紬「……」

梓(……何も仕掛けてきませんね?それなら……)

梓「サンダース、10万ボルト!」

サンダースは分身を戻し、クロバットの下から、10万ボルトを発射します。

紬「……クロバット!」

クロバットは不意打ちに近い、10万ボルトをすんなりとかわします。

紬「その攻撃を待ってたのよ。クロバット、しねんのずつき!」

クロバットは思念の力を頭にためて、サンダースに命中させます。

サンダース「ダース!」

サンダースはその攻撃を受けて、飛ばされるも何とか耐えます。

澪「なるほど。攻撃をする時にかげぶんしんが消えるのを狙ったのか」

律「さすがというべきかなんというか」

純「梓が仕掛けなきゃ、完全な持久戦になってましたからね」

梓「まだ、終わってませんよ。サンダース、10万ボルト!」

サンダースは怯まずに、10万ボルトを発射するも、クロバットは華麗に避けて、ヘドロを投げつけてきます。

サンダース「ダース!!」

サンダースはその攻撃をかわしきれずに、命中し、気絶しました。

審判「サンダース戦闘不能。クロバットの勝利です」


梓 ポリゴン2 ひん死 プテラ ひん死 サンダース ひん死

紬 マタドガス フーディン ひん死 デンリュウ ひん死 クロバット


実況『さあ、紬選手はここまで常に先制を取ってるわけですが、梓選手はどう対抗していくかー』

梓「さあ、出番ですよ、ニューラ!」


梓 ポリゴン2 ひん死 プテラ ひん死 サンダース ひん死 ニューラ

紬 マタドガス フーディン ひん死 デンリュウ ひん死 クロバット


梓「ニューラ、ねこだまし!!」

ニューラは素早く、手をパンと叩きます。クロバットはその攻撃で眼をつぶって怯みます。

梓「今です!!ニューラ、こうそくいどう!」

ニューラは体を楽にし、素早く移動できるようにします。

梓「ニューラ、メタルクローです!」

紬「接近させないで、クロバット、エアスラッシュ!」

クロバットは空気の刃をニューラに向かって、発射します。しかし、ニューラは素早く、その攻撃をかわしつつ、接近していきます。


純「速い!」

澪「元々の素早さに加えてのこうそくいどう。ある意味、必然だな」


クロバットの攻撃をかわし、ニューラはクロバットの胸元の接近します。そして、ニューラの鋭いツメがクロバットを切り裂きます。

梓「よし!」

紬「くっ……。だけど、まだよ!クロバット、一旦、距離をとりなさい」

クロバットは素早く、ニューラから離れます。

梓「こっちも離れて、様子を見て下さい!」

それに合わせて、ニューラも距離を取ります。


律「だが、遠距離ではクロバットのほうが有利だな」

澪「たしかにな」

純「だけど、深追いは危険ですよね」

うい「そうだね。だから、判断が難しいんだけどね」


梓「さあ、まだまだ行きますよ。ニューラ、こおりのつぶて!!」

ニューラは氷の塊を一瞬で作り出し、クロバットに向けて、投げつけます。

紬「クロバット!」

クロバットは傷つき、動きは鈍いですがそれでも、攻撃をかわします。

梓「ニューラ、もう一度、接近してください!」

ニューラは小さい体ですばしっこく動いてクロバットに接近します。

紬「……クロバット、肉を切らせて骨を断ちなさい!」

ニューラ「ニュラ!!」

ニューラの鋭いツメでクロバットを切り裂こうとするのをクロバットは自分の羽で防御します。

クロバット「クロ……」

クロバットの自慢の羽にニューラの鋭いツメが突き刺さり、苦しそうにします。

紬「クロバット、かみつきなさい!」

梓「無駄です!ニューラ、はなれ……あっ!?」

ニューラはクロバットの羽にツメが刺さり、動きが封じられています。そうしている間に、ニューラの首にクロバットの牙がかみつきます。

梓「まさか、ムギ先輩。ここまで読んで……」

紬「フフフ。クロバット、どくどくよ」

クロバットは噛み付きつつも、ニューラの首に猛毒を注入します。

梓「ニューラ!」

ニューラは何とかツメを引き抜き、距離をとります。

ニューラ「ハア……ハア……」

梓(毒が入っているこの状態で長期戦はまずいですね。早く、決着をつけないと)


