スタスタ

律「・・・」ボケー

ギュ

律「・・・」

「だーれだ」

律「んー・・・誰だろうな」

「ちょっとぉ」

律「くはは・・・そーだなー。・・・ん~」

「・・・」

律「ずばり、梓さんですね」

パッ

梓「せーかい」ニコッ

ストン

律「隣すわっていいとか言ってないんだけど」

梓「なに?世の中早い者勝ちの席取りレースとか言うの?こんなに場所空いてるのに」

律「別に。つーか、それはお前が私に言ってたことだろ」

梓「そうだっけ?」

律「そうですよ」

梓「あんまりよく覚えてない・・・」

律「さですか」

梓「・・・」

律「てか、なにしてんだ?こんなところで。今授業中だぞ?」

梓「それを先にここにきてたりつが言うんだね」ジー

律「・・・っく!!はいはい、私が悪かったよ!!」アーモウ

梓「今、何の授業?」

律「なんだっけ・・・現国?」

梓「また現国さぼって・・・。そんなに国語嫌いなの?」

律「嫌いっつーか、あんなの授業でる意味ないだろ」

梓「なんで?」

律「なんでって・・・。教科書に載ってる文読んで『ここではどんなことを言っているでしょうか』とか
  『このとき彼はどう思ったでしょうか』とか。そんなの書いた本人にしかわかるわけないだろ?」

梓「そうかな・・・?」

律「そうなの!!考えるだけ時間の無駄!!意味なんてないのっ!!」フンッ

梓「・・・」

律「・・・」

律「なんだよ、いきなりだまっちゃって」チラッ

梓「でもさ・・・」

律「なんだよ」

梓「小説とか論説文とか古典とか・・・色々あるけども、どの文章も結局は人が書いた文章の集まりでしょ?」

律「ん・・・まぁ、そうだな」

梓「だからさ、きっとどんなに意味のない羅列に思えても、その一文一文に必ず意味があって」

律「・・・」

梓「どうしてその言葉が、その一文のその場所になきゃいけないのか、とか。
  小説ならどうしてそのシーンで登場人物にそんな行動をさせたのかとか、
  必ずそれを書いた人の意図がある、って私は思うんだよね・・・」

