210. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/02(木) 17:46:31.23 ID:5tT44Yda0
とりあえず、ニューラをかけて、勝負をすることに。

「あずにゃん、ボールを貸しなさい」

「はい?ゆい先輩が戦うんですか?」

「この勝負は私のあずにゃんへの愛を確かめる戦いなんだよ」

「……また、愛とかなんか言わないで下さいよ」

とりあえず、ゆい先輩にボールを渡します。

「勝負だよ、りっちゃん」

「望むところだ」

「使用ポケモンは3対3。形式は総当たり戦。準備はよろしいかな?」

審判はマサキさんが行います。

「うん。いつでもいいよ〜」

「こっちもだ」

「では……」

「「「バトル開始!!」」」

「出て来い、サワムラー」

「出て来て、ブイ太」

「サワムラーとイーブイか。これはサワムラーかな」

「いえ、私のイーブイは……かくかくしかじか」

「……ひどいことをするものだな」

「ええ」
211. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/02(木) 17:48:50.25 ID:5tT44Yda0
「ブイ太。今回はこれだよ」

ゆい先輩はかみなりの石を当てます。すると、イーブイはサンダースに進化しました。

「のんきにしてると痛い目を見るぜ。サワムラー、まずはゴムゴムのムチだ」

サワムラーはどこかの海賊漫画の主人公が出す技を出し始めました。

「しゃがんで」

すんでのところで、サンダースはしゃがんでかわします。

「反撃だよ。こうそくいどうで、サワムラーの胸元に入り込んで、十万ボルトだ」

サンダースは10m近くあった距離を一瞬で、サワムラーのところまで到達し、十万ボルトをサワムラーに浴びせます。

「ムラーー」

「よし、効いてるよ」

「あまいな」

サワムラーは十万ボルトを受けてるのもかまわずに、まわしげりをサンダースに仕掛けます。

「ダース」

その攻撃を避けきれず、サンダースはまともに喰らって、5メートルも吹っ飛ばされました。

「サワムラ」

サワムラーは倒れてる、サンダースに膝で追撃を喰らわせようとしますが、なんとか、転がって、サンダースはかわします。


212. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/02(木) 17:49:16.35 ID:5tT44Yda0
「よし、距離をとって、ブイ太」

サンダースは素早く距離をとる。サンダースの素早さの方がサワムラーよりも早い。

「ブイ太。こうそくいどうでサワムラーの周りを回りながら、かげぶんしん!」

サンダースはサワムラーの周りを忍者のように分身しながら回ります。

「まったく関係ないな。サワムラー」

サワムラーは足を伸ばして、サンダースが回ってるところに足を置き、まわしげりを仕掛けます。なるほど。これなら、サンダースがいくら早くても、関係ないですね。

「そうくるのを待ってたよ。ブイ太」

サンダースはかげぶんしんをやめ、サワムラーの足元に向かって、突撃します。

「ブイ太、かみついて!!」

サワムラーの足をサンダースがかみつきます。

「無駄だぜ。接近戦なら、サワムラーの方が強いぜ」

サワムラーはまわしげりをしていた片方の足を上に振り上げました。

「いけ、サワムラー。ゴムゴムの斧ーーーーーー」

「今だ、ブイ太。かみなりだーーーーーーーー」

サンダースは振り上げてるサワムラーの足にかみなりを落としました。例えるなら、避雷針みたいな感じですか。

「ムラーーーーーーーーーー」

サワムラーは感電しながらも、サンダースに向かって、足を振り落とします。かみついているサンダースの背中にサワムラーの足が振り下ろされ、サンダースはそのまま、地面に叩きつけられ、あまりの威力で地面にめり込んでしまいました。

「どっちが勝ったんでしょうか」

「うむ」

地面にめり込んでいるサンダースはが何とか立ちますが倒れてしまいました。サワムラーはなんとか、立っています。

「サンダース戦闘不能。よって、サワムラーの勝利。律選手に1ポイント」

213. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/02(木) 17:49:58.51 ID:5tT44Yda0
「へっ。まずは1勝だな」

「まだ、勝負は始まったばかりだよ」

「次も私の勝ちだ。いけっ、ニョロゾ」

「頑張ってね、サムちゃん」

「ニョロゾとハッサムか」

「ハッサムは私のメンバーでも特に強いんですよ」

「なるほど」

214. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/02(木) 17:50:56.83 ID:5tT44Yda0
「まずは先制だよ。バレットパンチ!」

