- 662. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/25(土) 09:33:54.71 ID:lGdjiDTZ0
- 「……答えは……これだよ。私のターン、カードドロー」
(神経を集中させるんだ。私の頭のてっぺんから、足のつま先まで、神経を集中させるんだ)
「……何故、お前は諦めないんだ」
「何故って? あなたを倒すって約束したからだよ。リバースカードを発動。永続罠カード『エンジェル・リフト』 このカードは自分の墓地に存在するレベル2以下のモンスター1体を選択し、攻撃表示で特殊召喚する。このカードがフィールド上に存在しなくなった時、そのモンスターを破壊する。そのモンスターがフィールド上から離れた時このカードを破壊する。このカードで、復活させるのは、『澪ちゃん』」
秋山 澪 光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500
「このカードは召喚、特殊召喚に成功した時、墓地にあるけいおん族のカードを1枚手札に加える。私は、『りっちゃん』を手札に加える」
(思い出すんだ。今までの思い出を。それだけじゃない。けいおん!っていう名前のアニメのあずにゃんや原作のあずにゃん。それだけじゃない2ちゃんねるっていう掲示板のVIPっていうところの唯梓か平梓のあずにゃん(他は忘れよう)。私の体の神経全てを集中させるんだ)
「私は手札から魔法カード『貪欲な壺』を発動。このカードは自分の墓地に存在するモンスター5体を選択し、デッキに加えてシャッフルする。その後、自分のデッキからカードを2枚ドローする。私は『あずにゃん』『平沢唯』『正義の味方ゆいちゃんマン』『ネコミミあずにゃ
ん』『エンジェルあずにゃん』をデッキに戻して、シャッフル」
(このドローに全てがかかっている。あずにゃん、力を貸しておくれ)
- 663. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/25(土) 09:34:21.07 ID:lGdjiDTZ0
- 「おい、ゆいの様子がおかしいぞ。まさか、さっきみたいに……」
「それはない。ゆいもアズリストである以上、梓の嫌がることはしないはずだ」
「あのオーラは……まさか、ゆいちゃんはあの技を」
「馬鹿な。あの技は……」
「何なんだよ、一体」
- 664. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/25(土) 09:35:25.92 ID:lGdjiDTZ0
- (落ち着いて、集中するんだ。心を無にするんだ。そうすれば、達することが出来る。新たなる伝説の境地に)
「……ミュウツープロトタイプ」
「なんだ?」
「……たしかにあなたの言うとおりかもしれない。人間とポケモンとの共存は難しいし、できないかもしれない。……それでも、私は人間さん……あずにゃん達と一緒にいたい。……例え、あなたの方が正しかったとしても、私はあなたを倒す」
(さあ、一緒に戦おうね、あずにゃん。行くよ、……アズサマインド)
- 665. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/25(土) 09:36:23.86 ID:lGdjiDTZ0
- 「「行きますよ、ミュウツープロトタイプ!魔法カード『貪欲な壺』の効果で私はデッキから、カードを2枚ドローします」」
「!? お前はさっきまで、重症だったはず……」
「お、おい。ゆいが、あ、梓みたいに……」
「ついに来たか」
「ええ。……私達は伝説を見てるのかしら……」
「何なんだよ、一体」
「ゆいは、アズサマインドの境地に達したんだ」
「は?」
「アズサマインドの境地とは頭のてっぺんから、足の指先まで、全て梓と1つなろうとすることで達することが出来るんだ。その境地に達することで、まるで、梓と一体化しているかのような、その場に梓がいるような、感覚に周りはみまわれる」
「その境地に達することで、アズリストは新たなる力に達することが出来る」
「だが、この境地に達することは現実問題相当に厳しい」
「まずは、梓を相当に好きであること。……これは私達でも満たしているだろう」
「だけど、次が難しいのよ。体の全てが梓ちゃんと一体になれるように集中していかなきゃいけない」
「そして、心が梓以外のことを考えないように無にするんだ」
「分かったかしら?」
「……分かったのはお前らが変態だということだけだよ」
