律「じゃあなーまたな」

唯「またねぇ」

梓「またです」

律「じゃあなー梓。今日は帰るんだろ?」

梓「あ、はい。これ以上唯先輩に変な勘違いされるの嫌なんで」

律「ははは。んじゃまた明日なー」タッタッタ


律「うわぁー今日は一人でベッド使えるぞおおやったー!」


梓「……」

ピンポーン

梓「……ママー、ただいま」

シーン…

ガチャ

梓「あ、ただいm」

ガランッ

母「そこでそれ食べてなさい。入ってこないでよね」

バタン

梓「……」

梓「ねこまんま……」

梓「……」モグモグ


梓「……ごちそうさま」カラン

ぐぅ~っ

梓「……」ピンポーン

梓「ママー、食べ終わったよ」

インターホン『寝る時間になるまで外いなさい』ブチッ

梓「…………」

猫「ニャーゴ」

梓「……にゃーぉ」

猫「ニャァアー」

梓「野良にゃんだよーん」

猫「……フシッ!……」スタスタ

梓「あっ」

梓「……」


梓「……野良にゃんだよ~ん。へへ…」テクテク

―――


律「やーっほやっほやっほやーっほやほー!」ブラブラ

聡「姉ちゃん恥ずいから黙って歩けよ……アイス買いに行くぐらいではしゃぐなって」

律「あぁ?うるせ、今日は久々に自由だからなぁ!」

聡「そういえばそうだ。流石に今日も居たらどうすんのかと思 うわぁあ!!」

律「なんだ人の事言っといてお前もデケー声出してんじゃねーよ」

聡「い、いやあれ……コンビニの脇で正座してるの」

律「ん?…あ!梓じゃん……何してんだあいつ」

梓「ニャンニャン…ニャーン……」グリグリ

猫「……」モグモグ

律「おい梓、何してんだ?」

梓「あっ。律先輩」

聡(俺も居るんだけど……)

梓「見ての通りですよー、のらねこに餌をあげてるんです」

猫「ニャー」モグモグ

律「え、ずっとやってたの?」

梓「違いますよ。家に帰ってご飯食べたらアイス食べたくなったんで、それで出てきたんです」

律「でも制服じゃん。カバン持ってるし」

梓「女子高生ルックが好きなんですよー。なんですかぁ……文句あるんですかぁー……」

律「べ、別に文句はないけどさぁ」

聡「姉ちゃん俺中でアイス見てるよ」

律「あ、あぁ」

梓「……先輩も買いに来たんじゃないんですか?」

律「ん……そ、そうだな。梓ちょっと待ってろよそこで」

梓「……」

猫「ニャーン」

ガーッ


聡「何にしよっかなぁ」

律「……」

聡「あ、姉ちゃん。梓さんもう帰ったの?」

律「いや外に待たせてるよ。さっさとアイス選ぼうぜ」

聡(あれれ……もしかして今日も泊めるのかな)

律「私これでいいや、しろくま。聡決めた?」

聡「俺ガリガリ君!」

律「君何ガリ君?ってやかましいわ」

聡(うわっ……)


店員「168円になりゃーす」

チャリチャリ

店員「あしたァーっ」

ガーッ


律「はぁ。梓お待たs あれっ」

猫「ニャーン」

聡「いないじゃん」

律「待ってろって言ったのに……」

聡「ん?あれそうじゃない?」

律「あ!あんなところに……おい聡アイス持って先帰ってろ」

梓「たーんたーんたーぬきーのき○たーまは~」カンッカカンッ

梓「かーぜーもなーいのーにぶーr」
律「梓!」

梓「」ピタ

律「はぁっ、はぁ……ま、待ってろって言ったろ……ハァ」

梓「なんですか?」

律「えーっと……送ってやるよ」

梓「えっ。い、いいですよ」

律「いやでももう遅いし、物騒だろ?」

梓「律先輩はどうなんですかぁ……帰り一人ですよ」

律「私は部長だから大丈夫なんだよー」

梓「で、でもー」

律「いいからほら、ギター持ってやるよ」ヒョイ

梓「……」

律「行こうぜー」

梓「じゃあ近くまででいいですから」


梓「……」ソワソワ

律「ん、どした」

梓「あ、ここまででいいです。ギターどうもでした」

律「えぇーせっかくだから家見せてよー」

梓「」

律「何、だめなの?」

梓「別にだめじゃないですけど……(時間まだ早い…)」

律「じゃあいいじゃん(怪しいなやっぱ)」

梓「……じゃあほんと家の前までですよ……」

律「分かってるって。別に茶出せとか言わないよ」

梓「ほんとですかぁー」

律「ホントだって」

梓「……ここです」

律「ここ?うわーなんかカッコイーな!」

梓「じゃあまた明日」

律「おー、じゃあな」

梓「……」

律「……」

梓「……」チラッ

律「ん、何?」

梓「ま、また明日」

律「うん」

梓「……また明日~」

律「なんだどした。また明日な、分かってるよ」

梓「いや、帰らないんですか?」

律「梓こそ家入らないのか?」

梓「は、入りますよ」

律「? なら早く入ればいいじゃん。何、入り辛いの?」

梓「そんなわけないですよ」グッ

ガダン

梓「」

律「あれ、鍵閉まってんのか?親いないの?」

梓「う、うちは常に鍵閉めてるんですよ。防犯意識高いので」ゴソゴソ…チャリ

ガチャコ

梓「えーっと、じゃあもう入るんでこれで……」

律「おお。じゃあな」

ガチャ

梓「ただいまぁ~……」コソコソ

梓(……)ギシッギシシ…

母「何してるの」

梓「!!」

母「まだ早いじゃないの。何勝手に入ってるの!」

梓「あっ、大丈夫だよすぐ部屋行くから」

母「ギターなんか持って…お父さん刺激しないでって言ってるでしょう!」

梓「ごめ……」

母「勝手に入った罰として鍵は没収します、よこしなさい!」バッ

梓「あっ」

母「ほら出ていきなさい!」

梓「わ、分かったから乱暴しないで」タッタッ


バタン!

