- 904. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/17(日) 07:59:45.62 ID:EecEO2/C0
- 前回までの状況(トレーナとポケモン)
梓 ゆい ハッサム ヘルガー イーブイ ニューラ ガルーラ ハクリュウ ポリゴン2 プテラ
澪 ゼニガメ エビワラー デンリュウ
律 リザードン サワムラー ニョロボン レアコイル
ムギ フシギバナ カポエラー ギャラドス
純 うい カビゴン ゲンガー
ヤマブキシティ編? 「VSナツメ」 以下、投下
- 905. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/17(日) 08:00:32.61 ID:EecEO2/C0
- カントー地方のある施設にて
『そろそろ、邪魔になってきたな』
ロケット団のボス、サカキは重苦しく言う。ここには曽我部とサカキしかいない。今、モニターに映っているのは、ツインテールの少女と幼稚園児のような女の子だ。この少女達はイーブイの脱走事件から、サントアンヌ号襲撃、タマムシ研究所の邪魔をされてきた。始めは無視していたが、今回のシオンタウン占拠を妨害され、伝説のポケモンの1匹ファイヤーを破り、ロケット団ではなかなかの実力者のマコトも倒されたのだから、無視できなくなっていた。
『さて、どうしたものか』
『計画通り、ヤマブキを攻め落とすべきです』
『しかしな』
『脅威となるべき、この少女達は現在、ヤマブキシティにいるそうです。そして、この少女達はポケモンリーグに出場するべく、ジムを巡っている』
『つまり、次はグレンタウンを目指すということだな』
『そうです』
『ならば、その時が狙い目か』
『そういうことです。そして、グレンタウンで彼女達を足止めするために、サンダーを使います』
『……随分、この少女達を警戒するんだな』
『念のためです』
『……お前はロケット団を利用して、何をしようというのだ?』
『別にそのような意図はありませんが』
『……まあ、いい。そのようにしろ』
『はい』
- 906. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/17(日) 08:01:06.51 ID:EecEO2/C0
- ヤマブキジム
現在の手持ちメンバー ゆい ハッサム プテラ イーブイ ヘルガー ガルーラ
「さっそく、ヤマブキジムに挑戦です!」
「おっと、随分、やる気だね」
「当然です!ゆい先輩には期待していますよ」
「あんまり、期待されてもね〜」
「昨日、あれだけ、澪先輩に強気に言ってたじゃないですか」
「あれは……その場のノリだよ」
「ノリって……まあいいです。とにかく、入りましょう」
私はヤマブキジムの扉を開ける。中は薄暗く、不気味な雰囲気をかもし出してます。
- 907. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/17(日) 08:02:02.33 ID:EecEO2/C0
- 「なんか、怖いね、あずにゃん」
「そうですね」
「よく来たわね」
奥から、声がするとともに、髪の長い女の人が出てきました。
「あなた達は梓さんとゆいちゃんね。よろしく」
「え、どうして、私達の名前を……」
「実は、私、超能力者なの。だから、ゆいちゃんがポケモンだってことも分かるし、あなた達がここに来ることも分かってたわ」
「すごいよ、あずにゃん!!超能力者だよ!私、初めて見たよ」
「……」
「クスクス」
「あれ?どうしたの、2人とも」
「あのですね、ゆい先輩。前のセキチクジムでも言われましたけど、私達は噂になってるんですよ」
「そうだっけ?まあ、あずにゃん、可愛いもんね」
「いえ、主にゆい先輩のおかげで」
「え、私が可愛いって。もう、あずにゃんたら〜」
「なっ!?ち、違います。ゆい先輩は珍しいポケモンだから……」
「分かってるよ、それは。冗談だったのに、そんなにムキになって否定しなくてもさ」
「す、すいません。別にそんなつもりじゃ、ゆい先輩は十分に……」
「くす。冗談だよ。もう、困った顔のあずにゃんも可愛いよ〜」
「か、からかわないで下さい」
「ところで、いちゃつくのもいいけど、そろそろいいかしら?」
- 908. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/17(日) 08:02:43.83 ID:EecEO2/C0
