梓「いらっしゃい」

憂「おじゃまします」

梓「暑かったでしょ」

憂「うん、今日もいい天気だねー」

梓「まあ上がってよ。今うち誰もいないから」

憂「そうなんだ」

梓「親は今家開けてて今週は私一人なんだ」

憂「そうだったんだ。ご飯とか大丈夫?」

梓「うん、自分で作ってるし」

憂「へー梓ちゃんすごーい」

梓「いや、憂に言われても……。そうだ、お昼になったら私がご飯作るよ」

憂「私も手伝うよー」

梓「簡単なの作るから大丈夫だよ」

憂「そう? それじゃあお言葉に甘えて……」

梓「あんまり期待しないでね」


梓「おまたせー」

憂「わあ、焼きそばとスープと目玉焼きだ~」

梓「うん」

憂「それじゃあ早速いただくね」

梓「どうぞ」

憂「いただきます。じゃあ焼きそばから……あむ、もむもむ」

憂「おいしい~」

梓「よかったー」

憂(あれ? でもこの濃い味のソースとやけに小さめでふやけてるお野菜、どこかで食べたような……)

憂「それじゃスープも……すす……」

憂「…………?」

憂「梓ちゃん、これ何のスープ?」

梓「え? 焼きそばのそば湯だけど」

憂「焼きそばの……そば湯……?」

憂「あ、梓ちゃん……今朝は何食べたの?」

梓「パンと卵焼きだけどそれがどうかした?」

憂「昨日の夜は?」

梓「えっ、ラーメンと目玉焼き」

憂「き……昨日のお昼は?」

梓「確かうどんと卵焼きだったかな……ってどうして涙目!?」

憂「ご両親が帰ってくるのはいつ!?」

梓「へ? ええと……あと四日くらいかな」

憂「今日からうちに泊まろう? ね?」

梓「え、どうして」

憂「お願いっ!」

梓「いや、私はいいけど憂の家は大丈――」

憂「大丈夫だからぁっ!」

梓「あ、うん……」


憂「お姉ちゃんただいまー」

唯「おかえり憂ー」

梓「お世話になります」

唯「あずにゃん!! ……ん? 『お世話になります』って何?」

梓「あ、それは……」

唯「もしかしてうちの子になっちゃうの? ふふっ」

憂「そうだよー」

唯「おいおいマジかよ」

憂「梓ちゃん今家に一人なんだって。だから、ね」

唯「そうだねーそれがいいよ」

梓「何だかすみません」

唯「私は大歓迎だよー」

梓「……ありがとうございます」

唯「今日からあずにゃんも平沢姉妹の一員だぜー」

唯「お姉ちゃんって呼んでもいいよ!」

梓「それは遠慮しておきます」

唯「遠慮しないでさあ……さあさあ」

梓「ええぇ……」

唯「ほらほら!」

梓「う……言うまで粘るつもりですね」

梓「わかりましたよ……お」

梓「おね……うく////」

梓「やっぱりナシ――」

唯「だめー♪」

梓「…………っ……おねえ、ちゃん」

唯「うおおっ……か、可愛すぎる!」

憂「お姉ちゃんいいなー」

唯「えへえへへ」

憂「あっと、ご飯の用意しなきゃ」

梓「私も手伝うよ」

憂「う、うーん……あっ梓ちゃんには明日手伝ってもらいたいなっ!」

梓「え、でも」

唯「まあまあ、ここは私達の妹に任せようよ」

梓「妹に頼りきりの姉はちょっと……」

唯「でもあずにゃんの手料理も食べたかったなー」

梓「そういえばお昼は憂に焼きそばを作りました」

唯「えーいいないいな! 他には何を作ったの?」

梓「目玉焼きと焼きそばのそば湯です」

唯「へぇー」


唯「……え?」

梓「ですから目玉焼きと――」

唯「みなまで言うな、妹よ」

梓「はい?」

唯「憂のご飯をいっぱい食べるんだよ?」

梓「は、はあ……」

憂「ご飯出来たよー」

唯「きたきたっ」

梓「早いね。それにすごく美味しそう」

憂「梓おねえちゃんの為に頑張っちゃったっ」