澪「ムギ……なんて奴だ」

律「劣勢だったのが、一瞬で自分のペースに持っていった」


紬(ゆいちゃんを倒すにはこの程度の雑魚にかまっている場合じゃないのよね)

紬「クロバット、はねやすみをしましょうか」

クロバットはニューラから離れて地上に降りて、休み始めます。

梓「ニューラ!」

ニューラは毒と首へのダメージで、動きを鈍くしています。

紬「さて、梓ちゃん。トドメよ。クロバット、ブレイブバード!」

クロバットは弱っているニューラに向かって、羽を折りたたみ、低空飛行で突っ込んできます。

梓「やりますね、ムギ先輩……」

紬「ありがと、梓ちゃん」

梓「でも、私はその上を行きます!!」

ニューラはクロバットが向かってくるのに合わせて、高くジャンプします。そして、ニューラのいた所を通過する寸前に、上から自慢のツメでクロバットを切り裂きます。

クロバット「クロ!」

その攻撃を受けて、クロバットは地面に転がり落ちます。

梓「トドメです、きりさく!!」

倒れているクロバットにニューラが鋭いツメで切り裂きます。その一撃に耐え切れずに、クロバットは気絶しました。しかし毒と傷の影響で、ニューラは気絶しました。

審判「クロバット、ニューラ、ともに戦闘不能」


梓 ポリゴン2 ひん死 プテラ ひん死 サンダース ひん死 ニューラ ひん死

紬 マタドガス フーディン ひん死 デンリュウ ひん死 クロバット ひん死


実況『まさかの引き分けだー。しかし、状況は紬選手の方が有利かー!!』

紬(ここまではまあ順調ね。問題は次のハッサムをどう倒すかね。ゆいちゃんを攻略するにはできるだけ多くのポケモンを残す必要がある。そ
のためにはハッサムの処理に手間取っては駄目ね)

梓「来てください、ハッサム!!」

紬「来なさい、マタドガス!!」


梓 ポリゴン2 ひん死 プテラ ひん死 サンダース ひん死 ニューラ ひん死 ハッサム

紬 マタドガス フーディン ひん死 デンリュウ ひん死 クロバット ひん死


梓「さあ、行きますよ、ハッサム」

紬(ハッサムを調子に乗らせると、梓ちゃんの調子も上がってくる。するとゆいちゃんの調子も上がってくる。それだけにこの戦いは慎重にしないと……)

梓「ハッサム、バレットパンチ!」

ハッサムは先制を取るべく、弾丸のように素早いパンチを繰り出します。

紬「マタドガス!」

マタドガスは煙を出して、ハッサムのバレットパンチから逃げ始めます。

ハッサム「サム!?」

この煙により、ハッサムはバレットパンチを外します。

梓「また、この戦法……」

煙は瞬く間にフィールドの半分を埋め尽くします。


澪「この戦法はさっきよりも辛いかもしれないな」

純「どうしてですか?」

澪「ポリゴン2には遠距離からの技もあったけど、ハッサムにはないからだ。攻撃するにはあの煙の中に入らないといけない」

純「なるほど」

うい(ここまで考えてるなんて、澪さんもすごいな。もしかしたら、次に対戦するかもしれないから気をつけておこう)