- 666. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/25(土) 09:37:15.88 ID:lGdjiDTZ0
- 「「来ました、あなたを倒すためのキーカードが。もう、あなたのターンはまわってきません!!」」
「この私を倒すだと」
「「私は『律先輩』を召喚します」」
田井中 律 光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500
「「『律先輩』の効果発動。このカードの召喚・特殊召喚に成功した時、手札にあるけいおん族を1体特殊召喚できます。私は『唯先輩』を特殊召喚」」
平沢唯 光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500 チューナー
「「そして、『猫梓』を特殊召喚します。このカードはフィールドに『唯・ゆい』と名のつくカードがいる時、特殊召喚できる」」
猫梓 光属性 けいおん族 ☆1 攻300/守300
「「私は『平沢 唯』に『田井中 律』『琴吹 紬』『秋山 澪』をチューニングします」」
☆2+☆2+☆2+☆2=☆8
「「集いし想いが新たに輝く嫁となる。光さす嫁となれ、シンクロ召喚『エンジェルあずにゃん』」」
エンジェルあずにゃん 光属性 けいおん族 ☆8 攻3000/守2500 シンクロモンスター
- 667. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/25(土) 09:38:02.28 ID:lGdjiDTZ0
- 「「『エンジェルあずにゃん』の効果発動します。1ターンに1度、墓地に存在する『平沢唯』か『中野梓(あずにゃん)』と名のつくカードをフィールドに特殊召喚します。私は『唯先輩』を特殊召喚します」」
平沢唯 光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500 チューナー
「「手札から、魔法カード『ゆいあず!』を発動します。このカードは『唯又はゆい』と名のつくカードと『梓(あずにゃん)』と名のつくカードのレベルを同じにすることが出来ます。その効果で『唯先輩』のレベルを1にします。そして私は『平沢 唯』に『猫梓』をチューニングします」」
☆1+☆1=☆2
「「集いし想いが新たな嫁への進化を導く。光さす嫁となれ、シンクロ召喚『ナースあずにゃん』」」
ナースあずにゃん 光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500 シンクロチューナー
「「まだ、行きますよ。『ナースあずにゃん』に『エンジェルあずにゃん』をチューニングします」」
☆8+☆2=☆10
「「2人の想いが通じ合う時、新たなる力の扉が開く。光さす嫁となれ、アズニャンシンクロ『ナースエンジェルあずにゃん』」」
ナースエンジェルあずにゃん 光属性 けいおん族 ☆10 攻???/守0
- 668. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/25(土) 09:38:58.58 ID:lGdjiDTZ0
- 突如として、ナース服を着て、羽の生えたコスプレをした梓が……って、そのまんまだな。
「「『ナースエンジェルあずにゃん』の効果。このカードはこのターンのエンドフェイズ終了時にデッキに戻る。このカードがシンクロ召喚に成功した時、このカード以外の攻撃力はゼロとなる。そして、注射器に他のモンスターの攻撃力を吸収し、フィールド上に存在する全てのモンスターの元々のモンスターの攻撃力の合計分をこのカードのもともとの攻撃力となります」」
「何だと!!」
ナースエンジェルあずにゃん 光属性 けいおん族 ☆10 攻8400/守0(4000+1800+2600)
(だが、まだ、私のフィールドにはリバースカード『聖なるバリアミラーフォース』と永続罠カード『ミュウツーのバリアー』がある)
「「私は手札から、魔法カード『ハリケーン』を発動します。このカードはフィールド上に存在する魔法・罠カードを全て持ち主の手札に戻します」」
「何だと!!」
「「行きますよ、『ナースエンジェルあずにゃん』で、『ミュウツー(パーフェクト)』を攻撃。ゆいあず真拳究極奥義『ラブラブ☆レーザー』」
巨大な注射器が『ミュウツー(パーフェクト)』に狙いを定め、強力なレーザーとなって、発射される。
「ぐっ。まさか、この私がーーーーーーーーーーーー」
ミュウツーP LP4900→0