「かわせ、ニョロゾ」

ニョロゾの反応よりも素早く、ハッサムの攻撃は決まりました。

「まだだよ、サムちゃん」

「ハッサム」

ハッサムは、ひるむニョロゾにメタルクローの連打を浴びせます。

「くそ。みずのはどうだ」

連打に苦しむニョロゾはなんとか、反撃し、ハッサムを少しふっ飛ばします。

「ハッサム」

しかし、ハッサムはひるまずに自分のはさみをクロスさせ、ニョロゾに突撃します。

「ニョロゾ、避けろ!!」

「残念だけど、あの、ニョロゾと君のハッサムじゃ、実力が違いすぎるね。よく育てたね」

「ありがとうございます」

ニョロゾは避けきれず、ハッサムのシザークロスをまともに受け、上に吹っ飛ばされました。

「ニョロゾー」

バーン。

地面に叩きつけられました。目をグルグル回しています。

「ニョロゾ、戦闘不能。ハッサムの勝ち。ゆい選手に1ポイント」
215. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/02(木) 17:52:14.48 ID:5tT44Yda0
「1対1ですか」

「次で決着だね」

「さて、次はいよいよ、私の番だよ。あずにゃん、ボールを持ってて」

ゆい先輩は私にボールを渡します。

「さあ、来い。りっちゃん」

「じゃあ、因縁の相手と行くか」

因縁の相手というと、私と律先輩が初めて、戦った時に出したポケモン。つまりはヒトカゲですか。

「ふん。私に負けたポケモンだね。何度でもかかってきなさいな。私が何度でも粉砕してあげるよ」

「へらず口を叩けるのも今のうちだぜ。いけっ、リザード」

「リザード」

「進化したんですか」

「当たり前だろ」

「ふ、ふん。進化したって私の敵じゃないよ」
216. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/02(木) 17:53:08.83 ID:5tT44Yda0
ジリジリ。

「なんで、あとずさってるんですか」

「だ、だって、怖いよ。あの子」

「サッサと蹴散らせ。きりさくこうげきだ」

「ヒイ」

ゆい先輩は何とかかわすも、地面は30cmくらいえぐれています。

「どうした、ゆい」

「………怖いよ〜」

ピョコピョコっとゆい先輩は逃げ出しました。

「くそ、追え、リザード」

「リザド」

「わっ。追いかけてきたよ。た〜す〜け〜て〜」

一生懸命逃げるゆい先輩に追いかけるリザード。なんていうか、ガキ大将に追われる、眼鏡をかけた小学生みたいな感じで、グダグダです。
217. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/02(木) 17:55:04.33 ID:5tT44Yda0
「リザード、ほのおのうずで逃げ道をふさげ」

リザードはほのおのうずでゆい先輩の周りに炎を出します。

「あつっ!これじゃあ、逃げられないよ」

「今だ、きりさけ!」

「しまった!」

「ゆい先輩!」

リザードのきりさく攻撃は見事にゆい先輩のお腹から真っ二つに引き裂きました。

バタ。

空中に浮いていた、ゆい先輩の上半身が地面に落ちます。

「……ごめんな、ゆい。これも勝負なんだ。マサキさん」

「ああ。ゆいせんと……」

「まだ終わってないよ!」

「何!?」

「どこにいるんだ」

「上だよ〜」

上を見ると、ゆい先輩がジャンプをしていて落下してきています。

「サチッ」

「え。じゃあ、これは?」

「それはゆいぐるみだよ。名づけて、ゆいちゃん真拳奥義『身代わりの術』」

「そのまんまだな、おい」
218. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/02(木) 17:56:16.32 ID:5tT44Yda0
「まるで、忍者みたいだね、君のポケモンは」

「そうですね。私でもまったく理解できません」

「さて、今度はこっちの番だよ。いくよ、ギー太。D・Dモードだよ」

D・Dモード?初めて聞きますね。

「どうせ、ギターの音だろ?弾かせる前に攻撃だ、リザード」

「チッチッチ。そんなもんじゃないよ。ゆいちゃん真拳奥義『ゆい戯王デェルモンスターズ』」

「ゆい戯王!?」

「………はあ。また訳の分からない技を……」

ゆい先輩はカードをギターにセットしました。

「まずはデッキから、カードを五枚ドロー。さて、まずは私のターンから。カードを1枚ドローするよ。……うん、まずはこのカードを召喚だ!」

ゆい先輩はカードをギターにセットします。……どんな仕組みなんでしょうね、あれ。

「なんだ、あれ。カードが実体化した」

カードが実体化したのはいいんですけど、あれって私に似てません?

