457. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/14(火) 22:40:14.94 ID:zrliSEax0
「……ヘルガー、この子を背中に乗せて、病院に連れて行ってください」

「ヘルガ」

戦う気満々のヘルガーでしたが、私の命令に不満な声を出しましたが、モブ太君を見て、

「ヘル」

頷いてくれました。

「わしも行くぞ」

フジさんは言いました。

「でも、ヘルガーには、モブ太君しか……」

「案ずるでない。ペルシアン」

「ペル」

ペルシアンがフジさんを上に乗せます。少し、辛そうですけど、この子の思いも分かります。

「梓さんや、旅人に頼むべきでもないかもしれんが、このポケモンハウスを頼む」

「任せてください。出てきて、皆」

私は手持ちのポケモンを全て出します。

「どうした?諦める覚悟は出来たか?」

「そんな覚悟は出来ませんね。ニューラはヘルガーの上に乗って、モブ太君を守ってください」

「ニュラ」

「イーブイ、かみなりのいしです」

サンダースに進化させます。

「後のメンバーは、ヘルガー達の道を開けてください」

その声を合図に、バトルが始まりました。
458. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/14(火) 22:41:34.65 ID:zrliSEax0
「ヘルガ」

ヘルガ達は、エレブー、ニョロゾ達の大群を突き抜けます。

「簡単に行かせるな、お前ら」

エレブーがカミナリパンチを、ニョロゾがきあいパンチを、ヘルガーに浴びせようとします。

「ハッサム、エレブーをアイアンヘッドで攻撃してください。サンダースは10万ボルトをニョロゾに浴びせてください」

ハッサムのアイアンヘッドで、ヘルガー達を攻撃しようとするエレブーを中心になぎ払います。三ダースは雨+弱点でより、電気が通りやすく
なっています。

「甘いな、スピアー」

スピアーが空中から、モブ太君、フジさんを攻撃しようと迫りますが、

「ガルラ」

ガルーラの拳によって、阻まれます。そして、3匹の連携で、何とか、この包囲網を突破しました。

「やりました」

「チッ、いけ、ラッタ」

「!?」

「奴らを追って、殺せ」

ロケット団の1人とラッタ6匹がヘルガー達を追いかけます。

「まだ、隠してたんですね、手持ちを」

「あんまり、使いたくなかったがな」

緊迫感のある雰囲気ですね。

「あずにゃん、あずにゃん」

「なんですか、ゆい先輩」

「あずにゃんのブラが雨で透けて見えるね。キャッ」

「……」

「……ごめんなさい」

「分かればいいんです。それで、なんですか?」

「そろそろ、私の出番だね」
459. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/14(火) 22:42:09.09 ID:zrliSEax0
「はあ」

「なんだい、そのやる気のない返事は」

「急になんですか、一体」

「この流れはね、非常によくないよ。私達が空気だよ」

「なにを言ってるのか、よく分かりませんけど……」

「分からなくていいよ。とにかく、私は戦うよ」

フンスとやる気を出している、ゆい先輩。このやる気は無駄にしてはいけませんね。

「では任せました」

「うん」

ゆい先輩は胸を張って、戦闘に向かいました
460. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/14(火) 22:43:01.32 ID:zrliSEax0
ヘルガー・ニューラ

「待ちやがれ、てめーら」

後ろから、ラッタ達が迫ってきます。こっちは子供や老人を背負っているので、スピードもあっちが上なのは当然でしょう。

「ニューラ、ニューラ(私があいつらをひきつける。お前はその子を病院に)」

「ヘルガ(大丈夫か?)」

「ニューラ(私は猫だぞ。ネズミに負けるわけにはいかんな)」

「ヘル(そうか)」

「ニューラ、ニューラ(お前もしくじるなよ。マスターのために)」

「ヘルガ(……愚問だな)」

「ニューラ(ふん、また、会おうぜ)」

「ヘル(ああ)」

ニューラはヘルガーの上から、飛び降り、ラッタの1匹を切り裂きます。

「ラッ……タ」

苦痛の声を上げ、倒れます。

「なんだ、こいつは」

「ニューラ(ここを通りたければ、私を倒してみろ、ネズミ共)」

「ラッタ」

怒りの眼で、ニューラを見る、ラッタ達。

「糞が。サッサと倒せ、ラッタ共」

その声を合図に戦闘が始まりました。
461. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/14(火) 22:44:42.07 ID:zrliSEax0
再び、梓達