梓「うっ……は、恥ずかしいよ」

憂「えへへー」

唯「照れてるあずにゃんもかーわいー♪」

梓「唯先輩までからかわないでください!」

唯「違うよ? お姉ちゃんだよ?」

梓「まだやるんですか……」

憂「冷めないうちにいただきますしちゃお?」

唯「そうでした。いただきまーす」

梓「いただきます……ずず」

梓「!」

梓「この味噌汁おいし……」

憂「よかった~」

唯「あずにゃん、もう焼きそばのそば湯を飲んだらダメだよ」

梓「え……そうなんですか?」

憂「あはは……」

憂「あ、でも焼きそば弁当っていうカップ焼きそばがあってね、捨て湯でスープを作れるんだって」

唯「へー面白いね」

梓「今度見つけたら買おうかな」

憂「んー……」

梓「どしたの憂?」

憂「梓お姉ちゃん、明日料理作ろうよ」

梓「その呼び方恥ずかしいって……料理教えてくれるの?」

憂「うん、インスタント以外の料理もあるといいかなって」

梓「そうだね、教えてくれる?」

憂「うん! それと……」

梓「?」

憂「私も『お姉ちゃん』がいいなー」

梓「はっ?」

憂「私も梓ちゃんからお姉ちゃんって呼ばれたいよー」

梓「って憂は私より誕生日後でしょ」

憂「ええー」

唯「じゃああずにゃんが三女って事にすればいいんじゃない?」

唯「ちょうど背の順だよ!」

梓「うぐっ……」

憂「ダメ、かな?」

梓「……まあ憂には料理を教えてもらうし」

梓「お、おね……おねえちゃん」

憂「はわぁぁぁ……!」

唯「いいよねー妹あずにゃん」

梓「うぅ……ごちそうさま!」

唯「もっと言ってよ~」

梓「……お姉ちゃんの料理美味しかったよ」

憂唯「ありがとー」

梓「今のは憂に言ったんです」

唯「お姉ちゃんが二人だと紛らわしいね」

梓「今のは誰でも分かるでしょう」

憂「じゃあこういうのはどうかな? 『唯姉』『憂姉』」

唯「ゆいねえ……!」

梓「ういねえ……それはちょっと」

唯「いいねそれ!」

梓「ええっ!?」

唯「ほらほら呼んでみて!」

梓「……ゆっ、唯姉! 憂姉ぇ!!(やけくそ)」

唯「おお……!」

憂「くすぐったいね!」

梓「これいつまで続けるの……?」

唯「平沢家にいる間は続けてね!」

梓「やっぱり帰ろうかな……」

唯憂「だめー♪」

憂「あ、お姉ちゃん」

唯「ん? オッケー。行くよあずにゃん」

梓「何ですか?」

唯「お風呂の準備だよ」

梓「へえ、憂は何も言ってなかったのによく分かりますね」

唯「憂の事なら大体わかるよ。姉妹だからね」

梓「へえ……」

唯「……」

唯「あずにゃん!」

梓「はい?」

唯「じー……」

梓「な、なんですか?」

唯「私が言いたい事分かるかな? じー……」

梓「え、うーん…………あ」

唯「分かった!?」

梓「多分……」

唯「それじゃあ――」

梓「結構です」

唯「一緒にお風呂入ろ……えー!?」


梓「ごめん憂、パジャマまで借りちゃって」

憂「……」

梓「う、憂姉」

憂「えへへいいよー」

唯「私も憂のパジャマ借りちゃった! これでみんな□K□だね!」

憂「三姉妹だからねー」

梓「ふぁぁ……」

唯「それじゃ寝よっか」

梓「え、唯せんぱ……唯姉も憂姉の部屋で寝るんですか?」

唯「だぁってー私だけ一人じゃさみしいじゃん」

憂「一緒に寝るの久しぶりだね」

唯「今夜は寝かさないぜ、妹たちよ」

憂「きゃあーっ」

梓「ふぁぁ……」


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最終更新:2011年08月06日 20:48