………
……

《プラズマ団の城―上階》


タッタッタ……

唯「ふぇぇ、つかれたぁー」バタァ

律澪「おい」

律「敵地の真ん中で、呑気なもんだな唯はー」

唯「むうー…でも、ここまで団員さんたちを一人も見てないよ?」

律「大方、全員が下の戦いに充てられてるんだろ」

唯「それじゃあ、ここにいるプラズマ団の人は少ないってこと?」

澪「…確か作戦では七賢人もダークトリニティも、ポケモンリーグか、ここより下の階で待機しているはずだけど…」

唯律「!!」

澪「だから多分…この階やここより上の階に残っているのはゲーチス、ダークトリニティ《改》くらいだと思う」

律「あとNとシルバーか」

唯「さっすが澪ちゃん!」

澪「情報の入手元は褒められたものじゃないけどな…」

澪「……!」

律「? どうした、澪」

澪「いや…この先のホール……」

唯律「…?」

澪「ダークトリニティ《改》が待機している場所だ…」

唯律「…!!」

澪「……」

唯「澪ちゃん、?」

律「まさか…」

澪「…唯と律は先に最上階を目指してくれ。私は……ケリを着けに行く」

律「澪……」

澪「それにここで奴らを放って、後で追ってこられて足止めを食らうのも困るだろ?」

唯律「………」

律「…よし」

律「頼んだ、澪!」

唯「終わったら、すぐ追いかけてきてね!」

澪「ああ、必ず…」

律「…そうだ、澪!」

澪「ん?」

律「騒ぎが全部収まったら、またバトルしようぜ!」

澪「…うんっ!」


サキ「……澪か?」

澪「……」

ミツル「ひゃはは」

サキ「フンフフフ、ゲーチス様の術が解けたみたいだな」

澪「……ゲーチスは?」

サキ「フフ、あの小娘どもを追いかけて行かれたさ」

澪「…!」

ザッ!

ミツル「行かせねえZE☆」

ロゼリア「ロゼー!」

スターミー「トゥトゥトゥトゥル!」

澪「くっ…!」

サキ「…ダークトリニティ《改》。もう解散するハメとなったか」

ミツル「まあ、いつでも補充は利くだろ?」

サキ「フンフフフ、そうだな……まずは、この裏切り者を消すことを優先すべきだよ」

澪「……」カチャ…

………
……

《ダークトリニティの間》


ガチャ…

ダイゴ「へえ、中々いい部屋だ。草木が生い茂って、建物の中とは思えないね」

「お褒めの言葉どうも」

ダイゴ「! 君は…」

デント「サンヨウシティジムジムリーダー兼、プラズマ団ダークトリニティ……デントだ」

ダイゴ「すごい肩書きだね。僕には大した肩書きなんてないけど、でもこの称号には誇りを持っているよ」

ダイゴ「…ホウエン地方リーグチャンピオン、ダイゴ。大悟をもってお相手するよ! ダイゴだけにね!」カチャ

デント「ふふ、言葉の使い方を間違えているのは否めないけど。しかしそれを掻き消すようなシックなテイストだ! 君の目は!!」カチャ



ワタル「『あっついバトル』ね…」ガチャ

モアッ……

ワタル「! ~ッ」

ワタル「なんだこの唸るような熱気は!?」

「ようッ! 待ってたぜ、チャンピオンッ!」

ワタル「お前は…いちいち打つのが面倒臭い語尾を付ける奴!!」

ポッド「ポッドだッ!!」

ワタル「…サザナミタウンの……!」

ポッド「さあ、あっついバトル、おっ始めようぜッッ!!」

ワタル「ふっ…また同じ結果になる! カイリュー!!」ボム!

カイリュー「リュー!!」

ポッド「この前みたいにはいかねえぜッ!」

ボワッ!

「バーオ!!」

ワタル「! 灼熱の炎の中から現れたコイツは!?」

ポッド「ひのこポケモン、バオッキーだッ!
…バオッキーッッ!!」

バオッキー「バーオッ!!」ゴウッ…!!!!

ワタル「!」

ポッド「バオッキーってポケモンはなッ。体内の炎を燃やし、エネルギーにするんだッ!
今ッ、バオッキーの体温は最高点ッッ!! 体には莫大なエネルギーが溜まっているぜッッッ!!!」

ワタル「ボールに仕舞わず、炎の中に居させたのはこのためか」

ポッド「そうッ! そしてッッ!!
そのエネルギーから繰り出される技ッ、“オーバーヒート”ッッ!!!」

バオッキー「バーオォオオオッ!!!」

ボワアアア!!!!!!

