梓「いらっしゃい」
憂「おじゃまします」
梓「暑かったでしょ」
憂「うん、今日もいい天気だねー」
梓「まあ上がってよ。今うち誰もいないから」
憂「そうなんだ」
梓「親は今家開けてて今週は私一人なんだ」
憂「そうだったんだ。ご飯とか大丈夫?」
梓「うん、自分で作ってるし」
憂「へー梓ちゃんすごーい」
梓「いや、憂に言われても……。そうだ、お昼になったら私がご飯作るよ」
憂「私も手伝うよー」
梓「簡単なの作るから大丈夫だよ」
憂「そう? それじゃあお言葉に甘えて……」
梓「あんまり期待しないでね」
*
梓「おまたせー」
憂「わあ、焼きそばとスープと目玉焼きだ~」
梓「うん」
憂「それじゃあ早速いただくね」
梓「どうぞ」
憂「いただきます。じゃあ焼きそばから……あむ、もむもむ」
憂「おいしい~」
梓「よかったー」
憂(あれ? でもこの濃い味のソースとやけに小さめでふやけてるお野菜、どこかで食べたような……)
憂「それじゃスープも……すす……」
憂「…………?」
憂「梓ちゃん、これ何のスープ?」
梓「え? 焼きそばのそば湯だけど」
憂「焼きそばの……そば湯……?」
憂「あ、梓ちゃん……今朝は何食べたの?」
梓「パンと卵焼きだけどそれがどうかした?」
憂「昨日の夜は?」
梓「えっ、ラーメンと目玉焼き」
憂「き……昨日のお昼は?」
梓「確かうどんと卵焼きだったかな……ってどうして涙目!?」
憂「ご両親が帰ってくるのはいつ!?」
梓「へ? ええと……あと四日くらいかな」
憂「今日からうちに泊まろう? ね?」
梓「え、どうして」
憂「お願いっ!」
梓「いや、私はいいけど憂の家は大丈――」
憂「大丈夫だからぁっ!」
梓「あ、うん……」
*
憂「お姉ちゃんただいまー」
唯「おかえり憂ー」
梓「お世話になります」
唯「あずにゃん!! ……ん? 『お世話になります』って何?」
梓「あ、それは……」
唯「もしかしてうちの子になっちゃうの? ふふっ」
憂「そうだよー」
唯「おいおいマジかよ」
憂「梓ちゃん今家に一人なんだって。だから、ね」
唯「そうだねーそれがいいよ」
梓「何だかすみません」
唯「私は大歓迎だよー」
梓「……ありがとうございます」
唯「今日からあずにゃんも平沢姉妹の一員だぜー」
唯「お姉ちゃんって呼んでもいいよ!」
梓「それは遠慮しておきます」
唯「遠慮しないでさあ……さあさあ」
梓「ええぇ……」
唯「ほらほら!」
梓「う……言うまで粘るつもりですね」
梓「わかりましたよ……お」
梓「おね……うく////」
梓「やっぱりナシ――」
唯「だめー♪」
梓「…………っ……おねえ、ちゃん」
唯「うおおっ……か、可愛すぎる!」
憂「お姉ちゃんいいなー」
唯「えへえへへ」
憂「あっと、ご飯の用意しなきゃ」
梓「私も手伝うよ」
憂「う、うーん……あっ梓ちゃんには明日手伝ってもらいたいなっ!」
梓「え、でも」
唯「まあまあ、ここは私達の妹に任せようよ」
梓「妹に頼りきりの姉はちょっと……」
唯「でもあずにゃんの手料理も食べたかったなー」
梓「そういえばお昼は憂に焼きそばを作りました」
唯「えーいいないいな! 他には何を作ったの?」
梓「目玉焼きと焼きそばのそば湯です」
唯「へぇー」
唯「……え?」
梓「ですから目玉焼きと――」
唯「みなまで言うな、妹よ」
梓「はい?」
唯「憂のご飯をいっぱい食べるんだよ?」
梓「は、はあ……」
憂「ご飯出来たよー」
唯「きたきたっ」