「いっくよ〜、ゆいちゃん真拳究極奥義『クイズ☆ゆいオネア』」

可愛らしい声とともに、ロケット団の奴らが椅子に強制的に座らされ、両手足が固定される。

「なんだ、これは。離せ」

「なんですか、今回は」

「この奥義はクイズをロケット団の方、1人1人に出して、当たったら、その、両手足の拘束具が外れます」

「あの、ポケモンの方は……」

「後ろを見てごらん」

「後ろですか……」

ロケット団の後ろを見ると、牢に入ってるポケモン達が。

「今の内に倒せばいいんじゃ」

「それじゃ、ルール違反なんだよ。この人達が正解を当てれば、ポケモンも開放されるよ。……さて、早速、第1問を始めるよ〜。皆も答えて
ね♪」

まず、1人目として、1人のロケット団員とニョロゾが選ばれます。

『それでは問題です。次の選択肢から正しいカプを選んで下さい』

選択肢  1・唯梓  
        2・澪梓  
        3・紬梓  
        4・律梓
462. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/14(火) 22:46:20.33 ID:zrliSEax0
選択肢が出てきたのはいいんですけど、なんで、全部私が絡むんでしょうか。

「くそっ。分かるわけないだろ、こんなの」

「さあ、どれが正しいか、分かりましたか」

(まてよ。そういえば、このチビはゆい先輩。こっちはあずにゃんと呼ばれていた。だとすると答えは……)

「答えは1だ。どうだ、正解だろ。サッサと、解放しろよ」

「うん。たしかに、間違ってないよ。私とあずにゃんは愛し合ってるしね」

ものすごく否定したいんですけどね。

『では、ファイナル○ンサー?』

「 ファイナル○ンサー」

ゆい先輩はどこかの司会者みたいに答えを溜めて、言いました。

『ざんね〜ん。本当は正解にしたかったんだけどね』

「くそっ。じゃあ、正解はなんだよ」

『正解は1〜4、全てが正しいんだよ。だって、カプなんて、人それぞれだもんね。でも、私としてはもちろん1だけどね』

えー。トレーナーの私が言うのも何なんですけど、卑怯じゃないですかね。

「ふざけんなよ。なんで、そんなに答えがあるんだよ」

『私は答えを1つだけ選んでなんて言ってないよ。正しいものを選んで下さいとは言ったけどね』

なんていう言葉遊びですか。

『さて、罰ゲームの時間だよ。ブイ太』

「ダース」

「ちょ、待って……」

「10万ボルト」

「ギャーーーーーーーーーーーーーーー」

ロケット団員とニョロゾに10万ボルトの電流が流れます。うーん、自業自得とはいえ、こんな理不尽なクイズをやらされて、こんな攻撃を喰
らうんですからね。少し、同情してもいいかもしれません。
463. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/14(火) 22:47:26.50 ID:zrliSEax0
「では、次の挑戦者で〜す」

次はエレブーとそのトレーナーのロケット団ですね。

『では、早速、問題だよ〜。次の選択肢からネコミミが1番似合うのを次の選択肢から選んで下さい』
選択肢  1あずにゃん  
        2澪ちゃん  
        3りっちゃん  
        4ムギちゃん  
        5私(ゆい)
464. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/14(火) 22:49:40.83 ID:zrliSEax0
選択肢が増えてますーーーーーーーーー。

