モブA「くそ。舐めやがって……」

うい「あ、すいません。別に舐めてるわけじゃありませんよ。その証拠に見せてあげますよ」

モブA「!?」

純「ちょっと、うい。そういうのはまだ隠しておきなさいよ」

うい「ごめんね、純ちゃん。私ばっかり、情報を持ってるのは……」

純「……まあ、いいわ。さっさとしなさいよ」

うい「うん」

ういは目を瞑り、神経を集中させます。

うい(落ち着いて、集中するんだ。心を無にするんだ。そうすれば、達することが出来る。新たなる伝説の境地に。あの時の感覚が蘇る。さて、やるよ。……アズサマインド)

ういの体が光り輝きます。

梓「こ、これって……」

律「ゆいの技と同じか」

ゆい「ほへえ」

モブA「こ、この技は……開幕戦で見た奴と同じ……。ええい、知るか!来い、カイリキー!」

純 うい

モブA サイドン ひん死 ウインディ ひん死 ギャラドス ひん死 ナッシー ひん死 ピジョット ひん死 カイリキー


うい「さてと。お姉ちゃんにはもう一つの扉も見せてあげなきゃね」

ういの体のオーラが体ではなく、頭に集中してきます。


梓「一体、これは……」

律「アズサマインドの境地に達することの出来る奴は全国に3人いるって聞いてたが、そのうちの1人がういちゃんだったとはな」

梓「……ああ、頭が痛い」

律「風邪か?無理するなよ」

ゆい「あのういの技は……才気煥発のアズサ」

律「さすがだな、ゆい。よくそこに気がついた」

ゆい「えへへ~。まあね~」

梓「聞きたくもありませんが、その何たらのアズサっていうのは一体……」

ゆい「それはね、活性化されたあずにゃん分を体全体にじゃなくて、頭に集中させることによって、脳の動きを活性化させるの」

律「だから、今のういちゃんには相手の行動パターンが鮮明に頭の中で読めて、どう対処するかもシミュレーションできているはずだ」

梓「そうなんですか(私には理解できない世界だなー)」


モブA「舐めんなよ!カイリキー、ばくれつパンチ!」

うい「……遅いよ」

モブA「なっ……!?」

その言葉とともに、こんしんの力をこめて、ういに向かおうとしたカイリキーのお腹にういの拳が突き刺さります。

カイリキー「……リ、リキ」

カイリキーの巨体が膝をつき、崩れ落ちる。

律「なるほど。カイリキーに接近される前に倒した方が早いということか」

梓「というより、普通に倒せてそうですけどね」

審判「カイリキー戦闘不能。ういの勝利です。モブAの手持ちポケモンは全滅です。よって、純選手の勝利です」

純 うい

モブA サイドン ひん死 ウインディ ひん死 ギャラドス ひん死 ナッシー ひん死 ピジョット ひん死 カイリキー ひん死


律「それにしても、すげえな……」

梓「ういはすごいのはもちろんですけど、あえて先発に持ってきて、他のメンバーの情報を出さない、純もすごいですね」

律「たしかにな……」

