- 170. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/05/30(月) 06:58:57.74 ID:NcMDH6Rz0
- 私達は澪先輩を見送りました。
「これから、どうしましょうか、ゆい先輩」
「う〜、寝たいよ〜」
「もう!!どうしたんですか、今日は」
「あう〜。別になんでもないよ〜。ただ、眠いだけだよ〜。……………昨日は調子に乗って、今日の5時まで、戦っちゃったんだもん」
「はい?いまなんて……」
「ねえ、今日は一緒に寝て過ごそうよ〜、あずにゃ〜ん」
「さすがに寝て過ごすわけにもいきませんよ」
それもいいかもしれませんが、ちょっともったいない気がしますし。
「仕方がありません。じゃあ、ゆい先輩は寝ていて下さい」
「あずにゃんは?」
「私はみんなのレベル上げをしてきます」
「え、や、やめた方がいいよ(昨日もあんなに付き合ってもらったのに)」
「何を言ってるんですか。ハナダジムにも挑戦していくんですからね。万全にしておかないと。じゃあ、いったん、ホテルに戻りましょう」
- 171. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/05/30(月) 07:00:13.96 ID:NcMDH6Rz0
- 「ぐうぐう、ぐうぐう」
ゆい先輩はベットで気持ちよさそうに寝ています。一体、昨日、何をしてたんでしょうかね。テレビでも見てたんでしょうか?
「それにしても、幸せそうな寝顔ですね」
どんな夢を見てるんでしょうね。ゆい先輩のことだから、ケーキとかを食べてる夢でしょうか?起こすのも悪いので、サッサと行くとしましょう。一応、メモを残しておきましょう。
『ハナダの外れ、私達が戦った場所に行ってきます。 梓より』
これでよし。さて、行きますか。
「……あずにゃ〜ん」
ビクッ。
- 172. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/05/30(月) 07:01:01.80 ID:NcMDH6Rz0
- 「ムニャムニャ、そんなことしちゃ駄目だよ。……あん。変なとこ触んないでよ。……ムニャムニャ」
いきなり、名前を呼ばれてびっくりしましたけど、寝言ですか。というか、どんな夢を見てるんでしょうか。まあ、知りたくありませんけど。というより、知ってはいけない気もしますが。このまま、行ってもいいんですけど、なんとなくしゃくなんで、ちょっといたずらしてみましょう。
ツンツン。
私は柔らかそうなゆい先輩のほっぺをツンツンとつついてみる。プニプニしていて実に気持ちいい。癖になりそうです。
ツンツン、ツンツン。
「あう〜」
ゆい先輩は少しうっとうしそうに寝返りを打ってしまいました。少しやりすぎたかもですね。私は今度こそ、黙って、部屋を出ました。
- 173. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/05/30(月) 07:01:32.36 ID:NcMDH6Rz0
- 「よし、ここでいいかな」
私はデルビルとイーブイを出す。
「前回、デルビルは頑張ってくれたんだけど、もう少し、レベルを上げたほうがいいから、今日も頑張ろうね、デルビル」
私はデルビルの背中をなでる。
「イーブイはまだ、使いこなせない部分もあるから、レベル上げとともに、そこらへんもやるけど良いかな?」
「ブイ」
「そっか。ありがとね」
ナデナデと頭をなでる。
「じゃあ、皆、今日も頑張ろうね!」
- 174. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/05/30(月) 07:03:00.34 ID:NcMDH6Rz0
- 12時ごろ
「う〜ん、よく寝た〜」
私はちょうど、おなかも減ってきて目が覚めた。やっぱり、夜に特訓しても、こんなに眠くなったら意味ないね。今度からは気をつけなきゃ。
そういえば、あずにゃんはどこだろ?私は辺りを見回すとテーブルの上にメモがあります。うーんと、何々。
『ハナダの外れ、私達が戦った場所に行ってきます。 梓より』
なるほど、きっと、皆のレベル上げでもしてるんだろう。あずにゃんには内緒だけど、昨日の夜もやったし、皆には悪いことをしたかもしれない。
「う〜ん、どうしよう?」
時間もお昼だし、迎えに行こうかな。私は準備をして、あずにゃんを迎えに行くことにした。
