- 844. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/12(火) 06:32:35.76 ID:PTVCnvIF0
- プテラ
「プテラ、プテラ(なるほどな。こういう戦い方もあるのか)」
つばさでうつをかわし、はかいこうせんまでかわせば、一瞬ほっとするだろう。その一瞬を隙をついて、上から、奇襲をかければ、たしかに攻
撃を命中するだろう。あんまり、好きな戦い方じゃないが、
「やりましたよ、ゆい先輩!!」
「やったね、あずにゃん!!」
下の2人が抱き合いながら喜んでいるのを見て、まあ喜んでるみたいだからいいかとなんとなく、思う俺は毒されているのか、と思った。
- 845. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/12(火) 06:34:01.04 ID:PTVCnvIF0
- ゲンガー
「ぐはっ」
これで、何発目だろうか。この悪魔は俺を瞬殺できるだろうに。
「ねえ、ゴの次は、なんて言おうとしたの?」
さっきから、この繰り返しだ。苦しいが、まだ手はある。
「ゲンガ(なあ、取引をしないか)」
「ん?」
「ゲンガ(お前が俺達につけば、お前の姉ちゃんと、お前だけは見逃してやる)」
「……」
「ゲンガ(下で戦ってる、あいつも見逃してやる)」
「……」
「ゲンガ、ゲンガ(だいたい、あのツインテールとお前は何の関係もないだろ。なんで、あいつを庇うんだ)」
「……」
大分、心が揺れているのだろう。さっきから、こっちを見て、動きを止めている。
「ゲンガ(お前にも十分なメリットがあるだろう)」
「……ねえ」
「ゲンガ?ゲンガ(どうした?取引に応じるか)」
「寝言は済んだ?」
その一言で、再び、壁に叩きつけられる。
「関係ないって、言ってたよね?それは大きな間違いだよ。梓ちゃんは私の大事な友達だし、大事なお姉ちゃんの恋人さんだもんね。ここで、裏切ったら、お姉ちゃんに一生嫌われちゃうし、大事な友達もなくしちゃうしね」
悪魔は1歩を踏み出す。
「ゲンガ!?ゲンガ(友達だと!?馬鹿も休み休み、言え)」
「……」
「ゲンガ、ゲンガ(よく考えろよ、俺達、ポケモンなんて、所詮、人間にとって道具に過ぎないだろ。あの、ツインテールにとっては、お前も、姉ちゃんも道具に過ぎないだろ)」
- 846. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/12(火) 06:34:40.89 ID:PTVCnvIF0
- 「……可哀想だね」
「ゲ!?(は!?)」
「そういうトレーナーとしか、会ってないんだね。私のトレーナーの純ちゃんだって、私の友達だよ。だいたい、道具としか、思ってない人が
イーブイさんのためにあんなに泣くわけないでしょ。……さて、おしゃべりもここまでだよ」
「ゲンガ(ああ、もう十分だよ)」
「うい、後ろ!!」
時間稼ぎをした甲斐があったな。
- 847. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/12(火) 06:35:11.72 ID:PTVCnvIF0
- 梓
「うい、後ろ!!」
ういの後ろの地面のがひび割れたかと思うと、アーボックが出現し、ういに巻きつこうとしていた。
「まずいですよ、ゆい先輩」
「大丈夫じゃない?」
「たしかに、ういは強いですけど、不意打ちは……」
「違うよ、あれ」
ゆい先輩が指差したところには……ああ、これは大丈夫でしょう。
- 848. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/12(火) 06:36:17.65 ID:PTVCnvIF0
- ゲンガー
俺の時間潰しが効いたので、この悪魔の後ろに、アーボックが巻きつこうとしている。これで、俺の勝ちだ……と、思った、瞬間。
ズバアー
アーボックのおなかの模様が切り裂かれた。アーボックは血を噴出し、倒れた。
「ハッサムさん」
「ゲンガ(馬鹿な!)」
「よく、やりましたね、ハッサム」
「ナイスだよ、サムちゃん」
どうして、こいつが。……まさか、やられたのか。