ゆい「ま、まあ、私がいるから大丈夫だよ!!」

梓「まったく、根拠がないですよね」

ゆい「あうう」

律「さて、次はどこで暇をつぶすか」

梓「いやいや、私達は暇じゃないですよ。1人で行ってくださいよ」

律「堅いこと言うなよ。こっちだって、寂しいんだ」

梓「それはまあ……分かりますけどね」

私達は会場を後にし、次はどこに行こうかと迷っていると、

澪「何をやってるんだ?」

澪先輩が話しかけてきました。

梓「あ、澪先輩」

律「おっす、澪」

ゆい「やっほー、澪ちゃん」

澪「やあ。梓達はこんなところで何をやってるんだ?」

梓「ただの見学ですよ」

澪「そうか……。随分、のん気だな」

梓「あはははは」

律「のん気とは失礼な奴だな。見学という名の偵察だよ」

澪「というか、何で律はここにいるんだ?」

律「暇だから」

澪「はあ?」

律「なんなら、澪と行動するか?」

澪「……遠慮しておくよ。そろそろ、抽選会だから、集合場所に行ったほうがいいぞ」

梓「あ、もうそんな時間ですか?」

律「じゃあ、頑張って来いよ。部屋で待ってるから」

ゆい「はい。鍵」

律「サンキュ、ゆい」

梓「いやいや。何をすんなり鍵を渡してるんですか」

律「……駄目か?」

梓「別に駄目とは言ってませんが……まあ、いいですよ。綺麗にしておいて下さいね」

律先輩は「だいじょうぶ、だいじょうぶ」と言って、去っていきました。

澪「……それじゃ、行こうか」

梓「そうですね」

ゆい「レッツ・ゴー!」


抽選会場

紬「あら、澪ちゃんに梓ちゃん、それにゆいちゃん」

澪「やあ、ムギ」

梓「こんにちは、ムギ先輩」

ゆい「やっほー、ムギちゃん」

澪「ムギも順調に勝ったんだな」

紬「ええ。ここにいるってことは澪ちゃん達もね?」

梓「はい」

紬「いよいよ、私達の中でも戦いがありそうね」

澪「そうだな。8人だもんな」

周りを見ると、そうそうたるメンバーですね。1人、フードのついたローブを着た、変わった人もいますが。

澪「悔いのないようにしたいな」

紬「そうね」

司会者『さあ~、勝ち進んできた名誉ある諸君。いよいよ、抽選会の時間だー』

純「はあはあ、やっと着いた」

梓「あ、純」

純「やあ……。迷っちゃってさ」

うい「だから、あっちだって言ったのに」

純「私の勘が逆って言ったんだけどねー」

梓「何やってんだか」

司会者『それでは抽選会を始めます。今回は……これです!!』

司会者が指差す方向には水槽みたいな物が置いてあって、中は黒いカーテンがしてあり、見えません。そして、そこから紐につながったモンスターボールが水槽みたいな物の外に8つありました。

司会者『皆さんにはこれから、この中から好きなモンスターボールを選んで一斉に引いてもらいます。このモンスターボールは2つで1本に繋
がっています。それが4本。ボールの中にある番号は戦う順番です』