- 175. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/05/30(月) 07:03:35.34 ID:NcMDH6Rz0
- 「ふう〜、ちょっと休憩しましょうか」
私は連携を確かめたり、イーブイの進化の使い方の確認を行ったりしました。なので、ちょっと、疲れました。
「イーブイ、こっちにおいで。ブラッシングしてあげますから」
こういうちょっとしたコミュニケーションも大事ですよね。トレーナーとして。
「ブ〜イ」
「デルビル」
「デルビルもやってほしいの?ちょっと、待っててね」
私はイーブイのブラッシングをしつつ、デルビルの頭をなでる。嬉しそうにするイーブイやデルビルを見ると気分が良いですね。
「そういえば、もう、お昼ご飯ですね。唯先輩のところに戻りますか」
- 176. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/05/30(月) 07:04:52.26 ID:NcMDH6Rz0
- 「残念だけど、それはできないな」
声のした方を見ると、見覚えのある服を着た3人の男がいました。周りには5匹のアーボックとマタドガス達がいます。
「昨日はよくもやってくれたな」
「あなた達は昨日捕まったはずじゃ」
「洞窟内部でやられたからな」
「逃げるのも楽だったわけよ」
なるほど、納得です。
「てめーのポケモンを奪って、ロケット団に戻ってやる」
どこまでも下種な人たちですね。でも、こちらはきついですね。デルビルとイーブイは疲れてますし、万全なのはハッサムだけですか。まあ、でも、問題ないですね。ハッサムは強いですし。
「出てきて、ハッサム」
私はハッサムを繰り出しました。
「マタドガス、アーボック」
「行きなさい、ハッサム。バレットパンチ」
ハッサムは先制攻撃を仕掛けます。そのおかげで、マタドガスをまずは倒しました。
「次もやるです、メタルクロー」
続いて、アーボックにも攻撃を加えます。
「シャーボック」
アーボックもふっ飛ばして、倒しました。これで、後、3匹です。
- 177. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/05/30(月) 07:05:50.35 ID:NcMDH6Rz0
- 「どんなもんですか」
「くっくっくっ。まあ、これくらいは計算どおりだな」
「強がりですか。情けない連中ですね」
「まあ、こいつを食らってから言いな」
そう言って、ロケット団はハッサムにビンの入り口に紙を入れて、火をつけて、投げてきました。あれはなんていうんでしたっけ、そうだ。
「火炎瓶!?」
「そのとおり」
ハッサムははがねタイプでほのおタイプ、すなわち、火の技が弱点です。つまり……
「ハッサーーム」
ハッサムに大ダメージということです。
「大丈夫ですか、ハッサム。戻ってください」
「これで、切り札は消えたわけだ」
「私には、まだ、2匹います」
「そんなに弱ってる奴が2匹いてもな〜」
たしかに、今までの特訓のせいで疲れきってますからね。
「こっちは残り、3匹。そっちは2匹。おまけに妙な奴もいない。終わりだな」
「くっ」
どうすればいいんでしょうか。
- 178. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/05/30(月) 07:06:39.90 ID:NcMDH6Rz0
- 「お〜い、あずにゃ〜ん」
「あ、ゆい先輩」
「チッ、また、あのガキか」
「むむ、これはあずにゃんのピンチだね」
「かまわねえ、やっちまいな」
「それじゃ、早速いくよ〜(格好よく倒して、あずにゃんになでなでしてもらおう)ゆいちゃん真拳奥義『ゆいあず☆ちょっと残念な昔話』」
あれ?今回はいつもと違いますね。人形が出る様子もありませんし、名前も無茶苦茶だし。
「まず、初めのタイトルは『アズサの恩返し』」
- 179. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/05/30(月) 07:07:30.42 ID:NcMDH6Rz0
- 「誰かー。助けてください」
「むむ。あれはあずにゃんじゃないか。しかも、罠に掛かってる」
「助けてください」
「もちろんだよ」
罠を外す。
「ありがとうございます。このご恩はいずれ返します」
「いいよー、別に」
