- 536. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/20(月) 20:21:19.23 ID:W+blAKWT0
- 「ハックション」
誰か、噂でもしてるんでしょうか。さて、戻りたくありませんね。さっきの雰囲気からして。きっと、先輩達も後輩がロリコンという特殊な趣味になってると知ったら(誤解ですけど)、嫌がりますものね。今まで、仲良くして頂いただけに、ちょっと、残念ですけどね。
「すいません、遅くなって……」
「おう、梓。別にいいよ、ゆっくりでも」
あれ?なにか、さっきまでとは全然雰囲気が違いますが……。
「あずにゃ〜ん、抱っこ〜」
ギュッと抱きついてくる、ゆい先輩。
「わ、分かりました」
とりあえず、抱っこしてあげます。それにしても、さっきまでのギスギスした雰囲気もなくなってますし、何なんでしょうか。
- 537. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/20(月) 20:23:16.62 ID:W+blAKWT0
- その後、夕食を済ませて、店を出ました。
「なあ、皆。明日、タマムシにあるゲームコーナーに行かないか?」
「いいわね」
「あずにゃん、ゲームコーナーって?」
「タマムシで有名な施設の1つで、コインを使って、スロットなどで遊べたり、コインと引き換えに、技マシンやポケモンを手に入れることが
出来る施設ですね」
「へー、面白そうだね」
「私もいいよ」
「私はどうしようかな?」
「あずにゃん、私行きたーい」
「なんだよ、梓。なにか、用事でも?」
- 538. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/20(月) 20:24:37.86 ID:W+blAKWT0
- 「別にそういうわけでもないんですけど……バッチが」
「なんだよ、そんなことか。まだ、時間があるんだし、大丈夫だろ。そういえば、皆は何個ゲットした?。私は7個」
「私は8個」
「さすが、りっちゃん、澪ちゃん。私はちょっと、遅くて6個よ」
「梓は?」
「……4個です」
「「「……」」」
「急に黙らないで下さい! いいですよ。明日、私もゲームコーナーで遊んでやるです」
「そんなにやけっぱちにならなくても」
「いいんです! こうなったら、ゲームコーナーの景品でもレアのポリゴンをゲットしてやるです。やってやるです」
「あずにゃんが燃えてるよ」
「こんな、キャラだったけ?」
「さあ?」
- 539. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/20(月) 20:25:19.39 ID:W+blAKWT0
- 次の日、ゲームコーナー
「では、早速遊ぼう……というのはつまらないから、ルールを決めよう」
「なんだよ、普通に遊べばいいだろ」
「それじゃ、つまらない。ここは勝負だろ。ルールは簡単。あらかじめ、コイン100枚を買って、渡しただろ?」
「ああ、あるな」
「ありますね」
「そうだな、ますは各自、いろいろなゲームをして、コインを稼いでいく。13時にここに集合して、一番、枚数の少ない奴が昼飯をおごりな」
- 540. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/20(月) 20:26:05.59 ID:W+blAKWT0
- 「また、律は……」
「面白そうね」
「いいねえ〜、やろう。もちろん、あずにゃんと私はコンビね」
「というより、ゆいは1人じゃ出来ないからな。お前らは2人で1人だな」
「だから、私とゆい先輩で2人で100枚というわけですか」
「そういうこと。後、夕食も賭けるからな。午前の枚数を引き継いで。最後に、コインを買って、増やすのは禁止な。だから、午前で0枚とかになると辛いぞ。では、スタート。私はスロットに行こうっと」
「それじゃ、私はカードめくりに」
「私はどうしようかな?」
皆さん、別々の方向に行きました。
「私達も行きましょうか」
「そうだね」
- 541. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/20(月) 20:26:55.44 ID:W+blAKWT0
- 「私達は何をしましょうか」
「そうだねー。……あれ、やりたい」
ゆい先輩が指差したのは……麻雀?