「ふっふっふ。私が召喚したのはあずにゃんだよ」

やっぱり。

「そして、私は装備魔法『ネコミミ』を装備するよ。ターンエンド」
219. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/02(木) 17:57:30.38 ID:5tT44Yda0
「訳の分からない技を使いやがって」

「さて、りっちゃん。私を攻撃するにはあずにゃんを攻撃しなきゃいけないけど、りっちゃんにできるかな?」

「……くっ」

「普通に攻撃すればいいのに。どうしたんでしょうか?」

「………それは好きな人を攻撃はできないだろうね。たとえ、立体映像でもね」

「はい?何か言いましたか?」

「いや、なんでも」

「かまうもんか、リザード、きりさく攻撃だ」

リザードは『私』に向かって攻撃を仕掛けます。

「これで、終わりだ!!」

「それはどうかな?」

「何!?」

「ネコミミをつけたあずにゃんの効果を発動。相手の攻撃対象になった時、その可愛さから、相手のモンスターの物理攻撃力をゼロにする」

「リザード」

目がハートマークになって攻撃が鈍ってます。

「反撃。あずにゃんパンチ!」

「リザード」

リザードは反撃を受け、5m吹き飛ばされました。
220. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/02(木) 17:59:15.22 ID:5tT44Yda0
「りっちゃん、お前、弱いだろ」

「何だと!」

「まさしく、最終戦という名にふさわしい戦いだね、中野さん」

「どこがですか?」

「私のターン。……引いたよ、キーカードを」

「何を引いたんだ!?」

「私が引いたカードは………封印されしユイゾディア!!」

「封印されしユイゾディアだと!馬鹿な、奇跡を起こしたというのか!!」

「そういえば聞いたことがある。手札に封印されしユイゾディア、制服、黒タイツ、ギー太、ヘアピンの5枚のカードがそろった時、強大な力が生まれると………」

「え!?何を解説しだしてるんですか!?」

手札をギターに1枚ずつセットし、巨大などこかの制服を着たゆい先輩が出て来ました。

「くらえ、ゆいちゃん真拳奥義『怒りの業火、ゆいゾート・フレイム』」

巨大なゆい先輩のギターから、火炎放射みたいなビームを出し、リザードに直撃し、15mくらいふっ飛ばされました。

「私の勝ちだね、りっちゃん」

「くっ。だが、まだまだだぜ」

「リザード」

傷つきながらも何とか立ち上がるリザード。……なんていうか不憫ですね。
221. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/02(木) 18:00:28.76 ID:5tT44Yda0
「ゆい、これを見てみな」

「?  それはな〜に?」

「これは、梓の入浴シーンの写真だ」

「なっ!!」

「何だと!そいつをこっちによこすんだ、りっちゃん」

「ゆいが負けてくれたら、あげるぞ」

「そ、それは出来ない相談だよ」

「じゃあ、無理だな」

「う、うわあああああああ」

「はっははははは」

「りっちゃーーーーーーーん」

「リザード。かえんほうしゃで攻撃だ」

「無駄だよ。あずにゃんの効果で……」

「かえんほうしゃは特殊攻撃だぜ」

「!?」

リザードの攻撃で、『私』を攻撃し、破壊します。その影響で、ゆい先輩にもダメージが。
222. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/02(木) 18:01:46.06 ID:5tT44Yda0
「くそ、私のターン。私は手札抹殺を発動。手札を全て捨て、カードをその枚数分ドロー。つまり、デッキから5枚カードをドローする」

「どうした、いいカードでも引いたか?リザード、サッサとトドメを……」

「覚悟しろよ、このデコ野郎!」

「何だと!」

「私は魔道戦士ゆいちゃんを召喚。攻撃だよ」

戦士のコスチュームをして、剣を持っているゆい先輩がリザードに斬りかかります。

「リザーーーーード」

リザードは斬られるもまだまだ、元気です。

「その程度か。今度は……」

「何勘違いしてるんだ」

「ひょ?」

「まだ、私のバトルフェイズは終了してないよ」

「なにを言ってやがる。もう攻撃は終わってるじゃないか」

「そもそも、バトルフェイズ自体がおかしいんですけど」

「シッ。ここは静かにしてるところだよ」
223. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/02(木) 18:03:21.60 ID:5tT44Yda0
「速攻魔法発動だよ。『狂戦士の魂(バーサーカーソウル)』」

