梓「ガルーラ……ふいうちです!!」

ガルーラは、向かってくる尻尾をかわし、油断している体の部分に軽いパンチを当てます。


うい「ふいうちは相手が攻撃技をやってきた時に先制をとって、攻撃できる技。なるほど」

紬「ダメージは期待できないけど、攻撃はかわせたわ」


律「やるな。だけど、たいしたダメージじゃないぜ」

梓「まだまだ、いきますよ。ガルーラ、ほのおのパンチ!!」

ガルーラは手に炎を発生させて、ハガネールにその拳をぶつける。

ハガネール「ネーーーール」

ハガネールは殴られた所から、黒い煙が出て、苦しそうに呻く。

律「ハガネール、すてみタックルだ!!」

ハガネールはその400kgの重い体で、ガルーラに向かって突撃してきます。

ガルーラ「ルーラ」

ガルーラはその攻撃を正面から受け止めます。

ガルーラ「グハッ」
しかし、その攻撃がお腹に直撃し、重さと勢いから、受け止めたはずのガルーラの体にダメージを受けます。


梓「ガルーラ!!」

律「ハガネール、一旦、距離をとれ」

梓「……させません!ガルーラ、アームハンマーを一撃だけでもいいから、頭に攻撃!!」

ガルーラはヒビの入った部分に拳を振り落とし、ダメージを与えるも、ハガネールは体を左右に振り、ガルーラから、距離をとります。

梓「ガルーラ、追撃です!接近して、アームハンマー!!」

ガルーラはドシドシという足音ともにハガネールに接近していきます。

律「ハガネール、ジャイロボール!!」

ハガネールは体を回転させて、ガルーラに向かって体当たりを仕掛けます。


澪「これは……かわせないな。梓は焦ったな、状況を考えて、早く決着をつけたいがばかりに」


梓「ガルーラ、一旦、止まって、冷静にアームハンマーを決めてください!!」

ガルーラはその場にとどまり、ハガネールの頭に拳をたたきつけると同時に、その攻撃を正面から受ける。その攻撃で、中央で戦っていたガル
ーラが私の前まで押されてきた。

梓「大丈夫ですか、ガルーラ!!」



純「後……一撃ですね」

澪「そうだな。この後、梓のメンバーでハガネールをどうやって倒すかだな。現状、無傷に近いし」

紬「それはどうかしら?」

澪「え?」



律(……梓は何を考えている。こんな、無意味にハガネールに攻撃を仕掛けてくるなんて。何かを狙っているのか?)

梓「……」

律(何を考えているかなんて、分かるわけないか。下手に読むのも性に合わないしな)

梓「……」

律(なら、ここで私がやることは……一つだな)