「いいえ、絶対返します。それではまた」
その日の夜
コンコン。
「はーい。どなた?」
「私は今日助けてもらったアズサです。約束どおり、恩返しに来ました」
「そんな〜。悪いね〜」
「では、恩返しの品です」
10円ガム。
「………」
「………」
- 180. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/05/30(月) 07:08:42.50 ID:NcMDH6Rz0
- 「意味わかんないよー」
アーボックにパンチ。
「別に恩返しのために助けたんじゃないけどさー」
キック、キック、パーンチ。
「シャーボック」
「でもさー、恩返しなんて言われたら、期待しちゃうじゃない」
ワンツー、ワンツー。
「物なんて要求しないけど、せめて、ネコミミをつけたあずにゃんを一日抱きつける券をあげるとかさ、やることあるんじゃないかなー」
「なにを言ってるんですか、ゆい先輩!!」
エネルギーを右手に溜まってます。
「ゆいちゃんパーンチ」
アーボックはふっ飛ばされてしまいました。
「なんだ、今の技は」
「くそ、マタドガス、ベトベトン」
2匹はゆい先輩に襲い掛かろうとします。
「次のタイトルはね、『ゆい太郎』」
- 181. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/05/30(月) 07:09:29.53 ID:NcMDH6Rz0
- 「さあ、さっそく、鬼ヶ島に出発しよう」
「はいです。皆、頑張ろうね」
「ニャー」
「……」
「あの、あずにゃん。この2匹は……」
「あずにゃん2号とスッポンモドキのトンちゃんです」
「………」
- 182. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/05/30(月) 07:10:23.66 ID:NcMDH6Rz0
- 「これじゃ、戦えないよー。ゆいちゃん昇竜拳」
マタドガスを上にふっ飛ばします。
「あずにゃんはいいとしても、あと2匹はなんなのさー。ゆいちゃんキック」
ベトベトンすらもふっ飛んでいきます。何なんですかね、この技。
「さて、残りは君たちだね。最後に一番残念な話をしよう」
「くそ。なんなんだ、こいつの強さは」
「いったん退くか」
「そうするか」
勝てないと分かったら、逃げるんですか。相変わらず、卑怯な連中です。
「一番残念な話……それは」
ゆい先輩は逃げ出す、ロケット団を先回りします。
- 183. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/05/30(月) 07:11:15.61 ID:NcMDH6Rz0
- 「この話だよーーーーーー」
と、叫んで、まず1人をキックで、ふっ飛ばしました。なにを言ってるのかはよく分かりませんが。
「もっと、書き手が良ければ、もっと、あずにゃんとイチャイチャして、それこそ、18歳未満お断りな展開もあったかもしれないのにさー」
まったく、言ってる意味がわかりません。
「くらえー、ゆいちゃん百烈拳」
ロケット団に百烈拳を叩き込みます。
「何事かね、この騒ぎは」
この騒ぎを聞きつけたのか、おまわりさんがやって来ました。
「ロケット団が襲ってきたんです」
「何!?」
その後、私達を襲ってきたロケット団の人達は見事に捕まりました。
- 184. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/05/30(月) 07:12:33.29 ID:NcMDH6Rz0
- 「事情聴取などで、結局一日が潰れちゃいましたね」
「そうだね。でも危なかったね、あずにゃん。私が来なかったら、どうなってたことか」
「そうですね。今回は本当に助かりました」
「ねえねえ、あずにゃん。私のこともっとほめても良いんだよ〜。例えば、ナデナデしたり、ほっぺたにチュ〜、とかさ」
「調子に乗らないで下さい」
でも、そうですね。卑怯ですけど、気になってたことを聞きますか。
「撫でるくらいならしてあげますけど、1つ条件があります」
「条件?」
「昨日の夜なんで遅くまで起きてたんです?」
「それは………してたんだよ」
「はい?」
「特訓してたんだよ〜」
「特訓?」
「うん。皆に付き合ってもらって、今日の5時まで」
「ぷっ、くくくくく」
「笑わないでよ〜、こっちも真剣なんだから」
「すいません」