「あれですか」
「そう、あれ」
「でも、私、ルール知りませんよ」
「大丈夫。私は故郷では、人鬼とも呼ばれたし、むこうぶちとも呼ばれてたんだ」
フンス、と得意げな、ゆい先輩。
「なんですか、それ。……まあ、ゆい先輩がやりたいなら、いいんですけど」
- 542. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/20(月) 20:28:32.73 ID:W+blAKWT0
- とりあえず、麻雀コーナーに向かいます。それにしても、いろいろなコーナーがあるものです。
「いらっしゃいませ。当コーナーでは、コインのビンタ麻雀です」
「ビンタ麻雀?」
「ビンタ麻雀は差しウマの一種で、特定の点数、当コーナーでは原点25000点ですが、原点以上のプレイヤーとそうでないプレイヤーの間
で支払いが倍になる、ルールです。失礼ですが、ここのゲームコーナーのコインはありますか」
「はい、これですよね」
私は店員さんにコインを見せる。
「結構です。ちなみに、一発は掛け金の10分の1。裏ドラは掛け金の10分の1×その数。役満は掛け金に関係なく、50枚、トビ賞は30枚です」
どうしましょう、まったく、理解できません。今からでも、引き返したいです。そんな中でも、ゆい先輩は『O.K』と言って、やる気満々ですし。
- 543. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/20(月) 20:29:08.85 ID:W+blAKWT0
- 「本当に大丈夫ですか?」
私はゆい先輩の耳元に呟きます。
「大丈夫だって、この私を信じなさい」
フンス、と自信満々に言うゆい先輩。私達は店員さんに案内され、席に着きました。
「店員さん、順位ウマは?」
「順位ウマはなしです」
「分かった。早速、始めよう」
「こんな可愛らしいお嬢ちゃん達が相手かい?」
正面に座っていた人が話しかけてきます。横のテーブルにはたくさんのコインが置いてあり、大変景気がよさそうです。
- 544. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/20(月) 20:29:39.08 ID:W+blAKWT0
- 「あーあ、可愛そうに」
「ああ、あいつはここでも勝ちまくってる奴だからな」
興味津々ばかりにギャラリーが集まってきました。
「掛け金は……お嬢ちゃん達は初めてみたいだし10枚、東風戦だがいいかな?」
「かまわないよ」
「ところで、お姉ちゃんは幼稚園児のお嬢ちゃんを抱っこしながらやるのかい」
「ええ、まあ」
「くくく、まあ、頑張りな」
その後、簡単に自己紹介をしました。
「じゃあ、早速、始めるか」
- 545. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/20(月) 20:30:12.45 ID:W+blAKWT0
- 1回戦・東4局(オーラス)
東・小暮さん 17000点
南・佐野さん 45000点
西・成金さん 13000点
北・ゆい先輩 25000点
「嬢ちゃんが2位とはお前ら、情けないな。……ツモ、2000・1000」
東・小暮さん 15000点コイン収支 −20枚
南・佐野さん 49000点 60枚
西・成金さん 12000点 −40枚
北・ゆい先輩 24000点 0枚
「大丈夫ですか、ゆい先輩」
今回の収支はゼロですが、1回もあがれていません。
「慌てなさんな。今は様子見だよ。じゃ、2回戦をやりましょうか」
- 546. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/20(月) 20:31:40.18 ID:W+blAKWT0
- 2回戦・東4局(オーラス)
北・小暮さん 21100点
東・佐野さん 36900点
南・成金さん 17000点
西・ゆい先輩 25000点
「さっきから、あの嬢ちゃん、振らず、あがらずだな」
「それどころか、鳴きもしないな」
ギャラリーのそんな声が聞こえてきます。本当に大丈夫ですかね。
「嬢ちゃん、ギャラリーは不満だぞ。……どれ、リーチ」
トップの佐野さんがリーチです。
「余裕だな」
「ああ、リーチの必要もないのに」
- 547. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/20(月) 20:32:16.52 ID:W+blAKWT0
- 「……ポン」
突然、佐野さんのリーチ牌をゆい先輩が鳴きました。
「この手を鳴くのか」
私には、よく分かりませんけど、ギャラリーには疑問のようです。
「……ツモ、500・300」
次のゆい先輩のツモで、あがることが出来ました。
「ハッハハハハ、ようやく、あがった手がゴミとはな」
佐野さんは高笑いして、自分の手を広げます。
「……フッ」