律「ハガネール、トドメだ、ジャイロボール!!」

ハガネールは体を高速に回転させて、傷ついているガルーラに向かっていった。

梓「ガルーラ、アームハンマー!!」

ハガネールがガルーラに激突する瞬間にアームハンマーを叩き込むもそのままの勢いにガルーラは飛ばされ、気絶しました。

審判「ガルーラ戦闘不能。ハガネールの勝利です」


梓 ガルーラ ひん死

律 ハガネール


実況『さあ、初戦はハガネールの圧勝で終わったが、この後、梓選手に逆転のチャンスはあるのかー』


澪「何かを狙っているって、ムギは言ってたけど、何もなかったな」

紬「そうね。見込み違いかしらね」


実況『梓選手は次に何を出してくるか』

梓「……来てください、ニューラ!!」

実況『梓選手の次のポケモンはニューラだー』


梓 ガルーラ ひん死 ニューラ

律 ハガネール


澪「ここで、ニューラだと!?梓は何を考えてるんだ」



梓「先制をとって、こおりのつぶてです!」

ニューラは瞬時に氷の塊を作り出し、ハガネールの頭に向かって発射する。しかし、ハガネールには効いた様子がない。

律「そんな攻撃が効くかよ。ハガネール、アイアンテール」

ハガネールの鋼鉄の尻尾がニューラに迫ります。

梓「ニューラ、ジャンプして、かわして」

ニューラはその攻撃を縄跳びを飛ぶかのように高くジャンプします。



澪「なるほど。ニューラで逃げて、ダメージをちょこちょこ与えていく作戦か」

純「気が遠くなりますね」

うい「それはどうかな?」

純「どういうこと?」

うい「私の考えが正しければ、さっきのガルーラの戦いがここで生きてくるはずだよ」



梓「ニューラ、こおりのつぶてで牽制しつつ、接近してください!」

ニューラは氷の塊をハガネールの頭にぶつけつつ、素早く、接近していきます。

梓「ハガネールの体を登ってください!!」

律「(何をする気だ)振り落とせ、ハガネール!」

ハガネールは体を左右に振って、ニューラを落とそうとします。しかし、ニューラは素早く、上にジャンプします。

梓「チャンスは今しかありません!メタルクロー!」

ニューラの自慢のツメで、ハガネールの頭を切り裂きにいきます。


澪「焦ったな。ハガネールの硬さの前にはその攻撃は無力だ」

紬「そうともかぎらないわ」


ニューラのツメがハガネールの頭に激突した瞬間、ハガネールの頭がガチャンと粉々に砕け、ハガネールは痛そうに顔を歪め、気絶しました。

審判「ハガネール戦闘不能。ニューラの勝利です」

実況『ここでハガネールが倒れましたー。これで勝負が分からなくなったー』


梓 ガルーラ ひん死 ニューラ

律 ハガネール ひん死


うい「たしかに、ハガネールはぼうぎょが高い。体もダイヤモンドよりも硬い」

紬「それを突破していくには、一箇所を集中的に攻撃を加えていくしかない」

うい「ガルーラはそれに集中させてました。きっと、対峙した時に勝てないと思ったからでしょう」

紬「ラプラスとかを出すと、ハガネールから、余計なダメージを受ける可能性があるから、小柄で身軽なニューラに託したんでしょうね」

純「なるほど」


律「やるじゃないか」

梓「律先輩こそ。戻ってください、ニューラ」

実況『ここで梓選手はニューラを戻してきました。この判断が後々どう影響するかー』

梓「来てください、ヘルガー!!」

律「なら、来い、レアコイル!!」


梓 ガルーラ ひん死 ニューラ ヘルガー 

律 ハガネール ひん死 レアコイル 


実況『梓選手はヘルガー、律選手はレアコイルを出してきたー。タイプ的にはレアコイルの方が不利だが果たして、どう出るかー』
梓「ヘルガー、かえんほうしゃ!!」
律「レアコイル、かわせ!」

レアコイルはくっついている3匹の体を離し、かえんほうしゃをかわします。


澪「レアコイルはコイルが3匹が磁力で連結しているポケモンだから出来るよけ方だ」


律「レアコイル、十万ボルト!!」

レアコイルの電撃がヘルガーに迫る。しかし、ヘルガーは俊敏にその攻撃をかわしていきます。

ヘルガー「ヘルガ」

ヘルガーはまた、かえんほうしゃで応戦するもさっきと同じようにレアコイルは避けます。


紬「互角ね」

うい「こうなると、どっちが最初にダメージを与えるかですね」


律「レアコイル、マグネットボム!」

レアコイルは鋼の爆弾を発射してきます。ヘルガーはそれを避けますが、その爆弾はヘルガーの足に吸い付いてくっつき、爆破します。

梓「ヘルガー!!」

ヘルガーはその攻撃で動きが鈍くなります。

律「レアコイル、トドメだ。十万ボルト!!」

動きの鈍っている、ヘルガーにその攻撃が直撃し、ヘルガーは気絶しました。

審判「ヘルガー戦闘不能。レアコイルの勝利です」


梓 ガルーラ ひん死 ニューラ ヘルガー ひん死

律 ハガネール ひん死 レアコイル 


澪「こうなると、梓は辛いな」

純「有利だったのに負けたわけですしね」

紬「それもあるけど、りっちゃんはまだ、2匹しか手の内を見せてないわ」

うい「それに対して、梓ちゃんは、次出すのも含めて、もう5匹もメンバーが分かっています」

澪「え?でも、梓は次で4匹目じゃ……」

紬「梓ちゃんは絶対、ゆいちゃんをメンバーに入れてるわ」

うい「というより、入れるのは前提ですよね」

澪「いや、裏をかく可能性も……」

紬「それはないわね」

うい「ええ、それはないですよ」

澪「……何で、そんな断言できるんだよ」


梓「次はこれです。来てください、ハッサム!!」

律「!?」

実況『ここでハッサムを梓選手は出してきました』



梓 ガルーラ ひん死 ニューラ ヘルガー ひん死 ハッサム

律 ハガネール ひん死 レアコイル 


梓「行きますよ、ハッサム」

ハッサム「サム」

律(やばいな。ハッサムじゃ、レベルが違いすぎる。なら、ここは……)