ナデナデ。
「あう〜」
気持ちよさそうにする、ゆい先輩。
- 185. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/05/30(月) 07:13:24.69 ID:NcMDH6Rz0
- 「どうして、急に、こんなことを?」
「澪ちゃんに負けたくなかったんだ」
「はい?」
「あずにゃんは澪ちゃんを見る目がとても、尊敬してるというかある種の安心感みたいな感じだったから、私が強くなれば、そんな眼で私を見てくれるかなって」
「……ゆい先輩」
いつも、ちゃらんぽらんに見えてもやるときはやるんですね。
「今度からは、そういう時は私に言ってくださいね」
「どうして?」
「どうしてって、私は……」
「私は?」
「ゆい先輩のパ……トレーナーですから。……さ、夕食でも取りましょうか」
「うん!」
- 186. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/05/30(月) 07:16:06.22 ID:NcMDH6Rz0
- ハナダ編? 「VS残党」終了
今までで一番グダグダな気がする
- 190. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/02(木) 17:22:23.05 ID:5tT44Yda0
- 前回までの状況(トレーナとポケモン)
梓 ゆい ハッサム デルビル イーブイ
澪 ゼニガメ
律 ヒトカゲ
ムギ フシギダネ
純 うい
ゆいの外見の設定が曖昧だから、ちゃんとしておこう
身長は幼稚園の唯くらいで髪型は高校生の唯と考えて下さい。
ハナダ編似? 「梓争奪戦?・ゆいVS律」 以下、投下
- 191. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/02(木) 17:23:48.11 ID:5tT44Yda0
- トキワシティのある施設にある捕獲班部長の部屋
『サントアンヌ号の襲撃か』
『ええ』
山中さわ子は梓たちを襲った男、マコトに言う。
『次は失敗しないでよ』
本来なら、一度失敗した男にこんなことを頼むべきではないかもしれない。しかし、この男は強い。さわ子はいろんなトレーナーを今まで見てきているが、この男、マコトは強いと感じる。今回はイーブイ捕獲の指揮官を任せたが、こいつの実力なら、おそらく、さわ子の次に、つまり、副部長くらいの地位にはいけるだろう。……ただ、1点の弱点を除けば、の話だが。
『なんで、襲撃するんだ?』
『琴吹家が私達に対する資金援助を断ったからよ』
なるほど、とマコトは考える。しかし、これは殲滅部隊の管轄ではないだろうか。捕獲班も、邪魔者の誘拐等も行うが、もともと、本来の管轄ではない。それに、ここまでのことなら、殲滅班の管轄だろう。さわ子はそんなマコトの疑問を感じ取ったのだろうか、こう答えた。
『今回のはいわば脅し。本気で殲滅する必要はないのよ』
『なるほど』
ロケット団も組織の維持のためにはある程度の資金が必要である。ポケモンの売買だけでは足りないものだ。このため、資金を確保することは何より重要なのである。今回の襲撃でたくさんの犠牲が出れば、十分な脅しにはなるだろう。
- 192. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/02(木) 17:24:54.89 ID:5tT44Yda0
- 『今回、あなたが連れて行ったどくタイプ班は全滅だったわね』
先日のイーブイ捕獲のための襲撃失敗、残党による梓たちへの襲撃失敗により、全滅していた。
『もとより、雑魚だったからな』
『強気ね。でも、こっちはどくタイプ班の班員を再構成しなきゃいけないのよ』
『そんなことより、何故、サントアンヌ号を?脅しなら、自宅でいいだろ』
『犠牲は多い方がいいと思わない?』
『なるほど』
自宅では家族のほか、せいぜい家政婦くらいだが、サントアンヌほどの客船なら、何百、何千人の関係ない奴の犠牲が出るだろう。マコトは考えただけでも興奮する。
『パーティーがあるからね。会長や社長本人は出ないけど、そのパーティには会長の孫も出るらしいから』
『……名前は?』
『名前は琴吹紬。って言っても、あなたが興味あるのは名前じゃないでしょ。なかなかの上玉よ』
『当然、犯してもいいんだよな?』
『いいわよ。ちゃんとビデオに収めてね。会長に送ってあげるから。裏ビデオにも流せるし』
