私のほっぺについたアイスを取ってくれた。そして、その指を自分の口に入れました、って!?

『な、何をしてるんですか!』

『う~ん、おいしい。あずにゃんの味とアイスが混ざっていい味だよ』

『な、何を言ってるんですか』

まったく、これじゃ、こ、恋人同士みたいじゃないですか。

ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ

「ギェーーーーーーーーーー」

ファイヤーに強力な電撃が走る。

「やったね、あずにゃん。あずにゃんがファイヤーにダメージを与えたよ」

「喜んでいいか、まったく分かりませんけどね」

「さて、次は私の番だね」

「頑張ってください、ゆい先輩」

「アーボック、もうハクリュウはほっとけ。倒すべきは……分かってるだろ」

「シャーボック」

「ハクリュウ(逃げるのか)」

アーボックは地面に逃げます。それを追いかけようとする、ハクリュウ。

「リュウ太、まちんしゃい」

「リュウ?(何ですか?)」

「リュウ太はここで、私達を守ってよ」

「リュウ?(何で?)」

「テラちゃんの負担を減らすためだよ。テラちゃーん、オニドリルさんをサッサと倒しちゃってよ」

「……(指示がうまいなあ。普段はちゃらんぽらんなのに)」

「ほら、あずにゃんの出番だよ?」

「はい?」

「テラちゃんに指示を出すんだよ。私より、あずにゃんの方が、テラちゃんのこと詳しいでしょ?」

「……でも」

「自信もって。私もついてるし。あずにゃんがやりたいようにやればいいんだよ」

「……そうですね。分かりました!」


プテラ

「プテラ!(いい加減にしろ!)」

さっきから、ファイヤーの攻撃を防ぎつつ、オニドリルも攻撃をしてくるが、オニドリルは力と力のぶつかり合いではなく、ちょっと、攻撃しては逃げ、攻撃しては逃げ、の繰り返し。力のぶつかり合いをしたい俺には奴の戦い方は合わない。

「プテラー」

下から、声がする。不本意ではあるが、一応、俺のトレーナーの梓って名前の女だ。そういえば、ハッサムは梓が指示をしたら、動きが変わったんだったな。俺にも指示を出すのだろうか。指示をくれたら、俺はオニドリルを倒せるのか、少し、楽しみになった。



「プテラは前の戦いや今の様子を見ると、力で攻めていくのが好きというか、小細工のない戦いが好きみたいなんですよね」

「お、あずにゃん、冴えてるね。テラちゃんはオニドリルが攻撃して逃げる度に、怒ってるよ」

「だから、私はその戦い方を尊重してあげられるようにしたいんですけど、今回は厳しいですね。プテラ、こうそくいどうで、オニドリルに接近するんです!」

「プテラ(分かった)」

プテラの大きな体がオニドリルに迫る。ここはそんなに広いところではないので、すぐに接近できるはず。案の定、プテラはオニドリルを壁際に追い込んだ。

「(ドリル)(あいつが突っ込んできたら、下に逃げれば、激突して、自滅だ」

「……プテラ、そのまま、つばさをうつ攻撃」

「ドリル(かかった)」

オニドリルは下に急降下して行った。それはそうでしょうね。だって、上は天井で、ぶつかりますから。

「プテラ、下にはかいこうせん!」

プテラは素早く、切り替え、下に向かって、急いで、口から、はかいこうせんを発射します。

バーン

オニドリルはなんとか、かわしたようですが、あまりの威力で地面に穴があきます。

「ドリル(危ない、あぶない)」

「プテラ(それはどうかな?)」

オニドリルははかいこうせんをかわし、一瞬油断したんでしょう。プテラが口を開き、オニドリルの上から、奇襲を仕掛けてくるとは思ってもいなかったでしょう。

「ドリル(不意打ちとは卑怯だぞ……)」

「プテラ(そうかもな)」

プテラはオニドリルに持てる力の全てを出し、突撃する。さっきのこうそくいどうで素早さもあがってる、プテラの攻撃に加え、油断もあり、かわすこともできずにそのまま地面に激突し、動かなくなりました。


