…閉じたドアを見つめ、唯はため息をついた。
扉の向こうから、彼女の仲間たちの談笑が聞こえる。部員が帰った後の部室とは寂しいものだ。まるでお祭りの後の広場のように。
唯はもう一度ため息をつく。帰りが遅いと、たぶん妹の憂は心配するだろう。なんだか、鳥かごに閉じこめられた鳩の気分になってきた。群れから引き離された鳩。
唯は恨めしげに、自分をこの鳥かごに閉じこめたツインテールの少女を見つめた。その少女は、扉に鍵をかけていた。

…なんで鍵なんかいるんだろ?唯は疑問をそのまま口に出した。
「あずにゃーん?練習するだけなのに鍵なんかいらないんじゃなーいー?」
ツインテールの少女、あずにゃんこと梓はそれに答えなかった。
「?」

唯は訝しげに梓の後ろ頭を見つめる。今日の梓はどこか変だ。ちょっと厳しいところはあるが、居残りで練習させたり無視したりなどしなかった。
「で、練習は?」
唯は尋ねる。だが梓は答えない。二度も無視され、温厚な唯もさすがに苛ついてきた。
「ねぇー、あずにゃーん!」
「…しなくていいんじゃないですか?」
突然梓が振り向いた。その目を見たとき、唯は突然言いようのない不安に襲われた。
普段の生真面目で愛らしい梓は、そこにいなかった。そこにいたのは、何か別のヒトだった。…陰から獲物を狙う爬虫類の目を持った。

「ッ!」
唯は思わず目の前のヒトに怯む。胸の中で灼熱の不安が渦巻いている。
「れ、練習しないなら…帰っていいかな?う、憂も待ってるしーー」
ふわっと柔らかいものが胸にあたったと思った次の瞬間、突然唯の背中に鋭い痛みが走る。わけがわからず、唯は蛍光灯の光る白い天井を見つめる。 胸の上に、唯の後輩が乗っていた。
「あずにゃん…痛いよ」


梓は答えない。相変わらず爬虫類の目で唯を見つめている。その目の冷たさに、唯はただただ圧倒されていた。
「あ、あず」
「唯先輩が誘惑するから、こうなるんですよ」
誘惑?唯には何のことかさっぱりわからない。私、あずにゃんに何かひどいことしたの?
「まあ、どっちでもいいんですけどね」
何がいいのか、これもさっぱりわからない。唯はただただ怯えているだけだった。ちょっと前まで、楽しく演奏していたはずの後輩に。
「あ、あずにゃん怖いよ…そこどいてよ。もう帰らせて」
梓が制服から、何か取り出す。それは何の変哲もない、可愛らしいリボンだった。

…リボン?この状況とリボンがどうしても結びつけられない。
梓がいきなり唯の腕を掴む。その力のあまりの強さに、唯はたじろぐ。

「ちょっとあずにゃん!本当に痛いんだってば!離して!」
唯はじたばたと暴れるが、梓に押さえつけられてしまう。この小柄な後輩のどこにこんな力があったのか。
梓は唯の両腕をテーブルに押しつけると、リボンで縛りつけてしまう。後ろ手に縛られた唯は、完全にパニックに陥っていた。体の自由を奪われるのがこんなに恐ろしいものとは。
「なんでこんなことするの!?あずにゃんのバカッ!!」
バシッ。乾いた音が音楽室に響いた。梓が唯の頬を叩いたのだ。梓は続けざまに唯の頬を打つ。二度、三度。

「ッ!?」
「…うるさいですよ、先輩」

梓が口を開いた。その声はもはや唯の知る、愛らしい後輩のそれではない。
「ちょっとの我慢もできないんですか?唯先輩って、本当に我慢が足りないですよね。部活に来ても、お茶飲んでダラダラしてるだけだし」
「…?」
「合宿行ったときもそうですよ。練習放り出して、遊びのことだのご飯のことだのばっか優先して。憂にも迷惑ばっかかけて」
梓の言葉が、凍りついた刃となって唯の胸を突き刺す。言わないで、聞きたくない。
「要するに、自分の欲に忠実なだけじゃないですか。そんなだから今日の練習も散々だったんですよ。普通こんなこと、後輩に言わせますかね?自分を恥じてくださいよ」
「…うっ…くぅ…」
唯の目から涙がこぼれ落ちる。叩かれたときよりもずっと痛い。
自分の下で涙をこぼすだけになった唯を見て、梓は唇を笑みの形に歪める。
「私が、我慢を教えてあげますね」