『了解』
笑っているマコトを見ながら、さわ子は溜息をつく。これがなければ、それなりに上にいけるのだろう。
『とりあえず、詳細は後で言うから、その時の指揮は頼むわよ』
『了解』
ほくそ笑み、マコトは部屋を去っていった。
- 193. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/02(木) 17:25:55.59 ID:5tT44Yda0
- ハナダのホテル
「……ほわ〜。朝か」
さて、着替えて、準備しないと。
「う〜ん。ムニャムニャ」
可愛らしく、寝ているゆい先輩を見る。幸せそうな寝顔ですね。柔らかそうなゆい先輩のほっぺを見る。昨日もやったけど、もう一回だけ。
ツンツン。プニプニ。ツンツン。プニプニ。
……楽しいですね。本当に癖になりそうです。
- 194. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/02(木) 17:26:48.68 ID:5tT44Yda0
- 「あう〜、……アイスだ〜」
「え、ちょっと」
ゆい先輩は寝ぼけて、アイスと勘違いしたのか、私の指をペロペロと舐めてきます。
「あう〜、これは今までに食べたことのない味だよ〜」
舐めてただけだったんだけど、口に入れて、チュパチュパと吸ってきます。そう、例えるなら、赤ちゃんが哺乳瓶を吸ってる感じですね。その
上、舌で私の指を舐めてきます。
「ちょっと……、ゆい先輩、やめて下さい」
「ほえ……」
ゆい先輩は目をパッチリとして目を覚ました。
- 195. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/02(木) 17:27:26.56 ID:5tT44Yda0
- 「……」
「……」
「……あずにゃん、朝からエッチだね」
「な!!」
「朝から、私の口を使って、指をチュパチュパさせるなんて……あずにゃんたら、もう」
「ち、違います。これは、ゆい先輩が勝手に……」
「照れなくてもいいよ〜。エッチなあずにゃんも可愛いよ〜」
「だ、だから、違います!これはゆい先輩が寝ぼけて、私の指を舐めたんです!」
「そんなに、掴みかからないでよ〜。仕方がないな〜。あずにゃんがそうだって言うなら、そういうことにしておくよ〜」
「納得してもらえたなら、結構です」
いまいち釈然とはしませんが。
「ほら。起きたなら、準備して下さい」
「はいはい」
- 196. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/02(木) 17:28:31.71 ID:5tT44Yda0
- 私達は準備をして、朝食を取ることに。
「今日はどうするの?いちゃいちゃするの?」
「それは選択肢にもありませんけど、とりあえず、ジムに……」
「よう、梓じゃないか」
「はい?あ、律先輩」
「久しぶりだな。ここ、いいか?」
「はい、どうぞ」
「どうだ、バッチの方は?」
「そうですね〜、まだ、バッチが1個で……、律先輩は?」
「私は、つい先日に3個目をゲットしたよ」
「そうですか。昨日、澪先輩に会いましたよ」
「そうか。あいつ、強くなってるぞ。戦ったか?」
「いいえ。誘ったんですけど、断られちゃいました」
「まあ、そうだろうな。……梓に酷い事出来ないだろうしな」
- 197. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/02(木) 17:29:34.29 ID:5tT44Yda0
- 「はい?」
「そういえば、えーと、そこにいるちっちゃいの、名前は……」
「ゆいだよ〜」
「そうそう、ゆいだったな。強くなったのか?」
「もちろんだよ〜。私とあずにゃんの愛のち……モガッ」
「どうでしょうかね。ハハハハ」
「なんだ、その不自然な笑い」
「まあ、いいじゃないですか。気にしないで下さい」
「そうか。今日の予定はあるのか?」
「いえ、まだ、決まってはいませんが」
「なら、マサキに一緒に会いに行かないか?」
- 198. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/02(木) 17:30:45.94 ID:5tT44Yda0
- 「マサキ?それって、誰、あずにゃん」
「たしか、すごいポケモンマニアでパソコンつうしんのポケモンあずかりシステムを作ったらしいですね」
