Episode.42
カトレア「…ゴチルゼル!」
ギーマ「クク、キリキザン!!」
キリキザン「キリャー!!」シュッ
ボム!
ゴチルゼル「ゴチルゼー!!」
ザキイイッ!!!!!!
ゴチルゼル「チルッ…!?」
カトレア「ゴチルゼル!」
ギーマ「ふう…まあこんなところかな」
カトレア「…はい?」
ギーマ「今のは“つじぎり”だけど…それも合わせて、俺のエキスパートタイプは何か知っているよな?」
カトレア「言うまでもないですね。あくタイプ…」
ギーマ「そうそう。それで、エスパータイプの技はあくタイプには効果はない……ダメージすら与えられないんだ。
対して、あくタイプの技はエスパータイプに効果は抜群……これがどういうことか分かるよね?」
カトレア「…アタクシが圧倒的に不利」
ギーマ「その通りィ!! 同じ四天王だ。実力が同等なら、勝負を決めるのはそこだよ」
カトレア「………」
カトレア(これは…マズイですね……。ギーマさんの使うタイプがあくタイプだということは、当然存じていたことですが……)
ギーマ「何を考えているんだい? 諦めな、もう無理だよ」
ギーマ「交替だ! レパルダス!!」ボム!
レパルダス「ニャアア!!!」
ギーマ「“つじぎり”!!」
シュッ!
カトレア「…!」
ゴチルゼル「チルッ…!」ダッ
レパルダス「ニャアア!!!」
ガキイイン!!!!!!!
ゴチルゼル「チ、ルッ…」ジリ…
カトレア「ゴチルゼル!?」
ゴチルゼル「チルッ……!」ニコッ
カトレア(! 少しでも、アタクシに考える時間を…!)
ギーマ「悪あがきかァ!? どうもならないぜ!?」
レパルダス「ニャアア…!!」
ゴチルゼル「チル…ッ!!」ギギ……
カトレア(考えろ…考えるのです、カトレア! 形勢逆転の方法を!!
相手はあくタイプ…対してこちらは圧倒的不利なエスパータイプ……この局面をどうやって…。……? エスパータイプ…?)
(アタクシはエスパータイプの専門ですが、エスパーの使い方においては同じ四天王でも、ゴヨウさんの方が上手…。
こんな時、ゴヨウさんならどうする……?)
(ゴヨウさんの戦闘スタイルはランクルスをメインで、様々なエスパー技を駆使して相手を倒すもの。
しかし、アタクシの手持ちは…ムシャーナ、ゴチルゼル、リグレーの三匹……ランクルスのパワーには遠く及ば……)
(…! リグレー?
そういえば、ブラックシティの頂点、最強のトレーナーであるゴヨウさんを倒した
平沢唯さん……あのバトルであの子のムンナが使った“シンクロノイズ”…、ランクルスの内側の細胞を破壊した……もしかして、そうではなく、ランクルスの脳に“シンクロノイズ”が伝わっていた…!?)
(“シンクロノイズ”はランクルスの脳に働きかけ…ムンナの脳波をランクルスの脳に伝えていた…! キーワードは、『脳』…!!)
レパルダス「ニャアアアア!!!」
ドスッ…!
ゴチルゼル「!?」
ゴチルゼル「チルー!?」ズザアアッ!
ゴチルゼル「…チ、ル」ガクッ
パシュッ!
カトレア「ゴチルゼル、よく頑張ってくれました。あなたのおかげで、希望が見えてきました…!」
ギーマ「クク…何を思い付いたかは知らないが、あなたのエスパーポケモンで俺のあくポケモンに勝つのは不可能だよ」
カトレア「ですね……ただし、普通のポケモンバトルにおいてはね」
ギーマ「あん?」
カトレア「リグレー!」ボム!
リグレー「リグッ!」
ギーマ「…クハハハハッ!!