- 669. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/25(土) 09:39:27.09 ID:lGdjiDTZ0
- そのレーザーは、『ミュウツー(パーフェクト)』を打ち砕き、ミュウツープロトタイプをも貫通し、大爆発が起こった。そして、それと同時に、綺麗な光の粉みたいのが私達のところに降り注いだ。
「おい、私達のポケモンが元気になってるぞ」
「本当だわ」
「この光の粉が……あ、梓」
「どうした?」
「梓の傷が塞がっていく」
目の前で、梓の胸の傷が塞がっていった。
- 670. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/25(土) 09:40:19.38 ID:lGdjiDTZ0
- 「大丈夫か、梓」
私は目を覚ますと、目の前には澪先輩達の姿がありました。目には涙がたくさん浮かんでいます。
「皆さん、どうしたんですか?泣いていますけど……」
「何を言ってるんだ、死に掛けてたんだぞ」
まだ、頭がぼーっとするけど、なんとなく、思い出した。そうだ、私は律先輩を庇って……
「大丈夫ですか、律先輩」
「ああ、私は大丈夫だ。梓のおかけでな」
「……そういえば、ミュウツープロトタイプは……」
「あいつなら、ゆ……」
「あ〜ずにゃ〜ん」
「にゃっ」
ゆい先輩が私の胸に飛び込んできました。
「よかったよ〜、あずにゃん。……グス、私、死んじゃうかと思ったんだよ〜、……グスグス」
「……ごめんなさい」
「グスグス。私、頑張ったよ。頑張って、ミュウツープロトタイプを倒したよ」
「……すごいですね、ゆい先輩は」
ナデナデ
「……えへへ〜」
- 671. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/25(土) 09:41:11.39 ID:lGdjiDTZ0
- ガシャーン
そんな音ともに、瓦礫が吹き飛びました。
「な、な、な……」
「あ、あれだけの、こ、こ、攻撃を受けて……」
「ま、まだ、生きてるなんて」
その瓦礫から、左の上半身が吹き飛んだ状態のミュウツーの姿が。
「……」
そして、1歩1歩ずつ、こちらに向かって、歩いてきます。
「……」
そして、私の前に立ち、右手を差し出し、
「……お前、いや、お前達の勝ちだ」
「……」
私は黙って、ミュウツープロトタイプの右手を握ります。
「……お前達の勝ちだが、私は人間が嫌いだ。これ以上、利用されたくない」
ミュウツープロトタイプは右手を上に向け、強力なレーザーを放ちます。
ガシャーン
と天井が破れていき、地上の明かりが入ってきます。
- 672. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/25(土) 09:42:00.41 ID:lGdjiDTZ0
- 「……行っちゃうの?」
ゆい先輩は寂しそうに言います。
「……私とお前は敵だぞ」
「決闘(デュエル)をしたんだから、決闘者(デュエリスト)は友達なんだよ。また、決闘(デュエル)しようね」
ニコッと笑うゆい先輩。
「……今度は普通の戦いをしたいがな」
「むむ、それはちょっと勘弁だよ」
「じゃあ、そのために、レベル上げも頑張らないといけませんね」
「それも、勘弁してよ〜」
「……では、機会があれば、また会おう」
「……うん」
「……はい」
ミュウツープロトタイプは破れた天井から、空に向かって、飛んでいきました。
- 673. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/25(土) 09:42:39.86 ID:lGdjiDTZ0
- 管理室
『いい、必要なデータだけ持って逃げ出すのよ!!持ちきれない分は破棄して』
管理室内は混乱の最中にいた。それはそうだろう。自分達の最強モンスターが訳の分からない幼稚園児みたいなモンスターに負けた上に、逃げ出したうえに、その騒ぎで警察が来るのだから。
『どうするの、この事態は!!』
『そんなの私の知ったことじゃないよ』
『知ったことじゃないですって……』
『仕方がないでしょ、相手の方が強かったんだからさ。……よいしょっと』
ローブの女は立ち上がる。
『それじゃ、私は行く場所があるから』
『な、ちょっと、待ちなさいよ』
その少女はその言葉を無視し、部屋を出て行った。
- 674. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/25(土) 09:43:22.75 ID:lGdjiDTZ0
- 2日後