「くそ。分かるかよ、えーと、答えは、全部だ。そんなもん人それぞれだろ」

「なるほど。その考え方も一理ありだね。ではフ○○ルアンサー?」

「フ○○ルアンサー」

ゆい先輩はどこかの司会者みたいに答えを溜めて、言いました。

『ざんね〜ん。正解は1のあずにゃん。これは人の感覚とかじゃなくて、宇宙の真理なんだよ』

まったく、意味が分かりません。

『さて、罰ゲームだよ。はかいこうせん』

ロケット団と牢に入って、逃げられないエレブーに直撃しました。

「ギャーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

「さて、最後の挑戦者だよ〜」

最後はスピアーとそのトレーナーのロケット団ですね。可愛そうに、ガタガタっと体が震えています
465. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/14(火) 22:50:40.80 ID:zrliSEax0
『では、問題です。次の中から、この物語の主人公を選んで下さい』

選択肢  1あずにゃん  
        2澪ちゃん  
        3りっちゃん  
        4ムギちゃん  
        5私(ゆい)
466. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/14(火) 22:52:00.47 ID:zrliSEax0
「ひい、えーと、5だ5。5でファイナル○○○ー」

『5だね。ファイナル○○○ー』

「ファイナル○○○ー」

ゆい先輩はどこかの司会者みたいに答えを溜めて、言いました。

『せいか……あれ?答え、違くない?スタッフさ〜ん。……え、間違ってない?うぅ、文句は多々あるけど仕方がないね。では、あらためて、……ざんね〜ん。正解は1らしいね』

「ひい、ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい」

必死に謝るロケット団員。もっと、プライドとかないんですかね。

『残念だけど、罰ゲームだよ。ルー太、のしかかり』

「ギャーーーーーーーーーーーーーーーー」

ロケット団員にガルーラの巨体がのしかかります。でも、スピアーは無傷です。

「ゆい先輩、スピアーは?」

「慌てない、慌てない。ブイ太、10万ボルト」

サンダースの10万ボルトが炸裂します。そして、スピアーが全滅した時、周りの光景が元に戻りました。
467. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/14(火) 22:52:59.98 ID:zrliSEax0
「ふう〜。お終いっと」

額の汗をぬぐうゆい先輩。相変わらす、よく分からない技ですけど、強いですね。っと、そんなことよりも。

「モブ太君のところに行きましょう」

私は全部のポケモンを戻し、病院に向かおうとした時、

「もう、大丈夫じゃよ」

と、フジさんの声がしました。

「フジさん!モブ太君は……」

「幸いにも、かすり傷じゃったし、毒もどくけしで治った」

「梓お姉ちゃん」

「モブ太君。ごめんね、私のために……」

「ううん、それはいいんだよ。梓お姉ちゃんは守ってくれたもんね。このポケモンハウスを。ありがとう」

「こっちこそ、いいんですよ。あれ、ヘルガーとニューラは?」

「ニューラはわし達を逃がすために、ラッタ達の囮に。それで、ヘルガーが迎えに行ったんじゃ」

「そうですか」

きっと、あの2匹なら大丈夫だと思いますが、心配ですね。

「お姉ちゃん、すごい濡れてるよ。着替えた方がいいよ」

そういえば、雨が降ってましたね。今は少し、やんでいますが。

「うむ、シャワーを浴びていくがよい」

「……ごめんなさい、行く場所があるので」

私は駆け出した。
468. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/14(火) 22:53:41.49 ID:zrliSEax0
「あ。……お姉ちゃん。どこに行ったんだろう」

「あずにゃんはね。大切な仲間を迎えに行ったんだよ」

「……仲間」

「そう」

「あのヘルガーはお姉ちゃん達の命令を聞くために一生懸命だったんだ。もちろん僕を助けるためにも一生懸命だったけどさ、それ以上にね」

「そうなんだ」

「……僕ね、梓お姉ちゃんにヘルガーを頂戴って言おうとしたんだ。これを言うのは仲間を頂戴って言うことだよね」

「……」

「それじゃ、ポケモンを物みたいに扱うってことだよね。それはいけないことだよね」

「私には難しいことは分かんないけど、それを決めるのはモブ太君だよ」

「……うん」
469. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/14(火) 22:54:53.35 ID:zrliSEax0
「ニューラ」