律「レアコイル、でんじはだ!!」

レアコイルの3匹から、微弱な電撃がハッサムに迫ります。

梓「ハッサム、こうそくいどう!」
ハッサムは体を楽にし、横に向かって、素早く動き出します。

律「レアコイル、でんじはを続けろ!!」

レアコイルはでんじはをハッサムに当てようと躍起になるも、ハッサムはレアコイルの周りをグルグルと回り始めます。しばらく、そんなやり
取りが続き、

レアコイル「……ギュウ~」

レアコイルは眼がまわり、動きが鈍くなりました。

梓「今です!ハッサム……」

ハッサムは両手をクロスさせます。

梓「シザークロス!!」

ハッサムの両手がレアコイルを切り裂き、レアコイルの体が砕け散り、気絶しました。

審判「レアコイル戦闘不能。ハッサムの勝利です」


梓 ガルーラ ひん死 ニューラ ヘルガー ひん死 ハッサム

律 ハガネール ひん死 レアコイル ひん死 

澪「一進一退だな。依然として、律が有利だが」

律「まずいな……。このままだと、梓のペースになるな。なら……来い、リザードン!!」

実況者『ここで律選手はリザードンだー。ハッサムにとっては天敵のポケモン。このまま、追い詰めるかー』

梓「……ハッサム、先制を取って、とんぼがえり!!」

律「む!?」

ハッサムはまだ対応できていない、リザードンに体当たりを仕掛け、ボールに戻ります。


梓 ガルーラ ひん死 ニューラ ヘルガー ひん死 ハッサム

律 ハガネール ひん死 レアコイル ひん死 リザードン


梓「まだ、ハッサムを失うわけにはいきませんからね。来てください、シャワーズ!!」

実況『梓選手は弱点と見るや、素早く攻撃を仕掛けハッサムを下げ、シャワーズを出してきました』


梓 ガルーラ ひん死 ニューラ ヘルガー ひん死 ハッサム シャワーズ

律 ハガネール ひん死 レアコイル ひん死 リザードン


律「チッ。ここでリザードンがやられると辛いな……」

澪「これは梓は最初から狙っていたな」
紬「でしょうね」

律「まあ、いいさ。リザードン、きあいだま!!」

リザードンは某サ○ヤ人の出すかめはめ波のようにエネルギーをため、シャワーズに発射される。

梓「シャワーズ、ハイドロポンプで応戦です!!」

そのエネルギー弾に激しい濁流のような水を激突させます。

梓「なっ……!?」

しかし、リザードンのきあいだまはその激しい濁流の中ももろともせず、シャワーズに向かってきます。
シャワーズ「シャワ」


シャワーズはその攻撃を直撃し、飛ばされます。

シャワーズ「……シャワ」

シャワーズは何とか、立ち上がります。



うい「ハイドロポンプのおかげだね。あれで、きあいだまの威力を少し下げれたから」

純「それでも、あの威力……」

澪「やはり、あのリザードン。……相当に鍛えられている」



律「リザードン、トドメだ。きあいだま!!」

シャワーズ「シャワ!!」

シャワーズはその攻撃を避けきれずに気絶しました。

審判「シャワーズ戦闘不能。リザードンの勝利です」


梓 ガルーラ ひん死 ニューラ ヘルガー ひん死 ハッサム シャワーズ ひん死

律 ハガネール ひん死 レアコイル ひん死 リザードン 


律「戻れ、リザードン。……これで終わりだな」

梓「……どうしてですか?」

律「今ので、お前の手持ちは全部、分かった」

梓「まだ、全部は出してませんよ」

律「全部、出さなくても分かるよ。最後はゆいだろ?」

梓「そうとは限りませんよ」

ゆい「ええー!?そうなの!?」

律「それはないな」

梓「どういう意味です?」

律「ゆいはお前が一番信頼しているポケモンだからだ」

ゆい「えへへ~」

梓「ち、違いますよ!」

ゆい「ええっ!?」

シュンとなるゆい先輩。

梓「あ、いえ、なんと言いますか……落ち込まないでください」

審判「早く、次のポケモンを」

梓「す、すいません」

律「じゃあ、続きを始めようぜ。来い、サワムラー!!」

梓「頼みますよ、ニューラ!!」


梓 ガルーラ ひん死 ニューラ ヘルガー ひん死 ハッサム シャワーズ ひん死

律 ハガネール ひん死 レアコイル ひん死 リザードン サワムラー


実況『さあ、梓選手は苦しい状態が続きますが、ここで出してきたのはニューラ。対する、律選手はサワムラー。タイプ的にも、俄然有利かー』


澪「たしかに梓の方が不利か。残りの梓のメンバーの弱点も律の手持ちにいるし、ゆいもそこまでの体力があるわけじゃない」

紬「でも、ポケモンは弱点で決まるわけじゃないわ」


22
最終更新:2011年09月21日 19:31