803. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/07(木) 17:24:38.38 ID:VICvPmS+0
「じゃあ、……スゴロクしようよ」

「そうだね、スゴロクを……スゴロク!?」

「そうだよ〜」

「お姉ちゃん。め!!」

「な、何が!?」

「こんな時に遊ぶだなんて……」

「遊ぶんじゃないよ、敵を倒すんだよ」

「分かってるなら、スゴロクなんかしようなんて言わないでよ……。梓ちゃんも何か言ってよ」

「(……スゴロク。そうか!!)分かりました。皆、今から、ゆい先輩とういがスゴロクをするから、邪魔されないように全力で守るんだよ!」

「梓ちゃんまで!?」

「なんだか分からんが、やらせるな!サンドパン!」

「サンド!!」

サンドパンは素早く、ゆい先輩達にその爪で切り裂こうと、迫りますが、

キーン

とサンドパンの攻撃はニューラの爪で防がれます。

「ニューラ(ねずみ風情が。ここは通さん)」

「サンドパン(猫風情に何が出来るか、見せてみろよ)」

804. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/07(木) 17:25:16.49 ID:VICvPmS+0
「オニドリル」

サンドパンの攻撃はニューラが防ぎましたが、オニドリルのドリルくちばし攻撃がさらに迫ります。今度は、ガシンっと、プテラの翼が防ぎます。

「プテラ(貴様らのすきにはさせん)」

プテラはオニドリルに対峙します。

「ハッサム(まったくだな)」

ハッサムはバンギラスに対峙し、

「ハクリュウ(ご主人様達には指一本触れさせません)」

ハクリュウはアーボックに対峙し、

「ブイ!(僕も頑張ります!)」

イーブイはゲンガーにそれぞれ対峙します。

「皆、頑張ってくださいね!」

「……くくく。だが、重要な奴を忘れてるぜ」
805. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/07(木) 17:26:50.90 ID:VICvPmS+0
「ファイヤー」

ファイヤーはゆい先輩達に向かって、かえんほうしゃを発射してきます。

「あ、危ないよ、お姉ちゃん!!」

「サム」

ゆい先輩の間に、ハッサムが壁となり、ゆい先輩達には被害はないようです。

「ハッサムさん」

「じゃあ、ういはあずにゃんの駒ね。それじゃ、ういから、サイコロを振ってね」

「で、でも……」

「……サムちゃんは私達がファイヤーを倒すって信じて、盾になってるんだよ」

「う、うん」

「だから、私達がやることは一つなんだよ」

「(それがなんで、スゴロクにつながるか、分かんないけど)仕方がない、えいっ!」

コロコロ、4。

「お、なかなかの数」

ういは私の姿をした駒を4マス進めます。

「では、始めよう。ゆいちゃん真拳超奥義『ゆいちゃん☆ドキドキ☆スゴロク@ふたりプレイ』」

806. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/07(木) 17:27:23.40 ID:VICvPmS+0
『あ〜ずにゃん』

『にゃっ』

私は廊下を歩いていると、いきなり、後ろから、抱きつかれた。そんなことをしたり、あずにゃんなんて、変なあだ名で私を呼ぶのは……。

『なんですか、唯先輩。離れてくださいよ』

『ほわっ。こっちを見てないのに、よく私だって、分かったね!』

『こんなことをしてくるなんて、唯先輩くらいですよ。皆も見てるんですから、離れてください』

口ではそう言ってますけど、実は、いつもドキドキしてるからなんですけどね。私に抱きつく、唯先輩の柔らかい体や、唯先輩のにおいが私の鼻を刺激する。いいにおいだな〜、ってこれじゃ、私変態だよね。

ドキドキ
807. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/07(木) 17:29:19.47 ID:VICvPmS+0
「ギャーー」

ファイヤーに電撃が走ります。この技はハナダシティでゆい先輩がみせた技です。映像はともかく、この技なら……。

「お、お姉ちゃん、今の技は……」

「この技はドキっとすることをすごろくで体験することで、敵にダメージを与えるんだよ。ちなみに、私は自分の駒で唯サイドだけど、ういの
はあずにゃんの駒で、あずにゃんサイドだよ〜」