「そう、そいつだ」
「でも、なんでですか?」
「一度、会ってみるのもいいと思っただけだよ。せっかく、旅に出たんだし」
「なるほど」
バッチ1個しかない私にとっては、早くジムに挑戦したいんですが、しかし、律先輩の言うことも一理ありますし、久しぶりに会ったんですから、律先輩ともう少し、お話ししたいですし。マサキさんにもちょっと会ってみたいですし。私がちょっと悩んでいると、
「……やっぱり、私と一緒は嫌か?」
と、律先輩が不安そうに聞いてきます。
「あ、別にそういうわけじゃないですよ。いいですよ、行きましょう」
「そうか。……よかった」
律先輩は安心しているようです。
「むう」
「どうしたんですか、ゆい先輩。急に不機嫌になって」
「……別に。デザート頼んでいい?」
「別にいいですよ」
その後、ゆい先輩はデザートをガツガツ食べてたんですけど、どうして何でしょうか?
- 199. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/02(木) 17:31:55.86 ID:5tT44Yda0
- 「それじゃあ、行くか」
「はいです」
「がんばろ〜」
朝食後、早速出発することに。
「そういえば、今までの旅で面白いこととかあったか?」
「面白いことですか?う〜ん、面白いことはなかったですけど……」
私は、おつきみやまでの死闘について簡単に説明しました。
「梓、お前、澪がいなかったら、やばかったんじゃないか?」
「そうですね。本当にそう思います」
「……なあ、旅をやめた方がいいんじゃないか?」
「え?」
「だって、ロケット団が梓達に復讐しに来るかもしれないだろ。現に昨日も来てるわけだし。次に襲われたら、本当にやばいんじゃないか」
「……律先輩」
律先輩は心底心配してるような表情で言います。きっと、私のことを考えて、言ってくれてるんでしょう。私は本当に良い先輩達を持っていると思います。
- 200. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/02(木) 17:32:55.68 ID:5tT44Yda0
- 「ありがとうございます。でも、そんな奴らのために自分の目標を諦めたくありません」
もし、そんな奴らのために自分の目標を諦めたりしたら、今まで、私と一緒に頑張ってくれた律先輩達や支えてくれた両親達にも申し訳ありません。
「よく言ったね、あずにゃん。私がナデナデしてあげよう」
「ちょっ、やめて下さいよ」
肩車をしているので、私の上にいるゆい先輩が頭をナデナデしてきます。
「……そっか」
律先輩はなんていうか、寂しいような、嬉しいような、よく分からない顔で言います。
「どうしたんですか?」
「……いや、別に。梓も成長したんだな〜、って」
「なにを言ってるんですか」
- 201. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/02(木) 17:33:52.51 ID:5tT44Yda0
- 「そうだよね〜。あずにゃんもだいぶ成長したよ」
「ゆい先輩まで。だいたい、ゆい先輩は私と会ってそんなにたってませんよ」
「あの時は、毎日、いろんなポケモンを見て、眼を輝かせてたな〜」
「なんですか、急に」
「昔を懐かしんでただけだよ。あの頃はなにかあれば、澪先輩〜、ムギ先輩〜、だったからな」
「りっちゃんは何も言われなかったの?」
「……ああ」
「……それは悲しいね」
「分かってくれるか」
「うん」
「勝手に捏造して、意気投合しないで下さい」
目の前で、ガシッ、っと手をつなぐ二人を見て、私は言います。確かにそんな気もしますけどね。
「なあ、梓。私と一緒に旅をしないか?」
律先輩は唐突に頬を赤らめて言います。
- 202. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/02(木) 17:34:44.26 ID:5tT44Yda0
- 「律先輩と?」
「ああ。また、あんな連中が襲ってくるかもしれないだろ。旅を続けるにしても、2人なら、まだ、安全だろ」
「それはそうですけど……」
私のことが心配なんでしょう。顔が赤いのも、そんな理由で恥ずかしいからでしょうね。
「……私とじゃ駄目か?頼りにならないか?」
普段の律先輩とは思えないほど、不安そうに聞いてきます。どうしたんでしょうか?
