……
………

ボフッ

唯「はぁ~今日も一日終わったぁ~!」

唯「うーいっ! おいで……」ぽんぽん

憂(わーい)モゾモゾ

お姉ちゃんとご飯を食べて学校へ行って

お風呂に一緒に入って同じベッドで寝る

お姉ちゃんと一緒にいる時が一番幸せ!

明日も……目が覚めたらお姉ちゃんにキスして

おはようって言うんだ……


……
………

唯「憂! うーい!朝だよ!!」

憂(ん………)

唯「どうしたの? 珍しい……」

憂(あ……お姉ちゃんおはよ……)

憂(ダルい……最近日を追うごとに体が重く感じる……)

唯「今ご飯の支度するね!」

憂(うん……ありがとうお姉ちゃん)

唯「さ! 食べますかぁ~いただきまーす!」

唯「あれ? 憂どうしたの?食べないの?」

憂(最近食欲があんまり……)

唯「食べなきゃこの夏を乗り切れないぞー!!」

憂(う、うん! いただきま……)

ピンポーン

唯「もぐもぐ……ふぁ~い!!」

ガチャッ

梓「おはようございます! 唯先輩!」

唯「もぐもぐ……もぐにゃーん!!」ブパッ

梓「うわっぷ! ご、ごはん中だったんですね……
  すいません!」

唯「いいのいいの! 入って~」

梓「お邪魔しまーす! あっ!おはよう憂~!」

憂(おはよう梓ちゃん!)

憂(ホントに毎日迎えに来るのかな……)

唯「ごちそうさまでしたー! さて……と」

梓「あっ! 洗い物私がやりますよ!
  唯先輩は支度しちゃってください!」

唯「そんな悪いよ~」

梓「いいんです! 気にしないでください」

唯「じゃあお願いしよっかな……ありがとうあずにゃん!」

憂(私の手が動けば……
   お姉ちゃんを手伝ってあげれるのに……)

憂(悔しいよぅ……)


……
………

梓「忘れ物はないですか!?」

唯「大丈夫~!」

唯「よし! 行こっか!憂!」

憂(うん!)

梓「憂は唯先輩と一つ違いでしたよね?」

唯「そうだよ~」

梓「ずーっと唯先輩の支えになってきたんですね……」

唯「うん……憂がいてくれなかったら
  今のあたしはなかったかも」

憂(お姉ちゃん……)

梓「私も……唯先輩の支えになりたい……」

唯「え?」

梓「唯先輩……私にできることなら何でも言ってくださいね!」

唯「うん……ありがとう!」

憂(…………)

唯「ありがとね憂~!」

憂(行ってらっしゃい……)

梓「あの……唯先輩」

唯「なぁに?」

梓「憂……最近ちょっと疲れてるように見えるんです」

梓「毎日の送り迎えもツラそうかなっ……って」

唯「そう……なのかな……
  あたし、憂の顔見えないから……」

梓「これから毎日迎えにきますから! 
  唯先輩の家まで送り届けますから!
  憂を……休ませてあげてもいいんじゃないですか?」

唯「憂……うん、そうする!」


……
………

澪「じゃあ、また明日!」

唯「じゃあね~!!」

憂(さようなら~!)

梓「私も失礼します」

律「あれ? 梓んちそっちじゃないだろ?」

梓「ゆ、唯先輩を送ってこうかと思って……!」

律「そっか! じゃあな~」


……
………

梓「はい……着きましたよ」

梓「憂もお疲れ様……疲れたでしょ?」

憂(疲れてなんかないもん!……ないもん)

唯「ありがとあずにゃんっ!」

梓「じゃあまた明日!」


―――平沢家

唯「さて……と」

唯「うーいー、今日の晩御飯……」

ドタッ

憂「」ハァハァ

唯「憂!? どうしたの!?憂!!」ペタペタ

唯「大変だ……」

唯「憂! 病院へ行くよ!!」

唯「しっかりして! よいしょっと」

唯(あたし一人で行けるかな……)


――病院

医者「ふむ………」

唯「先生……憂は………」

医者「これは仕方のないことですな……」

憂(ん……ここは……病院?)

唯「そんな……元気になりますよね!?」

医者「本人の気力次第でしょうな」

医者「それよりも君……色んなところを擦り剥いてるみたいだけど」

憂(お姉ちゃん……大丈夫……!?)ムクッ

唯「憂……?」

唯「私の心配なんかしなくていいのっ!」

唯「………帰ろうか」

憂(うん……)

唯「ありがとうございましたー」

唯「憂……歩ける?」

憂(大丈夫……お姉ちゃんを家まで連れて帰らなきゃ……)

唯(憂……)


……
………

唯「ただいまー」

唯「憂、ご飯……食べる?」

憂(んーん……ありがとうお姉ちゃん)

唯「いらないか……あたし、お風呂入ってくるね!」

憂(うん!)