律「それを書いた人の糸ねぇ・・・」

梓「そういうのを読みながら探して行くの、私は楽しいんだけどなぁ~。りつは楽しいって思えないんだね」

律「むっ・・・国語が誰かさんと私は違うんですよ、きっと」

梓「そうなのかな」

律「そうです、えぇ。自覚ないみたいですけど、絶対そうっ!!ばーかばーか」

梓「ばかは関係ないでしょ・・・ばかは・・・っとにたまに大人げないなぁ、りつは。本当に私の1つ上なの?」ヤレヤレ

律「うっせうっせ!このバカあずさ」バーカバーカ

梓「もうっ・・・なんなのこの人・・・」ハァ

律「あきれるなよ」

梓「あきれるよ・・・いきなりバカ呼ばわりされたら・・・」

律「・・・」

梓「今日、機嫌悪い?」

律「・・・べつに」

梓「私、ここにこないほうがよかったかな?」

律「・・・」

梓「こないほうがよかった?」

律「・・・それはない」

梓「ほんとに?」

律「うん」

梓「ぜったい?」

律「うん、ぜったい」

梓「ならよかった」

律「・・・」

律「その・・・」

梓「?」

律「ちょっと・・・まだ、照れくさいだけ」ポリポリッ

梓「照れくさいの?」

律「・・・」ポリポリッ

梓「そっか・・・」ヘヘッ

律「なんで笑うんだよ」

梓「いや、素直だなぁ~って思って」

律「なんだよ、それ」

梓「べつに~♪」

律「?」

梓「まぁ、さ。なんだかんだいったけど」

律「おう?」

梓「私としては国語が出来るより、気に入った曲があったら片っ端からリズムを耳コピして
幸せそうに時間つぶせちゃう誰かさんのほうがよっぽどすごいと思うけどなぁ~」

律「・・・へぇ・・・」

律「そいつは、すごいやつがいたもんだな」

梓「でしょ?」

律「私の知ってるやつ?」

梓「どうかな?私はよくしってるけど、りつはもしかしたらまだよく知らないかも」

律「へぇ~。・・・でも、そいつのこと私、たまに見かけるよ。あずさの部屋とかで」

梓「そうそう。私も私の部屋でよく見かける」

律「そいつは奇遇だな」

梓「だね。でも、一緒に勉強しててもいつの間にかシャーペンでリズムとってるからうるさいんだ」

律「うるさくて悪かったな」ボソッ

梓「なにか言った?」

律「べつに~なんにも~」

梓「ふーん」

律「なぁ」

梓「ん?」

律「もうちょっと・・・近く、座れば?」

梓「座っていいの?いつも嫌がるのに」

律「いいよ・・・。どうせ授業中だし、こんなとこ誰もこないだろ」

梓「・・・」

律「・・・どうした?」

梓「ん~どうしよっかなぁ」

律「え・・・いやか?近く座るの」

梓「いやっていうか、近くに座るよりさ」

律「うん?」

梓「後ろからこう、ぎゅってしてほしいな、ぎゅって」

律「えぇぇ・・・それはちょっと・・・」

梓「ダメ?」

律「どう考えても恥ずかしいだろ・・・そんなことするの」

梓「でも、誰もこないならよくない?」

律「・・・本当にするの?」ポリポリッ

梓「私は、してほしいな、りつに」

律「えぇえ・・・でも・・・」

梓「あいかわらずヘタレだなぁ」ヨイショ

律「ヘタレじゃねーし」

梓「はいはい。わかったからちょっと足の間広げて」

律「うわ・・・この人自分からきたよ・・・」

梓「だって、りつそうなったら自分からこないもん・・・ぜったい」

律「・・・」

梓「反論は?」

律「ないです。ごめんちゃい」

梓「まったく」ストン

律「・・・おぉ・・・お前、そんな近くまでくるのか」アワワワワ

梓「だってこれくらい近くに行かなきゃ腕届かなくない?」

律「そ、そうなのか・・・こんなこと人としたことないからよく勝手がわかんないなぁ」

梓「したことあってもこっちがこまるけどね」

律「ん?つか、こういうとき手ってどうすればいいの?」ポリポリッ

梓「どうって・・べつにふつーに私のほうにまわせばいいんじゃない?」

律「な、なるほど・・・じゃ、じゃあ。しつれいしますよーっと・・・」スッ

ぎゅっ

梓「・・・」

律「・・・」

律「ど、どうなんだよ・・・いきなり黙るなよ・・・き、きついとか苦しいとかないのか?」

梓「うん」

律「なんだよ。『うん』じゃわかんねーよ」

梓「すっごい安心する」ヘヘヘ

律「そ、そか。そ、そいつはよかったなっ!」

梓「ずっとこうしてたいなぁ・・・」

律「・・・ふ、ふーん」ギュ

梓「でも」

律「え?なに?」

梓「背中にりつの胸の感触がまったくないね。とってもかなしいけど」

律「」

梓(まぁ、そのぶん心臓がすっごいドキドキしてるのわかるからいいんだけどね)フフフ

律「くそ・・・明日から・・・いや、今日から豆乳飲んでやる!!!」

梓「無駄な出費だよ」

律「うるさいっ!!つーか、お前だって似たよーなもんだろーが!」

梓「・・・でね、さっきの誰かさんのことなんだけど」

律(とってもきれいにスルーされた・・・!!!)

律「う、うん」

梓「すっごいはずかしがりなんだ。こないだ手つないだだけで顔まっかっかなんだよ」クスクス

律「へ、へ~・・・ソウナンダ」

梓「うん。でね、最近きづいたんだけど、癖があるの」

律「クセ・・・ですか・・・」

梓「そう。こう、照れたときにね、無意識なのかどうかしらないけど、
  こうやって右手の人差し指で首の根元のとこ ポリッポリッ って掻いてるの」ポリポリッ

律「・・・」

律「・・・」ポリポリッ

律「あ、してるかも」

梓「やっぱ、それ無意識だったんだ」フフッ

律「・・・あ」

梓「ん?」

律「だからさっき笑ってたのか?」

梓「どうかな~?」

律「くそ・・・なんか今になってすっごいはずかしーし・・・」ポリポリッ

梓「ほらまた」

律「あ」

梓「ふふっ、無意識」クスクス

律「わ、笑うなよ!!本当に恥ずかしくなるだろっ///」

梓「だって、言ってるそばから」アハハ

律「ちくしょー///」

梓「ね?」

律「なにが『ね』?」

梓「私はよくしってるけど、りつはよく知らなかったでしょ?」

律「あぁ・・・うん。だな」

梓「もっといっぱいあるんだよ」

律「そうなの?」

梓「そうだよ。しりたい?」

律「・・・いや、今はいいや。心臓がもたなさそう」

梓「そっか。照れ屋だもんね」

律「・・・私だってあずさがしらないあずさ、知ってると思うけどね」

梓「え?どんなとこ?」

律「しりたい?」

梓「教えてくれるなら・・・」


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最終更新:2011年08月25日 22:07