プテラ

「プテラ、プテラ(なるほどな。こういう戦い方もあるのか)」

つばさでうつをかわし、はかいこうせんまでかわせば、一瞬ほっとするだろう。その一瞬を隙をついて、上から、奇襲をかければ、たしかに攻
撃を命中するだろう。あんまり、好きな戦い方じゃないが、

「やりましたよ、ゆい先輩!!」

「やったね、あずにゃん!!」

下の2人が抱き合いながら喜んでいるのを見て、まあ喜んでるみたいだからいいかとなんとなく、思う俺は毒されているのか、と思った。


ゲンガー

「ぐはっ」

これで、何発目だろうか。この悪魔は俺を瞬殺できるだろうに。

「ねえ、ゴの次は、なんて言おうとしたの?」

さっきから、この繰り返しだ。苦しいが、まだ手はある。

「ゲンガ(なあ、取引をしないか)」

「ん?」

「ゲンガ(お前が俺達につけば、お前の姉ちゃんと、お前だけは見逃してやる)」

「……」

「ゲンガ(下で戦ってる、あいつも見逃してやる)」

「……」

「ゲンガ、ゲンガ(だいたい、あのツインテールとお前は何の関係もないだろ。なんで、あいつを庇うんだ)」

「……」

大分、心が揺れているのだろう。さっきから、こっちを見て、動きを止めている。

「ゲンガ(お前にも十分なメリットがあるだろう)」

「……ねえ」

「ゲンガ?ゲンガ(どうした?取引に応じるか)」

「寝言は済んだ?」

その一言で、再び、壁に叩きつけられる。

「関係ないって、言ってたよね?それは大きな間違いだよ。梓ちゃんは私の大事な友達だし、大事なお姉ちゃんの恋人さんだもんね。ここで、裏切ったら、お姉ちゃんに一生嫌われちゃうし、大事な友達もなくしちゃうしね」

悪魔は1歩を踏み出す。

「ゲンガ!?ゲンガ(友達だと!?馬鹿も休み休み、言え)」

「……」

「ゲンガ、ゲンガ(よく考えろよ、俺達、ポケモンなんて、所詮、人間にとって道具に過ぎないだろ。あの、ツインテールにとっては、お前も、姉ちゃんも道具に過ぎないだろ)」

「……可哀想だね」

「ゲ!?(は!?)」

「そういうトレーナーとしか、会ってないんだね。私のトレーナーの純ちゃんだって、私の友達だよ。だいたい、道具としか、思ってない人が
イーブイさんのためにあんなに泣くわけないでしょ。……さて、おしゃべりもここまでだよ」