「ラッタ……」

バタッ。

「馬鹿な、たった1匹に全滅だと……」

「ハア……ハア……」

「ニューラ!」

私が見つけた時、ラッタ6匹が倒されていました。しかし、だいぶ疲れています。

「あいつが来たってことはあいつらも……。なら、女だけでも」

「ニューラ」

ロケット団員がナイフを出し、私に向かって、突っ込んできます。このままでは……。その時、

「ヘルガ」

という鳴き声とともに、ヘルガーがロケット団員を突き飛ばしました。

「ありがとう、ヘルガー」

「ヘル」

「ニューラ」

ニューラもやってきました。

「ニューラもよく頑張りました。さあ、戻りましょうか」

私は2匹をボールに戻し、ポケモンハウスに戻りました。
470. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/14(火) 22:55:40.83 ID:zrliSEax0
入浴後、天気もよくなってきたので、出発することに。

「モブ太君。君にこれを渡すね」

私は涙をこらえながら、ヘルガーを渡そうとします。きっと、喜んで、もらってくれるでしょう。

「……いらない」

「え?」

「僕ね、自分でヘルガーをゲットして、お姉ちゃんのヘルガーに負けないように育てるんだ」

目を輝かせて言う、モブ太君。

「だから、お姉ちゃん。その時に、バトルしよう」

「……はい」
471. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/14(火) 22:56:50.14 ID:zrliSEax0
「よかったんですかね、これで」

私はポケモンハウスを出て、タマムシシティに向かっています。

「よかったんじゃない?あの子も楽しそうな目をしてたし」

ゆい先輩は頭の上で言います、
「……そうですね」

「そんなことよりも、今回、あんまり、あずにゃんとイチャイチャ出来なかったよ。あそこで、一緒にケーキでも食べようよ。2人でアーンし
てさ。恋人だしさ」

「なに言ってるんですか。それに恋人(仮)です」

「細かいよ、あずにゃん」

「重要なことなんです」

でも、そうですね。そろそろ、いい時間ですしね。

「タマムシに行く前に、ケーキでも食べましょうか」

「え、いいの!」

「でも、アーンはなしですけどね」

「あう〜。でも、いいかな。早く、行こうよ」

頭の上で急かすゆい先輩。

「急かさないでくださいよ。のんびり行きましょうよ」

「いつもと言ってることが逆だよ、あずにゃん」

「うるさいですよ」

そんな、たわいもないことを言い合いながら、喫茶店に向かいました。
472. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/14(火) 22:57:56.47 ID:zrliSEax0
シオンタウン編?  「ポケモンハウスを守れ!」  終了
475. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/17(金) 17:10:02.21 ID:pv43EmZz0
前回までの状況(トレーナとポケモン)                                  ボックス    
梓          ゆい  ハッサム  ヘルガー  イーブイ   ニューラ ガルーラ  ミニリュウ

澪          ゼニガメ

律          リザード  サワムラー  ニョロゾ

ムギ        フシギソウ  カポエラー

純          うい

タマムシシティ編?  「VSエリカ」  以下、投下
476. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/17(金) 17:10:55.17 ID:pv43EmZz0
「わ〜、今までと違って、すごい都会だね」