梓「早いね。それにすごく美味しそう」
憂「梓おねえちゃんの為に頑張っちゃったっ」
梓「うっ……は、恥ずかしいよ」
憂「えへへー」
唯「照れてるあずにゃんもかーわいー♪」
梓「唯先輩までからかわないでください!」
唯「違うよ? お姉ちゃんだよ?」
梓「まだやるんですか……」
憂「冷めないうちにいただきますしちゃお?」
唯「そうでした。いただきまーす」
梓「いただきます……ずず」
梓「!」
梓「この味噌汁おいし……」
憂「よかった~」
唯「あずにゃん、もう焼きそばのそば湯を飲んだらダメだよ」
梓「え……そうなんですか?」
憂「あはは……」
憂「あ、でも焼きそば弁当っていうカップ焼きそばがあってね、捨て湯でスープを作れるんだって」
唯「へー面白いね」
梓「今度見つけたら買おうかな」
憂「んー……」
梓「どしたの憂?」
憂「梓お姉ちゃん、明日料理作ろうよ」
梓「その呼び方恥ずかしいって……料理教えてくれるの?」
憂「うん、インスタント以外の料理もあるといいかなって」
梓「そうだね、教えてくれる?」
憂「うん! それと……」
梓「?」
憂「私も『お姉ちゃん』がいいなー」
梓「はっ?」
憂「私も梓ちゃんからお姉ちゃんって呼ばれたいよー」
梓「って憂は私より誕生日後でしょ」
憂「ええー」
唯「じゃああずにゃんが三女って事にすればいいんじゃない?」
唯「ちょうど背の順だよ!」
梓「うぐっ……」
憂「ダメ、かな?」
梓「……まあ憂には料理を教えてもらうし」
梓「お、おね……おねえちゃん」
憂「はわぁぁぁ……!」
唯「いいよねー妹あずにゃん」
梓「うぅ……ごちそうさま!」
唯「もっと言ってよ~」
梓「……お姉ちゃんの料理美味しかったよ」
憂唯「ありがとー」
梓「今のは憂に言ったんです」
唯「お姉ちゃんが二人だと紛らわしいね」
梓「今のは誰でも分かるでしょう」
憂「じゃあこういうのはどうかな? 『唯姉』『憂姉』」
唯「ゆいねえ……!」
梓「ういねえ……それはちょっと」
唯「いいねそれ!」
梓「ええっ!?」
唯「ほらほら呼んでみて!」
梓「……ゆっ、唯姉! 憂姉ぇ!!(やけくそ)」
唯「おお……!」
憂「くすぐったいね!」
梓「これいつまで続けるの……?」
唯「平沢家にいる間は続けてね!」
梓「やっぱり帰ろうかな……」
唯憂「だめー♪」
憂「あ、お姉ちゃん」
唯「ん? オッケー。行くよあずにゃん」
梓「何ですか?」
唯「お風呂の準備だよ」
梓「へえ、憂は何も言ってなかったのによく分かりますね」
唯「憂の事なら大体わかるよ。姉妹だからね」
梓「へえ……」
唯「……」
唯「あずにゃん!」
梓「はい?」
唯「じー……」
梓「な、なんですか?」
唯「私が言いたい事分かるかな? じー……」
梓「え、うーん…………あ」
唯「分かった!?」
梓「多分……」
唯「それじゃあ――」
梓「結構です」
唯「一緒にお風呂入ろ……えー!?」
*
梓「ごめん憂、パジャマまで借りちゃって」
憂「……」
梓「う、憂姉」
憂「えへへいいよー」
唯「私も憂のパジャマ借りちゃった! これでみんな□K□だね!」
憂「三姉妹だからねー」
梓「ふぁぁ……」
唯「それじゃ寝よっか」
梓「え、唯せんぱ……唯姉も憂姉の部屋で寝るんですか?」
唯「だぁってー私だけ一人じゃさみしいじゃん」
憂「一緒に寝るの久しぶりだね」
唯「今夜は寝かさないぜ、妹たちよ」
憂「きゃあーっ」
梓「ふぁぁ……」
最終更新:2011年08月06日 20:48