澪「…………」ドキドキ…

紬「……っ」ドキドキ…

律「………………」ドキドキ…


――がしゃっ……カタタタタ……

ピピピピ……


………………


澪「……う……そ……!!!」

紬「そんな……まさ……か……!」

律「……あっ……あ……あっ……あああああ!!!」


澪律紬「体重……増えてるーーーーーー!!!!!!」


澪「いやいやいやいや、待て待て落ち着け私、いや、これはあれだ。うん、服だ、服が重いからだ、服を脱げば大丈夫なはず…」ヌギヌギ…

澪「あははは、一応下着も脱いじゃおう、これで確実な体重が計れるぞ、さぁてっと…」

がしゃっ……カタタタタ……


澪「やっぱり変わってないいいいいいい!!!!!」


律「うわあああぁぁぁぁ…………」

紬「も……もうダメぇぇぇぇ!!!」


遡る事3時間前、放課後のお茶会でそれは起こった。


唯「モンブランおいしぃ~~♪」

紬「まだまだお菓子も紅茶もいっぱいあるから、たくさん食べてねぇ~♪」

律「私今が一番幸せ……ん~~、ムギのケーキは最高っ!」

澪「しかし、みんなよく食べるよなぁ」

律「そーゆー澪だってそれ何個目だよ?」

澪「う゛……あ……余らせるともったいないだろ?」

律「まぁねぇ~~」ニヤニヤ

梓「…………」モグモグ…
梓(また、食べてばっかで終わっちゃうのかな?)