- 「べ、別にいちゃついてるわけじゃ……」
「えへへ〜、うらやましいでしょ〜」
「……まあ、いいわ。そうよ。梓さんが言うとおり、あなた達のことは噂で聞いてるわ」
「でも、どうして、私達がここにくるって分かったの?」
「ゆい先輩。そんなの、来た人達に後出しで、そう言ってるだけですよ。例えば、台風が来た後で、台風が来ると予言していたみたいに」
「おお、なるほど」
「梓さんはかしこいのね」
「べ、別にそんなことは……」
「くす。それじゃ、戦いましょうか。ルールは3対3の点取り試合ね。勝てば、1万円とバッチね」
「それでいいです」
「じゃあ、楽しい戦いにしましょうね」
私達はバトルフィールドに着きます。今回のフィールドは普通のフィールドですね。
「それでは準備はよろしいですか?」
「ええ」
「いつでもいいわ」
「では……」
「「「バトルスタート」」」
- 909. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/17(日) 08:03:32.13 ID:EecEO2/C0
- 「来て下さい、ガルーラ!!」
「来なさい、ルージュラ」
相手はルージュラですか。ここはどうするべきか、……って、考えるほどでもありませんね。
「ガルーラ、メガトンパンチです!」
ガルーラは大きな体を揺らしながら、ルージュラに向かって、力をこめた、パンチを喰らわせるべく、走っていきます。
「ルージュラ、れいとうパンチで受け止めて」
「ジュラ」
ガルーラのメガトンパンチとルージュラのれいとうパンチが激突します。しかし、ガルーラの方が、力が勝っており、そのまま、ルージュラを押し切ります。
「よし!このまま……」
「梓さん、力が全てではありませんよ」
ルージュラはガルーラの拳を掴み、逃げられないようにし、そのまま顔をガルーラに接近させ、キスをしようと迫ります。
「ガルガル」
ガルーラは体を揺らし、キスから逃れようとしますが、ルージュラはその手をがっしり掴み、離しません。そして、そのまま、ガルーラの口にキスをします。
「あずにゃん、あずにゃん」
「何ですか?」
- 910. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/17(日) 08:04:12.61 ID:EecEO2/C0
- 「私達も負けずにキスをしよう」
「な、何を藪から棒に……」
「だって、あんなに仲良さそうにキスをするなんて……妬けちゃうよ」
「あれは仲が良くて、キスをしてるんじゃなくて……。あ、ガルーラ!」
キスをされたガルーラは顔を歪めて、眠り始めました。
「あの技は何なの?」
「あれはあくまのキッスという技ですね。あれを喰らうと寝てしまうんです」
「それは厄介だね」
「ルージュラ」
「ジュラ」
ルージュラはガルーラに強い念力で持ち上げ、そのまま、地面に叩きつけます。
「ガルーラ!」
「トドメよ、ルージュラ」
ルージュラは空気を吸い込み、ガルーラにふぶきを吹き付けます。ガルーラはそのまま、目覚めずに、気絶してしまいました。
「ガルーラ、戦闘不能。ルージュラの勝利。ナツメ、1ポイント。1対0」
- 911. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/17(日) 08:05:25.26 ID:EecEO2/C0
- 「やりますね、ナツメさん」
ガルーラだから、力押しにするしかなかったんですが、さすがです。
「ありがとう。でも、余裕ね」
「はい?」
「戦闘中に相手を褒めるなんてね」
「あっ……」
「くす、冗談よ。さて、次にいきましょうか」
「では、2回戦です」
私の次のモンスターはどうしますか。いつもだったら、安定のハッサムを出しますが……。
「来なさい、バリヤード」
「来て下さい、イーブイ」
澪先輩達と互角に戦っていくには、他のポケモンでも、勝っていかないといけません。無論、あくタイプのヘルガーなら、有利に戦えました
が、前回の戦いであまり活躍もできず、無残というのはあれですけど、手痛い敗北をしたので、ここで自信をつけさせてあげたいですし。
「イーブイ、みずのいしです」
私はイーブイをシャワーズに進化させます。
「なるほど、それも噂に聞くイーブイね。それにしても、珍しいポケモンばかり、持ってるのね」