「ギラス(突然、逃げ出しやがって)」
バンギラスがのそりのそりとやってくる。だが、ちょうどいい。
「ゲンガ(バンギラス、一緒にやるぞ)」
「ギラス(そうだな、最強のタッグを見せてやろう)」
「ハッサムさん、私と組んでもらっても……」
「サム(ああ)」
- 849. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/12(火) 06:37:24.00 ID:PTVCnvIF0
- 梓
「では、サイコロを振ってっと。……また、5か」
「私と同じマスに来ましたね」
「……きたよ、あずにゃん」
「何がですか?」
「フィーバータイムだよ!!」
「フィーバータイム?」
「そう、フィーバータイム。私の駒とあずにゃんの駒が同じマスに止まった時、いつもより、敵に大きなダメージを与えることができるんだよ」
「なるほど」
「だから、私に愛してるっていいながら、抱きしめて、あずにゃん」
「そんなことでいい……って、なんで、そんなことを!?」
「これはお互いがドキドキし、さらに、映像ではなく、リアルで行うからこそのダメージアップなんだよ」
「じ、じゃあ、ゆい先輩が言えば、いいじゃないですか」
「あずにゃんから、言ってこそ、価値があるんだよ。フンス」
「……で、でも」
「早くしなきゃ!ういやサムちゃんも頑張ってるんだから」
「そ、そうですよね。……ゆい先輩!」
「うん」
ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ
「あ、あ、愛してます」
ギュウ〜
ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ
- 850. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/12(火) 06:37:56.99 ID:PTVCnvIF0
- 「ギャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
ファイヤーに稲妻が走る。ファイヤーは痺れながら、地面に落下してきます。いよいよ、後、少しです。
「あずにゃん、あずにゃん。もう一回言ってよ〜」
「そ、そんな場合じゃありません。もう少しで、倒せるんですから、一気に……」
「うぅ〜、仕方がないね。はい、サイコロ。後、5でゴールだよ」
「はい」
- 851. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/12(火) 06:39:02.95 ID:PTVCnvIF0
- ニューラ
キーン、キーン
お互いのツメが交錯する。力は互角のようにみえるが、
「サンドパン(動きが鈍ってるぞ)」
サンドパンが力任せに押してくる。腹部に傷がある分、私の方が不利だろう。私は、サンドパンを押し返し、距離をとる。
「ニューラ(そうだな)」
私は一呼吸入れる。
「ニューラ(次で終わりにしよう)」
「サンドパン(面白い)」
お互いが、睨み合い、硬直する。そして、互いに、動き出す。
「サンドパン(お前のご主人がまた、戦場に出てるぞ)」
「!?」
私は一瞬、後ろを振り返る。
「サンドパン(やっぱ、猫は馬鹿だな)」
サンドパンは鋭いツメで私の体を引き裂いた。いや、私の残像を引き裂いた。
「サンド!?(何だと!?)」
「ニューラ(卑怯だな、俺もお前に言えたことじゃないが)」
「サンド(貴様、最初から……!?)」
「ニューラ(俺も、負けられないのさ)」
私はサンドパンの背中を切り裂いた。
- 852. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/12(火) 06:40:00.74 ID:PTVCnvIF0
- 梓
「やりましたよ、ゆい先輩!!ニューラも勝ちました」
「よし!!次は私達の番だね!」
「はい! では、サイコロをっと。……5です。やりましたよ、ゴールです」
「おめでとう、あずにゃん」
「……あれ?何も起こりませんね」
「2人がゴールして、始めて、発動するんだよ。だから、もう少し、待っててね」