私達はその後、騒ぎによって、駆けつけた警察に保護され、特に血まみれだった私は検査入院をすることになりました。
「いやー、すっかり、怒られたな。もっと、警察を信用しろって。ムギがいなかったら、早くに帰してもらえたかどうか」
「でも、警察が踏み込んでも、ミュウツープロトタイプには勝てなかったでしょうね」
「たしかに。今も信じられないもんな、あいつに勝ったなんて」
「ミュウツープロトタイプに勝てたのは私のおかげなんだよ」
フンス、と得意げに胸を張る、ゆい先輩。
「本当にこんな小さい体でよく勝ったよな」
「うー、小さい体は余計だよ」
「……ところで、梓。本当にもう、私達が行ってもいいのか」
「ええ。前にも言いましたけど、澪先輩はともかく、律先輩達はバッチ集めがありますし、澪先輩だって、いろいろやることがあるでしょう。
私のせいで、皆さんが足止めされるのは嫌です」
「……そうか」
- 675. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/25(土) 09:44:33.36 ID:lGdjiDTZ0
- 「大丈夫、大丈夫。あずにゃんには私はいるし〜」
「それが一番、不安だけどな」
「ぶう〜ぶう〜、りっちゃんよりもましだよ」
「なんだと〜」
ゆい先輩と律先輩が楽しそうにじゃれています。ゆい先輩と律先輩はポケモンと人間ですけど、まるで、そんなの関係ないように。
「……」
私は病院のベットから、窓の外を見る。今頃、ミュウツープロトタイプはどうしているのでしょうか。あれだけの傷を負ってましたし、ロケット団も追っているでしょう。……あのポケモンは人間とポケモンは共存できない、と、今だからこそ、そう思いますのですけど、悲しい目をして言ってました。間違ってはないですけど、それは悲しいですよね。
「どうしたの、梓ちゃん。ボーっとして」
「いえ。……ミュウツープロトタイプは今、どうしているかなって」
「……きっと、今頃、元気でやってるさ」
「……だといいわね」
「……あいつは強いからな」
「……また会いたいよね」
「でも、さすがに、あの戦いは勘弁だけどな」
「え〜、あの決闘(デュエル)、楽しかったじゃん、澪ちゃん」
「いや、ポケモンなんだからな、ちゃんとポケモンしろよと言いたい」
「澪。そんな常識を持ってたら、ゆいには勝てないぞ」
「む〜、まるで、私が非常識みたいじゃん」
「あながち、間違ってないわよね」
楽しそうにじゃれあう、ゆい先輩達を見て、人間とポケモンは共存できますって、ミュウツープロトタイプに言ってあげたいな、って思いました。
- 676. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/25(土) 09:45:54.61 ID:lGdjiDTZ0
- カントーのある山にて
『……』
私は力なく、横たわる。さすがに、ダメージがありすぎたか。
『残念だったね』
ローブの女がいつの間にか、そばにいた。
『あんな遊びに付き合あわなくてもね』
『……お前も分かってるだろう。あれでなくては、私に勝つ可能性がなかったことを』
『過大評価しすぎじゃないかな』
『……何とでも言え』
私は寝そべり、空を見る。……綺麗な青空がある。初めて見る光景だ。世界にはまだまだ、見ていない光景があるだろう。そんな光景を見てみたい。……もう、叶うことのない夢だけれど。
『どうする?ロケット団の研究所に連れて行けば、生きることができるよ』
たしかに生きることはできるだろう。そのかわり、今回のことで、自由も無くなるだろう。
『……もういい。私は疲れた。せめて、お前の手で私を自由にしてくれ』
『……分かったよ』
ローブの女が近づいてくる。
『……そういえば、約束したな。お前の名は?』
『そうだね。約束してたね』
ローブの女はゆいの発したレーザー以上のエネルギーを手にため、私に手を向ける。
『…………ゆいだよ』
その声とともに、私の意識は途絶えていった。
- 677. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/25(土) 09:46:40.18 ID:lGdjiDTZ0
- タマムシシティ編? 「ただ、愛する1人のために」終了
- 681. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/27(月) 17:22:50.15 ID:eOxyCN8e0
- 前回までの状況(トレーナとポケモン)
梓 ゆい ハッサム ヘルガー イーブイ ニューラ ガルーラ ミニリュウ ポリゴン2