律「さぁて……エネルギー補給終了、練習すっかっ!」

澪「そうだな」

梓「は…早くやりましょう!」

唯「いつでもいいよぉ~♪」

律「わん、つー、すりー!」


~♪ ~♪

律「いやー! 良い汗かいた!」

澪「唯もだいぶ上手くなったな、入部当初とは大違いだ」

唯「えへへ~☆ もっと褒めて褒めて~」

梓「まったく、すぐ調子に乗るんですから…」

紬「お疲れ様、ミルクティーとプリンを用意したわ、みんなでいただきましょ♪」

唯「わーい!」

律「をほっ、こりゃまた美味そう…♪」

澪「まだ食べるのか…」

律「じゃあ澪の分は私がもーらいっとっ」

澪「だ、誰も食べないとは言ってないだろっ!」

梓「ムギ先輩、いただきますっ」

紬「ええ、どうぞ~」

ガラッ…

さわ子「お、相変わらずみんなやってるわねぇ」

唯「あ、さわちゃんっ」

さわ子「吹奏楽部も一段落落ち着いたから覗きにきたわよ~、さぁて、今日のおやつは何かしら♪」

律「相変わらずノリノリだなぁ」

紬「うふふっ、今用意しますので少々お待ちを…」


~~~

さわ子「ん~~~~!!!まろやかなプリンにカラメルソースのビターな味がまた最高…」

さわ子「そして…このコーヒーのほのかな苦み…ムギちゃん今日は200点よ~っ♪」

紬「ありがとうございますっ」

唯「このおやつの為に部活やってるようなものだよねぇ~」

梓「唯先輩、それ軽く問題発言です」

唯「えへへ…」

さわ子「っかし、毎日毎日こーんな美味しいお菓子を食べれて、みんな幸せ者よねぇ~」

律「あははっ、まぁ…毎日これだけ贅沢なお菓子を食べれる部活、そうそうないだろうなぁ」


律「さ~て、それじゃあ片付けて帰るとすっか?」

澪「もうそんな時間か…」

唯「ムギちゃん、明日もよろしくね♪」

紬「ええ、まっかせて☆」

律「ん~~~っ……」

と、呑気に伸びをする律、その時、事件は起こった…。


――――ぷちんっ…!

律「んあ?」

澪「律ー、ブラウスのボタン取れたぞ?」
律「わりー、ボタン傷んでたかな?」

紬「あー、何回も着てるとよくあるものね?」
律「そうそう、最近やたら下着もキツくなってきたし…そろそろ新しい下着買おうかな?」

唯「ん~……」

 そして、唯が律の身体を見て一言。

唯「今日も着替えの時に思ったけど、りっちゃん…おっぱいおっきくなったよね?」

律「え、まじで?///そう見える?」

唯「うん」

律「あ……あはははっ! そっか……今に、澪のサイズも越せるかな…?」

澪「あのなぁ…」


さわ子「てゆーか、単に太っただけなんじゃないのー?」

………………

一瞬にして静まる音楽室…。


律「……はい? あの、今…なんと?」

さわ子「いや、ボタンが飛んだり下着がきつくなったりって…、それ明らかに太ってるって事なんじゃ…」
律「それ以上言っちゃ駄目だぁ!!!」バンッ!

さわ子「あのねぇ…」

さわ子「こほん…普通に考えて、毎日あれだけ甘いお菓子を食べてて、太らないなんて事があり得るとでも?」

律「そ…それは……」

澪(確かに……)

梓(言われてみれば…)

紬(考えもしなかったわ…)

唯(…??)

さわ子「私の千里眼によると…澪ちゃんりっちゃんムギちゃん……少し太ったわよねぇ…?」

澪「な…そんな…」
紬「あ…ありえませんっ」
律「そーだそーだ! 大体、それなら唯と梓とさわちゃんはどうなんだよー?」

さわ子「唯ちゃん胸は大きくなったけどウエストに変化ないもの、梓ちゃんも同様に背は伸びたけどそれは成長であって、太ったとは言えないわよ?」

梓「確かに、最近制服が小さくなったので少し大きめのに変えましたけど…」

唯「私いくら食べても体重増えないからなぁ、でもさわちゃんすごーい、よくわかったね~」

澪「さすが…唯に入れ替わった憂ちゃんを見抜いただけはあるな…説得力が…」

さわ子「私は週一でジムで鍛えてるからねぇ、むしろ最近痩せたのよん♪」

律「ぐぬぬ……」

さわ子「まぁ…私の言葉が信用できないってのなら、奥にある衣装を着てごらんなさいな」

さわ子「1年前はみんな問題なく着れてた衣装だし、もしもりっちゃんが太ってないって言うのなら、すんなり着れるはずだけどねぇ」ニヤニヤ…

律澪紬(……っ)

唯「ん~、胸の辺りがキツいけど、着れたよぉ~」
梓「小さい…私本当に背伸びたんだ…」

律「んぐぐ……なんだよこの衣装…縮んだんじゃねーの?」
澪「…せいっ! ……えいっ!」ブチンッ!

澪「ば…馬鹿なっ!」

さわ子「澪ちゃーん、ボタン飛んだわよぉ~?」
澪「そんな…嘘だ…」

紬「ん~~…き…きつい……そ…そんなぁ……」

さわ子「まー、真相は家の体重計が語ってくれるわよ」ニヤニヤ

さわ子「おほほほ…」

―――
――

 それぞれ体重計を見つめ、全裸で呆然とする澪、紬、律の3名。

 その眼に、大きな意思が宿る。


澪「………決めた…」!

律「絶対に…ぜえったいに痩せてやる…!」

紬「頑張らないと…!」


澪律紬「―――ダイエットだ……!!」


澪「とはいっても無茶なダイエットは身体に毒だ、きちんと栄養は摂取しないと…」

澪「ええと…野菜を中心に栄養バランスを考えた食事を取り、脂っこい物は食べず、間食はしない。不足しがちな栄養は栄養剤やサプリメントで補うのも効果的…か。」

澪「それでいて適度に有酸素運動をすれば、体重は落とせる……か」

澪「よし無理せず計画的にやろう。まずは今月中に2キロ減を目標に…やるか」



律「んんん……とにかく痩せる為には運動すればいいんだよな…よし…! 今日から早速筋トレだーーーー!!!」

律「まずは腕立て腹筋100回! ふんふんふんふんふんふん!!!!」


聡(……)

律「うおりゃあああああ!!」ブンブンブン!

聡(ねーちゃんうるさいなぁ…)



紬「何か良いダイエット法、ないかしら」カタカタ…

紬「まぁ…『神秘のパワー、これだけで普段の食生活を続けてても10キロ痩せれます!』…ですって…?」

紬「値段は…1月分が7万円の所好評に付き…5万円っ!? や…安いわ!!これにしましょう!!」

紬「斉藤! さいとー! 至急用意して欲しい物が…!」


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最終更新:2011年09月15日 20:28