言われてみれば、そうですね。
- 912. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/17(日) 08:07:34.64 ID:EecEO2/C0
- 「では、先制攻撃です!シャワーズ、ハイドロポンプ!」
シャワーズは口から、大量の水を激しい勢いで、バリヤードに迫ります。
「バリヤード」
「バリ」
バリヤードはひかりのかべを出し、ハイドロポンプを止めます。
「なっ!」
「言ったでしょ?力押しじゃ勝てないわよ」
バリヤードははっぱを撒き散らします。すると、そのはっぱはシャワーズに向かってきます。
「シャワズ」
シャワーズはその攻撃をよけきれずにその体に攻撃を受けます。
「これは、マジカルリーフ!?」
「くすくす。どうするかしら」
マジカルリーフはくさタイプの技。シャワーズには辛い技ですね。でも……。
「見せてあげますよ、ナツメさん。私の戦いを!」
「くすくす。楽しませて頂戴」
「シャワーズ、ねがいごとをして下さい」
「えーとね、私の願い事はあずにゃんとずーっと、一緒にいられますように!」
「な、何を言ってるんですか!」
「え、お願い事をすれば、あずにゃんが叶えてくれるんじゃないの?」
「違います!だいたい、シャワーズに命令してるんですから、ゆい先輩じゃありません」
「シャワーズ、ばっかりずるいよ。私の願い事も聞いてよ」
「だから、ねがいごとっていうのは……もう、めんどくさいので、これ見てください」
私はバックの出しやすいところに入れておいたノートをゆい先輩に渡します。
「何々、……ああ、なるほど」
「随分、余裕ね。バリヤード、マジカルリーフ!」
バリヤードは再び、はっぱを撒き散らし、攻撃を仕掛けてきます。
「シャワーズ、まもるです!」
シャワーズは水のバリヤを出し、その攻撃を一度、無効にします。そして、ねがいごとの効果で、シャワーズの体力が回復します。
- 913. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/17(日) 08:08:03.22 ID:EecEO2/C0
- 「攻撃を防がれて、回復か。なかなかね」
「まだです!シャワーズ、あくびです!」
シャワーズはおおきなあくびをします。
「ふぁああ。もう、眠いよ〜。おやすみ〜。ぐう〜」
「ゆい先輩に聞いてどうするんですか!」
しかし、バリヤードにも効き、ぐう〜ぐう〜、と寝息を立て始めました。
「よし、今がチャンスです!」
ここは、ハイドロポンプ?いや、ここは……。
「シャワーズ、接近して、かみつく攻撃です!」
シャワーズはバリヤードの首に噛み付きます。シャワーズは何回か、首筋を噛み付き、そのまま、バリヤードは力尽きました。かみつくはあく
タイプ。エスパータイプのバリヤードには効果抜群です。
「バリヤード、戦闘不能。シャワーズの勝利。梓、1ポイント。1対1」
- 914. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/17(日) 08:09:53.46 ID:EecEO2/C0
- 「やるわね、梓さん」
「戦闘中に相手を褒めるなんて、余裕ですね」
「くすくす、そうね」
「では、最終戦です」
「いよいよ、5人のジムリーダーを倒してきた、ゆいちゃんの出番ね」
「そうとは限りませんよ」
「ええっ!そうなの、あずにゃん」
「い、今のは駆け引きですよ、ゆい先輩」
「な、な〜んだ、びっくりした」
「私に聞こえたら、駆け引きもないわよね」
「ま、まあ、いいです。行きますよ、ゆい先輩!」
「任せんしゃい」
「では、こっちはフーディンでいくわ」
ナツメさんが出してきたのは、フーディン。
「頑張ってくださいね、ゆい先輩」
「うん!」
「ではいくわよ。フーディン、サイコカッター」
フーディンは心の刃を実体化させ、ゆい先輩に向かって、飛ばしてきます。
「ゆい先輩」
「任せなって。よっと」
ゆい先輩はリズムよくフーディンの攻撃をかわします。本当に攻撃をかわすのはうまいですね。
「なら、フーディン、サイケこうせん」
フーディンは不思議に光る、光線をゆい先輩に向けて、発射します。
「ふん。ならば、こっちはゆいちゃん真拳奥義『ゆいぐるみガード』」
ゆい先輩は自分のぬいぐるみを盾に攻撃を防ぎます。
「今度はこっちの番だよ。ギー太、Hモード」
Hモード?新しい技でしょうか?
