前回までの状況(トレーナとポケモン)
梓 ゆい ハッサム ヘルガー イーブイ ニューラ ガルーラ ハクリュウ ポリゴン2 プテラ ラプラス
澪 ゼニガメ エビワラー デンリュウ
律 リザードン サワムラー ニョロボン レアコイル
ムギ フシギバナ カポエラー ギャラドス
純 うい カビゴン ゲンガー
グレンタウン編③ 「思い出」 以下、投下
今回のメンバー ゆい ハッサム イーブイ ハクリュー プテラ ラプラス
「どこまで、見渡しても青い海、青い空。なんか、楽しい気分になるよね」
「言ってることは分かりますけどね」
「なんか、テンション低いよ、あずにゃん」
「それは、まあ、あげる理由もありませんし」
「私と一緒にいるんだよ。もっと、あげていこうよ」
「そう言われても……」
私達はセキチクシティを出発し、ラプラスに乗って、グレンタウンに向かっているところです。
「だいたい、何をやってるの?」
「新しく、仲間になったラプラスの技とか能力とかを調べたんですよ。後、どんな戦術で戦うべきかとか」
「そんなの夜にでもやればいいよ。ポイしちゃいなさい」
「そんなことしたら、もう二度とゆい先輩とは口をききません」
「ごめんなさい」
素早く謝る、ゆい先輩。
「やれやれですね。分かりました。何か、お話しでもしますか」
ラプラスの背中では狭いですしね。
「うーん、特にこれといってお話しすることもないんだよね」
毎日一緒にいますからね。
「だから、ここはいちゃつこう」
「はい?」
また、突拍子もないことを。
「いちゃつくというのは?」
「だから、私を抱っこしたり、頭をなでたり、もし、あれだったら、キ、キスでも……」
「最後のは却下で」
「あう~。……まあ、いいや。あ~ずにゃ~ん」
ゆい先輩は私の胸の中に飛び込んできます。
「にゃっ。……もう」
「すりす~り」
ほっぺをこすりつけてきます。
「……くす」
1時間後
「いくらなんでも長すぎですよ」
「あずにゃんも止めなかったじゃん」
「まあ、そうですけど」
「ラプ(仲がいいなあ)」
「後、どれくらいだろうね」
「まだまだですよ。気長に待ちましょう」
「頑張ってね、ラプ太」
「ラプ」
「ところでさ、あずにゃん」
「なんですか?」
「私と出会う前に、オーキド研究所で澪ちゃん達と助手をしてたんだよね」
「はい」
「その時のお話を聞きたいな」
「別に面白くありませんよ」
「そんなことないよ。私は私と出会う前のあずにゃんがどんな感じだったか知りたいし」
「知っても、特になることはないと思いますけど」
「いやいや、あるよ。もっと、あずにゃんのことが好きになるかもしれない」
「……分かりました。少しだけですよ」
「わーい」
「それじゃ、どこから、話しましょうか」
「とりあえず、助手になった頃とか」
「分かりました。それじゃ……」
回想
「ここが、オーキド博士の研究所……」
オーキド博士とは、ポケモン研究に関する第一人者で、マサラタウンに自分の研究所を持つ有名な人で、この人に憧れているトレーナーも多い。
「ここで、頑張って、私もポケモンマスターになろう」
私は気合を入れて、ドアを開ける。
「すいませーん。助手希望なんですけどー」
ドアを開けて、中を見ると、カチューシャをした女の人や黒い髪のロングヘアーの女の人、そして、金髪のウェーブのかかったロングヘアーの
女の人の3人の人がお茶を飲んでいました。
「えーと、何だっけ?」
「助手希望なんですけど、オーキドはか……」
「確保だー!!」
「にゃーー」
~~~
「そんな感じで、皆さんに出会いました」
「楽しそうだね」
「まあ、つまらなくはないですけどね」