私達は、シオンタウンを出て、タマムシシティに到着しました。タマムシシティはタマムシデパートっていう、各地にあるショップの本店がある町でも有名ですね。

「ねえねえ、あずにゃん。早速、デパートでお買い物をしよう」

お買い物ですか。財布の中身も問題ないですから、多少の買い物も出来るでしょう。しかし……。

「駄目です。まずはジムに挑戦です」

「え〜。もっと、ゆっくり行こうよ〜」

「何を言ってるんです。きっと、澪先輩達はここのバッチもゲットしてるでしょうし、私も早くゲットしないと、皆さんには追いつけません」

「別に追いつかなくてもいいよ〜。私たちのペースで行こうよ〜」

「そうも言ってられません。ただでさえ、のんびりしてるんですから、少し、早くしないと」

「うぅ、2人でタマムシデパートでデートしたかったのに……」

私の頭の上でシュンとするゆい先輩。なんだか、悪いことをした気がしますが、ここは心を鬼にしないと、いけません。いけないんですが……。

「明日、行きましょう。ゆい先輩」

「え、いいの?」

「そのかわり、今日のジム戦も頑張って下さいよ」

「うん!私、頑張るよ」

ぱあっと、明るくなるゆい先輩。

「では、早速、いきましょう」

「うん!」
477. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/17(金) 17:12:31.51 ID:pv43EmZz0
そして、タマムシのポケモンジムに。一応、今回の手持ちは前回のままですが、大丈夫でしょう。

「ここはどんなジムリーダーなの?」

「なんでも、エリカって名前の女の人とかで、ジムの人も、女の人しか入れないとか」

「男の人はどうなるの?」

「さあ?まあ、挑戦は出来るらしいですけどね」

とりあえず、ジムの扉に手をかける。

「しつれいしまーす」

中に入ると、たくさんの植物が生えていました。

「わー、綺麗なお花だね」

ゆい先輩は近くに生えてた、花にピョコピョコって駆け寄る。実に可愛らしい光景で……駄目です。なんで、私は最近こんな思考に陥るんでしょうか。

「どなたですか?」

私が1人悶々としていると、女の人が話しかけてきました。

「私たちのジムに何か用ですか?」

「あ、すいません。私はマサラタウンから来ました、中野梓といいます。こちらのジムリーダーの方に挑戦させてほしいんですけど」

「あ、そうですか。遠いところから、ご苦労様です。今、エリカさんを呼んできますね」

そう言って、女の人が奥に向かっていった。
478. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/17(金) 17:13:32.21 ID:pv43EmZz0
「感じの言い方ですね」

「そうだね」

少しの間、待っていると奥から、何人かの女の人とともに和服の服を着たどこかのお嬢様のような雰囲気を持った女の人が出てきました。

「あなたが梓さん?」

「は、はい。私はマサラタウンから来た、中野梓といいます。」

「それはそれは。遠いところから、ご苦労様です。私はエリカ。このジムのジムリーダーをさせてもらっています。よろしくお願いしますね」

「あ、はい。よろしくお願いしますね」

今までのジムリーダーよりも丁寧な方ですね。

「それで、今日はジム戦ということですね」

「はい」

「それよりも、私のジムに所属しませんか?」

「……はい?」

突然、何を言い出すんでしょうか。

「どういう意味ですか?」

「いえ、随分、あなたが可愛らしい女の子でしたので」

「は、はあ」

「えへへ〜、エリカさんは見る眼があるね」

「あら、可愛らしい子ですね」

「私はゆいって言うんだよ〜」

「そうなの。よしよし」

エリカさんはゆい先輩の頭を優しくなでます。

ナデナデ。

気持ちよさそうな顔をするゆい先輩。
479. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/17(金) 17:14:37.12 ID:pv43EmZz0
「……ところで、梓さん。女の子同士の恋愛って、どう思います?」

「はい?いきなりなんですか?」

なんだか、雲行きが悪くなってる気がするんですが。

「いいと思うよ〜」

私が不安に苛まれていると、ゆい先輩が答えます。

「梓さんもですか?」

「は、はあ。まあ、いいんじゃないでしょうか」

私自身も(仮)ですけど、ゆい先輩とは恋人ですしね。

「では、梓さん!」

いきなり、大きな声を出す、エリカさん。

「は、はい。なんですか」

「私とお付き合いしてくれませんか?」

突然の告白。

「え、いや、いきなりな……」

「駄目だよ!!あずにゃんの恋人は私なんだよ!!」

ゆい先輩は私の前に仁王立ちして守るように立つ。
480. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/17(金) 17:15:53.86 ID:pv43EmZz0
「あなたがこの人の恋人?まあ、梓さんは同性愛者のうえにロリコンなんですか」