梓「また、めんどくさいことを……」

ゆい「えー。面白そうじゃん」

梓「そうですかね」

ゆい「そうだよ。こうやって、一つ一つの共同作業が私達の大きな未来に繋がってくんだよ!!」

梓「共同作業って……一緒に引っ張るってことですか?」

ゆい「そうだよ~。……それとも、いや?」

梓「いやとは言ってません。勘違いしないで下さい」

ゆい「そっか~。よかった~」

司会者『それでは、抽選を始めたいと思います。参加者は好きな番号のところに行って下さい。被った場合はジャンケンでお願いします』

梓「アバウトな……」

司会者『それでは……スタート!』

梓「とりあえず、一番遠いところをあえて狙いましょう」

ゆい「そうだね!」

ゆい先輩を抱きかかえて、走ります。

梓「それっ!!……あ」

私がボールを掴みました。しかし、同時にフードを被ったローブの人も同時に掴んでいます。

梓「これは……ジャンケンですね」

???「いや、いいよ。譲ってあげる」

梓「え、でも……」

???「元々、どれでもよかったんだからね。気にしなくていいよ」

そう言うと、止める間もなく、余ってる所に行ってしまいました。

梓「何なんだろ?」

ゆい「まあ、いいじゃん。良い人みたいだし。そんなことより、私が『ゆい!!』って言ったら、あずにゃんが、『あず!!』って言って、引
くんだよ」

梓「何ですか、それ」


実況者『それでは、引いてください』

ゆい・梓「「いっせいのせ!」」

???「きゃっ!!」

勢いよく、引っ張りすぎたのか、私の対戦相手の人が前のめりに転んでしまったようです。

ゆい「やったね!まずは先制パンチだよ!」

梓「何をを言ってるんですか……。大丈夫ですか?」

???「大丈夫よ……梓ちゃん」

梓「? あ、ムギ先輩!」

どうやら、私の次の対戦相手はムギ先輩になったみたいです。


抽選会後・自室

律「そうか。次はムギか」

ベットの上で、ゆい先輩とスマブラをやりながら、話します。

律「言っておくけど、ムギは強いぞ……って、知ってるか」

梓「まあ、一応……旅でも一回しか戦ったことはありませんけど」

律「普通は1回もないで戦うんだぜっと」

梓「それはそうですけど……あー、メンバー、どうしよう」

律「アドバイスはしないぞ」

梓「期待してませんし」

ゆい「じゃあ、私が!」

梓「そっちも期待してません」

ゆい「ええっ!! りっちゃ~ん、あずにゃんが冷たいよー」

律「おお、よしよし」

ゆい「あれが俗に言うツンデレなの?」

律「その質問は難しいな。定義が人によって様々だからな」

ゆい「そうなんだー」

梓「……分かりました。ゆい先輩の話を聞きましょう」

私はゆい先輩を抱き上げます。

律「何だよ。焼きもちかよ」

梓「ち、違います!ゆい先輩は私のポケモンですからね。一緒にメンバーを考えないといけません」

律「そうかい、そうかい」

梓「何で、ニヤニヤしてるのか分かりませんが……、納得してくれたのなら、結構です」

律「それじゃ、早く決めて遊ぼうぜ」

ゆい「そうだね」

梓「いやいや。明日も試合なのに」

律「ちょっとくらい大丈夫だろ」

ゆい「そうだよ~」

梓「はあ……。分かりました。じゃあ、行きますよ、ゆい先輩」

ゆい「ほ~い」


次の日

梓「結局、徹夜してしまった……」

ゆい「スーピー」

梓「ほら、起きてください」

ゆい「後、5分~」

梓「はあ、まったく……」

律「梓も大変だな」

梓「誰のせいですか、誰の」


会場

澪「さて、ついにムギと梓の試合か……」

純「どっちが勝ちますかね」

うい「難しいね」

律「よお、澪。それに純ちゃんに、ういちゃん」

澪「あ、律」

純「おはようございます」

律「2人は大丈夫なのか、試合は」

純「私は4戦目なので」

澪「私は3戦目だから、大丈夫」

律「じゃあ、じっくり見ますか」

律は私の横にどかりと座る。

うい「律さんはどっちが勝つと思いますか?」

律「さあ。こればかりはなんともな」

澪「そろそろ、入場するみたいだな」


実況『さあ、いよいよ、選手入場です。まずは……琴吹紬選手です!』

観「「「「「わー、わー」」」」」


澪「す、すごいな……ドキドキ」

律「まだ、緊張するのには早いだろ」

純「でも、気持ちは分かりますよ。この後、私達もここでやるわけだし」


実況『続いて、中野梓選手が入場します』

観「「「「「あっずにゃ~ん」」」」」


澪「1回戦の時も思ったが、なんだ、あの掛け声」

律「ハナダシティでの戦いから、ファンが多いからな」

純「恥ずかしいですよね、あれ」

うい「そうだよね」


紬「逃げなかったのね」

梓「当たり前ですよ」

紬「後悔させてあげるわ、逃げなかったことを」

梓「どこの悪役ですか」


審判「ルールを説明します。使用ポケモンは6匹。交代は技によるものを除き、互いのモンスターのどちらかが気絶した時とします。トレーナーによる、アイテムの使用は禁止です。よろしいですね」

私達はお互いにうなずきます。

審判「勝利条件は相手ポケモンの全滅です。準備はよろしいですか?それでは……」

審判・紬・梓「「「決闘(デュエル)!!!」」」


ポケモンリーグ編③  「束の間の休息」 終了





審判・紬・梓「「「決闘(デュエル)!!!」」」


紬「行くわよ、梓ちゃん。私の戦い方はりっちゃんとは違うわよ」

梓「望むところです!」

紬「来なさい、マタドガス」

梓「来てください、ポリゴン2」


梓 ポリゴン2

紬 マタドガス


実況『さあ、紬選手はマタドガス、梓選手はポリゴン2を出してきたー』


律「マタドガスか。嫌なポケモンだなー」

澪「たしかにな」


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最終更新:2011年09月21日 19:36