リグレーだって? そんなポケモンで………勝てるわけがないだろうがッ!! レパルダス!!!」
レパルダス「ニャオオオ!!」ダダッ
ギーマ「トレーナーごと引き裂いてやりなァ! “つじぎり”だァ!!」
レパルダス「ニャアア!!」シャキンッ
リグレー「……」
カトレア「……」
レパルダス「ニャアア!!」
キイイイイイイン…ー………
レパルダス「…!?」ピタッ
ボトッ…
レパルダス「ニャ…アア……」ガクガク
ギーマ「な、なんだ! なにがあった!?」
リグレー「リグゥー…」キイイイイン
ギーマ「!」
カトレア「ブレインポケモン、リグレーはサイコパワーで相手の脳味噌を締め付けて頭痛を起こさせる……でもこれ、相手を倒すのにもっと楽な方法があるんです」
カトレア「相手の脳に直接、サイコパワーを伝えるんですよ」
ギーマ「…!!」
カトレア「リグレーは脳についてのスペシャリスト!
脳に伝ったサイコパワーが何をするかお分かりですよね!!」
レパルダス「グ…ガガ………」ガクガク…
ギーマ「レパッ…」
カトレア「ポケモンを戻しなさい! これ以上はレパルダスが持ちませんよ!!」
ギーマ「チッ…!」パシュッ
カトレア「……」
カトレア(まずはこれで一安心ですね…もう彼に対抗策はないはず…)
ドオオオン……!
カトレア「…! 大きな揺れ……広場から!?」
ギーマ「クッ…」ダダッ!
カトレア「あっ…!」
カトレア「しまった……追いかけましょう!」タッ
…
カトレア「…」タタッ
カトレア「ギーマさんはどこに…」
ドオオオン!!!!!!
カトレア「!」
「うおおっ!?」ドサアアッ!
「なんだってんだよー!!」
カトレア「…ってクロツグさん!?」
クロツグ「おお、カトレアか」
カトレア「な、なんでこんなところに寝転がっているのですか?」
クロツグ「別にただ寝転がっているわけじゃないぞ。吹き飛ばされたのだ」
カトレア「吹き飛ば…?」
ザッ!
カトレア「…!」
シキミ「こんなものですか、タワータイクーン」
クロツグ「ぬう、現れたか!」
クロツグ「今度はさっきみたいには…」
カトレア「って! なに押されているんですか!!
それでもフロンティアブレーンの長、タワータイクーンなのですか!?」
クロツグ「いやぁ…トレーナー戦に慣れてしまって、こんな過激なバトルにはついていけなくてなあ」
カトレア「言い訳しないでくださいっ!」ピシャリッ
クロツグ「ひえぇ…」
ギーマ「あなたも結構ピンチだったけどね」
カトレア「…!」
クロツグ「ほら、カトレアも人の事を言えな…」
カトレア「」ギロッ
クロツグ「ひぃっ!」
シキミ「…ギーマさん、プランBですか」
ギーマ「ああ。プランB……」
シキミ「広場に侵入者をおびき寄せ」
ギーマ「もろとも排除せよ」
ゴゴゴ………
クロツグ「…!」
カトレア「この揺れは…?」
クロツグ「…あいつだ! 先程まで私の相手をしていた……ゴーレムポケモン、ゴルーグ!
そいつの地面技!!」
シキミ「ゴルーグ!!」
ゴルーグ「ォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……………!!!!!!!!!
クロツグ「“じしん”、“じならし”、“マグニチュード”。一体どれだ!?」
カトレア「ど、どれでも同じですよお!!」
シキミ「…ギーマさん、プランBですか」
ギーマ「ああ。プランB……」
シキミ「広場に侵入者をおびき寄せ」
ギーマ「もろとも排除せよ」
ゴゴゴ………
クロツグ「…!」
カトレア「この揺れは…?」
クロツグ「…あいつだ! 先程まで私の相手をしていた……ゴーレムポケモン、ゴルーグ!
そいつの地面技!!」
シキミ「ゴルーグ!!」
ゴルーグ「ォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……………!!!!!!!!!
クロツグ「“じしん”、“じならし”、“マグニチュード”。一体どれだ!?」
カトレア「ど、どれでも同じですよお!!」
シキミ「…ギーマさん、プランBですか」
ギーマ「ああ。プランB……」
シキミ「広場に侵入者をおびき寄せ」
ギーマ「もろとも排除せよ」
ゴゴゴ………
クロツグ「…!」
カトレア「この揺れは…?」
クロツグ「…あいつだ! 先程まで私の相手をしていた……ゴーレムポケモン、ゴルーグ!