「ゲンガ(ああ、もう十分だよ)」

「うい、後ろ!!」

時間稼ぎをした甲斐があったな。



「うい、後ろ!!」

ういの後ろの地面のがひび割れたかと思うと、アーボックが出現し、ういに巻きつこうとしていた。

「まずいですよ、ゆい先輩」

「大丈夫じゃない?」

「たしかに、ういは強いですけど、不意打ちは……」

「違うよ、あれ」

ゆい先輩が指差したところには……ああ、これは大丈夫でしょう。


ゲンガー

俺の時間潰しが効いたので、この悪魔の後ろに、アーボックが巻きつこうとしている。これで、俺の勝ちだ……と、思った、瞬間。

ズバアー

アーボックのおなかの模様が切り裂かれた。アーボックは血を噴出し、倒れた。

「ハッサムさん」

「ゲンガ(馬鹿な!)」

「よく、やりましたね、ハッサム」

「ナイスだよ、サムちゃん」

どうして、こいつが。……まさか、やられたのか。

「ギラス(突然、逃げ出しやがって)」

バンギラスがのそりのそりとやってくる。だが、ちょうどいい。

「ゲンガ(バンギラス、一緒にやるぞ)」

「ギラス(そうだな、最強のタッグを見せてやろう)」

「ハッサムさん、私と組んでもらっても……」

「サム(ああ)」



「では、サイコロを振ってっと。……また、5か」

「私と同じマスに来ましたね」

「……きたよ、あずにゃん」

「何がですか?」

「フィーバータイムだよ!!」

「フィーバータイム?」

「そう、フィーバータイム。私の駒とあずにゃんの駒が同じマスに止まった時、いつもより、敵に大きなダメージを与えることができるんだよ」

「なるほど」

「だから、私に愛してるっていいながら、抱きしめて、あずにゃん」

「そんなことでいい……って、なんで、そんなことを!?」

「これはお互いがドキドキし、さらに、映像ではなく、リアルで行うからこそのダメージアップなんだよ」

「じ、じゃあ、ゆい先輩が言えば、いいじゃないですか」

「あずにゃんから、言ってこそ、価値があるんだよ。フンス」

「……で、でも」

「早くしなきゃ!ういやサムちゃんも頑張ってるんだから」

「そ、そうですよね。……ゆい先輩!」

「うん」

ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ

「あ、あ、愛してます」

ギュウ~

ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ

「ギャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

ファイヤーに稲妻が走る。ファイヤーは痺れながら、地面に落下してきます。いよいよ、後、少しです。

「あずにゃん、あずにゃん。もう一回言ってよ~」

「そ、そんな場合じゃありません。もう少しで、倒せるんですから、一気に……」

「うぅ~、仕方がないね。はい、サイコロ。後、5でゴールだよ」

「はい」


ニューラ

キーン、キーン

お互いのツメが交錯する。力は互角のようにみえるが、

「サンドパン(動きが鈍ってるぞ)」

サンドパンが力任せに押してくる。腹部に傷がある分、私の方が不利だろう。私は、サンドパンを押し返し、距離をとる。

「ニューラ(そうだな)」

私は一呼吸入れる。

「ニューラ(次で終わりにしよう)」

「サンドパン(面白い)」

お互いが、睨み合い、硬直する。そして、互いに、動き出す。

「サンドパン(お前のご主人がまた、戦場に出てるぞ)」

「!?」

私は一瞬、後ろを振り返る。

「サンドパン(やっぱ、猫は馬鹿だな)」

サンドパンは鋭いツメで私の体を引き裂いた。いや、私の残像を引き裂いた。

「サンド!?(何だと!?)」

「ニューラ(卑怯だな、俺もお前に言えたことじゃないが)」

「サンド(貴様、最初から……!?)」

「ニューラ(俺も、負けられないのさ)」

私はサンドパンの背中を切り裂いた。



「やりましたよ、ゆい先輩!!ニューラも勝ちました」

「よし!!次は私達の番だね!」

「はい! では、サイコロをっと。……5です。やりましたよ、ゴールです」

「おめでとう、あずにゃん」

「……あれ?何も起こりませんね」

「2人がゴールして、始めて、発動するんだよ。だから、もう少し、待っててね」

「はい、分かりました」


ゆい

(しかし、ここで、5を出さないと、私達は勝てないかもしれない。ならば……)

私はあの時の感覚を思い出す。

(落ち着いて、集中するんだ。心を無にするんだ。そうすれば、達することが出来る。新たなる伝説の境地に)

あの時の感覚が蘇る。さて、やるよ。……アズサマインド。



あれ、なにか、ゆい先輩の雰囲気が変わったような気がします。どこかでみたような感じの女の子に、というよりも、毎日会ってる気がしますが……。まあ、気のせいでしょう。

「「いきます!!」」

ゆい先輩はベーブレードのようにサイコロを……って、。

「そんなに勢いよく転がさなくてもいいと思うんですけど!」

「「慌てないで下さい。ちゃんと、5は出ますから」」

なんか、口調も変わってる気がしますが……。そうこうしてる内に、サイコロはとまり、数字は5に。そして、マスを進めます。

「「5マス、進めてっと。やりました、ゴールです」」

「どうでも、いいですけど、口調直りませんか?」

「「そんなことよりも、映像が始まります。後、この口調も、終わったら、直ります」」

「はあ」

そんなこんなで、映像が始まりました。


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最終更新:2011年08月03日 04:14