*
梓「ん……んんー」
唯「くー」
梓「憂……姉はもう起きてるんだ」
梓「夏休みなのに早いなあ」
唯「んぁ……あれ、あずにゃん?」
梓「あ、おはようございます」
唯「んん……? あ、泊まったんだっけー」
梓「寝ぼけてますね唯先輩」
唯「ん……ゆいねえでしょー」
梓「そこは覚えてるんですね……」
憂「あ、梓ちゃんおはよー」
梓「憂姉おはよ」
憂「えへへ」
梓「いちいち喜ばないでよ」
憂「だってぇ」
唯「……お腹すいた」
憂「ご飯出来てるよ」
唯「わぁい」
梓「起きたら朝ごはんが出来てる……すごいな。一人で生活してみて改めて分かった。憂すごい」
*
憂「私お買い物行ってくるね」
梓「私も行く」
唯「私もー」
憂「あれ、お姉ちゃん今日は和ちゃんと約束があるって言ってなかったっけ?」
唯「え? ……っ!! 今何時!?」
憂「2時だよ」
唯「いってきます!」
憂「あっ夕ご飯はいるの……いっちゃった。後でメールしなきゃ」
梓「あはは……」
憂「私達も買い物に行こっか」
梓「うん」
憂「うーん……」
梓「何考えてるの?」
憂「梓ちゃんにどの料理を覚えてもらおうかなって」
梓「憂に教わったら……お姉ちゃんに教わったら何でも出来そう」
憂「ええ~」
梓「そうだ、私食べたいものがあった」
憂「なあに?」
梓「最近白米食べてなくてさ」
憂「……梓ちゃん、ご飯炊いた事は?」
梓「……無いです」
憂「じゃ、じゃあご飯の炊き方から教えるね」
梓「ありがとうお姉ちゃん……」
憂「梓ちゃんはたまご好き?」
梓「好きっていうかそのくらいしか作れないというか……」
憂「……よし、作るもの決めたよ」
憂「ええと、豚肉、人参、玉ねぎ、キャベツ、ニラ……とりあえずこんな感じかな」
梓「カレー……じゃないか。何だろ?」
憂「簡単に作れるよ」
憂「あとは果物買っておくといいよ。リンゴとかバナナなら手軽に食べられるから」
梓「なるほど」
憂「んっしょ……買いすぎちゃった」
梓「持つよ」
憂「大丈夫だよ」
梓「泊めてもらってるお礼」
憂「そう? じゃあ……」
梓「それにお姉ちゃんに料理教えてもらうしね」
憂「ふふ、お姉ちゃんと買い物に行った時もね、いつも持ってくれるんだよ」
梓「ああ唯姉のことね。そういう所はしっかりしてるんだ」
憂「そうだよー」
梓「ところで何の料理を教えてくれるの?」
憂「えっとね、たまご丼」
梓「たまご丼……カツ無し丼みたいな感じ?」
憂「うん。でもそれだと味気ないからお野菜と豚肉を入れようかなって。あ、それだと他人丼になるのかな」
梓「へえ~」
憂「丼物なら一度にいくつも覚えなくて済むし野菜とお肉も入れられるしね」
梓「なるほど……さすが憂姉」
憂「てへへ。そうだ、あとで
レシピ書いたメモもあげる」
梓「色々ありがと」
憂「うん。それじゃお姉ちゃんが帰ってくるまでに作っちゃおう!」
梓「おー」
*
唯「ただいまー……ん、いいにおい!」
梓「唯姉おかえり」
唯「え? ……おー妹のあずにゃんただいま!」
梓「……今姉妹設定忘れてましたよね? 私すっごく恥ずかしいんですけど」
唯「やだなあワスレテナイヨ。そんなことなかとよ」
梓「唯姉にはご飯抜きかな」
唯「エー?!」
憂「今日は梓ちゃんが作ったたまご丼だよ」
唯「あずにゃんが作った!? 食べたい! すみませんでした許してぇー!!」
梓「はいはい」
唯「いやーそれにしてもあずにゃんが作ったたまご丼かー。あ、そば湯はいらないよ?」
梓「……」
唯「すいません…………おお! 美味しそう!」
憂「たまご丼にお野菜と豚肉入れてみたの。」
唯「おおぉぉぉぉお……すごいよあずにゃん!」
梓「……へへ。でも憂姉が教えてくれたおかげだよ」
唯「ふぅむ……じゃあこの料理に名前をつけよう!」
梓「え?」
唯「そうだな……憂とあずにゃんが姉妹でたまご丼だから……」
唯「特製平沢姉妹ど――あっ」
梓「っ」
憂「?」
唯「……平沢姉妹が頑張って作った野菜とたまご丼、かな」
憂「長くない?」
唯「あ、や、やっぱり? あはは……//// えーっとじゃあ」