梓「……」

猫「ニャーゴ」

梓「何見てるんだよぅ…… …あっ」

律「……」

梓「ま、まだ居たんですかぁ先輩。帰らないんですかぁ」

律「……」

梓「に、ニャァ~ン…」

律「……」

梓「……夜風に当たりMAX」

律「……」

梓「……なっ、なんですか……どうしろっていうんですかぁー…」

律「どうもしないくていいから。おいで」

梓「……」テクテク


聡「姉ちゃんお茶持ってきたからここ置いとくよ……」

律「……」

梓「……」

律「……なぁ、あのさ」

梓「あ、いいんです。ママは悪くないんです、私がわがままなだけですから」

律「……訊かれたくないって気持ち分かるけどさ……」

律「ほんといいんです」

律「……今日うち泊まってくか……?」

梓「えっと……だ、大丈夫です。あと2時間ぐらいしたら家入れると思うので。 それまで居させてもらいます……」

律「え……いいのかそれで」

梓「慣れてることなので」

律「な、慣れてるって……」

梓「同情しないでください。かわいそうな子だって思われたくないんです」

律「そ、そんな風には思ってないよ……でも私にお姉ちゃんになって欲しいとかさ、梓寂しかったんじゃないのか?助けて欲しかったんだろ?」

梓「……し、知られる前の話ですから。すいません私やっぱりもう行きます」

律「待てって!ここにいろって」グイ

梓「……」

律「な。母さん達梓の事気に入ってるしもう一日ぐらい別にどうってことないって」

梓「その後はどうするんですか」

律「えっ」

梓「結局私は帰らなきゃいけないんです」

律「……」

梓「だから知られるの嫌だったんです」

梓「同情されて優しくされて、でもそれで解決出来ることじゃないって分かってますから」

律「で、でも……」

梓「高校出るまでがまんすればいいだけです」

律「……」

梓「ごめんなさい、お邪魔しました」ガチャ

梓「あ、唯先輩達には言わないでください。お願いします」

バタン

律「あ……」


聡「あ、あれ?梓さん帰ったの?」

律「くそっ!」ドンッ

聡「ひぃ」

律「なんだ私、なさけねー……ちくしょうっ」ボフ

―――

澪「ふんふんふん」テクテク

澪「ぼっちでごわす!ははっ、いい歌詞浮かんだぞ~」

ドンッ

澪「あたっ」

梓「……」

澪「うわっ!」

澪「梓何してんだこんな時間に」

梓「澪先輩こそ……何がぼっちでごわすですか」

澪「!!??」

澪(聞かれてたのかよおおおお)カァーッ//

澪「わ、わ、私はこの静けさ広がる落ち着く時間に散歩して歌詞考えてただけだ!」

梓「ぼっちでごわすがですか?」

澪「ば、馬鹿にしてんのか!?」

梓「別にです」

澪「……っていうかそのカッコ、まだ家帰ってなかったのか」

梓「いけませんか?」

澪「そうは言わないけど……もう9時前だぞ」

梓「まだそんな時間ですかー……」

澪「いやもうだろ。もう9時前だよ」

梓「そうですか」

澪「そうだろ」

梓「じゃあ先輩はもう帰るんですか?」

澪「あー、私今からラーメン食べにいくとこなんだ」

梓「え、こんな時間にですか?」

澪「夜からしかやってない店があるんだよ~、うまいんだぞ」

澪「そこで食べてお気に入りのスポットでしばらくボーっとしてから帰るんだ」

梓(うわっ、ぼっちっぽい趣味……)

ぐぅ~っ

澪「あれ、梓今お腹鳴ったか」

梓「お腹空いてるんで……」

澪「ふーん……」

梓「私もラーメン行っていいですか?」

澪「え!?あ、あぁ」

梓「おすすめなら食べてみたいです」

澪「そ、そうか!食べてみたいかー!ははっ、そうかー!」

梓「早く行きましょう」グゥウ

澪「行こう行こう!ホントにおすすめなんだぞぉ美味いんだぞー!」

梓「も、もう分かりましたから……」

澪「」

澪(おすすめのお店に連れて行くなんてぼっちには、馴染みのないシチュについはしゃいでしまった……」

梓「声出ちゃってますよ」

澪「あっ!!? ……//」

梓「夜からって夜しかやってないんですか?」

澪「早朝までかな。9時から開くんだけど常連はちょっと先に注文しちゃうんだ」

梓「先輩常連なんですか?」

澪「まぁねええええ~っ」

梓(……ちょっとウザい)


9
最終更新:2010年01月24日 01:33