「狂戦士の魂(バーサーカーソウル)?」

「手札を全て捨て、効果を発動。このカードはデッキから、モンスターカード以外をドローするまで、何枚もドローし、その枚数分追加攻撃が出来る」

「何!」

「あのカードは……」
「また、何か知ってるんですか」

「ああ。あれは伝説のデュエリストが所有する伝説のカード……。こんなところで、目にするとは」

この人は、一体、何者なんでしょうか。

「さあ、行くよ。まず、1枚目、モンスターカード「中学生のあずにゃん」」

「なっ!」

「魔道戦士ゆいちゃん、リザードに攻撃」

戦士のコスチュームをして、剣を持っているゆい先輩がリザードに斬りかかります。

「グハッ」

「2枚目、ドロー。モンスターカード「黒く肌の焼けたあずにゃん」」

「ギャー」

「3枚目、ドロー。モンスターカード「ロングヘアーあずにゃん」」

「アアアア」

「4枚目、ドロー。モンスターカード「寝袋あず……」」

「もうやめるんだ!」

その時、マサキさんがゆい先輩に駆け寄りました。

「離してよ」

「リザードのライフはゼロだ。もうとっくに勝負はついてるんだよ」

「はあ、はあ」
224. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/02(木) 18:04:05.51 ID:5tT44Yda0
「梓、判定」

「え、私ですか。えーと、リザード、戦闘不能。よって、ゆい先輩の勝ち。ゆい先輩に1ポイント。計、2対1で、ゆい先輩の勝ちです」

「わーい、やったね」

「おめでとう。ニューラは君の物だよ」

マサキさんは私にニューラの入ってるボールを渡します。

「あ、ありがとうございます」

「……」

律先輩のほうを見ると、黙って、こっちに歩いてきます。や、やっぱり、今のふざけた戦いに腹を立ててるんでしょうか。律先輩はゆい先輩のところに歩み寄りました。
225. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/02(木) 18:07:03.17 ID:5tT44Yda0
「な〜に、りっちゃん」

「いい戦いだったな」

と、ゆい先輩に手を差し出します。

「うん。今回は私の勝ちだけど、りっちゃんも強かったよ」

ゆい先輩はその手をがっちりと握ります。ほほえましい光景なんでしょうが、私にはまったくそんな感じがしません。

「最後の戦いはよかったよね。観客がいればスタンディングオペレーションだね」

スタンディングオベーションです。それに観客がいれば、怒るか訳の分からないって感じでポカーンとするだけでしょうね。

「ああ。また、こんな戦いがしたいな」

2度としたくありません。

「すばらしい戦いだったね、2人とも。特に最後の戦いはポケモンリーグでやってたら、歴代のバトルでも、名バトルとして記録に残るだろう
ね」

記録より記憶に残るでしょうね。珍バトルとして。

「そう思わないかい、中野さん」

「まったく、思いません」

私が正直に答えると、皆が冷たい目で見てきます。

「おいおい、梓。このバトルの良さが分からないと一流にはなれないぞ」

「一生、なれなくていいと思います」

「まったく、人が感動してるのに、少しは空気読みなよ、あずにゃん」

「そんな空気読みたくありません」

「あまり、我侭言ってゆいちゃんを困らせるのはいけないと思うよ」

「困らせるのはゆい先輩達ですし、あなたのキャラがよく分かりません」

「「「やれやれ」」」

「皆であきれないで下さい」
226. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/02(木) 18:09:02.86 ID:5tT44Yda0
それから、私達は少しお話して、出発することに。

「もう、行くのかい」

「ああ。私はイワヤマトンネルの近くの宿泊施設に行かなきゃいけないから」

「それでは、さようなら」

「ばいば〜い」

「頑張ってくれよ。ポケモンリーグを楽しみにしてるよ」

私達はマサキさんと別れ、ハナダシティの近くに戻ってきました。

「さて、私も行くかな」

「もう少し、ゆっくりしてもいいと思うんですけど……」

「梓だって、早くジムに挑戦したいだろ」

「律先輩……」

さすがですね。私に気を使ってくれるなんて。

「じゃあな」

「あ、待って下さい」
227. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/02(木) 18:10:23.00 ID:5tT44Yda0
「なんだ、梓。私と別れるのが寂しいのか?」