「ち、違います。私はロリコンではありません!」

「そう言ってますけど……」

「あずにゃんは照れてるだけだよ!」

「それでは、あなたはロリコン……」

「だ、だから、私はロリコンじゃありません!!」

「ロリコンではない、と。ではその子とは何の関係もないと」

「あ、いえ、そういうわけでもありません。い、一応、恋人(仮)ですけど、私はロリコンではありません」

「分かったかい。これで、あずにゃんとお付き合いが出来ないってことが」

「……なにか、勘違いしてませんか?」

「はい?」

「私が付き合ってください、って言うのは交際ではなく、お茶会ですけど」

「……まぎらわしい言い方をしないで下さいよー」
481. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/17(金) 17:18:38.59 ID:pv43EmZz0
「すいません。最近、ジム内で同性同士の恋愛が流行していまして、それに嫌悪感を抱かれないかと思いましてね。それにあまり、人を誘うには慣れてなくて」

「まあ、いいんですけどね」

私はエリカさんの入れてくれたハーブティを飲みます。

「美味しいかしら?」

「はい、美味しいですね」

「そう、それは良かったわ。実はここで採れたの」

「それはすごいですね。……でも、何でお茶に?」

「マサラタウンから来たということで、あなたからも話を聞きたいって思って」

「『も』ってことは、他にも誰かから、聞いたんですか?」

「そうですね、澪さん、律さん、紬さんという方々から、話を聞きました」

「そうですか」

やっぱり、もうこのジムのリーダー、つまり、この人にも勝ったってことですね。

「いいですよ。でも、何から、話しますか」

「時間もそんなにありませんし、聞きたい話があるんです」

「何ですか?」

「あなたとポケモンである、その子とどのような経緯でお付き合いをすることになったのかなって」

「……それはさすがに……」

「いいよ、私がお話をしてあげ……もが」

私は余計なことを言い出しそうな、ゆい先輩の口を塞ぎます。
482. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/17(金) 17:19:37.68 ID:pv43EmZz0
「それより、ゆい先輩がポケモンって、よく分かりましたね」

「聞いたことがありませんか?ジムリーダーの間で噂になってるって」

「そういえば、マチスさんに聞いた気がしますね」

「なんでも、奇妙な技を使うとか」

「そうですね」

トレーナーの私ですら、把握できませんからね。

「さて、一息入れましたところで、早速、始めましょうか」

「あ、はい。よろしくお願いします」

「それで、ルールは3対3。より、多く勝った方が勝ち。掛け金は1万円。以上でいいかしら?」

「はい」

「では、バトルフィールドに行きましょう」

エリカさんに案内されてフィールドに来ました。今回のフィールドは草原ですね。草が生い茂っています。

「それでは始めましょう」

ゾク。

エリカさんはバトルフィールドに立つと、雰囲気が急に変わりました。さっきまでの、優しい雰囲気ではなく、今までのジムリーダーと同じ、いや、それ以上の殺気を放っています。私はその殺気に怖気づきそうになりますが、それでも、しっかりと、エリカさんを見つめ、

「はい。勝負です」

と、答えました。

「それでは、両者、準備はいいですか」

審判が宣言します。

「ええ」

「はい」

「それでは……」

「「「バトルスタート!!」」」
483. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/17(金) 17:21:28.33 ID:pv43EmZz0
「来なさい、ウツボット」

「来て下さい、ヘルガー」

エリカさんの初手はウツボットですか。タイプなら、こちらが有利ですね。

「ヘルガー、かえんほうしゃです」

ヘルガーはウツボットに口からだすほのおで、攻撃を仕掛けます。

「なるほど。いきなり、弱点を突いてきますか。……でも、それだけでは勝てませんよ」

「!?」

ヘルガーの攻撃はウツボットの葉っぱの壁みたいなもので防がれました。これはまもる攻撃!?