ゆい先輩は佐野さんの手を見て、ニヤリと笑います。最早、誰ですか、あなたは。でも、何を笑ったんでしょう、と手を見てみると、佐野さんの待っていた牌はゆい先輩と同じです。しかも、ゆい先輩が鳴いていなければ、一発でツモっています。まさか、ゆい先輩はこれを狙って……。
- 548. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/20(月) 20:33:05.36 ID:W+blAKWT0
- 北・小暮さん 20800点コイン収支 −30枚
東・佐野さん 36400点 50枚
南・成金さん 16700点 −50枚
西・ゆい先輩 26100点 30枚
「……レートを倍にしませんか」
突如として、ゆい先輩がそんなことを言い出しました。
「ちょっと、ゆい先輩」
「いいぜ。なんなら、倍なんて言わないで、100枚にしようぜ」
「そうだな」
「ああ、いいぜ。嬢ちゃんは」
「……かまわないよ」
- 549. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/20(月) 20:34:02.05 ID:W+blAKWT0
- そして、3回戦・東一局
南・小暮さん 25000点
西・佐野さん 25000点
北・成金さん 25000点
東・ゆい先輩 25000点
「……リーチ」
「おいおい、いきなりかよ」
佐野さんが切ります。
「御無礼だよ。ロン、一発に裏が1枚のって、18000点。ボーナスで、コイン20枚」
3回戦・東一局・一本場
南・小暮さん 25000点
西・佐野さん 7000点
北・成金さん 25000点
東・ゆい先輩 43000点
「リーチ」
「またかよ」
成金さんが切ります。これで、ロンですね。
「……」
あれ、スルーですか。ゆい先輩はロンせずにツモります。
「御無礼だよ。ツモ、一発で4000オールの一本付け。ボーナスでコイン30枚」
「お、おい。こいつのはスルーかよ」
「ごめんね、ツモれる流れだったから」
- 550. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/20(月) 20:34:34.03 ID:W+blAKWT0
- 3回戦・東一局・二本場
南・小暮さん 20700点
西・佐野さん 3700点
北・成金さん 20700点
東・ゆい先輩 55900点
「御無礼だよ、ロン。12000点の2本付け。佐野さんのトビで終了だね。トビ賞で30枚」
南・小暮さん 20700点 コイン収支計 −210枚
西・佐野さん −16300点 −460枚
北・成金さん 20700点 −10枚
東・ゆい先輩 68500点 680枚
「続けるかい?」
ゆい先輩が聞きます。
「あ、当たり前だろ」
「そうだ、レートは倍の200枚だ」
「もちろん、受けるだろ」
「かまいませんよ」
- 551. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/20(月) 20:35:20.64 ID:W+blAKWT0
- 4回戦・東一局
「御無礼だよ。ツモ、4000点オール」
「くそ。このガキ、止まらない」
4回戦・東一局・1本場
南・小暮さん 21000点
西・佐野さん 21000点
北・成金さん 21000点
東・ゆい先輩 37000点
「その東、ポン(よし、これで、混一色聴牌)」
「……リーチだよ、佐野さん」
(なんだよ、おれを狙い撃ちってか。……ツモは東か)
佐野さんが東を切ります。
「御無礼だよ、ロン」
「えっ!」
「国士無双だよ。佐野さんのトビでトビ賞、役満賞で80枚に、コイン合計は3人合わせて、1280枚だね」
その後、ゆい先輩は掛け金をあげつつ、勝ちまくったのは言うまでもないでしょう。
- 552. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/20(月) 20:36:21.71 ID:W+blAKWT0
- そして、13時。
「では、早速、結果発表だ〜」
パチパチパチパチ。
「まずは、ムギから」
「私は、1000枚かしら」
「お、やるな。暫定だけど、優勝候補だ。次は澪だ」
「私は……110枚」
「なんだよ、たったそれくらいかよ。10枚増やしただけじゃん」
「う、うるさい。律は何枚なんだよ」
「……さて、梓は?」
「おい!」
- 553. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/20(月) 20:37:44.51 ID:W+blAKWT0
- 「わ、私は、……約10000枚です」
「そうか、それくら……っておい!なにをやったら、そんなになるんだよ」
「ゆい先輩の隠れた才能というか……」
「で、後は律だけだな」
「りっちゃんは何枚なの?」
「……じゃあ、澪の奢りで飯に……」
「「「「……」」」」
「……0枚です」
「「「「……」」」」
「……昼食を奢らせていただきます」
「あ、待って下さい。このコインでポリゴンをゲットしてきたいんですけど」