「はい、分かりました」
- 853. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/12(火) 06:40:28.19 ID:PTVCnvIF0
- ゆい
(しかし、ここで、5を出さないと、私達は勝てないかもしれない。ならば……)
私はあの時の感覚を思い出す。
(落ち着いて、集中するんだ。心を無にするんだ。そうすれば、達することが出来る。新たなる伝説の境地に)
あの時の感覚が蘇る。さて、やるよ。……アズサマインド。
- 854. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/12(火) 06:41:48.80 ID:PTVCnvIF0
- 梓
あれ、なにか、ゆい先輩の雰囲気が変わったような気がします。どこかでみたような感じの女の子に、というよりも、毎日会ってる気がしますが……。まあ、気のせいでしょう。
「「いきます!!」」
ゆい先輩はベーブレードのようにサイコロを……って、。
「そんなに勢いよく転がさなくてもいいと思うんですけど!」
「「慌てないで下さい。ちゃんと、5は出ますから」」
なんか、口調も変わってる気がしますが……。そうこうしてる内に、サイコロはとまり、数字は5に。そして、マスを進めます。
「「5マス、進めてっと。やりました、ゴールです」」
「どうでも、いいですけど、口調直りませんか?」
「「そんなことよりも、映像が始まります。後、この口調も、終わったら、直ります」」
「はあ」
そんなこんなで、映像が始まりました。
- 855. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/12(火) 06:44:12.45 ID:PTVCnvIF0
- 時刻は夕方。今、私は使われていない教室の前にいます。というのも、今時珍しく(?)、下駄箱に、手紙が入ってて、話があるから、この教室に来てくださいって、書いてあった。それで、私はこの教室に来たんだけど……。私はその教室に足を踏み入れる。そこには、私のよく知ってる、大好きな後輩……あずにゃんがいました。
『えっと。……この手紙はあずにゃんが出したの?』
『え、ええ。迷惑でしたか?』
『そ、そういうわけじゃないよ。……それで、話って何かな?』
言ってから、私はずるいって感じる。だって、こんな場所に呼び出されたらね。そう思っちゃうよ。
『えっとですね、そのー……』
あずにゃんは言いよどんでいる。でも、一息いれて、あずにゃんは言う。
『私、唯先輩のことが好きです!』
『私も、あずにゃんのことが好きだよ〜』
私はあずにゃんの言葉に軽く返す、とはいうけど、別に軽いわけでもないんだよねー。……だって、私もずっと考えてたことだし、それ
に……。
ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ
私はあずにゃんの言葉にすごいドキドキしているしね。
『えっと、唯先輩。私の言ってる好きっていうのは、唯先輩の思ってるのとは違うというか……』
『違わないよ』
私はさっきとは違って、真剣に言う。
『違わない』
私はあずにゃんを抱き寄せて、あずにゃんの耳を胸に押し当てる。
『な、なにを……』
『聞こえるでしょ、心臓の音』
ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ
ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ
『ぷっ、くくくくくく』
『ど、どうしたの、あずにゃん』
『唯先輩に似合いませんよ、そんなの』
『うっ。もういいよ、あずにゃんなんか』
『怒らないで下さいよ。……ねえ、唯先輩』
『なに!プンプン』
『本気にしちゃいますよ』
『……望むところだよ』
ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ
ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ
- 856. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/12(火) 06:44:48.76 ID:PTVCnvIF0
- 「ギャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
ファイヤーは今まで聞いたことのない叫び声と電撃を浴びて、ファイヤーは地面にぐったりと倒れ、動かなくなりました。
「やったね、あずにゃん。私達で、ファイヤーを倒したよ!!」
ゆい先輩は私に抱きついてくる。口調も元に戻ってますね。
「ま、まさか、ファイヤーがお前ら如きに負けるなんて……」
「どうですか、私達の勝ちです!!」
「……たしかにファイヤーは負けたが、俺は負けてないぜ」
「ふん。もう、ういがあっちで倒してますよ」
「それはどうかな?」
マコトはうい達の方を指差した。
- 857. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/12(火) 06:45:29.70 ID:PTVCnvIF0
- うい
「くっ!」
バンギラスは力任せに攻めてきます。このバンギラスは想像以上に強いですね。ハッサムさんと一緒でも、なかなか、厳しい状況です。まあ、1対1ならなんとか勝てるかもしれないけど、問題は……。
「サム!(後ろだ!)」
「!?」
「ゲンガ!」
私は何度目かのゲンガーのシャドークローをかわす。ゲンガーは私の影やハッサムさんの影から、攻撃を仕掛けてきます。やっぱり、さっき、いたぶらずに倒すべきだったね。ゲンガーがそんな攻撃を仕掛けてくるから、なかなか、バンギラスにも集中できません。かといって、ゲンガーを先に倒そうとすると、バンギラスの攻撃が防ぎきれない。厄介なコンビです。
- 858. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/12(火) 06:46:31.18 ID:PTVCnvIF0
- 「ギラス!」
バンギラスはあくいにみちた、オーラを発生させる、あくいのはどうをはなってくる。私は防御をするも、多少は後ろに押される。なんていう、威力でしょうか。
「ゲンガ!」
また、ゲンガーが私の背後から、攻撃を仕掛けてくるのを私はかわします。さっきのことを恨んでるんでしょうか。まあ、でも、そろそろ、うざいので、倒さないと……。
「ギラス!(ゲンガー!)」
私が攻撃をやめ、バンギラスを見ると、バンギラスはハッサムさんの頭を掴んで立っている。やっぱり、ハッサムさんはまだ、万全じゃなかったんですね。
「ギラス(いくぞ)」
バンギラスはハッサムさんを上に放り投げる。それに応じて、私に対峙していたゲンガーも消えて、ハッサムの上に、現れる。
「ゲンガ(終わりだ!)」
ゲンガーはハッサムさんにシャドークローを喰らわせようとしている。バンギラスもハッサムさんの方に集中している。
(今がチャンス!!)
私は、一気にバンギラスに近づき、ばくれつパンチで倒そうとしますが、
「ギラス」
バンギラスは私の方を向いて、口にエネルギーをためて、何かを発射しようとする。あの技は……はかいこうせん!?
「ギラス!」
バンギラスから、はかいこうせんが発射される。駄目だ、これはよけきれない……。
「危ない、うい!」
私は誰かが、私を抱いて、一緒に転がった。
バーン
私がいた場所にはかいこうせんは通過し、壁に命中し、大きな穴があいた。なんていう、威力なんだろうか。それよりも、私を庇ってくれたのは……。
- 859. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/12(火) 06:48:37.66 ID:PTVCnvIF0
- 梓
「大丈夫、うい?」
私はういに問いかける。
「怪我とかない?」
「う、うん。大丈夫」
「よかった〜」
「うい、あずにゃん、大丈夫!?」
「あ、お姉ちゃん、私は大丈夫。それよりも、ハッサムさんを……」
「それは大丈夫。プテラ!」
プテラはゲンガーとハッサムの間に素早く、割り込み、ハッサムを口で掴んで回収する。
「今がチャンスだよ、いくよ、うい」
「え、ちょっと、お姉ちゃん」