澪 ゼニガメ エビワラー デンリュウ
律 リザードン サワムラー ニョロボン レアコイル
ムギ フシギバナ カポエラー ギャラドス
純 うい
タマムシシティ編 エトセトラ 「ある1日」 以下、投下
- 682. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/27(月) 17:23:52.94 ID:eOxyCN8e0
- 病院
やっほ〜、ゆいだよ〜。私は、今、病院にいるんだ。何でかって?前回の戦いでのあずにゃんの1週間の検査入院があったからだよ。それも、明日で退院できるみたいだけどね。
「モグモグ」
今、私はムギちゃんの使いさんが届けてくれたケーキを食べています。ムギちゃんの使いさんは毎日持って来てくれるから、いい人だね
〜。……あずにゃんは渡さないけど。ケーキで買収されるゆいさんではありません。私は、あずにゃんのほうを見る。
「zzz」
今はお昼寝中だね。う〜ん、寝顔も可愛いね〜。さすがは私の嫁!だよ。
「さてと、あずにゃんがお昼寝してるうちにっと」
私は雑誌を取り出す。あずにゃんに隠れて読むからって、エッチな本じゃないよ。今、私が読もうとしている雑誌は『月刊あずにゃん』だよ〜。伝説のアズリストといわれるゆいさんとしてはちゃんと読まなきゃね。もっとも、この雑誌の存在を知ったのは最近だけど(りっちゃん達に教えてもらった)。
- 683. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/27(月) 17:24:41.71 ID:eOxyCN8e0
- 「フムフム」
今月のカプ特集はなになに、『憂梓』だって。ここは唯梓にすべきじゃないのかな。まったく、プンプンだよ。まあ、読むけどね。なになに、
『お姉ちゃんに隠れて、ドキドキ。禁断のプレイ!?』 けしからんね、まったく。……へえー、私が部屋にいるのに、そんなことをね。……うわ、私の寝てる横で。……でも、このあずにゃんの表情もいいね。
「次のページはっと」
ペラ
『お姉ちゃんには渡さない。憂の禁断の誘惑』まったくもって、けしからんね。……うわ、エロいな〜。……さて、来月の特集は唯梓だよね。
来月の特集の予告は……『晶梓』か。なるほど。出会ってもない2人だが、出会ったら、どうなるのか、か。
「誰得だよ!!!」
「ふにゃっ!」
あ、やばい、起こしちゃったかな。
「……う〜ん、ムニャムニャ」
- 684. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/27(月) 17:25:25.02 ID:eOxyCN8e0
- ふう〜、よかった。どうやら、起きなかったみたいだね。さて、次のページは……『ゆい戯王』か。前回はりっちゃん達のカードがなかったから、危なかったね。まあ、私は可愛いのを選んで、適当に入れてるだけだからね。今度から、ちゃんと考えて、デッキを作らなきゃね。さて、続きっと。フムフム。『アズメイト限定ストラクチャーデッキ ゆいあずっ!』¥1050か。
「……よいしょっと」
私はバックから、お財布を取り出す。中を開け、財布からお金を出す。さて、いくらあるかな。
「……15円」
ケーキ食べすきたかな。あずにゃんが入院してる間、結構、看護師さんたちと食べに出かけてたからな〜。
「うう、足りない」
どうしようかな。お小遣いはもらったばかりだから、あずにゃんに頼むのは駄目だし諦めるしかないかな。でもでも、アズリストとしてはゲッ
トしなくちゃだし。
「……ムニャムニャ、う〜ん。そろそろ起きようかな〜」
お、ちょうど、あずにゃんが起きたね。早速、頼んでみようかな?いやいや、さすがに起きたばかりはまずいね。
- 685. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/27(月) 17:26:20.85 ID:eOxyCN8e0
- 「おはよう、あずにゃん」
「おはようございます、ゆい先輩……、もう、13時30分ですか。そろそろ行こうかな」
あずにゃんが行こうとしてるのは、病院内でもポケモンバトルが楽しめるように作られた施設だ。入院してるといっても、ほとんど健康だしね。
「ゆい先輩も行きますよね?」
「え、えーとね、あずにゃん。お願いがあるんだけど……」
「何ですか?」
「……非常に言いにくいことなんですけど、お小遣いを前借りできませんか?」
「……先週あげた気がするんですけど。……どうしてです?」
「……お、お願いだよ、あずにゃん。理由は聞かないで。1050円だけでいいから」