「写真を返してください♪」

「……シャシン?ナンノコトダイ?」

「いいから、返してください♪」

「ダカラ」

「か・え・し・て・く・だ・さ・い」

「………はい」

「まったく。油断も隙もありません」

「ねえねえ、りっちゃん」

「なんだよ」

「あれ、1枚じゃないでしょ。私に1枚頂戴」

「………やだって言ったら?」

「今、あずにゃんに言う」

「分かった。やるから、黙ってろよ」

「もちろん」

「何を話してるんですか」

「なんでもないよ。ね、りっちゃん」

「ああ。ちょっと、別れを惜しんでただけだよ」

「いつの間にそんなに仲良しに……」

「「嫉妬かい、あずにゃん(梓)」」

「同時に同じこと言わないで下さい」

「さて、今度こそ、行くかな」

「それじゃ、また会いましょうね」

「ああ」

「バイバイ、りっちゃん」

「ゆいもまたな」
228. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/02(木) 18:11:02.08 ID:5tT44Yda0
私達は律先輩と別れ、ポケモンセンターに。

「とりあえず、1度回復させてから、ジムに挑戦しましょう」

「そうだね(澪ちゃんもりっちゃんもそうだったから、きっと、もう1人の子も……。駄目だよ、あずにゃんは私のものだもん。しっかり頑張らないと)」

ゆい先輩はなにか、決意してるようです。きっと、律先輩に会って、なにか刺激があったんでしょうか。これはいい傾向ですね。

「頑張ろうね、あずにゃん」

「はい!」

私達は、ジムに挑戦すべく、ハナダジムに向かいました。
229. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/02(木) 18:14:18.75 ID:5tT44Yda0
ハナダ編?  「梓争奪戦?・ゆいVS律」終了

今回が一番カオスな気がする。


234. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/04(土) 07:56:02.59 ID:zAka2DWh0
前回までの状況(トレーナとポケモン)
梓          ゆい  ハッサム  デルビル  イーブイ   ニューラ

澪          ゼニガメ

律          リザード  サワムラー  ニョロゾ

ムギ        フシギダネ

純          うい

注  実際の団体とは関係ありません

ハナダ編?  「VSカスミ」  以下投下

235. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/04(土) 07:57:17.12 ID:zAka2DWh0
トキワシティのある施設にある捕獲班部長の部屋

『さて、皆に集まってもらったのは、明後日、行われる、サントアンヌ号の船上パーティの襲撃とその際に琴吹会長の孫、琴吹紬を誘拐するための詳細を説明するためよ』

山中さわ子は辺りを見回す。この部屋には、マコトと、とり、じめん、みず、かくとうタイプの班長が揃っている。

『どうして、私たちなんですか』

みずタイプの班長は言う。

『あそこのジムはでんきタイプですよね。みずととりじゃ、きついと思いますが』

マコトは溜息をつく。この程度のことも分からないのか、と。

『そうね。でも、戦うのは船の上よ。船は水の上にあるのよ。タイプのうえでは不利でも、十分に有用なのよ』

船の上で戦う以上、海からの奇襲や空からの奇襲というのは、重要になる。地上ではないので、タイプの弱点だけが重要ではないのだ。
236. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/04(土) 07:58:13.22 ID:zAka2DWh0
『今回の作戦も、マコト、あなたに指揮をとってもらうわ』

『意義ありです』

『どうして?とりタイプの班長さん』

『彼は前回の任務で失敗してます。そんな人を信用できません』

『間違ってはないわね』

『だから、私に指揮を執らせて下さい』

なるほど。この任務を成功させて、出世したいのね。人間とは強欲なものだと山中さわ子は考える。

『あなたはマコトよりも強いの?』

『もちろんです』

自信満々に答える。この自信は良いわね。私だって、強いっていえないのに、とさわ子は考える。まあ、過信じゃなければいいんだけど、ととも。

『じゃあ、1つ聞くけど、この任務でやるべき目標って何だと思う?』

『もちろん、迅速に琴吹紬を誘拐することです』
237. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/04(土) 07:58:59.57 ID:zAka2DWh0
『……マコトは?』

『1人でも多くの人間を殺して、琴吹紬を誘拐する』

『理由は?』

『琴吹紬を誘拐するだけなら、襲撃する必要がない。それに、孫の誘拐だけなら、取引に応じない可能性もある。だが、1人でも犠牲者が多ければ、考えも変わってくる』

『どんな風に?』

『ただ、誘拐するだけなら、自宅でもかまわない。だが、これは報復という意味もある。なるべくなら、ロケット団に逆らったら、こうなると印象付けたいからな』

『なるほど』

『それだけじゃない。ここまで、残忍な奴だと印象付ければ、こいつらは援助しなければ、人質にも容赦しないだろうとさらに強く思うだろう。そうするとさすがに無視できない』