フンスと得意気に解説するゆい先輩。

「な、なるほど。だから、スゴロクをやるんだね(でも、未だにスゴロクである必要性がわからない)」

「それじゃ、私の番だね」

「ファイヤー、させるなよ!」

ファイヤーはだいもんじをゆい先輩達にむけて、発射してきます。

「あ、危ないよ、お姉ちゃん」

「ハッサム」

ゆい先輩達を庇うように、ハッサムが仁王立ちします。

「グ、グワーーーー」

ハッサムの体を、大の文字の炎が包み込みます。

「ハッ……サム」

ハッサムは膝をつきます。

「ハッサムさん!!」

「サムちゃん!?……続けるよ、うい」

「でも……」

「うい。私にとって、サムちゃんは大切な仲間であり、友達なんだよ。だから、信じる。ういは私の仲間を信じられない?」

「……わかった。私も、お姉ちゃんの仲間を信じる」
808. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/07(木) 17:30:33.56 ID:VICvPmS+0
「ギラス、ギラス(あの、能天気そうなポケモン達はお前なんかを信じるってよ。無駄だよな)」

バンギラスは、ハッサムの頭を掴む。そして、上に放り投げる。

「ギラス(ゲンガー)」

「ゲン(おう)」

イーブイと戦っていた、ゲンガーは姿を消したかと思うと、ハッサムの上に、現れた。

「ゲンガー(喰らいな!)」

ゲンガーは自分の影から、鋭いツメでハッサムを切り裂く攻撃、シャドークローで、下に落とす。ハッサムは勢いよく、落ち来るバンギラスの下には、バンギラスが。

「ギラス(トドメだ!)」

バンギラスは落ちてくるハッサムに鋭いつめで切り裂く攻撃、ドラゴンクローで追い討ちをかけます。

「ハッサム!!」

ハッサムは地面に叩きつけられ、動かなくなってしまった。

「ギラス(さて、次はあいつらだか……)」

「ゲンガ(その前に、こいつから、潰すか)」

「……ブイ」

バンギラスとゲンガーはイーブイに標的を定めていった。
809. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/07(木) 17:31:21.13 ID:VICvPmS+0
シオンタウン編?  「VSファイヤー?」  終了
812. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/09(土) 06:46:13.75 ID:kMEUFA6H0
前回までの状況(トレーナとポケモン)                                            
梓          ゆい  ハッサム  ヘルガー  イーブイ   ニューラ ガルーラ  ミニリュウ  ポリゴン2  プテラ

澪          ゼニガメ   エビワラー  デンリュウ

律          リザードン  サワムラー  ニョロボン  レアコイル

ムギ        フシギバナ  カポエラー  ギャラドス

純          うい

シオンタウン編?  「VSファイヤー?」  以下、投下
813. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/09(土) 06:46:45.82 ID:kMEUFA6H0
現在の手持ちメンバー  ゆい  ハッサム  プテラ   イーブイ  ミニリュウ   ニューラ

「……ブイ」

「ゲンガー(さて、まずはこいつをなぶり殺しにしようか)」

「ギラス(そうだな。余計な邪魔をされても、嫌だしな)」

「ブイ(……どうしよう)」

「イーブイを進化させなきゃ。といっても、あの2匹相手じゃ……ううん。悩むより、とにかく、進化させなきゃ」

「させるかよ!」

「キャッ」

ファイヤーのひのこが迫る。これじゃ、近づけません

「待っててね、あずにゃん。サッサと、ファイヤーを倒すよ」

「ブイ(マスター、ゆいさん)」
814. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/09(土) 06:47:46.64 ID:kMEUFA6H0
イーブイ・回想

それは僕のレベル上げをしていた時のこと

『ブイ!』

『頑張れ、ブイ太!』

『イーブイの応援もいいですけど、ゆい先輩も訓練をして下さい』

『えー、ケーキ食べなきゃ力出ないよ〜』

『ケーキもいいですけど、しっかり特訓しないといけませんよ』

『ぶーぶー』

『ブイ』

僕は仲良さそうな二人を見て、思った。助けてくれた分まで強くなりたいって。だから、僕は自分の力の限界を超えてみたかった。

『どうしたの、ブイ太』

僕の体が光り輝くのを見て、ゆいさんは驚いている。これは僕が前から、試したかったことだ。

『こ、これは進化ですよ、ゆい先輩』

『おお。すごいね!』

『ダース』

僕はサンダースに進化した。ずっと、考えてたことだ。僕はほぼ自由にしんかの石で自由に進化することが出来る。でも、石の力なしで進化することが出来れば、さらに強くなることが出来るんじゃないか。もともと、僕は改造されたポケモンなんだから、訓練でできるようになるかもしれない。その結果がこれだ。