「う〜ん、といっても、細かいお金はありませんし。あ、じゃあ、ついでに買い物してきてください」
「買い物?うん、分かった、任せてよ!」
あずにゃんは財布からお金を出し、メモを書いて、私に渡す。
「それじゃ、10000円渡しますからね。1050円は使っていいですけど、ちゃんとおつりは持ってきてください。あ、レシートも持ってきてくださ
い」
「うん、分かってるよ〜」
「あ、それから、私のポケモンから、2匹選んで連れて行って下さい」
「何で?」
「ロケット団から、狙われるかもしれません。だから、用心のためです」
「そっか。じゃあ、ミニリュウとポリゴン2がいいな」
「分かりました。でも、どうして、その2匹を?」
「一緒にお散歩したいから、あんまり大きなのだといろいろと問題があるからね。後、あんまり、交流がなかったからね」
この2匹は入院してからのバトルではよく使うようになったんだけど、やっぱり、交流は少ないし。
「そうですか。ではこの2匹を渡します。車に気をつけてくださいね」
「子供じゃないんだから、それじゃ、いってきまーす」
- 686. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/27(月) 17:27:04.09 ID:eOxyCN8e0
- 病院前
「さて、リュウ太、ポリ太。君達はあずにゃん軍団の一員として、一緒にお買い物に行きたいと思う」
「リュウ(はい!)」
「ポリ(はい)」
「ちゃんと、リーダーの私についてくるんだよ。それじゃ、出発〜」
「リュウ(はい!)」
「ポリ(はい)」
以下、ミニリュウとポリゴン2の会話は日本語訳で
- 687. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/27(月) 17:29:13.52 ID:eOxyCN8e0
- 「まずはあずにゃんの買い物から済ませようね。えーと、メモメモ」
買ってくるものは、お菓子と飲み物か。明日から、また、旅立つわけだしね。
「それじゃ、行こうか。隊長さんである私の後についてくるんだよ」
テクテク
私達はスーパーへと歩いていきます。
「あら、ゆいちゃんじゃない」
「ほえ」
突然、私の名前を呼ばれ、振り向くとエリカさんの姿が。
「こんにちは、ゆいちゃん。まだ、タマムシにいたの?」
「え、えっと、いろいろありまして」
あの戦いのことは秘密にした方がいいよね。
「エリカさんは何をしてるの?」
「私はこれを買ってきたの」
袋から、がさごそと取り出します。エリカさんが取り出したのは、『アズメイト限定ストラクチャーデッキ ゆいあずっ!』です。
「おお〜、エリカさんも買ったの?」
「ええ。……恥ずかしいから、内緒にしてね」
「ねえねえ、ちょっとだけ見せてよ」
「いいわよ。どうぞ」
ふむふむ、なるほど。……えへへ〜、可愛いな〜。
「はい、ここまでです」
「え、もう少しだけ」
「ごめんなさい。私も行かなきゃいけないの。挑戦者もいるわけだし」
「そっか。仕方がないね」
「ごめんなさいね。でも、早く行ったほうがいいわよ」
「?」
「買占めに走る人もいるみたいですから」
「そ、それは大変だね。じゃ、さっさと行ってくるね」
「そうね、そうしたほうがいいわね。では私は行きますね。梓さんによろしくね」
「うん、伝えとくねー」
私は力一杯手を振る。
- 688. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/27(月) 17:29:59.62 ID:eOxyCN8e0
- 「じゃ、早速、アズメイトに……」
グッ
後ろから、私の服が引っ張られる。
「買い物ですよ、隊長」
「あう〜、見逃してよ、リュウ太。売り切れちゃうよ〜」
「駄目ですよ。マスターのいうことをしっかり守らないと」
「ポリ太もそんなこと言わないでよ。リーダーの言うことを聞きなさい」
「リーダーよりも、ご主人様です」
「なんて、あずにゃんに忠実なポケモン達。わかった、君達の言うことを聞くから」
ようやく、服を離してくれた、リュウ太。
「それじゃ、行きますか」
- 689. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/27(月) 17:30:35.60 ID:eOxyCN8e0
- 私達はさっさと買い物を済ませ、アズメイトに。
「さて、ここから、私達は聖地に入るわけですが、ここでは私の言うことをしっかり聞かなきゃ駄目だよ」
「それはいいんですけど、なんで、こんな、裏通りにあるんですか?」