「別にいいけど、午後のコインは?」
「……もう一度、最初からの方がいいと思うんですが」
チラッ
「……そうだな」
チラッ
「……そうね」
チラッ
「哀れみの目で見るな!」
- 554. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/20(月) 20:38:32.41 ID:W+blAKWT0
- あるレストラン
「くそ、余計な出費だよ」
「りっちゃんの自業自得な気もするけど」
「梓。私、アップグレートを持ってるから、後でポリゴン交換してあげるよ」
「ありがとうございます、澪先輩」
「? どうして、交換するの?」
「ポリゴンはアップグレートを持たせて交換すると、ポリゴン2に進化するんですよ」
「なるほど。ポケモンは奥が深いんだね」
「一番、奥が深い存在が言うなよ」
- 555. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/20(月) 20:39:24.97 ID:W+blAKWT0
- 「そういえば、あの噂って本当かな?」
私達の座ってる席の隣のカップルの声が聞こえてきました。
「あの噂?」
「あれだよ、ゲームコーナーにある、ロケット団の実験場に続く、入り口があるって噂」
「ああ、あれか。ただの噂だろ」
「そうかな?」
「なんだよ、そんなのがあんな場所にあるわけないだろ」
「そうだけどね。でも、あったら、面白くない?」
「怖いだろ、普通に」
そんな会話をしながら、カップルは席を立ち、去っていきました。
- 556. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/20(月) 20:40:21.68 ID:W+blAKWT0
- 「……なあ、午後は今の噂を確かめないか。ちょうど、うろついてる時に面白い情報も入ったし」
「面白そうね」
「ふ、ふん。ただの噂だろ」
「怖いのか、澪ちゅわん」
「誰も怖いなんて言ってないだろ。いいよ、確かめてやろうじゃないか」
「私も行きた〜い。あずにゃんはどうするの?」
「どうせ、ただの噂とは思うんですけど……」
「じゃあ、梓は行かないのか?」
「いえ、私も行きますけど……」
今までなら、素直に皆さんにお付き合いしたいんですが、噂とはいえ、ロケット団がかかわるって聞くと、なんというか、抵抗感がありますね。
「なんだよ、歯切れが悪いな」
「すいません。……その前に、ポケセンに行っていいですか?万全な状態で行きたいので」
ただの噂のはずなのに、ものすごく嫌な予感がします。
「ただの噂で慎重だな」
「念のためです」
- 557. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/20(月) 20:41:58.63 ID:W+blAKWT0
- 昼食後、ポケセンでメンバーを調整し、再び、ゲームコーナーに来ました。ちなみにメンバーは、
ゆい先輩 ハッサム ヘルガー イーブイ ニューラ ガルーラ
正直な話、ポリゴン2もメンバーには入れたいんですけど、まだ、使い慣れていないので、却下しました。まあ、ぶっちゃければ、メンバーに変更がありませんが。
「そんなに、慎重にならなくてもいいんじゃないか?ただの噂だろ」
「そうは思うんですが……」
「きっと、梓ちゃんはロケット団といろいろあったから、神経が過敏になってるのよ」
たしかに、その可能性もあるとは思いますが。
「でもでも、あずにゃんの勘も馬鹿に出来ないんだよ」
「どうしてだ、ゆい?」
「だって、あずにゃんはネコみたいだもん。きっと、野生の勘が働いたんだよ」
「なるほど、一理ある」
「いや、ありませんよ」
- 558. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/20(月) 20:43:14.32 ID:W+blAKWT0
- 「でも、噂を確かめに来たけど、どこにあるんだ?」
「フッ。私がコイン0枚になった時、いろんな話を聞いてまわったんだが、あるポスターの裏にスイッチがあるらしい」
「へ〜、場所は分かるの?」
「任せろ。あっちだ」
律先輩の先導で人気のない場所に来ました。
「こんなところにあるのか」
「確かに、雰囲気はありますけど」
「それで、ポスターはどこにあるのかしら?」
「あそこだ」
律先輩が指差すところにポスターがありました。ポスターをめくると、確かにスイッチみたいのがありました。
「よく聞きだせましたね」
「ああ、白衣を着て、眼鏡をしている女の人に教えてもらったんだ」
- 559. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/20(月) 20:44:25.82 ID:W+blAKWT0
- 「眼鏡ですか」
一瞬、イワヤマトンネルで、戦った、山中さんを思い出してしまいました。……まさか、同一人物?