「で、続きは、続きは?」
「そうですねえ」
回想
「名前はなんていうんだ?」
「年齢は?」
「年は15歳です」
「好きなポケモンは?」
「それは……」
「尊敬するトレーナーは?」
「えーと」
「とりあえず、落ち着け」
私を質問攻めにする、カチューシャの女の人と金髪のウェーブのかかったロングヘアーの女の人を黒い髪のロングヘアーの女の人がなだめます。
「ごめんな」
「あ、いえ、大丈夫です。えーと……」
「私は
秋山澪だ。年は16歳だから、中野さんの一個上だな」
「私は
田井中律。年は澪と同じ、16歳だ。よろしくな」
「私は
琴吹紬よ。年は澪ちゃんとりっちゃんと同じよ」
「皆さん、よろしくお願いします。ところで、オーキド博士は?」
「騒がしいのう、お客さんかの?」
奥から、初老の白衣を着た人……オーキド博士が出てきました。
「あ、博士。助手希望の人が来たぞ」
「またかのう。助手はお前さんだけで十分なんじゃが」
「まあ、そう言わないで、選考だけでも……」
「仕方がないのう。では、簡単な試験じゃ」
「し、試験ですか?」
「うむ。律君」
「なんだ?」
「このポッポを使って、この子……すまない、名前はなんだったかのう」
「中野梓です」
「そうか、梓君でいいかの。わしはまあ、知ってると思うが、オーキドというんじゃ」
「よろしくお願いします」
「うむ。それで、律君。君はポッポを使って、この梓君と戦ってほしい」
「おー、分かった」
「でも、私にはポケモンは……」
「安心せい。梓君にはこれを貸そう」
そう言って、博士が渡してくれたのはコラッタです。
「これで戦うんですか?」
「そうじゃ」
「勝てばいいんですか?」
「なんだ~、随分、自信があるじゃないか」
「べ、別にそんなわけでは……」
「勝てば、問題なく、合格じゃ。じゃが、負けても、合格になることもある。とにかく、頑張るんじゃな」
「わ、分かりました」
「それじゃ、外に行こうかのう」
~~~
「というわけで、テストを受けることになりました」
「合格したの……って、してなかったら、私と出会ってないよね」
「くす。そうですね」
「それで、りっちゃんと戦ったんだよね」
「ええ、まあ」
「それにしても、私達が旅に出る時も、初めて戦ったのも、りっちゃんだし、いろいろと、縁があるんだね」
「不思議な縁ですよね」
「私ももっと早く、あずにゃんに出会いたかったよ。そうしたら、一緒に博士の助手で頑張れたのにね」
「そうなってたら、どうなってたんでしょうね」
「想像も出来ないよ」
「でも、私はこれで良かったと思いますよ」
「そうかな?」
「そうですよ。……だって」
「?」
「早く出会ってたら、他の人のポケモンになっちゃうかもしれないじゃないですか」
「あう~、あずにゃん」
テレテレと顔を赤らめるゆい先輩。
「プイ」
「ふふふ、あずにゃん、顔真っ赤」
「う、うるさいです」
「でも、大丈夫だよ。早く出会ってても、私はあずにゃんのポケモンになるよ」
キリッとした、顔でいうゆい先輩。私の腕の中にいるので、距離が近いですね。
「……とにかく、続きを話しますよ」
「そうだね、お願い」
「では……」
回想
オーキド研究所・外
「では、戦いを始めよう。準備はいいかのう?」
「おう」
「ちょっと、待って下さい」
「どうしたんだよ。私にびびったなら、手を抜いてやってもいいぜ」
「そうじゃ、ありません。今、初めて、コラッタを使うので状態だけでも見たいので」
「ほう……」
「へえ」
「なるほど」
オーキド博士達はなにか、珍しいものを見るように私を見ます。あれ、なにか、おかしなこと言ったかな?