ゴウウッ…!!!!!!

ワタル「なるほど…腕を上げてきたようだな。だが…、」

ワタル「カイリュー! “はかいこうせん”!!」

カイリュー「リュー!!」カッ

ドギュウウウウウ!!!!!!!

バオッキー「バオー…ッ!?」

ドオオオン!!!!!!!!!!!

ワタル「俺のカイリューには敵わん!!」

バオッキー「…、」バタッ

ポッド「チッ! 戻れッ、バオッキー…ッ!!」パシュッ

ワタル「ふ、もう諦めるか?」

ポッド「まさかッ! 切り札は最後まで取っておくもんなんだよッッ!!
行けッ、テッシードッッ!!」ボム!

テッシード「ジィー!!」

ワタル「…? ふ、それが切り札か? 笑えないな」

ワタル「切り札とは手持ちで最も強いポケモンのこと! そんなちっぽけなポケモンのことではない!
では強いポケモンとはなにか?」

ワタル「それはドラゴンポケモンだ!! ポケモンで最強はドラゴンポケモンなのだ!!!
カイリュー! “はかいこうせん”!!」

ドオオオオオオッ!!!!!!!

ポッド「ハッ…」

カイリュー「!?」

テッシード「ジィー!!」

ワタル「なに!?」

ポッド「確かになぁ。ドラゴンポケモンは強いよ。だがなぁッ、聞いた話によると、お前のドラゴンポケモンが使う技は“はかいこうせん”。ただそれのみッ!
“はかいこうせん”がどんなポケモンにも効くと思うのかッ!? それで最強を語るな、雑魚がァッ!!!」

テッシード「ジィー!!」ギュルッ!

ワタル「“こうそくスピン”!?
そうか…! “はかいこうせん”のダメージはこれで軽減されたのか!!」

ポッド「それだけじゃないぜッ? テッシードの特性“てつのトゲ”ッ!
身体のまわりのトゲは触れた相手にダメージを与えるッ!!」

カイリュー「リュー…!?」ズキッ…!

ワタル「! カイリューの身体に大量のトゲが…!?」

ポッド「“こうそくスピン”で飛ばしたのさッ! “とげキャノン”みたいなもんだッッ!!」

カイリュー「リュー…!」フラフラ

ポッド「トドメをささせて貰うぜーッ!! もう一度“こうそくスピン”だッッ!!!」

テッシード「ジィー!!!」ギュルッ

カイリュー「…!!」

グサ グサ グサ!!!!

ポッド「ククッ………あ?」

カイリュー「…?」

ワタル「……ッ」ボタボタ……

ポッド「な…ッ!!? お前…!!」

ポッド「正気か!? この大量のトゲを人間が受け止めるとはッ!!?」

ワタル「……。悪いが…俺は“はかいこうせん”以外に技を使う気はない。
だからこうして俺自身がガードに回った訳だが……、覚悟は出来ているだろうな?」

ポッド「覚悟、だって…ッ?」

ワタル「…ポケモンバトルとは、その名の通り、ポケモン同士が戦う! だがそれを指示するトレーナーも、いついかなる時もポケモンと共にいるのだ! 共に戦っている!!」

ワタル「つまりポケモンバトルとは、トレーナーとポケモン、両者が共に戦う……共闘するべきものだ!!!
ならばトレーナーもいつ狙われてもおかしくはない!! ……知っているか? 俺の“はかいこうせん”は人に撃つものだ!!!」

ワタル「カイリュー!!」

カイリュー「リュー!」キッ

ワタル「“はかいこうせん”!!!」

カッ!!!

ポッド「…ッ!!」

ドオオオオオン!!!!!!!!!!!!!!!!




ガチャ…

ワタル「…ケホッケホッ。少々暴れすぎたか。部屋が崩壊してしまった」

カイリュー「リュー」テヘッ

ワタル「……」

ズルズル…

ポッド「」グタッ

ワタル「ふん!」ポイッ!

ドサッ!

ワタル「お前の負けだ! ……チッ、嫌な事を思い出した…。“はかいこうせん”だけを使う俺のスタイル……そのせいでNという子供に負けたんだったな…」


「あの女め……って、いだっ!」

「な、なんだ…ポッド?」

ワタル「…?」クルッ

「あ、あなたは! 確かチャンピオンの…!?」

ワタル「ん? お前は…」

「……」チラ

ポッド「」ガクッ

「…ポッドを倒したようですね、なるほど」

ワタル「ああ、あの三人組の一人か…」

コーン「コーンです! 以後お見知りおきを!!」ボム!