「とりあえず、押してみようよ」
「そうだな」
ポチッ
律先輩がボタンを押すと、地面から振動が起き、地下へと続く階段が現れました。
「まさか、本当にあったとは……」
「よし、降りてみるか」
「だ、駄目ですよ。噂が本当なら、下にはロケット団がいるかもしれません」
「梓の言うとおりだ。遊び半分で行くべきじゃない」
「そうね、確かに慎重に考えるべきかもしれないわ」
「でも、ここまで来て、このままってのもな。ゆいはどう思う?」
- 560. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/20(月) 20:45:36.12 ID:W+blAKWT0
- 「……私は行きたい」
いつもとは違う真面目な声で言いました。
「だって、噂が本当なら、この地下施設は実験場なんでしょ?もしかしたら、ブイ太みたいに苦しめられてるポケモンがいるかもしれないも
ん。そのポケモン達を助けたい」
「……ゆい先輩」
「ゆいの言うことも、もっともだが、警察に任せた方がいいだろ」
「でも、警察はすぐには動いてくれないよ。それになんて通報するの?ここが、まだ、ロケット団の施設とは限らないし、私達の憶測でしかないことに、警察が動くと思う?」
ゆい先輩が正論を言っています。ビックリです。
「そ、それは……」
「警察を頼るにしても、証拠がなくちゃ。証拠を得るためにはこの中に入らないとね」
「……そうですね、分かりました。私も中に入ります!」
「梓まで」
「ゆいちゃんの気持ちは分かったわ。私も行くわ」
「ムギもか。……仕方がない、私も行こう」
「全員の意見が一致した所で、しゅっぱ〜つ」
「「「「オー」」」」
- 561. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/20(月) 20:46:16.35 ID:W+blAKWT0
- 管理室
監視カメラには4人の同い年くらいの女性と幼稚園児くらいの女の子の計5人が映っている。
「和さん。例の5人組が実験場に入りました」
「そう。……いよいよ来たわね。……ミュウツープロトタイプの力を試す時が」
- 562. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/20(月) 20:47:38.30 ID:W+blAKWT0
- タマムシシティ編? 「防衛×賭博×潜入」 終了
これを見てくれてる人に聞きたいですけど、まだ、気が早いですけど、ラスボスを
?唯とポケモン・アズサ(早い話、今の梓とゆいを交換したかんじ)
?ダークゆい(ロケット団の黒幕的なかんじ)
のどちらかにしたいんですが、どちらの方がよろしいでしょうか。(どちらを選ぶかで、ストーリも変わるので)まあ、最初に決めとけよって話ですけどね。
- 563. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) 2011/06/20(月) 20:59:27.68 ID:cY8tTUaS0
- 2を希望
- 564. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) 2011/06/20(月) 21:02:35.11 ID:Nx9pWAzG0
- 乙!
ダークゆいはロケット団に複製される感じ?
それとも操られるのか?
まぁどうであれ自分も2を希望
- 565. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/06/20(月) 21:28:28.48 ID:aDg/rGRDO
- 乙!