『だ、だがそれでは、警察も動くだろう』

『それはおれの知ったことじゃないな』

『それは大丈夫よ。すでに手はうってあるわ』

238. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/04(土) 08:02:32.36 ID:zAka2DWh0
某所

『なるほど。今回の襲撃を見逃せば、援助金のうちの1割をくれると』

警察庁長官は言う。

『ええ』

『しかし、たった1割かね』

『不満ですか?』

『不満はないよ。曽我部君』

『すいませんね。政党への援助金のうちの3割の寄付もありますので』

ロケット団は主要といわれる三つの政党への寄付も行っている。どこが政権ををとっても、組織を壊滅させないためだ。

『分かってるよ。先日にも圧力があったからね』

それでも、長官にお金を渡すのは敵を増やさないためだ。世の中、敵を作ってばかりではだめなのだ。

『それでは』

『ああ』

曽我部恵はその場所を去った。
239. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/04(土) 08:03:22.12 ID:zAka2DWh0
トキワシティのある施設にある捕獲班部長の部屋

『だとしても、この男が指揮官なのは納得できません』

『それじゃあ、こいつよりもあなたは強いと』

『もちろんです』

『それじゃ、勝負しなさい』

『望むところです』

『本気でいいのか?』

『もちろん』

『ではさっそく、勝負……ぐっ』

突如として、とりタイプの班長さんの首にアーボックの尻尾が巻きつかれる。

『や…め…ろ』

『どうした?俺より強いんだろ?』

『ふ…い…うちは……卑怯』

『卑怯?おかしなことを言うな、お前』
くっくっくっと楽しそうに笑う。さわ子がマコトを強いと思うのはこの残忍性だ。実際の話、正規の戦いをしたら、マコトは弱い。何故なら、トレーナーへ攻撃を行うなどの反則負けになるからだ。というのも、勝つためには全力を注ぐからだ。勝つためには、たとえ、仲間でも容赦しない。さらに、冷静な部分もある。これで、異常な性欲がなければ、十分に出世できただけの実績を上げられるだろう。

『どっちが上か分かったわね。実行日は明後日よ。絶対、成功させてね。それから、始末が大変だから、その辺でやめておきなさいね』

さわ子の冷たい声が室内に響いた。
240. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/04(土) 08:04:18.64 ID:zAka2DWh0
ハナダジム

「いよいよ、ジム戦だね」

「はい」

時刻は夕方。私はハナダジムの前に立っています。いよいよ、2個目のバッチに挑戦なんですけど……。

「やってますかね」

時間も時間ですし、前回のニビジムでは、やる気満々で行ったら、休みになってましたし。そう思って、ドアを見ますが休みっていう感じはしませんね。

「とりあえず、入ろうよ、あずにゃん」

「そうですね」

私はハナダジムの扉に手をかける。

「失礼しまーす」

中を見ると、体育館のようなホールがあり、中心にはプールがあります。そのプールには何枚かのビート版のイカダみたいなものが浮いています。
241. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/04(土) 08:05:29.15 ID:zAka2DWh0
「誰もいないね」

「そうですね」

すると、奥から女の人が出てきました。その女の人は水着を着ていて、けしからん体(特に胸)をしています。

「あら、どなた?」

「あ、ジムリーダーに挑戦したいんですけど……」

「そうなの?ちょっと待ってね」

その女の人は奥に戻っていきました。

「今の人の胸、大きかったね」

「……そうですね」

「あずにゃんも私がもんで大きくしてあげよっか」

「何を言い出すんですか!!」

「そんな顔真っ赤にして、照れなくてもいいよ〜。優しくするから」

「いいです!一体、どこから、そんな知識を仕入れるんですか」

「うーん、雑誌とか?」

「なんで、疑問系なんですか」

「私としては、小さくてもいいんだけどね」

「うるさいです」

頬を引っ張る。……ゆい先輩の頬は柔らかくていいな〜と思ったのは内緒です。

「ごめんなしゃい〜」
242. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/04(土) 08:06:29.78 ID:zAka2DWh0
「あなたが挑戦者?」