憂(どうしちゃったんだろ……私の体……)ぱたっ

憂(お姉ちゃん……私から離れていかないで……)

憂(私……お姉ちゃんしか……)

憂「」zzz


うい! うーい!! ペタペタ

憂(はっ!……私寝ちゃってた?)

唯「こんなところで寝てたら風邪ひくよ? さっ部屋に行こっ!」

ボフッ

モゾモゾ

唯「さすがにこの季節に一緒に寝ると暑いね……」

憂(!! やだやだ!!私暑くてもいい!!
  お姉ちゃんのぬくもり感じてたい!)

唯「憂……どうしたの?」

憂(お姉ちゃん……大好きだよぅ!)

憂(お姉ちゃん……)チュッ

唯「憂……大好きだよ!」ぎゅっ

憂(あぁ……幸せだよぅ……)


……
………

チュン… チュン…

憂(ん……朝……)

憂(今日は体が軽いぞ!)

唯「すぴー」zzz

憂(うふふ……お姉ちゃんの寝顔可愛いっ)

憂(お姉ちゃん! 朝だよ!)チュッ…… 

唯「ん……憂…おはよ~」

憂(お姉ちゃんおはよう!)

唯「調子はどう?」

憂(今日はいいみたい!)

唯「今ご飯の支度するね」


……
………

ピンポーン

唯「はーい!」

梓「おはようございます!」

唯「おはようあずにゃーん!」

梓「もう準備できてるんですね!」

憂(あ……待って!お姉ちゃん!)

唯「憂……今日はあずにゃんと二人で行くよ」

憂(!!)

唯「家でゆっくり休んでて!」

憂(そんな……)

唯「じゃあ行ってくるね!」

バタム

憂(お姉ちゃん……)

憂(寂しい……)

この日を境に私は眠ることが多くなった気がする

夢の中ならいつだってお姉ちゃんと一緒にいれるから……


……
………

憂「お姉ちゃんただいまー!!」

唯「お帰り憂~! ねねっ今日の晩御飯……」

憂「今日は私が作るよお姉ちゃん!」

憂「いつもいつも作ってくれてありがとう……」

唯「え……いいの~?」

憂「任せて! 今日は美味しそうな鳥肉があるんだぁ」

唯「へぇ~! じゃああたしここに座ってるね~!!」

バタム 

―――ただいまー!―――

憂(ん……夢か……お姉ちゃん!?)

憂(私……ずっと寝てたの?)


唯「遅くなってごめんね憂~!」すりすり

憂(お姉ちゃん……お帰りなさい!!)

唯「今ご飯用意するから待っててね!」

憂(いつか……お姉ちゃんにご飯作ってあげたいよぅ)

私は嫌でたまらなかった

お姉ちゃんに何もしてあげられない自分が

認めたくなかった

自分の体が急激に衰えていくのを……


……
………

梓「唯先輩……」

唯「うん……行ってくるね、憂……」

憂(行ってらっしゃい……)

憂(ダメだ……もう玄関で見送ることもできないよ……)

憂(私……どうなっちゃうのかな……)

憂(眠い……)

梓「唯先輩……憂はもう……」

唯「やだ!! 憂は元気になる!!
  絶対元気になるもん!!」

唯「憂がいなかったら私……」

梓(唯先輩……)


―――放課後

ジャジャ ジャジャ ジャーン

律「ふぅ……この時期のドラムは暑くてたまんねーよ!!」

澪「唯……どうした? 元気ないぞ?」

紬「演奏にも覇気がないような……」

唯「え? あ……ゴメンゴメン!!
  集中するからもっかいやろっ?」

律「おおっ!!唯の口からそんな言葉が出るとは……!!
  裏切り者め!!」

澪「お前が一番集中しろっ!」


……
………

律「そういや明日は花火大会だな!」

澪「もうそんな時期か!」

唯「花火大会か……」

唯(そうだ……!!)

紬「ねぇ、みんなで見に行きましょうよ!」

梓「いいですねっ! 唯先輩も……」

唯「わ、私はいいや……」

律「なんだよ~つれないヤツだなぁ」

唯「だってほら……私花火見えないから……」

紬「あ………」

律「そ……そうだよな……」

唯「ううん! 気にしないで~!」

唯「じゃあ私は帰るね!」

梓「皆さんお疲れ様でしたー!」

梓「唯先輩……いつか二人でお祭り行きましょうね!」

唯「お祭りなんてずっと行ってないなぁ~」

梓「唯先輩……浴衣着たら絶対似合うと思います!」

唯「そ、そうかなぁ……えへへへ」

梓「二人で浴衣着てお祭り行きましょう! 約束ですよ!」

唯「うん!」

梓「じゃあ、失礼します」

唯「ばいばーい!」

唯(花火……)


3
最終更新:2011年08月03日 18:01