「では行くよ。ゆいちゃん真拳コスプレ奥義『R☆R』」
ボン
と、煙がゆい先輩を包み込みます。
- 915. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/17(日) 08:11:28.87 ID:EecEO2/C0
- 「ついに発動するわね、ゆいちゃんの技が……」
ナツメさんがそう呟きます。そして、煙が消えて、ゆい先輩の姿が現れましたが……。
「ゆ、ゆい先輩、その姿は……」
ゆい先輩は白い帽子を被り、白いワンピースを着ています。か、可愛いです。
「ふふん、どうだい、あずにゃん。私の格好は」
「ま、まあまあですね」
「……本当に?」
「ほ、本当ですよ」
「くすくす、あずにゃん、かわいいよ〜。お持ちかえり〜」
ゆい先輩は私に抱き着いてこようとします。
「待って下さい、ゆい先輩。これ以上近づいたら、失格になってしまいます」
「おっと、危ない、危ない」
ゆい先輩はフーディンに向き直ります。
「フーディン、先制を取るのよ、サイコカッター」
「フー……」
フーディンは技を出そうとしますが、何かに技を受けたかのように、壁際まで飛ばされてしまいました。
「い、今のは……」
「今のは、ゆいちゃん真拳奥義『ゆいちゃん☆パンチ』略して、ゆいパンだよ」
「す、すごいですよ!拳が見えませんでした!」
「ふふん、どんなもんだい!」
- 916. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/17(日) 08:12:14.10 ID:EecEO2/C0
- 「フーディン、怯まずに、サイコキネシスよ」
フーディンはゆい先輩に念力を送ろうとします。
「甘いよ!」
ゆい先輩は鉈を振り、フーディンの技を無効にします。……鉈?
「しっくりくるね、ギー太」
ゆい先輩は鉈っぽいものを撫でます。
「今度はこっちの番だよ。いっくよ〜」
という言葉とともに、いつもの劇が始まります。
- 917. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/17(日) 08:12:57.30 ID:EecEO2/C0
- 『ねえ、ゆい先輩』
ゆい先輩との下校の途中、私はゆい先輩に話しかけました。
『な〜に、あずにゃん』
『……皆さんはなにか、私に隠し事とか嘘とかついていませんか』
『何を言ってるの、あずにゃん。あずにゃんにそんなことするわけないよ』
『嘘ですよね』
『どういう意味かな?』
『してますよね、私に隠し事』
『……じゃあ、あずにゃんは私達に隠し事や嘘をしてないのかな、かな?』
『し、してませんよ』
『嘘だよね』
『う、嘘じゃありませんよ』
『嘘だっ!!』
- 918. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/17(日) 08:13:35.96 ID:EecEO2/C0
- というゆい先輩の言葉とともに、『嘘だっ!!』という文字の大群がフーディンに突っ込み、ダメージを受けます。
「これぞ、ゆいちゃん真拳奥義『弾幕☆アタック』」
ゆい先輩はギー太(鉈)を構えます。
「これで、終わりだよ。行くよ、ギー太」
「くっ、フーディン、しっかりしなさい」
「ディン」
「さあ、行くよ」
ゆい先輩はギー太(鉈)を持って、フーディンに向かっていきます。
「フーディン、テレポート!」
フーディンは姿を消し、向かってくる、ゆい先輩の背後に現れました。
「ディン(終わりだ)」
フーディンはゆい先輩に向かって、サイケこうせんを出そうとしますが、ゆい先輩の姿が消え、フーディンの背後にまわります。
「フーディン君、みーつけた」
- 919. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/17(日) 08:14:15.02 ID:EecEO2/C0
- ゆい先輩はギー太(鉈)を振り上げます。なにか、雰囲気が違う気もしますが、気のせいでしょう。
「いくよ、サムちゃんに教えてもらった、技を見せてあげよう。喰らえ、れんぞくぎり!」
ゆい先輩はフーディンの背中を切りつけます。技はあれですけど、れんぞくぎりはむしタイプの技。フーディンはエスパータイプなので、弱点
になります。しかも、切りつけるごとに威力が増す技、これはいい攻撃です。
「このまま、決めてください、ゆい先輩!」
「フーディン、避けるのよ!」
フーディンはギー太(鉈)で切りつける、ゆい先輩から、テレポートで距離をとります。
「ふう〜、疲れちゃった。コスプレ解除」
ゆい先輩はボンッという煙とともに元の格好に戻りました。
- 920. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/17(日) 08:15:00.50 ID:EecEO2/C0
- 「ゆ、ゆい先輩、コスプレ解除しちゃって、大丈夫なんですか」