「それは、本人未公認だからだよ。だから、ばれないようにしなきゃいけないんだ」
「いいんですかね、それ」
「いいんだよ。じゃあ、入ろうね」
- 690. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/27(月) 17:31:19.81 ID:eOxyCN8e0
- 私のバイト先は不気味だ。別に違法なこととかで、不気味とかじゃなくて、普通のレジ打ちとかのバイトなんだ。それ自体が不気味ではない。問題は、売られてるものが不気味なんだよ。
(なんで、同じものばっかり……)
私の周りはツインテールをした女の子、それ自体は可愛いのだけれど、店の中にはほとんど、そのグッズしかない。こんなものが売れるわけないじゃないと思うけれど、意外にお客さんがたくさん来る。しかも、結構なお金を使っていくわけですよ。先日きた眉毛が特徴的な人は相当な額のグッズを買っていったんですよ。世の中どうなってるんでしょうね。まあ、時給がいいから、いいんだけど。
ビューン
また、お客さんだ。
「いらっしゃいませー」
「わ〜、たくさんあるね」
今度はどんなお客かと思ってみると、幼稚園児くらいの女の子がいました。まったく、世も末だ。
その女の子はミニリュウとポリゴン2を連れていた。……あの年で、珍しいポケモンを……。その女の子はレジにピョコピョコって歩いてきた。
- 691. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/27(月) 17:32:46.18 ID:eOxyCN8e0
- 「店員さん、店員さん」
「はい、なんでしょうか、お嬢ちゃん」
「『アズメイト限定ストラクチャーデッキ ゆいあずっ!』って、まだ、ありますか?」
「ああ。ちょうど、一つだけ、あるわ」
私はその子に手渡す。
「ほわ〜、やったよ〜」
その女の子はピョンピョンと飛び跳ねて喜んでいる。そんなに嬉しいのかな?
「せっかくだから、もう少し、見ていこうっと」
「早く帰らなきゃ、マスターが心配します」
「分かってるよ、ちょっとだけ」
なんか、ポケモンと会話し始めてるよ。この子、大丈夫かな。どこがとは言わないけど。
「ルンルンル〜ン」
その女の子は鼻歌を歌いながら、店内を歩き回っている。そして、ある場所に止まった。
「……このペンダント」
女の子が止まったのはギターの形をしたツインテールの女の子が描かれているペンダントの前だ。値段は10000円だから、幼稚園児には買
えないものだ。
「値段は……高い」
その子は財布を開けてみる。
「……足りない」
グスンと涙ぐんでいる。まあ、こればかりは仕方がない。その子は諦めたのか、また、店内を歩き回るけど、諦めきれないのか、また、そこに戻ってきた。……仕方がないな。
「ねえ、お嬢ちゃん」
「ん?な〜に」
「このペンダントがほしいの?」
私はギターの形をしたツインテールの絵があるペンダントを指差す。
「違うよ。こっち」
女の子が指差したのは、その隣にある、ギターの形をしたショートボブの女の子が描かれているペンダントだ。なんとなく、この子に似てる気がするのは気のせいだろう。
「どうして?」
- 692. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/27(月) 17:33:56.49 ID:eOxyCN8e0
- 「プレゼントしたいから」
「プレゼント?」
「そう。いつもお世話になってるから」
その子の目は真剣だった。こんな時代でもそんな目を出来る人がいるとは、って私、何者だよ。
「……でも、お金足りないし、これだけ、買って、帰るね。精算してください」
「……うん、分かった」
「?」
「お嬢ちゃんは特別だよ。私がこのペンダントを買ってあげる」
「え、でも、高いし……」
「気にしない、気にしない」
そう言って、私は ギターの形をしたショートボブの女の子が描かれているペンダントと……ギターの形をしたツインテールの女の子が描かれているペンダントを渡した。
「え、こっちは……」
「こっちは優しい心を持った、お嬢ちゃんのために私がプレゼントしてあげる」
「でもでも、こんなに高いのは……」
「ここのバイト、時給がいいからね。……でも、そうだな。お嬢ちゃんが大人になったら、返してくれればいいから」
「……わかった、きっと返しにくるね」
「うん、じゃあ、約束」
私はペンダントをプレゼント用に包装して、渡してあげた。
「ありがとー。きっと、お金を返しにくるからね〜」
その女の子はポケモン2匹を連れて、帰っていった。
