今回のメンバー ゆい ハッサム プテラ カイリュー ニューラ イーブイ

梓「さて、律先輩達を助けに行かなくちゃ」

ゆい「そうだね。ビリビリ。でも、手持ちの。ビリビリ。ポケモンで無事なのは。ビリビリ。私だけだよ」

梓「……まひは大丈夫ですか?」

ゆい「大丈夫、大丈夫。ビリビリ。すぐに治るよ。ビリビリ」

梓「……ちょっと、気に入ってますよね。そのビリビリって」

ゆい「分かる?ビリビリ」

梓「……ビリビリっていうのをやめて下さい」

ゆい「ほーい」

その時、グレンジムの壁がどこかの野球少年が窓ガラスを割ったかのように粉々になり、ニドキングが倒れてきました。

律「これで最後か。おーい、あずさー。無事かー」

そんな声とともに、律先輩が現れました。

梓「律先輩!」

律「おお、梓。和はどうした?」

ゆい「私達が倒しました!」

律「そうか。よくやったな、梓」

ナデナデ

梓「えへへ」

ゆい「え、なに。この扱いの差」

律「冗談、冗談。ゆいも頑張ったな」

ゆい「まあね!エッヘン」

カツラ「おお。梓君も無事じゃったか」

梓「カツラさん!」

ジョーイさん「梓ちゃん、怪我はない?」

梓「ジョーイさんまで。一体、どうしたんですか?」

律「実はかくかくしかじか」

梓「なるほど。皆さん、無事で良かったです!」

私達はサヨナラ勝ちを収めた野球チームのように騒ぎます。

律「まあ、こんなところで和んでるわけにもいかないんだけどな」

梓「ええ」

今も上空ではサンダーが縦横無尽に雷を落としていますし。

ゆい「でも、私も含めて、回復しないと戦えないよ」

梓「そうですね。ポケモンセンターも使えないし、一体どうしたら……」

突如、ゴロゴロビシャーンという音ともに外が暗闇で急に電気がついたかのようにまぶしく光ります。

律「奴が来たのか」

梓「どうしましょう。私に戦えるポケモンがいません」

ゆい「私がいるよ~」

梓「まともな状態でも勝てるか分からないのに、そんなまひ状態だとボロ負けならまだましで、最悪、死にますよ」

カツラ「ポケモンセンターの回復させる機械があればいいんじゃが」

ジョーイ「だけど、ロケット団に壊されてしまったわ。残ってるのは簡易のパソコンだけよ」

律「そうか。……って」

梓「そうですか。……って」

律・梓「それだー(です)!!」

ジョーイ「え、何が?」

梓「このパソコンで博士にポケモンを送って……」

律「回復させてもらえば、まだ戦える」

梓「じゃあ、早速ポケモンを転送しましょう。さあ、ゆい先輩。ボールに入ってください」

ゆい「えー。まあ、仕方がないか。博士のところでゆっくりお茶でも飲んでくるよ」

梓「すぐに戻ってきてくださいね」

ゆい「あー。私がいなくてさび……」

ゆい先輩をボールに戻し、パソコンにセットする。

律「とりあえず、博士に連絡をしよう」

ピ、ポ、パ、ト

オーキド『なんじゃ、この一大事の時に』

律「今から、私たちのポケモンをそっちに送るから、すぐに回復させて戻してくれ」

オーキド『律君は一体、どこにいるんじゃ……っと、送られてきたのう。場所はグレンタウンじゃと!?しかも、梓君のポケモンまでいるとい
うことはそこに梓君もいるのじゃな!?』

律「訳は後で話すから、頼むよ」

オーキド『……分かった。じゃが、これだけは言わせてくれ』

律「なんだよ」

オーキド『死なないでおくれ』

律「縁起でもないこと言わないでくれ。じゃあ、頼んだぞ」

オーキド『任せるのじゃ』

ガチャと電話を切る。

梓「どうでしたか?」

律「すぐにやってくれるってさ」

ピシャーゴロゴロ

律「やばいな。こっちにどんどん近づいてきている」

梓「ええ」

その時、雷がドガーンという音ともにグレンジムに衝撃が起きて、地震のように揺れ、天井が落下してきます。

カツラ「危ない、梓君!律君!」

カツラさんは私と律先輩、そして、パソコンを庇うように楯になってくれます。そして、天井が落下して出来た穴から、黄色と黒の体で鋭いク
チバシを持った伝説のポケモンの1匹、サンダーの姿が現れました。しかも、親の敵を見るように私達のことを睨んできます。