そいつの地面技!!」
シキミ「ゴルーグ!!」
ゴルーグ「ォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……………!!!!!!!!!
クロツグ「“じしん”、“じならし”、“マグニチュード”。一体どれだ!?」
カトレア「ど、どれでも同じですよお!!」
ゴゴゴゴゴゴ……!!!!!!
ビキ、バキイイ……
クロツグ「ま、まずい…。地面が、割れ……」
ビギィィン!!!!!!!
カトレア「…!!」ヒュウッ
クロツグ「カトレア…!!」
ヒュオッ!
カトレア「きゃ…」
ヒュウウウッ!!!!!
クロツグ「カトレアァアアアア!!!!」
…ー……
クロツグ「……ぐっ!」
ギーマ「クク…」
シキミ「…まずは一人」ニヤ
クロツグ「貴様らアアアアアアアア!!!!」
ボム!
ドレディア「レディー!」
クロツグ「“はなびらのまい”!!!」
ドレディア「レディー!!」ビュワアッ
シキミ「……」ボム!
シャンデラ「ラァー!」
ドレディア「レディ…!」
ボウウッ!!!!
ドレディア「」バタッ
クロツグ「…!!」
シキミ「無駄ですよ。…次はあなたです」
クロツグ「……ッ」
ギーマ「キリキザン!」
シキミ「シャンデラ!」
キリキザン「キリャー!!」
シャンデラ「ラァーッ!!」
ズイッ
クロツグ「…!」
ボオオオオ!!!!!!!!!!
クロツグ「ぐうっ……、……?」
キリキザン「…」
キリキザン「」ドサッ
ギーマ「キリキザン…!?」
クロツグ「? シャンデラの炎じゃない…?」
シキミ「何者ですか!?
キリキザンは倒されましたが、炎技はシャンデラには効きませんよ! 諦めて姿を現し……」
シュン……!
シャンデラ「!?」
シキミ「なっ…“あくのはどう”!?」
ドゴオオン!!!!
シャンデラ「」ガクッ
シキミ「シャンデラ…!」
タッ!
ヘルガー「ガアアッ!!」
シキミ「ヘル、ガー?」
ギーマ「こんなところに何故…」
ヘルガー「グルルル……!」
クロツグ「このヘルガー……」
「ご無事ですか、カトレアお嬢様」
クロツグ「!」
カトレア「うぅ…ん……」ムニャ…
カトレア「!? う、うそ……、え……?」
「地獄の底から這い上がって参りました。…このコクラン」
コクラン「カトレアお嬢様のそのお命、お護りするために!!」
カトレア「コクラン……っ!!」
クロツグ「コクラン!!」
コクラン「…お久しぶりです、クロツグ様。…カトレアお嬢様」
カトレア「な、どうしてコクラン…あなた、生きて……」
コクラン「さあ……死に損ないましたね。これも彼女のおかげですか……」
クロツグ「…!」
クロツグ(カトレアとゴヨウから聞いた話だと、コクランを助けるために“ゆめのせかい”へ、ある少女を行かせたらしい…。
それは失敗に終わったらしいが、だが街には変化があった……)
(……失敗してはいなかったのだ。ブラックシティに花が咲いたのだけではない…、コクランは生きていた……未来が、現在が変わった!!)
カトレア「でも良かった……コクラン、アタクシはとても嬉しいです」
コクラン「ええ、私もまたこの身をもってカトレアお嬢様をお護りできます」
クロツグ「…良かった、良かったな……カトレア!」グスッ
シキミ「……ふっ」
シキミ「二人が三人になったところで!
私たちの勝利は、今更揺らがないんですよ!! 精々無駄な足掻きをするのですね!!」
クロツグ「……じゃあ、試してみるか?」
カトレア「今のアタクシ…いえ、今のアタクシたち……」
コクラン「誰にも負ける気はしませんよ」
最終更新:2011年08月07日 20:53