『すごいですよ、イーブイ。石なしで進化するなんて』

マスターは僕の頭を撫でにこようとする。僕もそっちに行こうとするけど、……体が唐突に倒れてしまった。

『だ、大丈夫ですか、サンダース』

『大丈夫、ブイ太』
815. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/09(土) 06:48:47.53 ID:kMEUFA6H0
『要するにですね』

僕の体の調子がよくなってから、マスターは僕に言う。

『自由に進化することは体にものすごく負荷がかかるみたいですね。だから、もう、やっちゃだめですよ。……って、私の言葉が、分かります
かね』

『あずにゃん、馬鹿にしちゃ駄目だよ。ポケモンだって、人間さんの言葉、分かるんだから』

プンプンと、怒る、ゆいさん。また、迷惑かけっちゃった。

『もう、機嫌直してくださいよ。アイス買ってあげますから』

『アイス!?わか……いやいや、駄目だよ、それだけじゃ』

『他には何をすればいいんですか』

『それはね……えいっ!!』

『にゃっ!』

ゆいさんはマスターの胸に飛び込む。本当に仲がいいんだな〜。ポケモンとトレーナーじゃないみたい。

『……ブイ太もおいで』

『ブイ?』

『いっしょにあずにゃんに暖めてもらおう』

『何を言ってるんですか』

『ブイ♪』

僕もマスターに飛び込む。

『イ、イーブイもですか』

『嫌なの、あずにゃん。あ、わかった。私だけを抱きしめたかったんだね』

『誰もそんなことは言ってませんよ』

楽しそうに笑いあう、マスターとゆいさん。僕はいつか、僕のことを思ってくれるこの人達の笑顔を守りたいって、思ったんだ。

816. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/09(土) 06:49:49.89 ID:kMEUFA6H0
回想終了

「ブイ!!(やってやるです)」

イーブイの体が光り輝く。あ、あれは……。

「だ、駄目ですよ!それは……」

「ゲンガー(なんだ、こいつは)」

「ギラス(警戒だけはしておけ)」

光が収まっていき、イーブイはサンダースへと進化しました。

「石なしで進化だと!!」

「ゲンガー(進化しても無駄だけどな)」

驚愕する、マコトさんをよそにゲンガーはサンダースへと向かいます。

「ダース」

ゲンガーはハッサムを倒した技、シャドークローでサンダースに、ダメージを与えようとしますが、サンダースは持ち前の素早さで、背後に周り、十万ボルトをゲンガーに浴びせます。

「グワーーーー」

「ギラス(馬鹿が。だから、油断するなっていったのによ)」

バンギラスはサンダースに向かいます。

「そうだ、今のうちに……」

私は、ハッサムの元に向かいます。この間に私の道具で回復させれば、まだ、勝機はあります。
817. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/09(土) 06:50:37.34 ID:kMEUFA6H0
ニューラ視点

キーン、キーン

サンドパンのツメとニューラのツメが交錯する。

「ニューラ(ねずみのくせにやるじゃないか)」

「……」

2匹は一定の距離を開けて、睨み合う。

「サンドパン(お前のトレーナーは馬鹿だな。こんな戦場に出てきて)」

「!?」

「そうだ、今のうちに……」

私がマスターの声を聞き、振り返った一瞬の隙を突き、

「サンド(バーカ)」

サンドパンの鋭いツメが私の体を切り裂き、一歩下がって、ロケットずつきをくらい、私は壁まで、ふっ飛ばされてしまった。

818. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/09(土) 07:19:33.62 ID:kMEUFA6H0
梓視点

バーン

私が、ハッサムのほうに行こうとすると、何かが、壁に激突する音がした。私がそっちの方を見ると、ニューラが壁に寄りかかるように気絶していました。

「「あずにゃん(梓ちゃん)、後ろ!!」」

「え!」

私が振り返ると、鋭いツメを私に向かって、切り裂こうとする、サンドパンの姿が。

(……まさか、こんなところで終わるなんてね)