ゆい先輩はプテラを見て、油断している、バンギラスの足元に走る。
「梓ちゃん、私をバンギラスの足元に投げて」
「え、でも……」
「私は大丈夫だから」
「わ、分かった」
私はういをバンギラスの足元に投げる。ういは転がりながらも、なんとか、足元についた。
- 860. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/12(火) 06:49:09.90 ID:PTVCnvIF0
- 「いくよ、うい。 ゆいちゃん真拳奥義『火事場のゆいぢから』」
ゆい先輩はバンギラスの片方の足を持つ。
「お姉ちゃん、私も!」
ういも片方の足を持つ。
「ギラス(な、なにをする)」
「いくよ、うい。トリャー」
「うん、お姉ちゃん」
ゆい先輩とういはバンギラスを持ち上げ、上に投げ飛ばします。
「チャンスは今しか、ありません。プテラ、ハッサム!」
プテラは上に飛ばされた、バンギラスに標準をあわせます。バンギラスは頭を下にして、落下してきます。
「プテラ、今です。りゅうのはどうです!!」
プテラはハッサムを口にくわえたまま、りゅうのはどうを繰り出す。衝撃で、ハッサムも一緒にバンギラスに向かって、勢いよく、……赤い弾丸のように向かっていきます。
「これで、決まるよ!あずゆいういプテ真拳奥義『ハッサム☆プレミアム』」
「語呂悪! しかも、言いにくいですし」
ハッサムはその勢いでバンギラスの頭と尻尾を掴み、背中を頭を当てます。その衝撃で、バンギラスの体は弓なりになり、そのまま、壁に激突
します。
「なるほど、頭と尻尾を掴み、弓なりになることで、背骨、脊髄にダメージを与えるんだね」
「まあ、そんなところです」
ハッサムが技を解くと、ハッサムは力尽きたかのように、バンギラスとともに、落下し、どちらも、動かなくなります。
- 861. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/12(火) 06:50:15.16 ID:PTVCnvIF0
- 「ハッサム、よくやりましたね」
私はハッサムの頭をなでて、ボールに戻す。
「ゲンガ(ま、まさか、バンギラスが……)」
「ゲンガー、あなたは私の大切な人を馬鹿にしたんだ。絶対に許さないよ!ゆいちゃん真拳㊙(マルヒ)奥義『アズニャン・ワールド』」
ゆい先輩の掛け声で、どこかの野原みたいなところになりました。
「ここはどこなの?梓ちゃん」
「ここは……」
ういが聞いてきたので、答えようとすると、なにかが、駆け寄ってきます。
『あ、ういです』
『う〜い』
その姿を見て、やっぱりあの世界かと思いました。それは、ネコミミと尻尾をつけた、ツインテールの髪型をした大きさはういより少し小さいあれは……。
「あ、梓ちゃん?」
「違います。あれはあずにゃんです。私とは違います」
「そ、そうなの?でも、そっくり……」
「全然似てないよ」
私は真剣に言う。
「そ、そうだね、全然似てないね」
「分かってもらえて嬉しいよ」
- 862. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/12(火) 06:51:12.86 ID:PTVCnvIF0
- 「そういえば、私や他のポケモンにもあずさちゃ……あずにゃんがよってきてるね」
「そうだね」
ういには20匹くらいで、他には10匹くらいか。
「そういえば、ゆい先輩は?」
「お〜い、こっちだよ〜」
ゆい先輩の声のした方を見ると、
「た〜す〜け〜て〜」
100匹くらいのあずにゃんに群がられてました。。
『はやく、ゆい先輩に触りたいです』
『1人、10秒です』
『早く、するです』
『押すなです』
「た、大変だよ。このままじゃ、あずさ……あずにゃんにお姉ちゃんが溺れちゃうよ」
「ど、どうしよう」
『ういはゆい先輩を助けたいですか?』
ういに群がる、あずにゃんが聞いてきます。
「う、うん。あのままじゃ、死んじゃうよ」
『分かりました。ちょっと、待ってて下さい』
あずにゃんはゆい先輩に群がる、あずにゃんに話しかけます。
- 863. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/12(火) 07:07:45.13 ID:PTVCnvIF0