奥から、先ほどの女の人とともに髪を片方に縛った女の人が出てきました。

「はい」

「私はカスミ。あなたの名前は?」

「私は中野梓です」

「私はゆいだよ〜」

「可愛いわね〜。あなたの妹?」

「違うよ〜。私はあずにゃんのポケモンであり、ベストパートナーであり、恋び……モガッ」

余計なことを言い出しそうな、ゆい先輩の口をふさぎます。

「ポケモン?あなたが?」

カスミさんは訝しげに、ゆい先輩を見てきます。

「まったく。いつも、皆、信用しないんだよね」

とりあえず、いつものやり取り。

「面白いわね〜。まさか、こんなポケモンがいるなんて。あなたの他にも、こんなポケモンいるの?」

「それは……内緒」

「それは残念ね。……さて、ジム戦だっけ?」

「はい」

「……ねえ、ちょっと、協力してくれない?」

243. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/04(土) 08:07:17.73 ID:zAka2DWh0
「それでは、これより、ハナダジムリーダー、おてんば人魚、カスミと挑戦者は世界で一番ネコミミが似合う、マサラからきた、とっても可愛い、ツインテールの女の子、あずにゃんさんです」

「なんですか、あの口上は」

「えへへ〜、さっき考えてくれって、言われたから、一生懸命考えたんだよ〜。本当はもっと長かったんだけどね」

さて、私が何故こんなことになっているかというと。
244. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/04(土) 08:07:50.97 ID:zAka2DWh0
『……ねえ、ちょっと、協力してくれない?』

『何をですか?』

『実は今日、ショーをやるんだけどね。できれば、あなたにも協力をしてもらいたくて』

『でも、私にはショーなんて出来ませんよ』

『ショーは私の姉妹がやるんだけど、あなたには、ショーの一環として私と対決してもらいたいのよ。ようは、観客の前で、戦ってもらいたいのよ』

『なるほど』

『面白そうだね、あずにゃん』

『そうですかね?』

『あなただって、ポケモンリーグに挑戦するんでしょ?そしたら、もっと、たくさんの観客の前でバトルをするのよ。練習だと思ってね。ね?』

『やってみようよ、あずにゃん』

『うーん、仕方がありませんね。言ってる事ももっともですし』
245. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/04(土) 08:08:45.85 ID:zAka2DWh0
という事があったんですが……。

「どうして、私達は水着を着てるんですか?」

私はピンクの水着を、なぜか、ゆい先輩はスクール水着です。

「だって、プールにいるのに、普通の服じゃ変だよ」

「それはそうですけどね」

「それでは、使用ポケモンは2体。掛け金は1万円。先に全滅させた方が勝ちとする」

「カッスミちゃ〜ん」

眼鏡をかけた、なんていうか、みるからにオタクっていうんですかね。そんな人達の野太い声が聞こえます。

「むむ。私も負けないよ。あっずにゃ〜ん」

「変な対抗心燃やさないで下さい」
246. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/04(土) 08:10:26.85 ID:zAka2DWh0
「それでは、バトルを開始します」

「行け、My Steady!」

カスミさんが繰り出したのは、ゴルダックです。

「出てきて、イーブイ」

「ニュー太は出さないの?」

「仲間になったばかりなので、まだ、特長とか把握してないんです」

それに相手は水タイプ。となれば。

「イーブイ、サンダースに進化して」

私はかみなりのいしを当てます。

「おっーと。ここで、あずにゃん選手はイーブイをサンダースに進化させました。情報によれば、あずにゃん選手ののイーブイは三種類の進化
を自由にできるらしいです」

どうでも、いいですけど、あずにゃん選手ってやめてもらえませんかね。
247. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/04(土) 08:11:18.63 ID:zAka2DWh0
「なるほど。弱点を突いてきたってことね。でも、弱点だけじゃ勝てないわよ。ゴルダック、れいとうビーム」

「ゴルダック」

「避けて下さい」

サンダースは、隣にある、ビート版のイカダに逃げます。サンダースのいた、ビート版のイカダはれいとうビームをくらって、凍ってしまいました。危なかったです。

「反撃です。十万ボルト」

「ダース」

「ゴルダック」

「ダック」

ゴルダックはビート版から水の中に落ちて、十万ボルトをかわし、水の中に潜りました。
248. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/04(土) 08:12:35.21 ID:zAka2DWh0
「出たっ。カスミちゃんのシーステルス戦法だ」