「!?」
梓が顔を近づけてきたと思った次の瞬間、唯の唇が彼女のそれで塞がれた。すかさず猫のような赤い舌が、唯の口内に侵入してくる。
「ん…むぎゅうぅ」
「はむ…」
これでは抗議したくても、声すら出せない。梓の舌が、唯のそれと絡み合い、純白の歯を、歯茎の裏を舐めまわす。二人の唾液が混じり合う。
凄まじい悪寒が、唯の背筋を駆け上って全身を毒のように駆け巡った。唯は自分を侵略する舌が、目の前のツインテールの後輩がただただ気持ち悪く、恐ろしかった。足がどうしようもなく震え出す。

梓は唯と舌を絡めながら、彼女の髪を撫で、頬に手を這わせる。先ほど自らの手で痛めつけた頬に。
やがて梓は顔をあげ、唯から蠢く赤いモノを引き抜く。その顔はほんのりと赤く上気している。舌を抜かれたとたんに、今度は胃から吐き気が湧き上がり、喉を焼く。
「唯先輩…」
梓が再び唯の唇をとらえる。その間彼女の手は、唯の体のあちこちを這いまわっていた。首、肩、脇、胸。
「ッ!」
這いまわる手が胸を通った瞬間、唯に電撃のような衝撃が走った。全身に震えが走る。
梓もそれに気がついたようだ。顔を上げると、また唇を笑みの形に歪ませる。


「唯先輩、もしかして…」
梓の手が、また唯の胸にあてられた。今度はゆっくりと、なぞるように這わせる。まるで子供がお習字の練習をするように。
「ひィっ!」
また唯の体を電撃が走る。痛みを伴った、快感という電撃が。
「そっか…あっははははは!唯先輩、胸弱いんだ!あははは!」
何が面白いのか、唯にはさっぱりわからなかった。少なくとも梓が面白がっているようには見えなかった。
梓がいきなり唯の制服に手をかけた。引きちぎるようにして剥がしにかかる。
「!!あずにゃんやめて!お願い、それだけはやめて!やだやだぁ!離してよぅ!」
それまでなすがままにされていた唯が暴れ出した。なんとか体をずらして、梓の凶暴な手から逃れようとする。

乾いた音がして、またも梓の手が唯の頬で炸裂した。
唯はなすすべもなく転がされ、テーブルの脚に頭をぶつけてしまった。燃えるような痛みが走ったが、どうすることもできない。胎児の姿勢で大粒の涙をこぼす。
梓は手際よく唯の制服を脱がせ、上半身をブラのみにしてしまう。下着姿の唯を、冷たく鋭い目で品定めする。
「そういえば唯先輩、合宿の時にやたらと隠してましたよね?ほら、大浴場の脱衣場で。」
「うっ…!」
顔から火が出る、とはこういう状況を指すのではないだろうか。唯の頭が羞恥で白熱した。
バレていたのだ。胸を見られるのが嫌で、必要以上に警戒していたのが。さりげなく振る舞っていたつもりだったのに。
「唯先輩の小さくて可愛らしいおっぱい、ここでついに披露。ってとこですかね」

「えっ」
唯は梓の言葉を、すぐには理解できなかった。胸をさらけ出す?こんな場所で、こんな気持ち悪い女の子に?実の妹の憂以外の誰にも見せまいと気をつけていたのに…?
梓が唯のブラに手を伸ばしてくる。やめて。声に出そうとしても、暴力への恐怖が妨害してうまくいかない。
梓は唯の背中に手をまわし、ホックを外しにかかる。だが、手が震えてうまくできないらしい。唯はじっとりと汗ばんだ梓の手を感じた。その感触はとてつもなく気色悪いものだった。
「他人のって、こんなに外しにくかったんだ。知らなかったな…」
外せませんように。永久に外れないでください、神様…
ついに業を煮やしたようだ。梓の爬虫類の目が般若の目に変わり、唯のブラを引きちぎった。
「あ、やだぁ…嫌だよぅ…」
見られてしまった。ふくらみに欠ける白い丘も、先端の小さな突起も。