私は死を覚悟した時、赤い流星のようなものがサンドパンを突き飛ばしました。

「サム」

「ハッサム!」

「どうして、サムちゃんが……」

「分かった!気絶したふりをして、はねやすみで回復をしてたんだよ、お姉ちゃん」

「なるほど、さすがはサムちゃん!」

「サム(ネズミ風情に負けるとは情けないな)」

「サンドパン(ネズミ風情だと!!)」

「ハッサム(うるさいな。ほえるなよ、ネズミごときが)」

「サンドパン(うるせえ!)」

サンドパンは鋭いツメでハッサムを切り裂きに飛び掛りますが、

「サンド!」

氷の塊が、サンドパンの額に命中し、倒れこみました。

「ニューラ(まだ、終わってねーぞ。ネズミが)」

「サンドパン(しつこいぞ、くそ猫が)」

819. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/09(土) 07:21:32.85 ID:kMEUFA6H0
プテラ

「ファイヤー」

ファイヤーのかえんほうしゃ攻撃はゆい達を狙って行っているが、全て、防いでいる。それは……

「プテラ(くそが)」

俺が防いでいるわけだ。まったく、ハッサムがやればいいものを。

「ドリル」

オニドリルのドリルくちばしも迫る。こいつの攻撃も地味にうざい。威力はないが、地味に攻撃を当てて、それから、逃げるの繰り返し。

「プテラ(もっと、逃げてねえで、ぶつかって来いよ!)」

「ドリル(これも戦いだろ)」

くそ。そういえば、ハッサムと戦ってた時もこうやって負けたんだっけな。まったく、軟弱な時代だぜ。

820. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/09(土) 07:22:01.00 ID:kMEUFA6H0


「それじゃ、私の番だね。サイコロ振ってと。……5か。コマを進めてっと」

ゆい先輩は楽しそうに、駒を進める。そして、映像が流れ始めました。
821. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/09(土) 07:24:06.79 ID:kMEUFA6H0
『あ、ごめん。部室に忘れ物しちゃった』
『早く、とって来いよ』

『いいよ、先に帰ってて〜』

部室

『あった、あった。……ん?』

ふと、見ると誰かの体操着が置いてあった。誰か、忘れたのかな?手に持ってみる。見覚えはないものだ。この部室に来る人は限られてる。りっちゃん達のではないとすると……。

『あずにゃんのかな?』

私ははやる好奇心を抑えつつ、中身を出してみる。ジャージの色から、後輩のものだと思う。だとすると、あずにゃんのかな?

『……』

に、匂いを嗅いでみようかな。こんなことをするのは、変態さんなんだろうけど、好きな人の体操着なんて、目の前に置かれたらね。

ドキドキドキドキドキ

『唯先輩』

ガチャ

突然ドアが開く。私は体操着を急いで、中に戻す。奇跡的に、素早く、中に戻すことが出来た。

『どうしたんですか?』

『なんでもないよ。あずにゃんはどうしたの?』

『体操着を忘れちゃって……あ、唯先輩が持ってるのです』

『あ、これ。誰のかと思っちゃったよ』

『それよりも、忘れ物はいいんですか?』

『あ、うん。大丈夫、大丈夫。さ、帰ろうか』

『そうですね。帰りましょう』

ふう〜、危なかったね。ものすごくドキドキしちゃったよ。

ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ
822. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/09(土) 07:24:56.69 ID:kMEUFA6H0
「ぐわーーーーーー」

ファイヤーに強力な電流が流れる。やはり、この技の威力はすごいですね。映像はただの変態でしたけど。今の攻撃で、ファイヤーにも相当なダメージでしょう。

「よし、次はういの……」

「ギラス(待てよ!!)」

突然のバンギラスの鳴き声が響くと、そこには力尽きたイーブイをバンギラスが掴んでいます。。

「ゲンガ、ゲンガー(こいつは最初はよかったんだけどな。突然倒れてやがったんだぜ。しかも、マスターのため、ゆいさんのため、とか呟きながらな)」

何か、ゲンガーが言ってるようですけど、なにを言ってるのか、分かりません。ただ、ゆい先輩やうい、私のそばにいる、ハッサムの表情を見ると、あまりいいことは言ってないことはたしかですね。

「ギラス(さて、トドメだ)」

バンギラスはイーブイを上に、放り投げる。あの技は!?
823. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/09(土) 07:26:30.16 ID:kMEUFA6H0
「ハッサム、イーブイを」