- 『なんですか!順番は守れです』
『そんなことより、ういがいるですよ』
その一言で、ゆい先輩に群がる、あずにゃんの動きがピタッと止まると、一斉に頭を抱えて震えだしました。
『ご、ごめんなさいです。殺さないでください』
『もう、ゆい先輩にはちょっかいをかけませんから、ご慈悲を』
『ガクガク、ブルブル』
「えっと、梓ちゃん。この状況は一体……」
「私に聞かれても……」
「ふう〜、助かったよ〜」
「あ、ゆい先輩。あの、この状況は一体……」
「ああ。このあずにゃん達はういが苦手みたいだね。ういも可愛いのに」
「あ、ありがと、お姉ちゃん。それよりも、どうして、私のことが苦手なの?」
「……うい、それは知らない方がいいよ」
「……でも、さすがに、この扱いは……うう」
ういの目に涙が溜まる。
『ういが泣きそうです!』
『あの、あずにゃん達をぶっ飛ばすしてやるです』
『やってやるです!』
ういに群がっていた、あずにゃんが憤慨している。
「まあまあ、皆落ち着いて。そうだね、このままじゃね。……みんな〜、これ以上、そんなことしたら、きら……」
『すいませんでした!!』
ゆい先輩の言葉を待たずに、土下座しました。なんていう、瞬発力。
- 864. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/12(火) 07:09:07.83 ID:PTVCnvIF0
- 『それで今日はどうしたんですか?』
「実はね、私は……」
ゆい先輩は目に涙を浮かべて、(後ろに目薬があるのはご愛嬌です)こう言った。
「いじめられたの!」
『……なん……だと』
『なんてことですか!』
『そいつを血祭りにするです!』
『どうして、うい選手は何もしないですか!』
突然、ういに話題を振る、あずにゃん。
「それはね、ういもいじめられてるからだよ。ね、うい」
「え、う、うん。実はそうなんだ」
「だから、あずにゃんを頼りにしてるんだよ。……くっ」
悲しそうに(実は笑いをこらえてるようにも見えますが)顔を伏せる、ゆい先輩を見て、
『それは大変です!』
『ういの敵もとるです!』
『そいつは誰ですか!』
「そいつはあのポケモンだよ」
ゆい先輩が指差すのは、まだ、わけの分からない様子のゲンガー。
- 865. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/12(火) 07:11:00.33 ID:PTVCnvIF0
- 『あの野郎ですか!』
『さあ、やってやるです!』
『あずにゃんの力を見せてやるです!』
あらぶっている、あずにゃん達。
『ちょっと、待つです』
1人のあずにゃんが皆を止めます。
『なんですか、邪魔をするんですか!』
『落ち着くです。このまま、相手を暴力で倒すのは、我々、あずにゃんの恥です』
『じゃあ、どうするですか』
その、あずにゃんはゲンガーに近づく。
『私も暴力を使いたくありません。なので、交渉です。次の中から、あなたが、何かをしてくれたら、穏便に済ませて上げます』
「ゲ、ゲンガ(な、なんだ、条件ってのは?)」
『まずは?ここにいる全員分のたい焼きを1年分持ってくることです。?はここにいる全員1人に1人ずつ、ゆい先輩かういを連れてくることで
す。?か?のどちらかをやったら、許してやるです』
そんな無茶な。
『それは名案ですね!』
『1年分のたい焼き……じゅるり』
『ゆい先輩が1人に1人ずつ……犯ってやるです!』
皆、やる気満々ですね。1人おかしいですけど。
『私は優しいので、3秒間待ってやります。3、2、1、0。どうしますか?』
「ゲンガ(無理に決まってるだろ)」
『これだけ、期待させておいてなんてことですか』
『もう、怒ったです!』
『残念です。チャンスをあげたのに……。さよならです』
「ギャーーーーーーーーーーー」
- 866. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/12(火) 07:12:32.01 ID:PTVCnvIF0
- 「……ねえ、お姉ちゃん、梓ちゃん」