「うわぁ…」
梓はジロジロと、唯の胸を観察し続ける。恥ずかしさが猛烈な吐き気となって唯に襲いかかる。
先端は、制服ごしとは言え梓に刺激されたのと、外気に触れたのとで早くも尖り始めている。
梓は目ざとくそれに気づき、ニタニタと下品な笑みを浮かべる。
「予想以上にちっちゃいんですね。唯先輩のおっぱい。その年でこんなサイズなら、私なら死にたくなるかもです」
さらっと一番気にしていたことを言われ、唯はうめき声をあげた。
「なるほど。こんなサイズなら他の皆さんから隠したがるわけです。特に律先輩には何て冷やかされるかわかりませんしね」
「…」

唯は言葉も出なかった。墨汁を大量にこぼしたように、唯の心に黒い暗い闇が広がっていく。あの澄んだブラウンの瞳から光が失われていく。
「あっ、そうだ。小さければ小さいほど感度がよくなるっていうの、試してみましょうか」
梓は荒い鼻息をひとつ吐くと、いきなり唯の胸に飛びついた。発展途上の丘を、爪をたてて揉みしだく。
「いやっ…痛いよっ!痛い痛い痛い!」
唯が悲鳴をあげる。それは、明らかに相手に快楽を与える行為ではなかった。ただ欲望にまかせて汚し、蹂躙するだけの破壊行為であった。

唯の小さいながらも白く洗練された胸は、たちまちのうちに血と醜い爪痕に汚されてしまう。だが梓の手が蠢くたびに、凄まじい快楽の電撃が全身を貫く。
梓は唯の胸に顔を近づけると、薄い色の先端にしゃぶりついた。すぐにあの赤い舌が絡みつき、汚らしい体液を塗りたくる。
「くぅ…ひィ…やぁあっ!」
「ちゅっ…ふぅ、このみすぼらしい胸から、ばっちいミルク吸い出してやるです!」
母乳など出るはずもないのだが、梓は吸い付きを緩める気配もない。もう片方の先端を指で引っ張り、爪を思いきりたててつねる。
唯はもはや、快楽に振り回された哀れな子羊だった。両手を後ろ手に縛り上げられて、気持ち悪い後輩に馬乗りにされ、胸を陵辱される牝の子羊。

唯の胸にさんざん快楽を注入していた梓は、急に何かに気づいて胸を痛めつける手を止めた。
「…?あっ」
梓の手が下半身、スカートの中に伸びていくのに気づき唯は理性の残骸を取り戻した。

「やめてっ!そこはやめてっ!」
「うるさいですっ!」
「ぎィっ!」

梓は唯の先端を摘むと、爪をたてて力いっぱい捻った。ペットボトルの蓋を開けるような力で捻られた先端から、たちまち水っぽい血が溢れてくる。
梓はそんなことなど意に介さず、唯のスカートの中を弄る。
「…ぷっ。きゃはははは、唯先輩のおマ×コ、もうびっしょびしょじゃないですか」


梓の荒い吐息が、唯の足の付け根にかかる。生暖かく、湿気を含んだそれは唯をひどく怯えさせた。まるで、かかったところから自分が腐ってしまうようで。
腐って?唯はふと、すべての非が自分にあるのでは、と考えてみた。心のどこかに冷静なもう一人の唯が新たに誕生し、それを検討してみる。
もしかしたら、自分が間違った人間だから、腐った人間だから、神様が罰を与えたのだろうか。だからこんな害虫みたいな女の子に、唇を、大切な胸を、そして…。
「あぁっ!」
秘部を這いまわる指を感じて、唯は我にかえった。梓はどこか緊張した面もちで、唯の大事な場所をゆっくりとなぞる。
たぶん、他の女の子のを見るのが初めてなのだろう。さっきのような軽口も出てこない。
「おしっこ漏らしてるみたい…。へぇ、唯先輩ってこんなになるんだ…すごいな…」
ボソボソと呟かれる感想の一言一言が、唯の心を傷つけるガラスの破片となる。

「そっか…唯先輩って、後輩にキスされて、おっぱい苛められて感じちゃうヘンタイさんだったんですねっ」
顔をあげた梓が、満面の笑みで唯の心を抉る。細く歪んだ目は、相変わらず爬虫類のそれだった。
「私、我慢を教えてるはずでしたよね?なのに唯先輩ときたら、こんなにマXコびっしょりさせて、全然反省してないじゃないですか。クズ。もはやクズですよ」
梓の唇が歪む。
「クズは更正しないといけません。これからお仕置きしますけど、文句はないですね?」
唯は答えられない。お仕置き?これからもっともっと辛いことをされるの?私がクズだから?
「ないですね?」
梓は再び確認すると、唯の胸の先端をくわえる。今度はさっきまでとは違い、優しく、慈しむように舌を絡める。その甘く鋭い快楽に、唯の思考は真っ白になる。首をわずかに縦に動かしてしまった。
梓は唯の胸から顔を離すと、例の形だけの笑みを唇に浮かべた。