1が良いな〜
そうすればポケモンあずさとの通信機能で(ry
- 567. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) 2011/06/20(月) 22:13:04.30 ID:tfr84JjAO
- 個人的には2かな
- 568. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2011/06/21(火) 00:04:55.13 ID:FiscbhaK0
- 2を希望
1はどっちかというと、シナリオ終了後に
おまけのExボスとして見たい感じ
- 569. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/21(火) 06:00:50.91 ID:tnZ20pOb0
- 答えてくださった方々、ありがとうございます。
2が多かったので、2でいきたいと思います。
- 571. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/23(木) 17:19:26.91 ID:wpHVNjdx0
- 前回までの状況(トレーナとポケモン)
梓 ゆい ハッサム ヘルガー イーブイ ニューラ ガルーラ ボックス ミニリュウ ポリゴン2
澪 ゼニガメ
律 リザード サワムラー ニョロゾ
ムギ フシギソウ カポエラー
純 うい
注 一部残虐表現あり
タマムシシティ編? 「過去×激闘×暴走」 以下、投下
- 572. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/23(木) 17:19:59.93 ID:wpHVNjdx0
- 梓達が旅立つ1年前
『グハッ』
『ハア……ハア……』
『実験終了。試験体Mが生き残りました』
『分かったわ』
私はいつから、戦い続けているのだろう。自我を持ち始めた時にはすでに戦い続けていた。
- 573. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/23(木) 17:21:17.17 ID:wpHVNjdx0
- 私が生まれたのは2年前、特殊な環境なんだろう。私は、正規のポケモンではない。だから、名前はない。いや、試験体Mと呼ぶべきなんだろうか。私は、いろいろなポケモンの遺伝子を掛け合わせて生まれた。何のためにか?それはもちろん、戦うためなんだろう。強力なポケモンといっても、弱点はある。その弱点をなくなれば、おそらく、最強になれるだろう。そんな考えで私は作られたのだろう。
『調子はどうかしら』
培養液の入ったカプセル越しに私を作ったうちの一人、和という名前だったか、が聞いてくる。
『あなたはよく頑張ってるわ。後はあの遺伝子さえ手に入れば、あなたは最強になれるわ』
最強?私には興味のないことだ。生まれたばかりの私は私と似たような、境遇のポケモンがたくさんいるところに放り出された。そして、私達は殺し合いをさせられた。なんでも、最後に生き残っていた個体を実験材料として育てるためだとか。私はなんとか、生き残った。そして、私が育てられることになった。だが、それで終わりでなく、私に新しい遺伝子を掛け合わせたり、新しい個体との戦闘を強いられたりした。
- 574. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/23(木) 17:22:14.07 ID:wpHVNjdx0
- ビューン
自動ドアの開く音がした。コツコツと歩く音が聞こえた。入ってきた人の姿はフードのついたローブを着ていて、顔が見えない。
『あら。あなたの教えてくれた、技術で実験は順調よ』
和はその人物に話しかけた。
『……』
その人物は和の質問には答えずに、私のカプセルの前に来た。
『……たしかに順調だね』
そして、和に振り向き言った。その声から、察するに、女の人だろう。
『それはそうよ』
『……でも、まだ、駄目だよ。あの遺伝子がないとね』
『分かってるわ』
『……できるだけ、早くね。1年後に間に合うように』
女はもう一度、私に振り向いた。
『本当にあなたはこのままでいいのかな?』
その女は私にだけ聞こえるようにそれだけ言い残し、去っていった。
- 575. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/23(木) 17:24:13.29 ID:wpHVNjdx0
- 1年後
『ようやく、ミュウの遺伝子をゲットできたわ』
目の前で、和が嬉しそうに言う。
『それに、グレン研究所の資料も手に入れたわ。これで、あなたは最強のポケモンになれるわ』
最強か。私にとってはどうでもいいことだ。強くなるのは生き残るためだけだ。こいつらのためにではない。いつからだろう。こいつら人間共に憎悪を抱いたのは。多分、あの、女の一言のせいだろう。私は外の世界を知らない。だから、知りたい。
『本当にあなたはこのままでいいのかな』
そう、私はこの地下でいつまでも、実験材料でいいはずがない。それに、私はたくさんのポケモンを殺してきたが、何故、私達は殺しあう必要があるのだろう。私は正規のポケモンではない。だが、ポケモンなのだ。どうして、こんなことをさせられるのだろう。1つのことを疑問に思うとたくさんのことを疑問に思ってしまう。