「大丈夫だよ〜。それとも、私のコスプレ、もっと、見たかった?それならそうと、言ってくれればいいのに〜」
「ち、違いますよ。このまま、力押しで勝てたかもしれなかったじゃないですか」
「ち、ち、ち。さっきもナツメさんが言ってたでしょ。力が全てじゃないって」
「場合によりけりだと思いますけど」
「まあ、とにかく、行くよ。来て、ゆいぐるみ!」
ゆい先輩は手をパンッ、と鳴らすと、ゆいぐるみがたくさん落ちてきます。今までと違うのはゆいぐるみ、1体1体にギー太も着いていることです。
「さてっと、行くよ、ギー太、ゆいぐるみ」
ゆい先輩の掛け声で、ゆいぐるみはフーディンを、いや、フィールドを取り囲むように、していきます。
「では、ミュージックスタート!(ギー太に首ったけを想像して下さい)」
ゆい先輩がギターを弾き始めると、ゆいぐるみもギターを弾き始めます。その音楽は衝撃波となり、フーディンに襲い掛かります。
「ディーン!」
フーディンは四方から、来る衝撃波を避けきれずに苦しんでいます。なるほど、フィールドの外、ぎりぎりに囲むようにすることで、テレポートを封じてるわけですね。
「さあ、クライマックスだよ!」
ゆい先輩やゆいぐるみのギターにエネルギーが溜まっていきます。
「ゆいちゃん真拳超奥義『ゆいちゃんエネルギー弾withゆいぐるみ』」
全てのエネルギー破がフーディンに直撃し、フーディンは気絶しました。
「フーディン、戦闘不能。ゆいの勝利。梓、1ポイント。2対1。よって、梓の勝利です」
- 921. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/17(日) 08:15:35.95 ID:EecEO2/C0
- 「やりましたね、ゆい先輩!」
「うん!」
「やれやれ、完敗よ。それじゃ、バッチを渡すわ」
ナツメさんはゴールドバッチを私に手渡します。
「ありがとうございます!」
「ふう〜、まさか、ここまで強いとはね、驚きよ」
「えへへ〜」
「じゃ、次も頑張ってね」
「あ、もう少し、お話しませんか」
「くす、こう見えてもショックなのよね、負けるの。だから、1人になりたいの」
「す、すいません」
「ごめんなさいね、また、戦いましょう」
「はい!」
- 922. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/17(日) 08:17:08.15 ID:EecEO2/C0
- 「ねえ、あずにゃん」
ヤマブキジムを出て、しばらく歩いていると、私に抱っこされてるゆい先輩が話しかけてきます。
「なんですか?」
「そろそろ、私達もキスをすべきだと思うんだよ」
「そうですねー、たしかに、キスを……って、キス!?」
「そう、キス」
「な、な、な、何を言ってるんですか」
まだ、ルージュラの時のことを振ってくるんですか。
「そんなに動揺しなくても……。あずにゃんは嫌?」
「嫌とかじゃなくて、その……。もっと、こういうのはムードとかですね。そういうのがですねえ。……だいたい、私達は恋人(仮)なんですから」
「その(仮)はいつ取れるの?」
「え、えーと、そのー、ですね」
「あずにゃん。私ね、あずにゃんのこと好きだよ」
ゆい先輩は私の目を見て、真剣に言ってくる。これには、真剣に答えないといけないですよね。
「わ、私は……ゆい先輩のことが……!!」
「……くす、冗談だよ」
「ゆい先輩のことが……はい?」
「冗談だよ」
「……」
「こういうのは、答えを無理強いしちゃいけないよね。あずにゃんの気が向いた時でいいよ、答えは」
「……」
そういうゆい先輩の手は震えている。能天気そうにみえるけど、きっと、怖いんでしょう。
「ゆい先輩」
「ん?」
「今はまだ、ポケモンリーグに専念していきたいから……答えは……ポケモンリーグが終わってからでいいですか?」
「…私は言ったよ、あずにゃんの気が向いた時でいいって」
「そうでしたね」
私達に一瞬の沈黙が流れる。
「さて!シリアルな雰囲気はおしまいっ!ケーキを食べに行こう」
「シリアル?それをいうなら、シリアスですよ」
「おおっ。そうだったの?まあ、いいや。ケーキを食べよう」
「……そうですね」
私達はケーキ屋さんに向かいます。
(……ゆい先輩。待ってくださいね。ポケモンリーグが終わったら、……答えを出しますから)
「では、行きましょう!ゆい先輩」
「おお!」
私は新たな誓いを胸に一歩を踏み出しました。
- 923. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/17(日) 08:17:43.23 ID:EecEO2/C0
- ヤマブキシティ編? 「VSナツメ」終了
- 926. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/18(月) 22:06:32.13 ID:aS+ir3qv0
- 前回までの状況(トレーナとポケモン)