律「くそ。こんな時に。まだ、送られてこないのか」

梓「あと少しです!!」

カツラ「仕方がない。来い、ウインディ!」

カツラさんは弱りきっている、ウインディを出します。

カツラ「すまんのう、ウインディ。ちょっとの間、頑張るんじゃよ」

カツラさんのウインディは今にも崩れ落ちそうな中でも、なんとか立ち、サンダーと対峙します。

カツラ「おそらく、ワシのウインディでは時間つぶしも出来んじゃろう。じゃが、サンダーにダメージを与えることは出来るはず。ウインディ、フレアドライブ!」

ウインディはどこから力がわいてくるのか、炎の弾丸のようにサンダーに突撃していきます。

律「よし!この攻撃が通れば……。なんだ、あの体制は!!」

サンダーは体を横向きにし急速に回転させ、ウインディに向かって、こちらも銃弾のように素早く突撃していきます。ただ、ウインディは普通の銃弾なのに対し、こちらはマグナムを射撃したような威力の違いがありそうな感じですね。

カツラ「これは、ドリルくちばし!?」

律「くそっ。このままじゃ、ウインディが……」

梓「来ましたよ、律先輩!」

律「何!?よし、来い、サワムラー!」

律先輩は迷わずに、サワムラーを選びます。ここらへんはさすがですね。

ブルブル

私のボールの一つが携帯電話のバイブのように振動しています。まあ、なんだか、分かりますが。

梓「やれやれです」

私はそのボールを手に取り、ボールから出します。

ゆい「わーん。寂しかったよ、あずにゃ~ん」

梓「よしよし」

ナデナデ

ゆい「えへへ~」

律「サワムラー、ウインディを蹴り飛ばせ!」

サワムラーはそのゴムのように伸びた足でウインディを蹴り飛ばします。そして、攻撃をかわされて、そのまま、突撃したサンダーはグレンジムの壁に激突し、壁はまるで発砲スチロールのように粉々になります。