『さて、早速、ミュウの遺伝子を使うわ。準備して』
周りの研究員に指示を出す、和。その時、
- 576. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/23(木) 17:25:06.37 ID:wpHVNjdx0
- ビューン
自動ドアの開く音がした。コツコツと歩く音が聞こえた。入ってきた人の姿は1年前と同じ。ローブを着ていて、顔が見えない。
『あなたは!? 1年も姿を見せずに何しに来たの』
『……』
その女はやはり、何も答えずに、私のところに来る。
『……いい眼になってるね。憎悪がたくさん詰まったいい眼だよ』
その女は私の眼を見て言う。
『無視するんじゃないわ。今まで、一体どこに……』
『……私だって、暇じゃないんだよ。それに、私がいなくてもよかったでしょ?』
和に振り返り、言う。
『さて、遺伝子を手に入れたんだね。……じゃあ、早速、始めようか』
『あなたに言われなくても、私達が……』
『あなた達の技術じゃ無理でしょ。資料があってもね』
『……』
図星をつかれたのか、顔を歪める。
『安心しなよ。ちゃんとやるからさ』
- 577. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/23(木) 17:27:20.87 ID:wpHVNjdx0
- 『これが例の……』
私の前にロングヘアーで眼鏡をかけた女が立っていた。
『ええ。幻のポケモンといわれるポケモンミュウから採取された遺伝子を元に、私達が作り出したポケモン。……ミュウツー・プロトタイプよ』
ミュウツー・プロトタイプ。それが私の名か。試験体Mと比べれば、100倍はマシだろう。
『まだ、入手して短いのに、早いわね』
『研究所に資料もありましたしね。……これで、伝説の3匹と最強のポケモン、プロトタイプであるけど、ミュウツー。この4匹がいれば、私達が世界を掌握するのも……』
和はそう言うが、実際はあの女がやったことだ。
『ええ』
- 578. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/23(木) 17:28:15.81 ID:wpHVNjdx0
- ビューン
今は深夜。自動ドアの開く音がした。コツコツと歩く音が聞こえた。入ってきた人の姿はフードのついたローブを着ている、あの女だ。忘れ物でもしたのだろうか。
『……』
その女は私のカプセルの前で立つ。やはり、私に用事なのだろうか。
『ヤッホー、元気かい?』
『……』
『無視はよくないな。しゃべれるようになったんでしょ?』
『……何のようだ』
『親に対して、なんて口の利き方だね、この子は』
あっけらかんと言う、女。
『……親だと』
『そうだよ。あの人達に私の技術を教えてね、君の『器』はできたんだよ』
『何のためにだ』
『さ〜ね〜。君が知る必要のないことだよ。あの人達は君を利用して、お金儲けとかをしようとしてるみたいだけどね』
『……』
お金儲けで済めばいいがな。私は心の中で苦笑する。
『本当にあなたはこのままでいいのかな?』
- 579. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/23(木) 17:29:47.29 ID:wpHVNjdx0
- 突然、1年前と同じ事を聞いてくる。
『……前にも聞いたな。どういう意味だ?』
『別に深い意味はないよ。ただ、いつまでも、人間の支配下でいいのかなって?』
『……』
『人間なんかくだらないよ。……くだらない』
女はさっきまでのおちゃらけた声ではなく、激しい憎悪とそして……若干の悲しみが混じった声をしているように感じた。
『1年前のあなたは、まだ、厳しかったもしれないけど、今のあなたは力を持っているんだよ』
声のトーンを戻して、私に言う。
『……お前は私に何をさせたいんだ』
『さあね。あなたが何をするにしても、それを決めるのは私じゃないんだよ。あなたが決めるの』
『……』
『……これから近いうちに人間とポケモンは共存できると考えてる、幼稚園児みたいな見かけのあまっちょろいポケモンが来るよ』
『……』
『私があなたにしてほしいことといったら、そいつを倒してほしい』
『……何故だ?』
『それはあなたの知るべきところじゃないよ。……それじゃ、私は行くね』
『……待て』
『なんだい?』
『お前の名前は何だ?……お前も私と同じにおいがする』
『……そうだね〜。名前だけでも教えてあげたいけどね。とりあえずはAYUとでも呼んでよ』
『……AYUか』
『ちなみに本名じゃないからね。あなたがここから、脱出できたら、教えてあげる』
『……』
『それじゃ、今度こそ、私は行くね』
『……』
『頑張ってね、ミュウツープロトタイプ』
- 580. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/23(木) 17:30:37.42 ID:wpHVNjdx0
- 実験場
『これから、あなたのテストをするわ』
出てきたのは、バンギラス、ボスゴトラ、10匹ずつ、計20匹ずつ。
『こいつら、全員を倒すのよ』
『……』
『では、スタート』
『まったく、鳴き声の一つでも出さないんですかね』