梓 ゆい ハッサム ヘルガー イーブイ ニューラ ガルーラ ハクリュウ ポリゴン2 プテラ
澪 ゼニガメ エビワラー デンリュウ
律 リザードン サワムラー ニョロボン レアコイル
ムギ フシギバナ カポエラー ギャラドス
純 うい カビゴン ゲンガー
グレンタウン編? 「ラプラス争奪戦・前編」
- 927. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/18(月) 22:07:12.94 ID:aS+ir3qv0
- 今回のメンバー ゆい ハッサム プテラ イーブイ ハクリュウ ガルーラ
私達はグレンタウンに行くべく、セキチクシティにやってきました。
「とはいっても、どうやっていくべきでしょうか」
「船で行けばいいんじゃないの?」
「それはそうなんですけどね。ポケモンでいけたら、安上がりだなあって」
「なら、テラ太は?」
「まあ、そこが一番、無難ですけどね。でも、なるべくなら、なみのりをさせていきたいと思ったんですよ」
「でも、私達のメンバーに私達を乗せて、海を渡れるのはいないね」
「ですよねー」
仕方がないですね。ここは船で……。
「梓ちゃん!」
- 928. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/18(月) 22:08:07.69 ID:aS+ir3qv0
- 突然に誰かに声をかけられ、振り返ると、そこにはアンズさんがいました。
「あ、アンズさん」
アンズさんは私が気がつくと、こっちに走り寄ってきました。
「お久しぶり……といっても、まだ、そんなでもないですけど、とにかく、お久しぶりです、梓さん」
「こ、こちらこそ」
「やっほー」
「ゆいさんもお久しぶりです」
「それで、アンズさんはどうしたんですか?」
「どうしたはこっちの台詞ですよ。サファリゾーンでの一件が終わったら、すぐにどこかに行っちゃいますし」
「ハハハ」
あの時は大変でしたからね。
「でも、それも仕方がないことですよね」
「はい?」
「これ、梓ちゃんですよね」
アンズさんが見せてきたのは澪先輩に見せてもらった新聞です。
「……」
- 929. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/18(月) 22:09:08.87 ID:aS+ir3qv0
- 「サファリゾーンでの一件を解決させて、すぐにシオンの事件も解決させちゃうんですもん。まるで、お2人は正義の味方みたいです。というか、正義の味方です」
「えへへ〜。そうかな?」
「そうですよ。お二人なら、人間とポケモンをつなぐ、救世主になれますよ」
「なんですか、それ」
「最近ではポケモンを道具のように利用する人が増えてますからね」
「ロケット団みたいにですか」
「最近ではロケット団だけでなく、一般の人でも、強くない奴はいらないって、捨てる人もおおいですからね」
「それはひどいですね」
「ここはぜひ、2人の仲の良さを見習ってもらいたいですよ」
「な、何を言ってるんですか」
「えへへ、私達ってそんなに仲良さそうに見える?」
「ええ。もう、ただのポケモンとトレーナーに見えないくらい」
「そうかな、そう見える?えへへ」
嬉しそうににやにやする、ゆい先輩。
「ところで、梓さん達はここにいるんですか?」
「実はかくかくしかじか」
「まるまるうまうまというわけですか、なるほど」
- 930. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/18(月) 22:10:24.40 ID:aS+ir3qv0
- アンズさんは少し、考えるような仕草をし、こう言いました。
「やはり、ポケモントレーナーとして、バッチを集めるならば、船などではなく、ポケモンに乗って行くべきですね」
「でも、私の手持ちでは厳しいんですよね」
「実はこんなものがあるんですよ」
アンズさんが見せてきたのは、『サファリゾーン・復興企画 3人抜きで、ラプラスゲット』と書かれたチラシでした。
「へー、こんなものがあるんですか」
ラプラスですか、なるほど。
「それにしても、よくこれだけ企画がありますね」
「まあ、ここだけの話。サファリゾーンの園長さん、結構お金にがめついので」
「なるほど」
「世知辛い世の中だね」
「アンズさんも出るんですか?」
「残念だけど、ジム関係者は出れないの」
「それは残念です」
「出るなら、早く行きましょう。期限が今日なので」
「今日!?」
私はもう一度、チラシを見るが確かに今日って書いてあります。
「それじゃ、いきましょう」
アンズさんは私の手を握って駆け出そうとします。
- 931. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/18(月) 22:11:18.52 ID:aS+ir3qv0
- 「待って!!」
ゆい先輩はアンズさんを止めます。
「どうしたんですか?」