カツラ「すまん、律君。危なく、ウインディが…」

律「気にするなよ。困った時はお互い様だろ」

梓「カツラさんはジョーイさん達を避難させて下さい」

カツラ「じゃが、律君達は……」

律「私達なら大丈夫だよ。それにカツラさんがいても、ポケモンが回復できてない状態なら、正直いても何も出来ることないよ」

カツラ「……分かった。頼んじゃぞ、2人とも。行くぞ、皆」

カツラさんは皆をまとめて、一緒に避難していきました。

サンダー「ンダー!!」

サンダーは私達を睨んでいます。

律「どうした、梓。怖いのか?足が震えてるぜ」

梓「律先輩こそ、手が震えてますよ。逃げるなら、今のうちです」

律「ふん。ちっこいくせに無理すんなよ」

梓「律先輩には言われたくありません」

律「私達の戦績は出発した時とマサキさんとこのを除けば、どれくらいか知ってるか?」

梓「さあ?」

律「500勝500敗だ」

梓「そうでしたっけ。もっと、私が勝ってるかと思ったんですけどね」

律「だから、1001戦目をして、決着をつけなきゃいけないんだ」

梓「何が言いたいんですか?」

律「死ぬなよ」

律先輩はモンスターボールを構えます。

梓「……そっちこそ」

私もモンスターボールを構えます。

ゆい「2人とも頑張ってー」

梓「ゆい先輩も頑張るんですよ。ほら」

ひょいとゆい先輩を抱き上げます。

律「さあ、いくぞ」

梓「いつでもいいですよ」

律「オーケー。来い、ニョロボン!」

梓「来て下さい、ニューラ!」

律「ニョロボン、右かられいとうパンチ!」

梓「ニューラ、左からブレイククロー!」

ニョロボンは冷気をこめた、鋭いパンチをサンダーの右から仕掛け、ニューラは自慢のツメをサンダーの左から切り裂くべく、飛び掛ります。

サンダー「…サンダー!!」

サンダーはその攻撃に対し、その両方に対し十万ボルトを繰り出します。

ニョロボン「ニョロー!!」

ニューラ「ニュラー!!」

その攻撃を受け、2匹はアニメで十万ボルトを受けて、黒焦げになるロケット団のように黒焦げになり、気絶します。

律「くそ。あいつは左右同時に攻撃できるのかよ」

梓「さすがは伝説のポケモンですね」

私達がニューラ達をボールに戻している時に、サンダーはさっきのウインディに仕掛けたドリルくちばしの体制に入ります。

律「ちっ。どうすんだよ、あの技」

梓「あの技を受けたら、私達跡形もありませんよ」

律「仕方がない。梓、1匹、囮にしてくれ」

梓「何をする気ですか?危ないことなら嫌ですけど」

律「梓が1匹、奴の注意を引き付けている間に横からサワムラーのキックを、反対側からゴローニャがすてみタックルを仕掛ける」

梓「それは名案ですね!律先輩には珍しく!」

律「おう、ありがとう。お礼に後で説教な」

梓「では、来て下さい、カイリュー!」

カイリュー「リュー!」

律「随分でかいのを出したな」

梓「他のを出したら、下手したら殺されちゃいますよ」

律「まあな」

ゆい「私は何をすればいいの?」

私の腕の中でゆい先輩は聞いてきます。

梓「とりあえず、大人しくしていて下さい」

ゆい「分かったー。お口、チャック」

ゆい先輩は口を小さい子がやるみたいにチャックを閉めます。その仕草は実に可愛いです。サンダーは体を横向きにし急速に回転させ、私達にに向かって、こちらも銃弾のように素早く突撃していきます。

梓「カイリュー、頼みますよ」

律「来い、サワムラー、ゴローニャ!」

律先輩はサワムラーとゴローニャを出します。カイリューはその間にサンダーのドリルくちばしを受けます。

カイリュー「……リ、リュー」

カイリューはその攻撃を受け、おなかに鋭利なくちばしが刺さり、血を流しながら、膝を突きます。その両手でくちばしを握りながら。

梓「カイリュー!律先輩、今のうちです!」

律「サワムラー、右からメガトンキック!ゴローニャ、左からのしかかりだ!」

律先輩は予定通りの指示を出します。サワムラーはサンダーに向かって、鉄球のような重く、力をこめたキックを繰り出します。その反対側からは、300kgの体重を持つ、ゴローニャが体当たりを仕掛けます。

律「今度はかわせないはずだ」

サンダー「……サンダー!」

サンダーはカイリューの手を振り切り、体を回転させ始めます。それと同時に回りに電撃を放ちます。

サワムラー「ムラー!!」

サワムラーはその電撃で、キックを当てる前にダウンします。その間にも体を回転させ、カイリューの体にネジを回すかのようにめり込んでいきます。

梓「カイリュー!」

律「サワムラー!だが、ゴローニャに電気タイプの技は……」

ゴローニャ「ゴローーーーー!」

ゴローニャも電撃を喰らい、体が黒焦げになります。

律「馬鹿な!」

梓「それだけ、相手の威力が強いってことですよ。それよりも、戻って、カイリュー!」

私はカイリューをボールに戻します。

律「どうしろってんだよ、あんな奴相手に。もう、私のポケモンは3匹しかいないし」

梓「私も実質3匹ですし」

ゆい「ンーンー」

梓「しゃべっていいですよ」

ゆい「私もいるよー」

梓「やっぱり、黙ってください」

ゆい「ひどっ!」

梓「冗談です。何かいい方法はありませんかね」

ゆい「空で戦おう」

梓・律「は?」

ゆい「だって、地上だと向こうの方が有利だよ。なら、空中の方がいいよ」

梓「たしかにそうですが……」

律「とは言っても、空を飛べるのはリザードンだけだ」

梓「私はプテラだけです」

律「だが、悪い案じゃないな。だって……」

サンダーは私達の方を睨み、またもや、ドリルくちばしの体制に入ります。

律「地上じゃ、あれを避けるのも辛いしな」

梓「じゃあ、早速……プテラ、君に決めた!」

律「来い、リザードン!」

私達は背中に乗って、空中に出ます。

サンダー「ンダー!」

サンダーはそれを見て、ドリルくちばしをやめて、上空に向かってきます。

梓「来て、イーブイ」

イーブイ「ブイ♪」

梓「体に負担をかけちゃうかもしれないですけど、ごめんね」

私はイーブイにみずのいしを当てて、シャワーズに進化させます。

シャワーズ「シャワ」

梓「シャワーズ、れいとうビーム!」

シャワーズは冷気のビームを上空に向かってくる、サンダーに発射します。

律「よし!サンダーはとりタイプだから、この攻撃は有効のはずだ」

しかし、サンダーは体を回転させて、そのビームをはじきます。

律「またかよ。強すぎだろ、あのサンダー!」

梓「まあ、こうなるとは思ってましたけどね」

律「くそ。来い、レアコイル、ゴルダック!」

梓「来て下さい、ハッサム!」

律「おいおい。ハッサムでどうするんだよ」

梓「でも、私の手持ち、これしかいませんし」

ゆい「大丈夫!私に任せなさい!」

梓「どうやってですか?」

ゆい「もう!忘れたの?プテラとの戦いを」

梓「ああ。なるほど」

律「なんだ、一体」


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最終更新:2011年09月21日 01:15