「別にそういうわけじゃないですよ。律先輩の気持ちは分かりましたけど、律先輩はバッチ3個で私は1個。律先輩を足止めするわけにも行き
ません。……それに」
「それに?」
「私は強くなって、皆さんに挑戦したいんです。だから、どんな困難にも挑戦していきたいんです!!」
律先輩と一緒だと律先輩を頼ってしまいますし。それだと、強くなれませんし。
「あずにゃん、すごい燃えてるね、りっちゃん」
「ああ。少年漫画みたいなノリだな」
「人がやる気になってるのに水をささないで下さい」
- 203. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/02(木) 17:35:47.79 ID:5tT44Yda0
- なんだかんだで、マサキさんの家に。
「こんなところで1人で暮らしてるんですね」
「風変わりな奴だよな」
「まったくだね、近くにコンビニもないし、不便極まりないよね」
「郵便とかも大変ですよね」
「ああ。新聞なんかもな。毎朝、こんなところにも届けると思うと……」
「うわっ。はげしく嫌だね」
「冬とか、すごく寒いのに、こんな寒いところまで」
「冬も辛いけど、夏はもっと辛いだろうな」
「まったく、こんなところに住むなんて迷惑だよね」
「……聞こえてるよ、君達」
中から、茶色の髪をした男の人が出てきました。
- 204. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/02(木) 17:37:12.12 ID:5tT44Yda0
- 「君達は私の家にいちゃもんをつけに来たのかな?」
「すいません。そういうつもりじゃないんです」
「そうそう。ものすごく遠かったから、つい口から出てしまったというか……」
「……はあ。まあ、いいよ。で、何をしに来たんだい」
「珍しいポケモンを見せてもらいたくて来ました」
「分かった。とりあえず入りなさい」
私達は客室に通されました。
「なにか、飲むかい?」
「あ、いえ、お構いなく」
「私はジュースが……モガッ」
失礼なことを言い出すゆい先輩の口を塞ぎます。
「……フフ。じゃあ、ジュースでも」
「……すいません」
でも、ばっちり聞こえてたようです。……恥ずかしい。
- 205. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/02(木) 17:38:49.74 ID:5tT44Yda0
- 「それで、どんなポケモンが見たいんだい」
「ものすごく、かっこいいやつ」
「ものすごく、可愛いやつ」
律先輩とゆい先輩が同時に言います。
「ちょっ、二人とも。もう少し、遠慮して下さいよ」
「まあまあ。でも抽象的過ぎるね。君は何かあるかい?」
「私は……パソコンつうしんのポケモンあずかりシステムをどうやって作ったのか知りたいです」
「そんなのつまんないよ〜」
「そうだそうだ〜」
「いいじゃないですか、別に」
「君達は面白いね。そこの小さい子はえーと……」
「そういえば、自己紹介がまだだったな。私は田井中律だ」
「私はゆいだよ〜」
「中野梓です」
「私はマサキ、ともう知ってるよな。それで、ゆいちゃんは田井中さんの妹かな?」
「違うよ。私はこれでも、立派なポケモンなんだよ」
フンスと胸を張ってゆい先輩は言います。
- 206. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/02(木) 17:39:57.56 ID:5tT44Yda0
- 「君が?面白いことを言うね〜」
マサキさんは将来はウルトラマンになるんだって、言う子供を見る大人のような目で見ます。
「む、信じてないね。あずにゃん、いつものを」
「そんな、常連の店に来た客みたいに言わないで下さい」
そして、いつものようにボールの出し入れを。こうしなきゃ、信用されないポケモンも珍しいですよね。
「これは驚いたね。君はどっちのポケモンなんだい?」
「私はあずにゃんのポケモンだよ〜」