「あのお……」
「おっと、すまんすまん。好きにしてくれてかまわん」
「は、はい」
私はボールから、コラッタを出します。
「コラッ」
可愛いなあ~。
ナデナデ
「コラッ」
コラッタは私が優しく頭をなでると、気持ちよさそうな顔をします。
~~~
「むう~」
「何で、急に機嫌を悪くするんですか?」
「だって、……だって、ただ、撫でたかっただけじゃん」
「別にそれだけのためじゃないですけどね」
「私も撫でて~」
「はいはい」
ナデナデ
「えへへ~」
「それじゃ、続きを」
「うん!」
回想
さて、周りの状況は……っと。周りは平地。地面には中央部分は土で、特に草とかが生えてはいません。ただ、周りには草が生い茂っています。そして、大きな木が一本生えています。お父さんの話とかを聞くと、周りの環境を利用しろって、言ってましたからね。この状況をどう利用していきましょうか。
「さっきから、中野さん、一生懸命コラッタを撫でてるわね。そんなに可愛いのかしら」
「それはどうかな?」
「え?」
「中野さんの視線を見てみろ。コラッタではなく、周りの、戦う場の様子をしきりなく、見ている」
「たしかにそうね」
(相変わらず、いいところに目をつけるのう)
「じゃあ、澪ちゃんなら、どう戦う?」
「そうだな。……相手はポッポだからな。草むらに隠れて、攻撃するために近づいてきたのを地道に攻撃だな。ムギは?」
「私は澪ちゃんと同じで、草むらに隠れるわね。それであなをほるをさせるわ」
「でも、ポッポはひこうタイプだぞ」
「そうね。でも、草むらにいると思って、地面に近づいてきたところを背後から、攻撃を仕掛けるのよ」
「なるほど」
(ふむふむ、いい戦略じゃ)
「ただな。この戦略には一つ大きな問題がある」
「ええ」
「まあのう。律君もそこをついてくるだろうからのう」
「なあ、中野さん、まだー?」
「あ、はい。もう、大丈夫です」
「では、両者、準備はいいかのう」
「はい」
「ああ」
「では……」
「「「バトルスタート」」」
「コラッタ、草むらに逃げ込んでください!」
「コラッ」
コラッタはスタコラサッサと草むらに逃げ込みます。
「これから、どうなるかだな」
「ええ」
「やはりそうきたか。ポッポ、かぜおこしだ!」
ポッポはコラッタの逃げ込んだ草むらに翼で風を起こし、攻撃を仕掛けます。
「まあ、そうくるよな」
「ええ」
「たいあたりで近づくよりも、かぜおこしで空から攻撃の方が明らかに有利だしのう」
「これをどう乗り越えるかだな」
「博士の野望のためにもね」
「それはまあ……いいんじゃがな」
ポッポの攻撃を受けた草むらは風の衝撃で全部、抜けてしまいました。
「これで隠れるスペースが減ったな」
「いえいえ、ここまでは予想通りです」
「ほほう、ならば、もういっちょだ。ポッポ、かぜおこしだ!」
ポッポはコラッタの隠れている、草むらに再び、かぜおこしを仕掛けます。
「コラッタ、逃げてください」
ポッポの攻撃を受けた草むらは風の衝撃で全部、抜けてしまいました。
「逃げてばかりじゃ勝てないぜ」
「……」
「一体、何を考えてるんだ」
「といっても、逃げるしかないけどね」
「それはどうかのう」
「「え?」」
「梓君の狙いは逃げることではないと思うがのう」
「でも、この状況では……」
「……いや、ある。1つだけだけどな」
「分かったの、澪ちゃん」
「ああ。だが、これは賭けに近いぞ」
「それは一体……」
「それは……ゴニョゴニョ」
「な、なるほど。でも、それはコラッタにも能力がないと」
「うむ。ポケモンを信じてなければ、できん戦略じゃな」
「くそ。どこまで、逃げんだよ」
コラッタは木の近くまで、追い詰められました。
「だが、もう、隠れられる、草むらはない」
「……」
「トドメだ。ポッポ、かぜおこし!」
「……今です!コラッタ、木を駆け上ってください」
ポッポの攻撃と同時に、コラッタは木を駆け上ります。
「一体、何をする気だ」
コラッタは上まで、駆け上り、ポッポに向かって、飛び掛ります。
「コラッタ、ひっさつまえば!」
コラッタはポッポの首筋に鋭い前歯を使って、噛み付き、落下していきます。
バーン
2匹は落下し、煙が巻き起こります。
「どっちが勝ったんだ」
「……」
最終更新:2011年09月21日 01:01