唯「ふふー、ふふーん♪」

律「ゴキゲンだな唯」

唯「そりゃそうだよ、今日はあずにゃんに会いに行く日だからね」

律「なんだー?この前喧嘩したとか言ってなかったかー?」

唯「あ、そうだった――。せっかく忘れてたのにー。なんてこと思い出させるのさりっちゃん」

律「忘れてたってお前、まぁいいか。夫婦喧嘩はどーたらって言うしな」

唯「いやん恥ずかしいからやめて」

律「ほんじゃ私行ってくるから」

唯「ほーい。帰りは朝になるんだよね」

律「澪次第だけど多分……。って唯お前私たちが朝帰りしてるってこと」

唯「ふえ?いつものことじゃあ」

律「いい、いいか。私はもう行くからな。それじゃ」

唯「はいはーい。楽しんできてねー」

律「あ、それと髪もうちょっと整えとけよー」

唯「ほーい」



茶店

澪「ふむふむ」

律「大丈夫、なのかな本当に」

澪「大丈夫かな?ってことは唯をそのまま置いてきたのか?」

律「うんまぁ。だって機嫌良さそうだったしー。遅刻しそうだったしー(朝帰りのこと言われて焦ったしな……)」

澪「律」

律「にゃんだい澪ちゃん?かしこまっちゃって」

澪「馬鹿」

律「なんで馬鹿なんだよー。映画に間に合わなくなるから遅刻するなって言ったの澪だぞー」

澪「最近梓から受けた相談」

律「……ん?」

澪「喧嘩、メールくれない、今更こっちから謝れない」

律「あ、そういえば」

澪「お前は次に『澪、今から唯のところ戻るぞー』と言う」

律「みおーーーー今から唯のところ戻るぞ!!    はっ」


――――

律「でまぁ乗ってきた電車に戻って来たわけだけども」

澪「間に合わない、よな」

律「うん」

澪「だよなぁ」

律「ていうかなんで乗る前に気付かなかったんだよ!!ちょっと考えたら分かるだろ!!」

澪「私だってちょっと気が動転してたんだ」

律「嘘つけー。カッコつけてジョセフの真似してたくせに」

澪「だいたいバカ律が悪いんだろ。梓があれだけ心配してたのに」

律「なんだよ!澪だって二人の仲を上手く取り持とうね、なんて言っといて放置してただろ。それを今になって思い出したみたいにさ、私のせいにして」

澪「律が悪いんだ、すぐ気づいてればよかった」

律「澪が悪い」

澪「律が悪い」


携帯「キルザキーーーーーン♪」

澪「メール来てるぞ」

律「分かってますー、聞こえてますー。んっと、梓からだ」

澪「何だって」

律「唯が待ち合わせ場所に来てないってさ」

澪「そんな」





澪「で、どうするんだよ」

律「とりあえずさ」

澪「うん」

律「降りよっか、電車」



スタバ


律「オープンカフェってあるよな」

澪「あー人気だもんな。ムギも好きだって言ってたぞ」

律「私あれ見る度に思うんだけどさぁ」

澪「うん」

律「こういう雨の日ってさ、そのスペース完全に使えなくなるわけじゃん」

澪「まぁ日傘じゃあ限界あるしな」

律「なんかそれって勿体無くね?その分キャパ減って客入らないわ店員余るわで」

澪「まぁなー。その分晴れの日に客来るからいいんじゃないの?店員さんも丁寧な接客できるしさ」

律「まったく、相変わらず優等生な意見ばっかりだなー澪ちゃんは。だからこの前バーでも」

澪「だってまだ18だし」

律「そうだねーこの話題はこれくらいにしとこうねー。色々危ないから」

携帯「キルザキーーーーン♪」

澪「梓からか?唯来たって?」

律「がっつくなよ、今読んでるんだから。っと、あー駄目だ。連絡つかないらしい」

澪「どうしたんだろうな、唯」

律「あいつの行動は突拍子もないところあるからなー」

澪「それは律もだ(ボソリ)」

律「梓こっち呼ぶ?どうせ唯が捕まらないなら一人じゃあ寂しいだろ」

澪「二人の待ち合わせ場所は?梓はもうそこにいるんだし、遠かったら私たちが出向かないか?」

律「オッケー。電話して相談するか」


どっかの駅前の茶店

梓「あ、律先輩から電話だ」

梓「もしもし。今ですか?えーっと駅前の喫茶店です。エリック・サティっていう、はい」

梓「えっと、今日は澪先輩とデートなんですよね?はい。いや、遠慮っていうか申し訳ないですよ」

梓「あーいやそういうわけではないんですが、はい。」

梓「分かりました。じゃあ待ってるんで来たら連絡ください。外に出ますんで」

梓「え?パンツの色ですか?教えるわけないですよ!!もー、ふざけないでください」

梓「あはは。それじゃまた」


梓「唯先輩、どこにいるの?」


――――

律「飽きた」

澪「   」

律「電車飽きたー」

澪「私も飽きたよ!流石に飽きるよこんだけ乗ってりゃ」

律「今なら切符なしで改札をすり抜けられる気がする」

澪「だめだ律。いくら律の思いつきで乗った電車の切符を目的地の7駅前で降りたとしても」

律「分かったよー悪かったよみおー」

澪「え?私は別に唯の所まで帰るために買った切符をたった2駅で降りたから勿体無いーとか、弁償しろーとか言ってないぞ?」

律「うう」

澪「それにずっと立ちっぱなしで肩が凝ったなぁとか映画のチケットどうしようかなーとか思ってないぞ」

律「みおしゃん」

澪「なーに?」

律「顔が怖い、笑ってないです」

澪「そうかー?もともとこんな顔だろー(マジキチスマイル」

律「焼肉」

澪「個室のカップルシートな」

律「うう……分かったよぅ。だからね、許してくれよ。ほら、そこの席あいたから座ろう」

澪「フフフっ。うん、座ろうか」

律「あ」

澪「なんだ、律?」

律(手握ってくれた。あったかい)

律「なんでもないよ」


茶店

梓「もしもし、今着いた?あー道路の向こう側に見えます」

梓「分かりました。会計してそっちに行きますね」


澪「梓、久しぶり」

梓「澪先輩。お久しぶりです」

澪「ちょっと背が伸びたんじゃない?」

梓「それはあんまりですけど、どうしてですか?」

澪「梓がちょっと大人っぽく見える」

梓「私も3年生ですからね、部長ですからね(エッヘン」

澪「そっか、それもそうだな。どうあれ可愛い後輩に会えて嬉しいよ」

澪「それで唯先輩から連絡は?」

梓「まだです」

澪「うん、私もメール入れてみたんだけど返ってこない。ここじゃあれだからどこか入ろう」

梓「はい」

梓(澪先輩、振る舞いが大人びてる。エスコートするのすっごく上手いなぁ。それにポニーテールも素敵だし)

澪「あずさー聞いてるか?」

梓「あう、えっとはいです」

澪「もう1時過ぎてるけど、唯を待ってたってことは昼はまだだよね?」

梓「はい」(コクリ)

澪「実は私たちもまだなんだ。唯が心配なのは分かるけどお腹すいてちゃゆっくり話もできないかなーと思ってさ」

梓「言われてみるとお腹すいたかもです」

澪「ここはお姉さんに任せなさい」

梓「ご飯行くのは分かったんですけど」

澪「ん?」

梓「律先輩はどこにいるでしょうか?」


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最終更新:2011年09月04日 22:18