「その手、よくない」
ゆい先輩はアンズさんが握ってる私の手を指差します。
「おっと、これは失礼しました」
アンズさんは私の手を離します。
「これはゆいちゃんのでしたね」
「なっ!?」
「分かってくれて、嬉しいよ」
「な、何を言ってるんですか!サッサといきますよ」
私はゆい先輩を抱き上げ、アンズさんを急かします。
「照れてるんですか?」
「……アンズさん」
「……すぐに案内しますよ」
- 932. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/18(月) 22:12:12.00 ID:aS+ir3qv0
- 「ここが会場ですか」
ラプラスが賞品なので、たくさんの人で溢れています。
「それにしても、3人勝ち抜きって、すぐに終わりそうですけどね」
「3人勝ち抜いたら、園長さんと勝負なんですよ」
「なるほど、実質、4人に勝ち抜きですか。でも、強いんですか?」
「まあまあですかね。とにかく、エントリーしましょう」
私達は受付に向かいます。
「えーと、参加費は……1万円!?」
「高いねー」
「がめついって言いましたよね」
「納得です」
ルールを確認すると……1対1の短期決戦。ただし、園長さんとの戦いは3匹ですか。
「さて、まだ、時間もありますし、賞品のラプラスでも見に行きますか」
「え、展示されてるんですか」
「ええ。まあ、お金もかかりますけど、そこは私がもちますよ」
「すいません」
「いえいえ。そのかわり、素晴らしい戦いを見せて下さいね」
「あはは、まあ、頑張りますよ」
私達はラプラスの展示してある、エリアに来ました。
「たくさんいますね」
「そうですね」
「……」
「どうしたんですか、ゆい先輩」
- 933. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/18(月) 22:13:12.81 ID:aS+ir3qv0
- 「あのラプラス達、泣いてるよ」
「え?」
ラプラス達を見ると、たしかに悲しそうな顔をしています。
「ゆいちゃんはポケモンの言ってることが分かるんですか?」
「まあね。これでも、私、ポケモンだしね」
「それはすごいですね」
「えへへ」
ゆい先輩の頭をなでる、アンズさん。……なんでしょう、あんまり、気分がよくありません。
「……梓さんがむっとしてますね。よし、ちょっとからかってみよう」
「なにか、言いましたか、アンズさん」
「いえ、別に。ちょっと、ゆいちゃんを抱っこしてもいいですか?」
「……どうぞ」
アンズさんはゆい先輩を抱き上げます。
- 934. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/18(月) 22:13:51.15 ID:aS+ir3qv0
- 「可愛いですね〜」
「えへへ、ありがと。アンズちゃんも可愛いよ〜」
仲良さそうにする、ゆい先輩達。……むむ、なにか、分かりませんが、胸がチクチクする。
「それにしても、本当にポケモンとは思えませんね」
「そうかな?まあ、よく間違えられるけどね」
「しかし、本当に可愛いな〜。ほっぺにキスをしていいですか?」
「!?」
「というか、しちゃいますね。んー」
アンズさんはゆい先輩の柔らかそうなほっぺに唇を近づけようとしています。
「や、やめて下さい!」
私はアンズさんから、ゆい先輩を取り上げます。
「こ、これは私のだから、勝手なことをしないで下さい!」
- 935. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/18(月) 22:15:44.82 ID:aS+ir3qv0
- 「……」
「……プッ、ククククク」
「な、何を笑ってるんですか!」
「いえ、随分、仲がいいな〜、って」
「はい?」
「あずにゃん……」
ゆい先輩は顔を赤らめています。
「どうしたんですか?」
「あずにゃん。……今、私のだからって」
「!?」
「いやー、お暑いですね」
「えへへ〜、今、『私のだから、勝手なことをしないで下さい』だって」
「良かったですね、ゆいちゃん。私も言われたいですよ」
「いいでしょ〜」
「……」
「くすくす、梓ちゃん。顔、真っ赤ですよ」
「う、うるさいですよ!」
「ところで、あずにゃん」
「何ですか!!」
- 936. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/18(月) 22:16:31.23 ID:aS+ir3qv0
- 「そんなに怒らないでよ。ラプラス達のことだよ」
「あ、ああ。すいません」
てっきり、まだ、からかわれるかと思いました。
「ラプラス達がどうかしたんですか」
「野生に戻してあげられないかな?」
「それは……難しいですね。どうしてですか?」
「なんかね、ひどいことをされたんだって」
「ひどいこと?」
「そう。なんか、平和に暮らしてるところに人間さん達が襲ってきて、無理やり捕まえられたんだって」