そう言いながら、ゆい先輩は私に抱きついてきます。
「あずにゃん分補給〜」
「ふむ、随分仲がいいね」
- 207. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/02(木) 17:41:25.24 ID:5tT44Yda0
- 「それはそうだよ。私達の関係はトレーナーとポケモンの枠を超えてるんだよ〜」
「な、何を言い出すんですか」
「へえ、例えば?」
「あずにゃんたら、私が寝てる間に、私の口に指を入れてチュパチュパさせるんだよ〜」
「な!!ちょっと待って……」
「……君にはそんな趣味が……」
「梓。同性愛はいいけど、さすがにロリコンっていうのは……」
「なにを言ってるんですか」
「そうだよ。私は18歳だからロリコンでもないよ」
「そういうことを言いたいんじゃありません」
「なるほど。合法ロリ、と言うやつだね」
「ある意味、梓のほうが珍しくないか?」
「確かに。同性愛のうえにロリコンというのは珍しい」
「だから、違いますよ。何で、皆、温かい眼で見るんですか」
「もしかすると、ゆいちゃんを連れているのも……」
「え、そうなの、あずにゃん。でも、安心していいよ。私はどんなあずにゃんでも受け入れてみせるよ」
「それは私だって、そうだ」
「りっちゃんは無理だよ。だって、体型が受け入れられないから」
「ふん。私の力で、梓をロリコンから救ってみせるさ」
「君達の愛は素晴らしいね」
「………」
「ん?どうしたの、あずにゃん」
「…………い」
「い?」
「いい加減にして下さーーーーーーーーい」
- 208. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/02(木) 17:43:27.92 ID:5tT44Yda0
- 「「「すいませんでした」」」
「分かればいいんです」
私はしばらく我を忘れて怒ってしまいました。……まったく、マサキさんまで。
「ごめんね、あずにゃん。ロリコンは正義だよね」
「……ゆい先輩」
私はゆい先輩の頬を引っ張ります。
「いらいふぉ、あすにゃん」
「君達は面白いね。このまま、芸人にでもなればいいんじゃないか」
「何を言い出すんですか」
「ごめん、ごめん。そういえば、ちょうどいい。君達なら、この子を任せられそうだ」
「なんか、くれるのか?」
「実は先日ジョウト地方から、あるポケモンをもらってね。このまま、家においておくのもいいんだけど、もったいないからね。ちょうど引き
取り先を探していたんだ」
「どんなポケモンなんです?」
「これだよ」
そう言って、ボールから出したのは黒い猫みたいなポケモンです。確かにカントーのポケモンじゃないですね。
「これはニューラというポケモンなんだ」
- 209. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/02(木) 17:44:34.36 ID:5tT44Yda0
- 「可愛いね〜。猫みたいだし、あずにゃんにぴったりだよ」
「ちょっと待て。別に梓がもらうって決まったわけじゃないだろ」
「そうだね。悪いんだけど1匹しかいないから、話し合うなりで決めてくれると助かるんだけど」
「むむ。りっちゃん。ここはあずにゃんのために退くべきじゃないかな?」
「ゆいだって、私に譲れば、梓にもっと甘えられるぞ」
「早くもヒートアップしてるね」
「トレーナーのはずの私は置いてかれてますけどね」
「よし!!じゃあ、ゆい。私が勝ったら、そのポケモンは私がもらって、梓は私と旅をするっていうのはどうだ」
「望むところだよ!私が勝ったら、その子とあずにゃんをもらうよ」
「え、なんか、話が変わってませんか?」
「君はもてるんだね」
「私が?まさか〜。2人とも、私をマスコットかなんかと思ってるんですよ」
「……君は本気で言ってるのかい?」
「はい?何か間違ってますか?」
「いや。……あの2人が不憫だ」
「?」
最終更新:2011年08月03日 16:48