「ファイヤー、させるな!」
ファイヤーはその指示で、ねっぷう攻撃を私にむかって仕掛けてくる。

「サム」

ハッサムはその攻撃から、私を守るために、盾になってくれた。でも……

「ゲンガー(これで、終わりだ!!)」

ゲンガーはきあいを高めて、こんしんのちからをほうしゅつさせる、きあいだまで、イーブイに攻撃を仕掛ける。

「ぐはっ」

イーブイはノーマルタイプで、かくとうタイプのきあいだまは弱点。そのうえ、無理やり、石なし進化をした反動で、体力が無くなってる状態です。イーブイは勢いよく、落ちてくる。

「ギラス(終わりだ!!)」

「や、やめてくださーーーーーーい」

私の叫びも虚しく、バンギラスは落ちてくるイーブイに鋭いつめで切り裂く攻撃、ドラゴンクローで追い討ちをかけます。その攻撃で、イーブイの胸にはツメの傷がくっきりと出来て、バタッと落ちてしまいました。あ、あの傷では早く治療しないと大変なことに……。

「あ、あ、あ、あああ」

大変なことになるのは分かってるのに、私は目に涙をため、膝を突いてしまいました。

「イーブイ、イーブイ……私のせいだ。もし、私が律先輩みたいに積極的な指示を出し、前向きなトレーナーなら、もっと、相手にダメージを与えていたかもしれない。澪先輩みたいに、モンスターの能力を把握し、適切な指示を出せるトレーナーなら、私のポケモンはダメージを受けていないかもしれない。ムギ先輩みたいに、狡猾に罠を張りながら、指示を出せる、トレーナーなら、私も、足手まといにならなかったかもしれない。私は駄目なトレーナーだ。先輩達に劣りまくっている。純だって、あの大群相手に、1人で挑む、勇気がある。思えば、ジム戦だって、ゆい先輩の方がいい指示を出す時があった。……なんだ、私はポケモンにも劣るんですね」

「ゲゲゲゲゲゲゲ」

ゲンガーは私を指差し、笑っている。ポケモンにも笑われんだね。前にもあったな、似たようなことが。

824. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/09(土) 07:27:40.01 ID:kMEUFA6H0
回想

それは私が小さい頃

キモオタA『ゴキニャンwwwwwww』

キモオタB『ゴキブリwwwwwwwww』

私は公園で、眼鏡をかけた、太った人達にわけの分からないことを言われながら、石をぶつけられている。

キモオタC『お前なんか、けいおんにいらないんだよwwwwwwwwwwww』

『バウバウ』

私はお父さんが散歩をしてくれと頼まれた、ガーディが怯えた、私を守るようにほえる。

キモオタD『ゴキブリのくせにポケモンなんか連れてるぞ。ゴキブリに飼われるなんて、可哀想だから、俺がもらってやるよwwwwwwwwwww』

私『……や、やめてください』

キモオタE『うっせ、ゴキブリがしゃべんなwwwwwwwwww』

825. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/09(土) 07:28:06.93 ID:kMEUFA6H0
あの時は怖かったな。後で、お母さんに聞いたら、大きな子供みたいな人達で、可哀想な人達なのよって言ってたっけ。この話をムギ先輩達にしたら、人気があるから、仕方がないわって、よくわかんないことを言ってたな。あの時、私は怖くて、今みたいにしゃがんで泣いてたっけ。そういえば、この後には……。
826. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/09(土) 07:28:56.68 ID:kMEUFA6H0
???『や、や、やめなよ』

私が声のした方を見ると、私と同じくらいの女の子が震えながら、立っていた。

キモオタA『なんだい、お嬢ちゃん。俺達、ゴキブリの駆除で忙しいんだけどwwwwwww』

???『そ、そ、その子はゴキブリじゃないよ。可愛いし。だいたい、その子がゴキブリなら、あなた達は豚じゃない』

キモオタB『何だと、このガキ』

???『ひいっ』

キモオタC『このゴキブリと一緒に犯しちまおうぜwwwwwwwww』

???『牛○さん、こっちです』

どうやら、この子の他にもう1人の子がいたようです。

○尾さん『何をしてやがる、こんな子供相手に』

キモオタD『ひいいいい』

私をいじめた人達はダッシュで逃げ出した。

隊長『あいつらをデュ○ルで拘束しろ』

こうして、私は助かりました。あれ以降、あの方々に会うことも、ありませんでした。あの時、私を助けてくれたのは、どうやら、姉妹のようで、お礼を言いたかったので、警察に聞いてみると、ジョウト地方に引っ越したそうです。名前はまだ、小さかったし、ちゃんと聞いていなかったので、覚えてなかったでしたけど、たしか、ひなんとか姉妹だった気がしますね。あの人達が捕まった後に聞いたんですけど。たしか、あの後……。

827. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/09(土) 07:30:26.80 ID:kMEUFA6H0
???『大丈夫かい』

そう言って、私の頭をなでて、くれたんだっけ。あの頃と変わらないや。強くならなきゃいけないって思ってたのに。私は全然成長してないや。

828. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/09(土) 07:31:35.38 ID:kMEUFA6H0
「大丈夫かい、あずにゃん」

私が過去のことを思い出していると、誰かが、私の頭をやさしく撫でてくれました。まあ、誰かは分かりますけどね。

「……なんですか、ゆい先輩」

「泣かないでよ」

「な、泣いてなんかないです」

プイと顔を背ける、私。

「……あのね、あずにゃん。私はあずにゃんがトレーナーでよかったと思ってるよ」

「……」

「あずにゃん、いつも頑張ってるよ。他の誰が否定したって、私は知ってるよ」

「……」

「あずにゃんはりっちゃん達みたいに、とか言ってたけどね、あずにゃんは駄目なトレーナーじゃないよ」

「……でも、イーブイが……」

「それだよ」

「え?」

「そんなに悔しいとか悲しいって思うことはそれだけ、ポケモンを大切に思ってることだよ。それは、どんなトレーナーにもあるものじゃないよ」

「……」

「それに、あずにゃんはこれから、私とポケモンリーグで優勝するんだよ。それが、駄目なトレーナーのわけないよ」

「……ゆい先輩」
829. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/09(土) 07:32:44.14 ID:kMEUFA6H0
「私も、あずにゃんのことが好きだし、他の皆だって、あずにゃんのことが好きだよ。もちろん、一番あずにゃんを好きなのは私だけどね。皆、あずにゃんが最高のトレーナーだと思ってるんだよ。あずにゃんが自分を駄目なトレーナーとか言ったら、私達に失礼だよ」

「……そうですね。……でも、私に出来ることがなくて……」

「出来ることあるよ。私と一緒に、ファイヤーを倒そう」

「え?」

「ごめんね、梓ちゃん。イーブイさんも戦えないし、私もさすがにそろそろ、我慢ができないからね。かわりにお姉ちゃんの技を手伝ってね」

「……うい」

「さ、行こうよ、あずにゃん」

ゆい先輩は私を引っ張って、スゴロクの場所に向かう。

「(いいシーンなはずなのに、やることがスゴロクというのも、すごいよね)それにしても、さすがに、ゲンガーとバンギラスを相手にするの
も辛いよね」

「ハッサム(私も手を貸そう)」

「ありがとうございます、ハッサムさん」
830. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/09(土) 07:33:29.69 ID:kMEUFA6H0
「ゲンガ、ゲンガ(それにしても、情けねえトレーナーだな。ポケモンがマスター、マスター言ってれりゃ、トレーナーもイーブイ、イーブイだもんな)」

「ピク」

「ゲンガゲンガ(だいたい、あのツインテールはないよな。まるで、ゴキブリじゃねーか)」
「ピクピク」

「ゲンガゲンガゲンガ(さっき、あずにゃんとか言われてるけど、ゴキにゃんなんじゃねーか。だいたい、ポケモンに励まされるなんて、最低

なトレーナーじゃねーか。お前の姉ちゃんも大変だな)」

「ピクピクピク」

「ゲンガゲンガ。ゲゲゲゲゲ(だいたい、ゴキブリに育てられるなんて、可哀想だな。お前も、姉ちゃんのこと思うなら、姉ちゃん連れて、お

前のトレーナーと一緒に育ててもらえよ)」

「ピクピクピクピク」

さっきから、ゲンガーが何かを言ってるようですね。なにやら、ハッサムやゆい先輩の顔が嫌悪感が漂っています。

「あの、ゆい先輩。あのゲンガーはなにを言ってるんですか?」

「……知らない方がいいよ。それに教えたくないし。でも、もう、あのゲンガーも終わりだよ」

「どうしてですか?」

「怒らせちゃいけないものを怒らせたからだよ。……さ、スゴロクをしよう」

「あ、引っ張らないでください」

「ゲ(あのゴ)」
831. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/09(土) 07:34:02.38 ID:kMEUFA6H0
気分よさそうに笑っていた、ゲンガーが突如として、その場から消えた……と思ったが、いきなり、ドカーンと壁に何かが激突した。