梓は唯の腰に手をやったかと思うと、いきなりパンツを勢いよく引き下ろした。唯の濡れた部分が外気に触れる。
「あっ…!」
見られてしまう。あまり生えてないぽわぽわした毛も、誰にも、それこそ憂にも見せたことのない部分も、皺のよった小さな穴も。唯は必死で脚を閉じて、視線の矢に抵抗した。
「返して、それ返して!お願い止めて許してぇ…うぅ…うえええ」
最後は涙で声にならなかった。もはやスカートと靴下しか身にまとっていない唯は、眠る獣のような格好で丸まり、嗚咽を漏らし続けた。
梓はそんな唯を見ながら下着の匂いを堪能していたが、ふいに立ち上がると、いきなり唯の腹に蹴りを入れた。
「うぶぅ!」


梓は続けざまに唯の腹に蹴りを入れる。唯はあまりの苦しさ、鈍い痛みに息がつまった。酸欠の金魚みたいに口をパクパクさせる。
「誰も脚を閉じていいなんて言ってませんよ?お仕置きの意味、本当にわかってますか?」
唯は体をビクッと震わせた。腹に焼けるような痛みの余韻がまだ残っている。足がまたなすすべもなく震えだした。
「少しは懲りましたか?なら脚を開いてください」
唯は躊躇した。見られたくない。誰にも、風呂で洗いっこする憂にも見せたことのない部分なのに。見られたくない…!
「脚を開いてください」
梓がまた命令する。唯はビクッと全身を震わせ、そろそろと脚を開いてしまう。大切な部分が露わになる。 もはや唯は人形同然であった。持ち主の暴力に怯える哀れな人形。

梓は満足そうに唯の露わになった部分を見つめる。彼女の目に、もはやためらいはない。目の前の食材をどう料理しようか検討している目であった。恐れも罪の意識もない。
「じゃ、ちょっと痛むかもしれないけど、我慢してくださいね。これはお仕置きなんだから」
唯は機械的な仕草で何度も何度もうなずく。それは端から見てると、子供のおもちゃのような滑稽な姿であった。 梓は唯のそんな姿に満足すると、ゆっくりと彼女の割れ目に触れた。
「あっ!」
触れられただけで、唯の体が大きく反りかえる。いやらしい声を涎と一緒に垂らしそうになり、あわてて口を閉じる。

梓は唯の奥にそろそろと指を這わせる。指が、まるで意志をもった別の生き物のように唯の敏感な場所を探して蠢く。そのたびに唯はビクッ、ビクッと体をしならせる。
「唯先輩のオマ×コ、綺麗なピンク色ですね。こんなに感度いいし。もしかして、したことないんですか?オナニー」
唯は答えない。答えられないのだ。歯をガッチリと閉じて、いやらしい声が溢れるのを押さえているから。ダムが決壊したら終わりだ。 梓の指が、唯の一番敏感な芯に触れた。
「ひぁああっ」
途端に唯のダムはあっさりと決壊した。梓も唯の弱点に気づく。
「ここがいいんですね?」
梓は発見した唯の芯を見失わないように気をつけながら、唯の壁の中をわざとでたらめに指を這わせる。指が何度も何度も芯の上を通過する。
「ひぃ、あぁあ、やああっ…んあっ」
指が通るたびに、唯の決壊したダムからいやらしい声が暴れ水のように漏れ出す。


でたらめに唯の中で這いまわっていた指が、突然芯に集中して動きだした。唯の頭を、鋭い光の槍が貫く。
「あっ…ああああああああっ」
梓は唯のそんな様子に満足したのか、さらにいじめる手を強める。指でシコシコとこすりあげ、つぶすようにゆっくりと押す。
「唯先輩のいやらしいお汁、どんどん出てきますよ。ほら、乳首もこんなにピンってしてるし…エッチ」
「ひあっ!」
梓は唯の芽をいじりながら体をずらし、唯の胸に舌を這わせた。舌が先端に絡みつき、唯に激痛を与えた。先ほど梓が思いきりつねった方だ。
焼けつくような胸の痛みが、やがて快感に変化していく。梓は開いた手で、もう片方の突起をクリクリと丸め、弾く。
三方からの快楽が、唯のありとあらゆる感情を消していった。淡いピンク色の霧が、頭の中にたちこめている。


