音楽室
唯「わー!あずにゃん、この猫のキーホルダーどこで買ったの?かわいー!」
梓「駅前に新しくできたファンシーショップで買いました」
紬「ファンシーショップ?」
唯「駅前に可愛いもの屋さんなんてあったっけ?」
梓「だから最近できたんですよ」
澪「へー興味あるな。私も行ってみたい」
唯「澪ちゃんこういうの好きそうだもんねー」
澪「べ、別にいいだろ…!女の子なんだし…」
律「…(チラッ」ウズウズ
紬「唯ちゃん、ファンシーショップって何?」
唯「あーそっかぁ。ムギちゃんはこういうお店いかなそうだもんね」
梓「簡単に言えば可愛いキーホルダーとかぬいぐるみが売ってるお店ですよ」
紬「まぁ!」
澪「ムギはぬいぐるみとか持ってるの?」
紬「そういうのは持ってないの。でも一度ぬいぐるみを買ってみたかったんです!」
唯「そっか!じゃあ今からみんなで行こうよ!ムギちゃんのぬいぐるみデビュー戦だよっ」
律「へー…。お前ら駅前のファンシーショップ行くんだぁ…(チラッチラッチラッチラッチラッ」
唯「あ…私達だけで行ったらりっちゃんに悪いね」
律「え?」
紬「それもそうね…ごめんねりっちゃん。ぬいぐるみはいつか個人的に買うわ」
律「いや、ちょ、え?」
澪「律はああいう店嫌いだもんな。背中がかゆくなるーとか言いそうだし」
律「いや、それは…」
唯「もったいないなー!あんなに可愛いものいっぱい置いてあるのに!ね?あずにゃん」
梓「その点は大丈夫ですよ。お店の隣にゲーセンありますから。律先輩はそこで時間を潰していただければ」
律「!?」
唯「本当!?ねえ、りっちゃん。それでもいい?」
律「…」
律「い、いいに決まってるだろ!何時間でも待ってるっての!アッハッハ!」
律(なんで私はいつもこう…)
唯「さすがイケメンりっちゃん!男らしい!さぁみんな、今すぐ行くよっ」
紬「はい~♪」
梓澪「練習は!?」
ゲーセン
律「…はあ。私も行きたかったのにな…可愛いもの屋さん…」
律「ゲーセンて…女の子一人でゲーセンて…」
律「私だって可愛いものを見たら、可愛いと思う心くらいあるっての…」
律「…」
律「KOFでもやるか…」
チャリン
律「…」カチャカチャ
律「はあ…新しいテディベア欲しいな…」
ファンシーショップ
唯「わー、澪ちゃんあずにゃん!このぬいぐるみ可愛いよー!」
唯「ギュー!プハッ!」
澪梓(唯(先輩)の方が可愛い(です)よ)
澪「おいおい、そんなに顔にくっつけて…汚したり壊したりするなよ?」
唯「わかってるよー。でもぬいぐるみ買う時は、こうやって抱き心地を確かめなきゃだよっ」
梓「あ、それわかります。抱きあげたときにジャストフィットするヤツありますよね」
唯「さすがあずにゃん!わかってるぅ!」
紬「なるほど…ギューってして抱き心地を…」
紬「ギュー!」
澪「ムギまで…」
紬「うん。このぬいぐるみ、すごくいい抱き心地だわ」
唯「お、ムギちゃんはテディベアかぁ。初心者にはもってこいだねっ」
梓「げえっ、ムギ先輩!このテディベア5万もしますよ!」
澪「ああ…1910年モデルのレプリカか…テディベアは高いやつは高いからなぁ」
紬「うーん。でもこれが一番いいと思ったんだけど…」
店員「ぬ?げえっ、紬お嬢様!」
紬「え?」
店員「その眉毛は琴吹グループの紬お嬢様ですよね!?お父様にはいつもお世話になっております!」
唯「まさか」
紬「えっと…ここも琴吹グループの系列だったかしら?」
店員「そうです!こちらのテディベアお買い上げでよろしいですか?お安く致します!」
紬「え…でも悪いわ…」
店員「滅相もない!お父様によろしくお伝えください!よろしければお友だちの分もお安くしておきますよ!」
唯澪梓「やったー!」
ゲーセン
律「はあ…」
…
ゲーセン前
律「あいつらまだかな…もう20人と対戦して飽きちゃったよ…」
律「ちょ、ちょっと行ってみようかな…」
律「いやいや!今行ったらあいつら私をバカにするに決まってる!」
唯『へ~りっちゃんもこういうお店入るんだ~。へ~、ふ~ん、は~ん』
梓『なんかちょっとイメージと違うって言うか…』
紬『幻滅したわりっちゃん…』
澪『縁を切らせてくれ』
律「ぐっはあああ!ダメだ!絶対いかねえ!」
唯「いやーいい買い物だったね!ぬいぐるみ5個で1000円なんて!」
梓「さすがムギ先輩の系列です!ありがとうございます!」
紬「いいのよ。私もぬいぐるみデビューができて、すごく嬉しいもの」
澪「でも安くしてもらうのは今回だけにしような。さすがにお店に悪いし…ところでムギ、名前はもう決まってるの?」
紬「名前って?」
澪「ぬいぐるみのだよ。普通付けるだろ?名前」
唯紬「えっ」
唯「それは初めて聞いたよ」
紬「私も」
澪「え!?嘘!?普通付けないか!?梓は付けるよな!?」
梓「はい」
澪(ホッ…)
唯「あずにゃんはぬいぐるみにどんな名前付けてるの?」
梓「えっと…大和、武蔵、信濃、天城、赤城、長門、陸奥、金剛、比叡、榛名、霧島、それから」
唯「あ、もういいです」
澪「もっと可愛い名前にしようよ…」
紬「澪ちゃんはどんな名前を付けるの?」
澪「わ、私は…」
澪(マリーとかアンナとか…)
澪「…!」カアア///
澪「秘密だ!こういうのは人に言うことじゃないの!」
唯「えー、澪ちゃんから言ってきたくせにー。ぶー」
澪「ほら、律が待ってるから早く行くぞ!アハハ…」
澪(言ったら絶対バカにされるもん…)
唯「りっちゃん、おまたー」
律「お、遅いぞっ!って、そんなに買ったのか!?」
唯「実はこのお店、ムギちゃんちの系列で安くしてもらえたんだー」
律(なんだと!?)