梓「いえ! それでいいんじゃないですかね! 私気に入りましたっ!」
憂「そう? 最初の方が――」
梓「あーっ! 私お腹空いちゃったなあー! 唯姉もお腹空いたよね早く食べよう!」
唯「そっそうだねっ! いやーもう限界だよーいただきまーすほら憂何してるの早く食べなよ!」
憂「あ、うん。……?」
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『平沢姉妹が頑張って作った野菜とたまご丼』
■材料(1人分)
ごはん 卵約1個 豚肉50g 人参1/3本 玉ねぎ1/4~半分 キャベツ1枚 ニラ適量
{だし汁50cc 砂糖小さじ1 醤油小さじ1.5} 【みりん小さじ1.5 酒小さじ1.5】
■作り方
1・野菜を切る。玉ねぎは薄くスライス。他は千切り。卵を軽ーく混ぜておく。
2・フライパンに{ }内の調味料をいれて熱する。【 】内の調味料を入れたらカツ丼風味だよ。
3・煮立ったら玉ねぎ、豚肉を加える。
4・肉に火が通ったら他の野菜を入れる。
5・卵を2/3くらいかける。混ぜないで少し待つ。少し固まってきたら残りを入れる。
6・ごはんにのせて出来上がり。
卵は白身を切るように混ぜるといいよ!
分からない所があったらメールしてね! 憂
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梓「憂ってば調味料は全部適量って言うんだもん。適量じゃわかんないよ」
憂「適量は適量だよー」
唯「もぐもぐ……」
梓「お姉ちゃん……おいしい?」
唯「おいしいよ~!」
憂「よかったね梓ちゃん」
梓「あ、う、うん……」
梓「たまご丼とお吸い物と果物があれば私でも一食作れるんだ……」
梓「本当は憂姉みたいにもっとおかず作りたいけど」
憂「それはまた今度教えるね」
梓「よろしく」
唯「んむんむ……お姉ちゃんしやわせだよー」
*
唯「今日は私の部屋で寝よ?」
梓「はい」
憂「私も行っていい?」
唯「もちろーん」
梓「あ、明日って部活ですよね」
唯「おっとそうだった」
梓「明日は家に帰らないと。家の冷蔵庫にたまご残ってるし」
唯「妹が減っちゃう……」
憂「妹がいなくなっちゃう……」
梓「はいはい」
唯「あずにゃんつめたーい」
梓「そんな事言われても……そりゃあ寂しいけど」
唯「んふふ、妹ちゃんかーわいー」
憂「ふふふ」
梓「もう寝ます!」
唯「えーもっとお話ししようよ!」
憂「そうだよー」
梓「ちょ、二人ともくっつかないでよ! うー、あー、暑いっ!!」
*
唯「いつでも帰ってきていいからね……ぐす」
梓「はいはい」
唯「つれないなぁ」
憂「梓ちゃん、えっと……」
梓「また料理教えてね、憂姉。えへへ」
憂「あ……うんっ!」
唯「あっあっ、えーとえーと……」
梓「唯姉は部活に遅れないで来てね」
唯「ふぁ……おっけー!」
梓「それじゃあ、いってきます」
梓「……」
梓「……」
梓「お姉ちゃん、か」
梓「悪くないかも」
梓「……ふふ」
*
梓「こんにちはー」
律「オー来た来た」
唯「あずにゃーん会いたかったよー!」
梓「あれ、お姉ちゃんの方が早く来てたんだ」
律「えっ」
澪「ん?」
紬「お姉ちゃん?」
梓「へ? …………あッ!!?」
唯「あずにゃぁん……!」
律「すげーナチュラルに呼んでたな。ぷっ」
澪「唯の妹になったのかぁ。ふっ」
紬「いいなー私も妹欲しい。フフフ」
梓「あ、いや、これはそのっ……うあああーーっ!!」
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梓「今日は久々に練習した気がする」
梓「夜ご飯は焼きそ……いや、ここは作っちゃおうかな」
ピンポーン
梓「ん、誰だろ?」
梓「はーい」
ガチャ
梓「どちらさ……ま」
唯憂「ただいまっお姉ちゃん!」
梓「あへ……?」
唯憂「今日から私達がお姉ちゃんの妹だよっ!」
梓「…………。と、とりあえず中にどうぞ……」
唯憂「ただいまー!」
END
最終更新:2011年08月06日 20:49