ヒヤッキー「ヒィヤッ!」

ワタル「!」

コーン「ヒヤッキー、“ねっと…」ドガッ!

コーン「…ぎゃん!?」

バタッ

ガブリアス「ガルル…!」

ワタル「! ガブリアス、ということは!」

シロナ「ふうっ、やっと見つけたわ」

ワタル「シロナさん!」

シロナ「あらワタルくん」

ワタル「見つけた、とは?」

シロナ「そのモンジャラ頭の子がバトルの途中で逃げ出しちゃったから。追いかけてきたのよ」

コーン「う~ん…ゲーチス様ぁ~……」

ワタル「俺はこっちの暑苦しい奴を」

ポッド「ゲーチス様…ッ……」ウーン

シロナ「へえ、ワタルくんも突破したのね」

ワタル「? あれ…ダイゴがいませんけど…」

シロナ「まだのようね…確か、真ん中の部屋へ入ったのかしら?」

ワタル「はい。『グッドテイストなバトルを!』だとか」

シロナ「『グッドテイストなバトル』ね…」


《デントの間》


ダイゴ「ナットレイ、“アイアンヘッド”!」

ナットレイ「ナレーイ!」

デント「ヤナッキー、受け止めろ!」

ヤナッキー「ヤナー!」バッ

ガシイイッ!!!!!

ナットレイ「!?」

ダイゴ「“ミサイルばり”で距離をとるんだ!」

ナットレイ「ナ、レーイ!!」ビッ

ババババババ!!!!!!

ヤナッキー「ヤナー!?」

ナットレイ「ナレー!」スッ

タッ……

ヤナッキー「……」

ナットレイ「……」

ダイゴ「ナットレイ! からみつけ!」

ナットレイ「ナレーイ!!」シュバッ

ヤナッキー「ヤナッ!?」

シュルル……

デント「! この距離で届くのか!?」

ダイゴ「“パワーウィップ”をお見舞いしてあげるよ!」

ナットレイ「ナレーイ!」シュルル

デント「くっ…、触手をひきちぎれ! ヤナッキー!」

ヤナッキー「ヤナー!!」ガリッ…

ダイゴ「!」

ビリイイッ!!!!!!!!

ナットレイ「…、」フラッ…

デント「クハハ! 三本ある触手の一本をなくしてあげたよ!!
どうだい、体のバランスがとれないんじゃないかい? あ、それ以前に痛みで目を開けることもできないか!! クハハハハハ!!!」

ナットレイ「、…」

ダイゴ「ナットレイ…」

デント「今度は残りの二本も跡形もなく、ひきちぎってあげるよ」

ヤナッキー「ヤナー!」ギロッ

ナットレイ「……」

デント「…あれ? 既に一本しかな……」

ドゴオオン!!!!!!!

ヤナッキー「ヤナー!?」

デント「…ッ!!」

ヤナッキー「」バタッ

デント「触手…!? まさか…あの痛みで動けるはずが……」

ダイゴ「そうだよね。でも、初めからそれを覚悟していたら? どうだろうね」

デント「な…! 触手をちぎられることを前提として!?」

ダイゴ「まあ後からは何でも言えるけどね。
ナットレイには一つの作戦として伝えていたから、痛みは精神的に軽減されたんだ」

デント「…ッ、」

ダイゴ「だけどこれじゃあナットレイも戦えないね。ありがとう、ナットレイ。戻って休んでてくれ」パシュッ

デント「……肉を切らせて骨を断つ。いいバトルスタイルだけど、外道だね。まさかチャンピオンが作戦でポケモンに重傷を負わせるなんて」

ダイゴ「君の性格を考慮した結果だけど……本当にしてくるとは、やってくれるね」

デント「クハハ! 実は僕たち気が合いそうだね! 同じ外道で!」

ダイゴ「クス…僕、今怒ってるんだけど?」

デント「クク……、いけえ! イシズマイ!!」ボム!

イシズマイ「イーマイマイ!」

ダイゴ「イシズマイか。…ボスゴドラ!」ボム!

ボスゴドラ「ガアア!!」

ダイゴ「“メタルクロー”!!」

ボスゴドラ「ガアア!!」ダッ!

デント「いきなり特攻か……ヘビーなスメ~ルを醸し出しているボスゴドラにはぴったりだけど、でもどうかな?」

イシズマイ「イマー!」キイイン

ボスゴドラ「」ブンッ!

ガキイイッ!!!!!!!

イシズマイ「…」ガチッ

ボスゴドラ「…!?」ボロッ…

ダイゴ「! 耐えられた?」


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最終更新:2011年08月07日 20:55