「ギラス、ギラス(今、何が起きたんだ!?この娘が殴ったとは思うが、拳が見えなかった……)」

「ハッサムさん、バンギラスを頼みますね。私はゲンガーをやります」

「サ、サム(あ、ああ)」

「もっとも、すぐに、そっちに加勢できると思います。……さて、狩りの時間だよ」

ういは怖い笑みを浮かべて、そう言った。
832. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/09(土) 07:34:36.76 ID:kMEUFA6H0
シオンタウン編?  「VSファイヤー?」  終了
835. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/12(火) 06:23:27.60 ID:PTVCnvIF0
前回までの状況(トレーナとポケモン)                                            
梓          ゆい  ハッサム  ヘルガー  イーブイ   ニューラ ガルーラ  ミニリュウ  ポリゴン2  プテラ

澪          ゼニガメ   エビワラー  デンリュウ

律          リザードン  サワムラー  ニョロボン  レアコイル

ムギ        フシギバナ  カポエラー  ギャラドス

純          うい   カビゴン

シオンタウン編?  「VSファイヤー?」  以下、投下

現在の手持ちメンバー  ゆい  ハッサム  プテラ   イーブイ  ミニリュウ   ニューラ
836. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/12(火) 06:24:19.77 ID:PTVCnvIF0
「ういはね、全てのポケモンの技を使うことができるんだよ」

「へー、そうなんで……えー!!それって、しんしゅポケモンのミュウに匹敵するじゃないですか」

「ういは万能だからね」

「いやいや、万能どころじゃないでしょ。ところで、ゆい先輩にはどうなんですか?」

「私にはゆいちゃん真拳があるからね!  ういには負けないよ!」

「どっから、そんな自信が出てくるんですか?」

「だって、私にはあずにゃんがいるもん!」

「……」

「どうしたの?あずにゃん、顔が真っ赤だよ」

「……なんでもありません。それよりも、サイコロを」

「そうだね、あずにゃんの番だし」
837. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/12(火) 06:25:41.96 ID:PTVCnvIF0
ゲンガー視点

「ゲンガー(何なんだ、今のは)」

おれのタイプはゴースト。ノーマルタイプやかくとうタイプの攻撃はきかないはず。なのに、今のは。

「ねえ」

おれが顔を上げると、ドス黒いオーラが出てる笑顔をした、小娘がいた。

「ギラス(いつの間に、ゲンガーのところに)」

バンギラスはこっちに向かおうとするが、ハッサムが立ちふさがる。

「ギラス(邪魔をするな)」

「サム(それはできない相談だ)」

ハッサム如きになにを手間取ってやがる。

「ねえ、ゲンガーさん」

「ゲンガ(なんだよ)」

「さっき、なんて言ったのかな?ゴ、まで聞こえたんだけど、全然聞こえなくて。もう一度、言ってくれないかな?」

「ゲンガ(あのゴ)」

バーン

次の瞬間には、また、おれは壁に叩きつけられていた。
838. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/12(火) 06:26:25.91 ID:PTVCnvIF0
「ゲンガ(なんで、お前は、おれに触れることができるんだ)」

「ああ。それはみやぶる攻撃をしたからね」

みやぶるはゴーストタイプにノーマルタイプやかくとうタイプの攻撃を命中させるための技。おれ自身はかくとうタイプの技はたいしたことじゃないが、こいつは何なんだ。まったく、勝てる気がしない。

「ねえ、はやく、続きを言って下さい」

その悪魔は笑顔で聞いてくる。どうするべきか。
839. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/12(火) 06:26:52.75 ID:PTVCnvIF0
ハクリュウ

「リュウ」

さっきから、何なんだ、こいつは。僕はアクアテール……僕の尻尾をふって、アーボックに命中させようとするが、アーボックはあなをほって、逃げるばかりで戦おうとしない。

「リュウ(何で、戦わない!)」

「ボック(事情があるのさ)」

「リュウ(くっそーー)」

僕達の攻防は続く。

840. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/12(火) 06:28:34.74 ID:PTVCnvIF0


「では、サイコロを……6ですか」

「いきなり、大きな数字だね」

「そうですね。……やっと、後、半分ですか」

「大分、苦労したみたいに言ってるけど、今はじめたばかりだからね。では、スタート」


『あずにゃん、アイス、おいしいね』

ぺろぺろ

『そうですね』

『あ、ほっぺにアイスついてるよ』

『え、本当ですか』

『うん。今取ってあげるね』

唯先輩は手で、私のほっぺについたアイスを取ってくれた。そして、その指を自分の口に入れました、って!?