「かまいません、もう一度、かえんほうしゃ」

「無駄ですね」

「!?」

かえんほうしゃを繰り出すかと思った、ヘルガーは目をショボンとして、眠りだしました。

「ぐう〜、ぐう〜」

「そんな、一体何が……」

「ウツボット、やどりきのタネ」

ウツボットから発射されたタネがヘルガーに命中し、ヘルガーから、エネルギーを吸い出します。

「くっ、ヘルガー起きてください」

しかし、ヘルガーはぐう〜ぐう〜と寝るばかりで、やどりきのタネからエネルギーを吸い出されるだけです。

「ウツボット、ヘドロバクダン」

ウツボットから、出されるヘドロが寝ている、ヘルガーに命中し、ジュー、ジューと音を立てます。

「……へ、ヘルー」

ようやく、ヘルガーが目を覚ましますが、やどりきのタネのダメージと ヘドロバクダンのダメージが効いています。


484. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/17(金) 17:22:01.14 ID:pv43EmZz0
「でも、弱点ではこちらが有利です。ヘルガー、ウツボットに接近しながら、かえんほうしゃ」

ヘルガーのかえんほうしゃがウツボットに向かいますが、ヘルガーの攻撃はウツボットの葉っぱの壁みたいなもので防がれました。また、まもる攻撃ですか。

「でも、それは計算のうちです。ヘルガー、ほのおのキバです」

ヘルガーはウツボットに接近しながら、かえんほうしゃで攻撃していたので、すぐに次の攻撃につなげることが出来ました。これだけ近ければ、もう一度、まもる攻撃は出来ません。

「なるほど、かえんほうしゃは囮ですか。……でも、甘いですよ」

「ヘ……ルガー」

ヘルガーの攻撃がウツボットを襲う前に、再び、ヘルガーは寝てしまいました。一体何が……。

「もう、お終いですね。ウツボット、リーフブレード」

ウツボットは素早く、自分の葉っぱでヘルガーを斬りつけ、ヘルガーはそのまま、気絶してしまいました。

「ヘルガー、戦闘不能。ウツボットの勝ち。エリカ、1ポイント、1対0」
485. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/17(金) 17:24:38.45 ID:pv43EmZz0
「戻ってください、ヘルガー。それにしても、一体、どうして……」

「甘いですね、梓さん」

ウツボットをモンスターボールに戻しながら、エリカさんは言います。

「ウツボットがまもる攻撃をするのと同時に、ねむりごなを出してただけです」

なるほど。それで、急に寝だしたんですね。それにしても、エリカさんは今までの三人よりも強いですね。気が抜けません。

「それでは、2回戦です」

「来て下さい、ハッサム」

「次はモジャンボです」


486. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/17(金) 17:26:50.45 ID:pv43EmZz0
もう、後がない、この戦い。まずは先制を取る必要がありますが、さっきのように、やられる可能性もあり、慎重にすべきですね。

「なるほど、さっきのようにやられたくないので、様子見ですか」

「!?」

「そっちが来ないなら、私が仕掛けます。モジャンボ、げんしのちからでハッサムに攻撃」

モジャンボが先手を打って、ハッサムに攻撃を仕掛けます。

「迎え撃ってください、アイアンヘッド」

モジャンボの攻撃とハッサムの攻撃がクロスします。どちらにも、ダメージがあったようです。しかし、さっきのように、こっちに攻撃させて防御して、反撃とは違いますね。さすがに私に教えた戦法は取ってこないでしょう。

「ハッサム、バレットパンチ!」

ハッサムはすぐに切り返し、モジャンボに向かいます。そして、ハッサムの鋭いはさみがモジャンボのツルごと、殴り飛ばします。

「失敗は繰り返すものね」

「……サム」

ハッサムがさっきのヘルガーのように、眠そうにしています。

「一度、相手に教えた戦術は来ないと思ったのかしら」

この人はバトル前の優しい雰囲気とは全然違います。とてつもなく、えげつないです。

「サム!」

眠そうにする、ハッサムは首を勢いよく振り、寝ないようにしています。しかし、その隙を突いて、モジャンボが自分のツルをハッサムに巻きつけて、そのまま、上に持ち上げます。
487. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/17(金) 17:27:35.24 ID:pv43EmZz0
「モジャンボ、ハッサムをたたきつけなさい」