「な〜に、うい」
「私、今、すごい罪悪感でいっぱいなんだけど……」
「私もだよ、うい」
「私なんか、何もしてないのに、ゲンガーに謝りたい気持ちでいっぱいです」
「もう、やめてあげようよ、お姉ちゃん」
「そうだね、うい、あずにゃん。……あずにゃん達、集ご〜う」
あずにゃん達はゲンガーへの攻撃……いや、リンチをやめて、ゆい先輩の元に集まります。
「ゲンガゲンゲンガ(くそ。何なんだ、お前らは。……悪魔しかいないのか)」
ゲンガーは満身創痍といったかんじですが、まだ、生きています。しぶとい。
「さて、トドメだよ。あずにゃん達」
あずにゃん達は光の玉になり、ゆい先輩のところに集まって、ギターの形になった。
- 867. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/12(火) 07:13:38.06 ID:PTVCnvIF0
- 「ムッタン、頑張ろうね」
いつものギー太ではなく、ムッタンというギターを持ったゆい先輩はムッタンに言います。そして、ゲンガーに対峙します。
「長かった、この戦いもこれで終わりだよ」
「ゲンガ(……1つだけ、聞きたい)」
「いいよ、何が聞きたいの?」
「ゲンガ、ゲンガ(どうして、お前達はトレーナーのために頑張れるんだ。ポケモンなんて、所詮人間の戦うためだけの道具だろ)」
「……好きだからだよ」
「ゲンガ(は?)」
「私は……私達はあずにゃんが好きだからだよ。それだけ。あ、もちろん一番好きなのは私だけどね。他の理由なんかいらないよ」
「……」
「たしかに、ポケモンは戦うための道具だって、そう思ってる人もいるかもしれないね。でも、私が会ってきた、もちろん、全員じゃないけ
ど、皆、ポケモンを大切にしてたよ」
「……」
「人間さんだって、悪いものじゃないよ。ポケモンにだって、悪いポケモンもいれば、いいポケモンもいる。人間さんも同じだよ」
「……」
「私は戦うのは好きじゃないけど、私が頑張ってたら、抱きついてくれるし、頭を撫でてくれるしね〜。もうね、『よく、頑張りましたね』って笑ってくれたら、最高だよ〜」
「ゲンガ(……下らないな)」
「そうかもね。……ねえ、私達の仲間にならない?君とはうまくやっていける気がするよ」
「ゲンガゲンガ(ごめんだね。俺はやりたいことができちまった)」
「なんだい?」
「ゲンガ(お前を倒してやることだよ)」
「それは勘弁願いたいけどね」
「ゲンガ(さあ、無駄話も終わりだ)」
「そうだね」
ゆい先輩はムッタンをかまえる。
「ゲンガゲンガ(最後に1つ。お前のトレーナーを馬鹿にして悪かった)」
「……その言葉を聞けただけでも、よかったよ。 ゆいちゃん真拳究極奥義『あずさ☆転生』」
- 868. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/12(火) 07:15:25.31 ID:PTVCnvIF0
- ゆい先輩はギターのむったんで、ゲンガーを切ります。すると、ゲンガーの胸に傷ができ、そこから、黒い煙のようなものが出てきました。
「ゆい先輩……あれは?」
「あれはゲンガーの負の感情だよ。この技を受けた、敵の負の感情を外に出すんだよ」
その黒い煙は少しずつ、白くなっていきます。
「そして、このアズニャン・ワールドで、その負の感情が浄化されていく。そして、完全に浄化された時……」
その白い煙がポン、と出ると幼い感じのツインテールの女の子が出てきました。
「……にゃっ」
「……あずにゃんが出てくるんだよ」
「へえー、それはすご……って、えー!」
「むったん、あずにゃんに戻って!」
ゆい先輩の掛け声で、100匹のあずにゃんが出てきます。
「皆、あたらしいあずにゃんだよ。ちゃんと育ててね」
『はい!!』
『任せてください』
『1人前のあずにゃんに育ててみせます』
「うん、頼んだよ。それじゃ、私は帰るね」
『また、来てくださいね!』×100
その声で、周りのフィールドが元の状態に戻りました。
- 869. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/12(火) 07:16:59.34 ID:PTVCnvIF0