『不気味ですよ』
『別に不気味でも何でもいいわ。……強ければね』
- 581. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/23(木) 17:31:34.99 ID:wpHVNjdx0
- 何故、私は戦ってるのだろう。バンギラスはあくいのはどうを放ってくる。
『……』
私はそれをバリヤーをつかって防ぐ。そして、はどうだんを放つ。
『バンギラーーーーーース』
鋼鉄のような皮膚を砕き、倒れる。その様子を見て、周りのバンギラス達は怯む。何故、私達はお互いに殺し合うのか。
『ボスゴドーラ』
ボスゴドラが恐怖からなのか、突っ込んでくる。
『……』
私はひらりとかわし、からわわりを繰り出す。
『ボーース』
その衝撃で、簡単に吹き飛んでしまう。私達が戦うべきなのはポケモンではなく、人間だ。下等種族のくせにポケモンである、われわれを使おうとする人間だ。
『……』
残りの数を見る。まだまだ、たくさんいて、めんどくさい。ならば……。
『……』
私は念波を実体化させ、サイコブレイクをボスゴドラに放つ。ボスゴドラには効果が薄い技だが、それでも、粉砕した。残りは、バンギラス。
『……』
サッサとこんな不愉快なことは終わらせよう。そう思って、私はバンギラスへと向かって行った。
- 582. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/23(木) 17:32:55.16 ID:wpHVNjdx0
- 梓達がゲームコーナーに来る前日
『最終テスト(予定)はこいつらよ』
そこに映し出されたのは、ツインテールの女と小さい女の子だ。
『……』
『この女の子みたいなのはこんな見かけでも、ポケモンで、名前はゆいというらしいわ』
あの女、AYUが言ってたのはこの子供なのか。……たしかに、平和そうな顔をしている。同じポケモンでも、どうして、こうも違うのだろう。不公平ではないのか。……やはり、いつまでも、人間の下にいるべきではない。ならば、私がこの世界を支配すればいいのではないか。人間を皆殺しにし、ポケモンのための平等な国家を作ろうではないか。
『……早く来い、小さき、ポケモンよ』
『今、何か言わなかった?』
『私は聞こえませんでしたが、気のせいじゃないでしょうか』
『……そうよね』
- 583. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/23(木) 17:33:48.35 ID:wpHVNjdx0
- 地下施設・B1
「うす暗いね、ここ」
「そうですね」
私達は、律先輩、ムギ先輩、澪先輩、私(頭の上にゆい先輩)の順に歩いています。
「どれくらい、深いんだ、ここ」
「やっぱり、何かあるからかしら」
「噂は本当だったんかもな。……着いたな」
階段も終わり、非常口のドアがありました。そのドアを開け、私達はどこかの廊下に出ました。
「何なんでしょうか、ここ」
「やっぱり、何かの施設なのかな?」
「とりあえずは探索だな」
「2手に別れるか?」
「それは危険ですよ。効率は悪いかもしれないですけど、全員で行くべきです」
「梓の言うとおりだな」
- 584. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/23(木) 17:34:51.32 ID:wpHVNjdx0
- 「……さっきから、澪は梓の意見に合わせてないか?」
「べ、別にそういうわけじゃ」
「そうやって、ポイント稼いでるのね。澪ちゃん、ずるい子!」
「だから、違う!!」
「ゆい先輩。澪先輩達は何を言ってるんですか?」
「あずにゃんには早い話だよ」
ナデナデ
「ニャ……やめてくださいよ」
テレテレ
「嫌なのかい?じゃあ、やめるね」
「……」
シュン
「……」
ナデナデ
「……えへへ」
「「「……」」」
ジー
「……ハッ。さ、さあ、気を取り直して、散策を開始しましょう」
私達は出発しました。
- 585. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/23(木) 17:36:15.34 ID:wpHVNjdx0
- 管理室
『いいんですか?自由に歩かせて』
『どうせ、生きては帰れないだろうから、いいわ。危ないところにはロックもかけてるし。それに、ミュウツープロトタイプのテストの実験台にふさわしいかのテストも必要だしね』
『ではもう少し、様子見ということで』
『ええ』
『それにしても、こんな簡単にこの施設に入ってくれるとは……』
『情けない連中よね』
- 586. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/23(木) 17:36:42.95 ID:wpHVNjdx0
- ビューン
自動ドアの開く音がした。入ってきた人の姿はフードのついたローブを着ていて、顔が分からない女だ。
『何しに来たの?』
『別に。ただ見学に来ただけだよ』
『余計なことをしないでよね』
『分かってるよ。で、どんな、ルールなんだい?』
『……地下3階にいるあの子のところまで、行けるかどうかよ』
『分かった。まあ、頑張んなさい』
その女は偉そうに言って、画面を食い入るように見始めた。
最終更新:2011年08月03日 17:06