「なるほど」
そういえば、研究所で助手をしていた時に、昔、ラプラスはたくさんいたんですけど、人間が捕まえすぎて、絶滅寸前になってるそうです。とすると、このラプラス達は貴重ですね。
「梓さん、そろそろ、時間ですよ」
「あ、そうですね。ほら、ゆい先輩。行きましょう」
「……う、うん」
「……私が何とかしてみせます」
「え?」
「難しいかもしれませんけど、頑張ってみます」
「……ありがと、あずにゃん」
「別にゆい先輩のためじゃありません」
プイッと顔を背ける、私。
「知ってるよ。今のはラプラスのかわりだよ」
「そうですか」
「それじゃ、私達も行こうか」
「はい」
- 937. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/18(月) 22:17:36.10 ID:aS+ir3qv0
- 私達が会場に着くと、スタッフの人に声をかけられます。
「中野梓さんですよね」
「はい」
「順番として、次になりますので、スタンバイしてください」
「分かりました」
順番としては受付順のようです。
「ジー」
スタッフの人が私を見つめてきます。
「あ、あのなんですか?」
「あ、いえ。…あなたって、先日のサファリゾーンでの事件を解決した人ですよね」
「え、ええ、、まあ」
「やっぱり!大会、頑張ってくださいね。応援してます」
「あ、ありがとうございます」
そう言うとスタッフの人は笑顔で去っていきます。
「人気ですね〜、梓ちゃん」
「それは私の嫁だからね」
「やれやれですよ、こっちは」
「おっと、もう終わったみたいですよ。頑張って下さいね、梓さん」
「はい。応援よろしくお願いしますね」
「まあ、私が応援しなくてもすごい声援もらいそうですけどね。あ、それより、梓さん」
「なんですか?」
「今更ですけど、年も同い年みたいですし、別にタメ口でもいいですよ。もっと、フランクに。もう、友達ですし、……って、何を恥ずかしいことを言ってるんでしょうね」
「……じゃあ、私にもタメ口でいいよ」
「分かった。それじゃ、梓ちゃん、頑張って!」
「うん!」
「いやー、友情だねー。うんうん」
「何を納得してるんですか」
- 938. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/18(月) 22:18:37.97 ID:aS+ir3qv0
- 「私のことよりも、相手に集中しなさい。負けちゃうよ」
「分かってますよ」
『さあ、大会も盛り上がってきました。現在、2連勝中のサブさんに挑戦するのは、先日のサファリパークでの事件を解決に導いた、幼女を華
麗に操る、ツインテールの魔術師、中野梓選手です!』
「何なんですか、今の実況」
「そうだよね。私はこんな姿でも、18歳だし、幼女はひどいよ」
「いえ、そういうことではなくて……。まあ、いいや」
「ルールは1対1。途中の回復はなしです。両者、よろしいですね」
「はい」
「おう」
「それでは、両者、スタンバイしてください」
さて、どうしたものでしょうか。1対1ということは、弱点があたると不利になります。しかし……。
「相手が弱点のタイプでも、勝てないと澪先輩達には勝てませんよね」
「ではいきます。準備はいいですか?」
「はい」
「おう」
「それでは……」
「「「バトルスタート」」」
- 939. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/18(月) 22:19:41.50 ID:aS+ir3qv0
- 「来てください、ガルーラ!」
「来い、カイリキー」
『現在、2連勝中のサブ選手はカイリキーを、挑戦者の中野選手はガルーラを出しました。これは中野選手が不利かー』
「これくらい、不利じゃありません。ガルーラ、ねこだまし!」
ガルーラは突撃してくる、カイリキーの顔の前で、手をパンッと叩き、カイリキーは怯みます。
「一気にいきます。メガトンパンチ!」
ガルーラはカイリキーのお腹に、拳を叩き込みます。……痛そう。
「……リキ」
カイリキーは急所に当たったのか、膝をつきます。
「今がチャンス。ガルーラ、げきりん!!」
「ガル!」
ガルーラはカイリキーをまるで、親の敵のように殴り続けます。
「ガル!ガル!ガル!」
殴っているガルーラの機嫌は良さそうですが、まあいいです。
「このまま、決めちゃってください!」
「ガル」
ガルーラの顔面の一撃が決まり、そのまま、壁まで飛ばされてしまいました。
『おーっと、ガルーラの一撃が見事に決まったーー。判定はどうだ!』
「……カイリキー、戦闘不能。ガルーラの勝ち。よって、中野選手の勝利です!」
ワー、ワーと観客が騒ぎます。
「いやー、強いね」
「ありがとうございます。サブさんも強かったですよ」
「はは。何もさせてくれなかったのに、よく言うね」
「す、すいません」
「頑張ってくれよ」
「はい!」
最終更新:2011年08月03日 17:18