抽選会後・紬の部屋
澪「それにしても、因果なものだな。1回戦から、律と梓が戦うなんてな。……ジャンケンポン」
澪・グー、紬・パー、ゆい・パー
ゆい「まあ、いずれは当たる訳だけどね。……ジャンケンポン」
紬・チョキ、ゆい・グー
ゆい「その上、開幕戦を飾るなんてね。……私、1番目をもらうね」
紬「そうよね。しかも、1回戦なのにあそこで戦えるなんてね。……私、2番目をもらうわ」
澪「私は3番目か……」
私達はそれぞれのデッキをシャッフルする。
澪「そういえば、律達はどうしたんだ?」
ゆい「あずにゃんは部屋で明日のメンバーを考えてるよ。……私は『あずにゃん』を召喚。『あずにゃん』がいる時、『平沢 唯』を特殊召
喚。『平沢 唯』に『あずにゃん』をチューニングして、『ゆい☆あず』をシンクロ召喚。カードを1枚、伏せてターンエンド」
澪「ゆいはこんなところで遊んでていいのか?」
ゆい「1人でゆっくり考えたいんだって」
紬「りっちゃんも部屋に籠ってるしね。……私のターンね。カードをドロー。手札から、魔法カード『融合』を発動。『琴吹 紬』と『中野 梓』を融合。『紬☆梓』を融合召喚。カードを1枚伏せ、ターンエンド」
澪「まあ、私達も何でこんなところで遊んでるんだって話だけどな。私のターン、カードドロー。『中野 梓』を召喚。手札から魔法カード
『憧れの先輩』で手札から、『秋山 澪』を特殊召喚」
ゆい「私はあずにゃんの邪魔できないしね。……罠カード発動『強制送還』。このカードで、『澪ちゃん』を手札に戻すね」
澪「くっ。手札から、魔法カード『二重召喚』を発動。この効果で『秋山 澪』を召喚。これで、エクシーズ召喚を……」
紬「梓ちゃんも後で迎えに来るみたいだし、問題ないわ、ゆいちゃん。あ、ごめんなさい。罠カード『神の宣告』を発動。このカードで、『秋
山 澪』の召喚を無効ね」
澪「何で、私ばっかり邪魔されるんだ」
ゆい「弱い者から潰す」
紬「それが戦いのセオリーよ」
澪「……」
こうして、3人の夜が更けていく。
律の部屋
律「梓には私の手持ちポケモン、全匹見られてるわけだが……」
それでも、まだボックスにいるしな。
律「さて、どうしたものだろう」
梓のメンバーで怖いのは……ハッサムか。必ず、メンバーには入れてくるだろう。
律「まあ、こっちにはリザードンもいるから、問題なしだな」
それと、梓の手持ちを見てきた限り、かくとうタイプも外せない。
律「それにしても、久しぶりだな。梓と真剣に戦うのも」
回想
旅立つ日の1週間前
律「ケンタロス、とっしんだ!」
梓「ミルタンク、かわして、ころがるです!!」
ミルタンクの横からの攻撃にケンタロスは対応できずに、そのまま攻撃を喰らい、気絶した。
律「くっそー」
梓「これで、500勝500敗ですね」
律「ふん。ずっと、こっちが勝ち越してたんだから、問題ないな」
梓「私がまだ慣れてない時の成績なんて当てになりませんよ」
律「うるせー」
私は一息入れる。
律「……この決着はポケモンリーグでな」
梓「でも、旅の途中で会って、私が勝っちゃうかもですよ」
律「そんなのはノーカンだ、ノーカン」
梓「都合がいいですねー」
律「何とでも言え。……必ず、ポケモンリーグに来いよ」
梓「私より、律先輩の方が心配ですけどね」
律「口の減らない後輩だ」
回想終了
律「……ここで決着をつけてやる」
私はメンバー選びを続けながら、夜を過ごした。
梓の部屋
梓「ゆい先輩を迎えに行かなければいけないので、早くメンバーを選びたいところですが」
一体、どうしたものでしょうか。
梓「私のメンバーの最大の弱点はかくとうタイプ。これを突破できなければ、どうしようもありません」
さて、どうしたものでしょうか。
梓「それにしても、いきなり律先輩ですか」
私の他に、63人もいて、律先輩に当たるとはすごい運ですね。
梓「まあいいです。次は……1001回目の戦い」
真剣に取り組まなくちゃ。徹夜してでも。
こうして、私の夜はふけていきました。
次の日
ゆい「大丈夫?眠そうだけど」
梓「ついつい、徹夜してしまって。迎えにいけなくてすいません」