律「えーっと…安売りはいつまでかなー…なんて」
梓「律先輩も買うんですか?」
律「ばっ…!ちげえし!かわねえし!友達にぬいぐるみ好きがいるから紹介しようとしただけだし!」
澪「その友達には悪いけど、安くしてもらうのは今回だけ。お店に迷惑かかるしな」
律(ガーン!)
帰り道
唯「んふふー。もふもふー」モフモフ
梓「幸せそうですね、唯先輩」
唯「あったりまえじゃん!可愛いぬいぐるみがこんなにたくさんあるんだから」
澪「これだけあると部屋の印象もガラッと変わりそうだな」
紬「ところでぬいぐるみを部屋に持ち帰ったらどうすればいいの?」
唯「んー、本人しだいだと思うけど、私だったら部屋に飾ったり洋服着せたり…」
唯「あ、そうそう!買ったばかりのぬいぐるみは、一緒に寝なきゃダメだよっ!」
紬「まぁ!///」
律(やるやる)
澪「あー、それやるよな」
唯「だよね!」
梓「私もやります。夏場だと暑くなっちゃうんですよね」
唯「でも冬場だと暖かいよね~。湯たんぽいらず!」
紬「楽しみだわぁ」
唯「はぁ~、りっちゃんにもこの感情を理解してもらいたいよ~」
梓「人生の3割は損してますよね」
律「…」
澪「律はほら…弟とサッカーとかするタイプだから」
紬「活発なのね」
律「いやまあ、たまにはぬいぐr」
唯「せっかく女の子に生まれたのに可愛いものが嫌いなんて…」
律(嫌いなんて言ってねー!まずい、このままじゃ益々言い辛い雰囲気に)
梓「律先輩は部屋にぬいぐるみ飾ったりしないんですか?」
律「そう!実はさ私m」
澪「ああ、律の部屋、サッカーボールとかグローブにバット、ゲームばっかりだから」
律「…」
律「当たり前じゃん…」
唯「りっちゃんにこの気持ちを理解してもらえるのはまだまだ先かぁ」
律「…」
梓「むしろ一生無理かも…」
紬「まあそれは人それぞれ好みがあるわけだし」
澪「そうそう、無理に押し付けるのは良くないぞ、唯」
唯「ほーい。ごめんね、りっちゃん」
律「……!」ダッシュ!
唯「りっちゃん!?」
唯「急にどうしたんだろ?りっちゃん」
梓「お腹すいてたんじゃないですか?」
澪「そっか…私達、長いことあのお店にいたもんな」
梓「しかも律先輩が嫌いなぬいぐるみの話題ばかりだったから…」
紬「悪いことしちゃったわね」
「…」
唯「そうだ!お詫びの印に明日の部活はサッカーにしようよ!りっちゃんサッカー好きだし!」
澪「そうだな。あとぬいぐるみの話題はなしにした方が良さそうだな」
梓「ですね。律先輩、許してくれるといいけど…」
律「ちっきしょー!持ってるよ!私だってぬいぐるみ持ってるよ!」ダダダ
律「しかも飾ってるよ!悪いかよ!」ダダダ
律「友達が家に来たときは恥ずかしいから押入れに隠してるだけだよ!」ダダダ
律「一緒に寝たりしてるよ!名前も付けてるよ!」
律「そりゃあサッカー好きだけどさあ!可愛いものが嫌い女の子がいるかっての!」ダダダ
律「はあはあ…」
律「叫びながら走ってたら疲れた…」キュー…
りつんち!
律「どうして素直になれないのかね…みんなと一緒に可愛い可愛い言ってればいいだけなのに…」
律「まぁいいや。私は私で楽しんでるし」
ゴソゴソ
律「ただいまージュリエッタ」
ジュリエッタ(律裏声)「おかえりりっちゃん!学校楽しかった?」
律「うーん。帰りにみんなでファンシーショップ行ったんだけど、私だけゲーセンでKOFやってたよ…」
ジュリエッタ(律裏声)「ダメだよりっちゃん!自分に素直にならないと!」
律「わかってるけどさぁ。キャラ的なものもあるし、今さら私がぬいぐるみなんて…」
ジュリエッタ(律裏声)「でも私も新しいお友達が欲しいよー」
律「そっかぁ。じゃあ今度あの店行ってみよっかな。でも一人じゃ入り辛いし…」
ジュリエッタ(律裏声)「私も一緒に行くよ!」
律「本当か!?」
ジュリエッタ(律裏声)「もちろん!りっちゃんは大切な大切な親友だからね!」
律「ジュリエッタ…大好きっ!」むぎゅうう
ジュリエッタ(律裏声)「苦しいよりtty」
ガチャ
聡「姉ちゃん、ウイイレしようぜー!」
律「あ」
聡「あ」
律「…」
最終更新:2010年01月22日 03:46