エリカさんの命令でモジャンボはそのまま、地面にハッサムを叩きつけます。

「でも、ハッサムははがねタイプ。この技はあまり効かないはず」

「そうね。一回だけじゃ無理ね」

モジャンボは再び、ハッサムを叩きつけるべく、上に持ち上げます。

「でも、何回もやってれば、そのうち、ギブアップするわよね?」

「くっ、ハッサム!」

モジャンボはハッサムを何度も、叩きつけます。一体、どうすれば……。

「サムちゃん、おんがえしだよ!!」

私が諦めかけた時、ゆい先輩が叫びました。その声に反応したのか、ハッサムの目に光が戻ってきました。

「サム!!」

ハッサムはモジャンボがハッサムを叩きつけるべく、上に持ち上げた時に自分をしめつけていた、ツルを強引に引きちぎりました。
488. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/17(金) 17:28:31.08 ID:pv43EmZz0
「な!?」

「今です、ハッサム。つばめがえし!」

ハッサムの鋭いハサミが、モジャンボのツルごと体を引き裂きます。ハッサムはその攻撃を、モジャンボに何度も喰らわせます。

「梓さん。調子に乗りすぎるのはいけませんよ」

「!?」

突如として、ハッサムの動きが痺れているように鈍りました。あの劣勢の中でも、モジャンボはこなを、……しかも、今度は、しびれごな!?

「でも……」

「?」

「そんなの関係ありません。ハッサム、このまま、力押しです。シザークロス」

ハッサムは両手をクロスさせて、モジャンボに向かいます。

「モジャンボ、もう一度、ツルを絡めて!」

モジャンボはツルを、ハッサムに絡めようとしますが、ひざをガクッと地面についてしまいました。

「な!?」

「私のハッサムもダメージの蓄積もありますけど、エリカさんのモジャンボも、さっきの攻撃のダメージが蓄積させてるんですよ」

ハッサムは両手のハサミで、モジャンボを切り裂き、そのまま、モジャンボは倒れました。

「モジャンボ、戦闘不能。ハッサムの勝ち。梓、1ポイント、1対1」
489. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/17(金) 17:29:18.05 ID:pv43EmZz0
「やりますね、梓さん。おんがえしという技は、トレーナーとのなつき具合で威力の変わる技。よほど、あのハッサムを大切に育ててるんですね」

「あ、ありがとうございます」

「でも、まだ、勝負はついてませんよ」

「ええ」

「それでは、最終戦です」

「最後ですよ、ラフレシア」

「こっちは……ゆい先輩。お願いします」

「うん、任せてよ〜」

「いよいよ、噂のあなたの力が見れるんですか。さっきの指示といい、あなた達はいいコンビですね」

「それは当然だよ。恋人だもん」

「恋人(仮)です」
490. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/17(金) 17:30:34.53 ID:pv43EmZz0
「さて、始めますか。……ラフレシア、メガドレイン」

ラフレシアがゆい先輩に迫ってきます。

「今日の私は一味違うよ。出てきて、ゆいぐるみ!」

ポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポン

ゆい先輩の合図でゆい先輩のぬいぐるみが次々と出てきました。久しぶりの奥義ですね。

「では、ミュージックスタート(ふわふわ時間を想像して下さい)」

たくさんのゆいぐるみが次々とラフレシアに攻撃してきます。

「これがこの子の奥義……!?」

エリカさんが驚愕してる間にも、次々攻撃をラフレシアに仕掛けていきます。

「すごい攻撃ですね。でも、この程度ではありませんよ。ラフレシア、はなびらのまい」

ラフレシアははなびらを散らせながら、ゆいぐるみに舞うように攻撃していきます。みるみるうちに、ゆいぐるみを粉砕しました。

「くっ!さすがだね、エリカさん」

「そ、そんな。ゆい先輩の奥義の一つが破られるなんて……」


最終更新:2011年08月03日 17:01