紬「それはかまないわ~」
梓「そう言って、もらえればいいんですけどね」
紬「メンバーは決まったの?」
梓「一応。教えませんけど」
紬「教えてくれてもいいのに」
梓「次に戦うかもしれないのになにを言ってるんですか」
紬「厳しいわね」
ゆい「澪ちゃん達は?」
紬「別の所で食事をしてるわ」
ゆい「一緒に食べればいいのに」
紬「さすがにそれは……ね?」
梓「見ててくださいね」
紬「何を?」
別の場所
律「はあ、眠い」
澪「寝られなかったのか?」
律「メンバー選びに時間がかかったからな」
澪「随分、慎重だな」
律「それはそうだろ」
澪「あの約束は一番成績が良かった場合だぞ」
律「わーってるよ。まあ、そんな約束なんかよりも重要な約束があるんだ。そのための戦いさ。今回は」
澪「はあ?」
律「まあ、見てろよ」
律・梓「「最高のバトルを見せてやる(あげます)!!」」
会場
実況者(以下、実)「いよいよ、ポケモンリーグが開幕です。その幕を開く、最初の戦いが今始まろうとします」
ファン「「「「「あっずにゃ~ん」」」」」
澪「何なんだ、あれ」
紬「何でも、ハナダジムでのパファーマンスからファンが増えたとか。ネットでも月刊あずにゃんの公式ホームページで全ジム戦中継されてるし」
澪「許可得てるのか?」
紬「もらってないに決まってるじゃない」
澪「決まってたのか」
純「あのー、ここにいてもいいんですかね、私」
紬「梓ちゃんの友達なら、私達の友達よ」
純「あ、ありがとうございます」
澪「それにしても、老若男女たくさんいるな」
紬「それだけ人気ということよ。月刊あずにゃんの購読者も多いし」
キモオタ「死ね、ゴキブリ。てめえのせいでけいおんがつまらないんだ」
澪「何なんだ、あの太ってて、汗臭い、顔も不細工な男は」
紬「ああいうのはほっときましょう」
ファン「「「「りっちゃーーん」」」
澪「律にもいるのか」
紬「それはいるわよ。あんまり、数は多くないけど、月刊りっちゃんも発刊されたし」
澪「詳しいな、ムギ」
紬「気のせいよ」
うい・純(楽しい人達だな)
実「さあ、いよいよ、選手入場です。なお、今回の試合は開幕戦でもあるため、ここで行われますが、ここでの試合は準々決勝から行われるのでご注意ください。それでは、まずは
田井中律選手の入場です」
ファン「「「「「ワーワー」」」」」
澪「律が入場してきた」
紬「頑張って、りっちゃーーーん」
律は私達に気づいたのか、手を振ってきた。
ファンA「お、俺に手を振ってくれたぞー」
ファンB「ば、馬鹿、俺だよ」
ファンC「いや、俺だよ」
澪「なんか、喧嘩し始めたぞ」
紬「よくあることよ」
ファン「「「「「「あっずにゃ~ん」」」」」」
澪「こっちもすごいね」
キモオタ「ひっこめー、ゴキブリー」
澪「あっちも1人で頑張ってるな」
紬「梓ちゃーーーーーーーーーーん」
純「あずさーーーーー」
うい「おねえちゃーーーーん、梓ちゃーーーーーーん」
律「来たか……」
梓「……律先輩」
律「覚えてるだろ、約束」
梓「ええ。今回が1001戦目の戦いです」
律「決着をつけよう」
梓「はい!!」
ゆい「ええと……どっちも頑張れー」
梓「ゆい先輩も戦うんですよ」
ゆい「おっと、そうだった」
澪「律にとって、梓のハッサムとゆいをどうにかしないと勝てないな。この2匹が勝つと、梓のペースになる」
紬「そうね。今回の戦いはアイテムの使用は禁止だから、イーブイを事前にどう進化させたかが重要だわ」
澪「ああ」
純「でも、ハッサムはほのおタイプで積むと思いますけど」
澪「うん。純ちゃんの言うとおりだ。律はリザードンも持ってるしな」
紬「でも、それは梓ちゃんの頭にも入ってるわ。どう対抗していくか、楽しみね」
審判「ルールを説明します。使用ポケモンは6匹。交代は技によるものを除き、互いのモンスターのどちらかが気絶した時とします」
ゆい「???」
梓「つまり、私がゆい先輩を交換したい時はゆい先輩が気絶するか、相手を気絶させるかじゃないと、交代はできないんです。つまり、弱点が