『な、何をしてるんですか!』

『う〜ん、おいしい。あずにゃんの味とアイスが混ざっていい味だよ』

『な、何を言ってるんですか』

まったく、これじゃ、こ、恋人同士みたいじゃないですか。

ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ
841. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/12(火) 06:30:00.78 ID:PTVCnvIF0
「ギェーーーーーーーーーー」

ファイヤーに強力な電撃が走る。

「やったね、あずにゃん。あずにゃんがファイヤーにダメージを与えたよ」

「喜んでいいか、まったく分かりませんけどね」

「さて、次は私の番だね」

「頑張ってください、ゆい先輩」

「アーボック、もうハクリュウはほっとけ。倒すべきは……分かってるだろ」

「シャーボック」

「ハクリュウ(逃げるのか)」

アーボックは地面に逃げます。それを追いかけようとする、ハクリュウ。

「リュウ太、まちんしゃい」

「リュウ?(何ですか?)」

「リュウ太はここで、私達を守ってよ」

「リュウ?(何で?)」

「テラちゃんの負担を減らすためだよ。テラちゃーん、オニドリルさんをサッサと倒しちゃってよ」

「……(指示がうまいなあ。普段はちゃらんぽらんなのに)」

「ほら、あずにゃんの出番だよ?」

「はい?」

「テラちゃんに指示を出すんだよ。私より、あずにゃんの方が、テラちゃんのこと詳しいでしょ?」

「……でも」

「自信もって。私もついてるし。あずにゃんがやりたいようにやればいいんだよ」

「……そうですね。分かりました!」
842. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/12(火) 06:30:48.11 ID:PTVCnvIF0
プテラ

「プテラ!(いい加減にしろ!)」

さっきから、ファイヤーの攻撃を防ぎつつ、オニドリルも攻撃をしてくるが、オニドリルは力と力のぶつかり合いではなく、ちょっと、攻撃しては逃げ、攻撃しては逃げ、の繰り返し。力のぶつかり合いをしたい俺には奴の戦い方は合わない。

「プテラー」

下から、声がする。不本意ではあるが、一応、俺のトレーナーの梓って名前の女だ。そういえば、ハッサムは梓が指示をしたら、動きが変わったんだったな。俺にも指示を出すのだろうか。指示をくれたら、俺はオニドリルを倒せるのか、少し、楽しみになった。
843. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/12(火) 06:32:02.21 ID:PTVCnvIF0


「プテラは前の戦いや今の様子を見ると、力で攻めていくのが好きというか、小細工のない戦いが好きみたいなんですよね」

「お、あずにゃん、冴えてるね。テラちゃんはオニドリルが攻撃して逃げる度に、怒ってるよ」

「だから、私はその戦い方を尊重してあげられるようにしたいんですけど、今回は厳しいですね。プテラ、こうそくいどうで、オニドリルに接近するんです!」

「プテラ(分かった)」

プテラの大きな体がオニドリルに迫る。ここはそんなに広いところではないので、すぐに接近できるはず。案の定、プテラはオニドリルを壁際に追い込んだ。

「(ドリル)(あいつが突っ込んできたら、下に逃げれば、激突して、自滅だ」

「……プテラ、そのまま、つばさをうつ攻撃」

「ドリル(かかった)」

オニドリルは下に急降下して行った。それはそうでしょうね。だって、上は天井で、ぶつかりますから。

「プテラ、下にはかいこうせん!」

プテラは素早く、切り替え、下に向かって、急いで、口から、はかいこうせんを発射します。

バーン

オニドリルはなんとか、かわしたようですが、あまりの威力で地面に穴があきます。

「ドリル(危ない、あぶない)」

「プテラ(それはどうかな?)」

オニドリルははかいこうせんをかわし、一瞬油断したんでしょう。プテラが口を開き、オニドリルの上から、奇襲を仕掛けてくるとは思ってもいなかったでしょう。

「ドリル(不意打ちとは卑怯だぞ……)」

「プテラ(そうかもな)」

プテラはオニドリルに持てる力の全てを出し、突撃する。さっきのこうそくいどうで素早さもあがってる、プテラの攻撃に加え、油断もあり、かわすこともできずにそのまま地面に激突し、動かなくなりました。


最終更新:2011年08月03日 17:15