梓がふいに唯の胸から顔をあげ、満足げに笑みを浮かべる。
「唯先輩、そろそろ限界ですよね?私も早く気持ちよくなりたいですし…」
限界?そんなものとうに過ぎてるよ。後輩に裸を見られて、暴力を振るわれて、いやらしいことをされて…。唯には梓の言った意味がわかっていなかった。
ふいに梓が唯の中心にかがみこみ、彼女の亀裂をあの猫のような赤い舌で舐めあげた。
「…ひぎぃぃぃィっ!!」
その瞬間に唯を襲った刺すような快感は、これまでとは比べものにならないくらいきついものだった。腰がひとりでに跳ね上がる。止めることができない。
梓はそんな唯の脚を無理やりに押さえつけ、唯の秘部を徹底的に責めた。

「ああ、あっあっ、あずにゃぁあん、ダメだよぅ、汚いよう…ひぃっ!!」
唯は必死で中心を襲う白熱した感覚から逃れようとしたが、両腕の使えない彼女にはどうすることもできない。
快楽に身を委ね、髪を振り乱してあられもないことを口からほとばしらせ、腰を大きく痙攣させるしかない。
唯はもはや唯ではなかった。大きな波に押し流された、波打ち際のちっぽけな何かに過ぎなかった。 そして唯の中でも、大きな白い波がせり上がってきた。
「あっあずにゃああああああんん、ひぃ、え、も、もうダメ、ヘンになる、流されちゃう!あぁあ流されちゃうよぉ!!ごめんなさいごめんなさいごめんなさいぃィィィィっ!!!!」
白い波が砕け散ったとき、ついに唯は絶頂に達した。秘部からとめどなく液がこぼれ落る。意識が白熱して消えていく…。


…意識が戻ったとき、唯が真っ先に気づいたのは梓の嬌声であった。
時間は先ほどから驚くほど進んでいなかった。わずか20分程度しかたっていない。手のリボンも、脱ぎ捨てられた制服や下着もそのままだ。唯は何時間も気を失っていた気がした。
梓は無抵抗の唯をオカズに、全裸で自慰にふけっていた。唯のことなど決して言えない胸を揉みしだき、くすんだ色の先端に唾液を塗りたくり、指で圧迫する。秘所をあからさまにいやらしい音をたてながらかき回す。
そのあまりにおぞましい光景に、唯は思わず顔を背けたくなる。
ほどなくして、梓も絶頂を迎えた。陸に打ち上げられた魚のように、体を暴れさせ、荒い息を吐き出す。
少したってから梓は、唯の回復に、自慰行為を見られていたことに気づく。だが自らの醜態を少しも恥じる様子もなく、顔に笑みを浮かべる。
「ようやくお目覚めですか?誰もイっていいなんて言ってないのに、本当に我慢が足りないんですね。」
う…っ。

唯の目から、涙が溢れ出てきた。止める間もなく、次々と大粒の涙がこぼれ落ちる。唯の心はありとあらゆる感情に押しつぶされ、粉々に砕け散っていた。
大好きだった後輩に裏切られた悔しさ、同性に犯され、汚された悲しみ、体に残る傷跡…。
「あずにゃん…ひどいよ…グズッ、何でこんなこと…」
梓に手を解放された後も、唯はそのままの姿勢で嗚咽をこぼし続けた。
「何って…別にいいじゃないですか。気持ちよかったでしょう?」
梓は唯の涙にも動じず、いそいそと脱ぎ散らかした下着や制服を身につけている。
「唯先輩も、早く着替えて帰ったらどうです?なんなら、ここでもう一度、でもいいですよ?」
梓の顔にいやらしいニタニタ笑いが浮かぶ。唯は立ち上がると、大急ぎで下着と制服を身につける。
「…さよなら」
そして唯は、カバンとギターを下げて走り去った。扉の向こうから、しばらく唯の嗚咽が聞こえてきた。
梓はしばらくの間、部室に無言で佇んでいた。部員の帰った後の部室とは、なんと寂しいことか。まるでお祭りの後の広場だ。
…そう、「お祭り」の後の。



第一章 終


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最終更新:2010年01月22日 02:34