不利だと厳しい状況に陥るので、相手の戦略を読んでいかないといけません。そういう意味では高度な読み合いが重要になってきます」
ゆい「なるほどねー」
審判「トレーナーによる、アイテムの使用は禁止です。よろしいですね」
ゆい「あずにゃん、イーブイは?」
梓「事前に進化させてあります」
審判「勝利条件は相手ポケモンの全滅です。準備はよろしいですか?それでは……」
審判・律・梓「「「決闘(デュエル)!!!」」」
VSポケモンリーグ編① 「抽選会」 終了
前回までの状況(トレーナとポケモン)
梓 ゆい ハッサム ヘルガー イーブイ ニューラ ガルーラ カイリュー ポリゴン2 プテラ ラプラス
澪 ゼニガメ エビワラー デンリュウ
律 リザードン サワムラー ニョロボン レアコイル ゴローニャ ゴルダック
ムギ フシギバナ カポエラー ギャラドス
純 うい カビゴン ゲンガー エレブー カイリキー
ポケモンリーグ編② 「ポケモンリーグ開幕・梓VS律」
審判・律・梓「「「決闘(デュエル)!!!」」」
律「来い、ハガネール!!」
梓「来てください、ガルーラ!!」
実況『さあ、まずは律選手はハガネールを、梓選手はガルーラを出しましたー!!』
梓 ガルーラ
律 ハガネール
梓「ハガネール……そんなポケモンを持ってたんですか」
律「旅のパーティだけが全てじゃないだろ?仲間は多いに越したことはないしな」
梓「まあ、いいです。ガルーラ、まずはねこだましです!!」
ガルーラは会場全体に響くように手をパンと鳴らし、ハガネールは目を瞑って怯みます。
澪「ねこだましは先制を取って、相手を怯ませる効果がある。ダメージとしてはぼうぎょが優秀なハガネールにダメージはわずかだろうが、先
制は大きいな」
梓「ガルーラ、怯んでいる今のうちにアームハンマーです!!」
ガルーラの重い拳が、怯んで目を瞑っている、ハガネールの頭に叩き込まれます。
実況『ガルーラの一撃が決まったー。その拳でハガネールの頭にひびが入ったー』
梓「よし!!」
ゆい「さすが、ルー太!りっちゃんもあっけないね」
律「……」
純「これは……梓が有利ですかね」
うい「それはどうかな?たしかにハガネールの体にヒビをつけたのはすごいけどね」
澪「ういちゃんの言うとおりだ。ガルーラの手を見てみろ」
純「え?」
ガルーラ「ルーラ!」
ガルーラのハガネールを殴った拳から、傷ができて、痛そうにうずくまる。
梓「どうして……」
律「ハガネールの体の硬さを舐めない方がいいぜ。ハガネール、アイアンテール!」
ハガネールのダイヤモンドのような硬い尻尾で、ガルーラに攻撃を仕掛けてきます。
梓「くっ。ガルーラ、両手で防御して」
その攻撃を怪我をした腕で受け止めますが、その衝撃で5メートルくらい押されます。
梓「先に攻撃をしたのはガルーラなのに……まるで、ハガネールに効いてません」
律「たしかにヒビを入れたのはすごいがそれだけだな。防御だけなら、ハガネールはトップクラスのポケモン。梓のメンバーは私の知る限り、物理技を使うのが多い。ぼうぎょの高いハガネールは有効だ」
梓「律先輩らしくない計算高さですね」
律「相変わらず、失礼な後輩だな」
澪「この戦いは律の方に分があるか」
純「ガルーラがかくとうタイプの技で攻撃を仕掛ければ、可能性が……」
うい「それは無理だよ。ガルーラはノーマルタイプ。弱点でも不一致だから、ぼうぎょの高いハガネールを突破するのは厳しいね」
紬「ずいぶん、詳しいのね」
うい「勉強しましたので」
澪「あるいはとくぼうが低いから、特殊攻撃を仕掛けていたいところだけど」
紬「ガルーラは全体的にはバランスはいいんだけど、とくこうだけは低いのよね」
純「とすると、梓のガルーラは負ける可能性は高いってことですよね」
律「このまま、攻めるんだ!ハガネール、ストーンエッジ!!」
ハガネールは自分のダイヤモンドの固さの尻尾をガルーラに向かって、突き刺しに来ます。
澪「これで終わりだな」
紬「そうね。……旅立つ前の梓ちゃんならね」
澪「は?」
最終更新:2011年09月21日 19:30