- 「私達の勝ちですよ、マコトさん!」
「馬鹿な、全滅だと!?」
マコトさんは驚愕の顔をして、倒れこむ。
「……殺せよ」
「はい?」
「負けたんだ。殺せよ」
「嫌ですよ。女の子に何させようとするんですか」
「……馬鹿だな。逆上した俺が襲うかもしれないぞ」
「そうなったら、そうなった時になんとかしますよ」
「……まったく、たいした強さだよ、お前らは」
「あなた達の目的は何なんですか?」
「さあな。表向きにはカントーの征服らしいぞ」
「カントーの!? 表向きというのは?」
「それぞれの思惑があるみたいだからな。……1つだけ、忠告しておいてやるよ」
「何ですか?」
「俺達の仲間のフー……」
「梓ちゃん、気をつけて!」
バーン、ガシャーン
天井に衝撃が走り、ポケモンタワーに物凄く、揺れ出した。
「なんですか、これは!?」
周りは天井が崩された衝撃で、煙が巻き起こる。
「一旦、逃げよう、梓ちゃん」
「でも、マコトさんが」
「あの人なら、大丈夫だよ」
「……そうですね。じゃあ、純とと合流して……」
「危ない!」
- 870. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/12(火) 07:17:49.81 ID:PTVCnvIF0
- ういは叫ぶ。私が上を見ると、天井の瓦礫が落ちてきています。このままじゃ……。
「カビゴン!」
「カビ」
その瓦礫が、カビゴンのパンチで破壊される。あの、カビゴンは。
「純!」
「まったく、本当に主人公してるのね、梓は」
「無事だったの?」
「当然でしょ。……今はのんびり、話してる場合じゃないわね」
「そうだね。……プテラ、頼むね」
私は全部のポケモンをボールに戻して、プテラに乗る。
「行きますよ!プテラ、はかいこうせん!」
プテラのはかいこうせんで、天井にさらに穴を開け、そこから、脱出して、シオンタウンの上空を飛びます。ポケモンタワーを見ると、私達以外の何かの大きな衝撃を受けて、壊されているようです。それにしても、さっきの攻撃は相当の威力ですね。一体、誰が……。
「梓。下もだいぶ安定してるみたいね」
「え?」
私はシオンタウンを見る。たしかに、警察達が乱入し、ロケット団は追い詰められています。
「これから、どうするの、あずにゃん?」
「とりあえず、フジさんのところに戻りましょう」
「そうだね、ヘル太達も心配だしね」
私達はフジさんのところに戻りました。
- 871. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/12(火) 07:19:36.38 ID:PTVCnvIF0
- 「よく、無事で帰ってきた!」
「すごいよ、お姉ちゃん達!」
2人に出迎えられる。
「何か、ありましたか?」
「僕達は全然大丈夫だったよ。ヘルガー達もいたしね」
「皆さん、よくやりましたね」
私はそれぞれのポケモン達の頭を撫でます。
「あ、そうだ。パソコンはまだありますか?」
「ああ、大丈夫じゃ」
私はパソコンを使って、オーキド博士に連絡し、イーブイの治療のためにイーブイを転送する。オーキド博士に任せれば、大丈夫でしょう。
「これから、どうしましょうか?」
「とりあえず、今日はここで泊めてもらいましょう。もう、疲れた」
「そうじゃな。そうしておくれ」
「お姉ちゃん達、お話、聞かせて〜」
「それじゃ、まずは私がお話してあげるか」
純の話を遠くに聞きながら、私は眠りについた。
- 872. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/12(火) 07:20:10.16 ID:PTVCnvIF0
- 「やれやれ、2人とも、仲良く、寄り添って寝ちゃって、まあ」
「お姉ちゃん達、気持ちよさそうだね〜」
「2人とも、頑張ってたからね〜」
「このまま、寝かせてやろうかのう」
「そうですね」
「……よし、あの2人の分まで、お話してあげよう。……ういが」
「私!?」
「だって、途中、私いなかったし。私だって、上での話知りたいし」」
「そうだったね。分かったよ。まずね……」
最終更新:2011年08月03日 17:16