「言ったでしょ?タイプの相性だけじゃ勝てないって」

「まだ、一回かわされただけですよ。まだ、勝負はついてません」

「なんだと。カスミちゃんに生意気言うな」

「引っ込めー」

なんか、外野がうるさいですけど、気にしないでおきます。

「足元に気を付けなさい」

「はい?」

サンダースの足元のビート版がひび割れて、ゴルダックが魚雷のように攻撃してきました。

「ダース」

「出ました。ゴルダックの得意技、水中からのロケットずつきだー」

サンダースは上に跳ね上げられました。

「ゴルダック。サンダースを水中に引きずり込みなさい」

ゴルダックはサンダースを掴み、水中に引きずり込みました。

ブクブク、ブクブク。

しばらく、サンダースの息の泡がありましたが、ついになくなりました。
249. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/04(土) 08:13:40.35 ID:zAka2DWh0
「さあ、サンダースはこれでおしまいかー」

「当たり前だろー」

「カスミちゃんに勝てるわけないだろー」

その時、何か水中から浮いてきました。

「おっと、どうしたことか。浮いてきたのはサンダースとゴルダックだー。どちらも気絶しているぞー」

「何があったんでしょうか」

「審判、判定は!?」

「両者、戦闘不能。今の勝負は引き分けです」

「カスミちゃんの勝ちに決まってるだろー」

「お前、審判買収してんじゃねえのかー」

さっきから、あの人達は何なんでしょうか。

「おっと、只今、水中の映像が届きました。早速、確認してみましょう」

映像がモニターに流れます。
250. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/04(土) 08:14:23.02 ID:zAka2DWh0
「まず、ゴルダックがサンダースを水中に引きずり込みます」

「ここまでは分かるよね」

「そうですね」

「その後、サンダースは水中まで引きずり込まれますが、ここでサンダースはゴルダックの腕に噛み付きます。その後、サンダースは十万ボルトを繰り出し、自分の息が苦しい中でも、必死にゴルダックを逃がさないようにしたわけです」

「やるわね、あなたのサンダース」

「あ、ありがとうございます」

「あずにゃん、あずにゃん」

「何ですか?」

「こういう時は『カスミさんのゴルダックもね』って言うんだよ」

「なにを言ってるんですか」

「では、両者。次のモンスターを」
251. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/04(土) 08:15:19.85 ID:zAka2DWh0
「さて、私の番かな」

私はハッサムを出そうとしてる所に、ゆい先輩が言いました。

「何を言い出すんですか」

「大丈夫、大丈夫。私はあずにゃんのポケモンでもエースだよ。任せなさい」

「エースかどうかは疑問ですけど……分かりました。ゆい先輩、任せました」

訳の分からない技を出しますけど、まだ、1回も負けてないんですよね。それにやる気になってるのにそのやる気を削ぐわけにもいきませんし。

「行け、My Steady!」

カスミさんはスターミーを出してきました。

「さて、次のバトルはカスミはスターミー、挑戦者のあずにゃん選手はゆいを出してきました。情報によれば、このゆいはこの容姿でも、ポケモンであり、ロリコンの皆様は喚起の渦でしょう」

なんて事を言い出すんでしょうね、あの実況。
252. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/04(土) 08:16:12.59 ID:zAka2DWh0
「さて、行くかな」

浮き輪を持って、準備運動をするゆい先輩。

「なんで、浮き輪を……」

「だって、深いし」

ゆい先輩は、プールに飛び込み、手近のビート版のいかだに乗りました。

「それでは、バトル再開!!」

「いけ、スターミー、こうそくスピンさせながら、たいあたり!」

スターミーは手裏剣のように体を回転させて、突っ込んできました。

「よけてください、ゆい先輩!!」

「よけろって言っても……」

「プールに飛ぶ込んでください」

ゆい先輩はなんとかプールに飛び込んでかわしました。しかし、スターミーは方向をかえ、ゆい先輩の飛び込んだところに向かってきます。

「あう〜、このプール、やっぱり深いよ〜」

「のんきなこと言ってないでよけないと……」

「そんなこと言ったってさ……」
253. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/04(土) 08:17:16.23 ID:zAka2DWh0
ゆい先輩はバシャバシャと必死に泳いで、直撃は免れましたがその衝撃から、再び、ビート版のいかだに飛ばされました。

「こうなったら、プールにちなんだ技を出すしかないね」

ゆい先輩の奥義ですか。いつも、訳の分からない技ですけど、常に勝ってはいるので、ここは期待しましょう。

「引っ込め〜」

「この、ロリコンめ〜」

あんな連中の前で負けるのは絶対に嫌なので。


最終更新:2011年08月03日 16:51