「あ〜あ、今月厳しいな。どうしようかなっと」
私は柄にもないことをするべきじゃないなって思った。まあ、あの子の笑顔が見れてよかったけどね。
- 693. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/27(月) 17:35:46.21 ID:eOxyCN8e0
- 病院
「遅かったですね」
「ごめんね、寄り道してて」
「まあ、いいですけど」
「あずにゃん。……あの、これ」
「なんですか?」
「プレゼント。いつも、お世話になってるから!」
「あ、ありがとうございます。……開けてみても?」
「うん!」
あずにゃんは包装紙を綺麗に取っている。
「……ペンダント。……ゆい先輩にそっくりな顔をした絵がありますね」
「うん。私のは、あずにゃんそっくりなのがあるよ。これはいつも、お世話になってるあずにゃんへのプレゼントだよ〜。いつも、ありがとう」
「……また、恥ずかしいことを」
「? なにか言った?」
「高くなかったですか、これ」
「え、えーと、それは……うん、高かったよ」
「……ゆい先輩のお小遣いだけじゃ買えない気がするんですけど」
「バ、バイトして稼いだんだよ」
「ゆい先輩の容姿じゃ、雇ってくれないでしょ」
「なんか、傷つく言い方だね」
「そんなことよりも、正直に話して下さい」
「……はい」
- 694. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/27(月) 17:36:23.39 ID:eOxyCN8e0
- 「……はあ」
「ごめんなさい。やっぱり返してくるね」
「いくらですか、これ」
「合計で20000円くらいかな」
「じゃあ、これ」
あずにゃんは財布から、お金を出す。
「これで、その店員さんに払って来てください」
「でも、いいの?」
「……ゆい先輩の気持ちは嬉しかったですし、このペンダントは気に入りましたから。早く行ってきて下さい。帰ってしまうかもしれません
し。ヘルガーを渡すので、なるべく早く」
「……ありがとう、あずにゃん。私、行ってくるね」
- 695. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/27(月) 17:37:20.78 ID:eOxyCN8e0
- 「さてと、帰るかな」
バイトの時間も終わりだしね。
「お疲れさん」
「はい、店長」
その時、自動ドアが開いて、さっきの女の子が入ってきた。
「忘れ物?」
私は尋ねた。
「これ!」
その女の子は20000円を渡してきた。
「え?これは?」
「さっきのお金」
「え、でも……」
「受け取って」
「……分かった」
私はそのお金を受け取る。
「ちゃんと返したからね。ありがとう、お姉さん」
その女の子は急いで出て行った。
「嵐のような子ね、まったく」
それにしても、あの子があんなにしても、プレゼントをあげたかった人はどんな人なんだろう。いつか、会ってみたいと思った。
- 696. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/27(月) 17:38:23.38 ID:eOxyCN8e0
- 病院
「えへへ〜」
「ご機嫌ですね」
「まあね〜」
「……早く寝て下さいね。明日は早く出て行きますから」
「うん、分かってるよ〜」
「それじゃ、寝ましょう」
「ねえ、あずにゃん」
「何ですか?」
「このペンダントがあれば、どこでも、お互いが思い出せるようになるね」
「……突然何を言い出すんですか?」
「……だって、ミュウツープロトタイプみたいなことがあるかもしれないし……」
「……縁起でもないこと言わないで下さい 。ゆい先輩は私のポケモンですし、……い、一応、恋人(仮)なんですから、ずっと一緒なんです。
私の目の届く範囲にいてください」
「……プロポーズ?」
「なっ!ち、違います。私はそんなつもりじゃ……」
「もう〜、あずにゃんたら〜。こんなところで言わなくてもいいのに」
「う、うるさいです。さあ、もう寝ますよ、おやすみなさい」
「おやすみ〜」
今日は楽しかったな〜。明日も楽しい日でありますように。私はペンダントにそんなお願いをしながら、眠りについた。
- 697. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/27(月) 17:39:12.68 ID:eOxyCN8e0
- タマムシシティ編 エトセトラ 「ある1日」 終了
最終更新:2011年08月03日 17:08