律「だが、不利ってばかりでもないだろ。ハッサムにはどくタイプの技は通じないから、マタドガスの攻撃範囲は狭くなるし」

純「それもそうですね」

うい「いや、それは……」

澪「それはどうかな?」


梓「ならば、ここは一旦、様子を見ましょう」

紬「そんな暇はないわよ。マタドガス、かえんほうしゃ!」

梓「!?」

煙の中から、炎がハッサムに向かって発射されてきます。その攻撃を紙一重でハッサムはかわします。


澪「マタドガスはああ見えても、10万ボルト等の攻撃もできるんだ。得意のどくタイプの攻撃ができなくても、十分に攻撃手段はある」

純「へえ~。さっき、ういもこれを言おうとしたの?」

うい「う、うん。まあね(やっぱりこの人は要注意だ)」


梓「このままじゃ、長期戦も不利になりますね。一体どうしたら……」

紬「フフフ」

梓(駄目だ。まったく、隙が見えない……)

紬「マタドガス、かえんほうしゃ!!」

梓「ハッサム、かわして!」

ハッサムはその攻撃を何とかかわします。

紬「いつまでもつかしら?」

梓「くっ……」


律「マタドガスの力でも、ハッサムには炎の攻撃は辛いからなー」

澪「ムギとしてはハッサムをさっさと倒したいところだな。この後にゆいが控えてるだけに」


梓「ここで避けてばかりいてはいずれは負けてしまいます」

ゆい「そうだね。攻めなきゃ」

梓「行きますよ、ハッサム!」

ハッサムは煙幕の中を果敢にも入っていきます。

紬「袋の鼠ね。いえ、飛んで火にいる夏の虫と言った方がいいかしらね」

梓「それはどうでしょうかね」

紬「強がりは見苦しいわよ、梓ちゃん。マタドガス、かえんほうしゃよ」

煙幕で中の様子は見えませんが炎のようなものが光っているのが見えます。

梓「ハッサム!」


私はかえんほうしゃを浴びつつ、マタドガスの方に向かう。

ハッサム「ハッサム(マタドガスはかえんほうしゃを発射して油断している)」

体のダメージは相当なものだけれどもこのマタドガスを倒せば、いや、倒さなければ、この戦いの勝利は限りなくゼロになるだろう。

ハッサム「サムーーーーーーーー!」

痛む体に鞭を打ち、マタドガスに自慢のハサミで切り刻みにいった。


マタドガス「ガスー!!!」

突如として、マタドガスが煙の中から上空に跳ね飛ばされてきました。胸にはXの文字があります。ということは……。

梓「ハッサムがやりましたよ、ゆい先輩!!」

ゆい「やったね、あずにゃん!」

マタドガスは地面に落下し、そのまま気絶しました。

審判「マタドガス戦闘不能。ハッサムのしょう……ん?」

煙幕が晴れてきて、フィールドが見えてくると、ハッサムが気絶していました。

梓「ハッサム!」

審判「ゴホン。マタドガス、ハッサム、ともに戦闘不能」


梓 ポリゴン2 ひん死 プテラ ひん死 サンダース ひん死 ニューラ ひん死 ハッサム ひん死

紬 マタドガス ひん死 フーディン ひん死 デンリュウ ひん死 クロバット ひん死


実況『梓選手は残り1匹だー。このまま、紬選手の勝利で終わるのかー』


澪「残り、1匹か……」

律「その1匹がきついんだよな」


梓「行きますよ、ゆい先輩!」

ゆい「うん!!」

紬「クチバシティでの戦い以来ね」

ゆい「そうだね」

紬「それじゃ、来なさい、カポエラー」

梓 ポリゴン2 ひん死 プテラ ひん死 サンダース ひん死 ニューラ ひん死 ハッサム ひん死 ゆい

紬 マタドガス ひん死 フーディン ひん死 デンリュウ ひん死 クロバット ひん死 カポエラー


実況『さあ、梓選手はエースである、ゆいの登場だー』

観客「ゆーい、ゆーい」

実況『観客からも大きなコールが流れています』

紬「さあ、はじめましょうか。最後の戦いを」

梓「む。まだ、終わってませんよ」

紬「フフフ。さあ、いくわよ、カポエラー」

カポエラー「カポ」

紬「カポエラー、インファイト!」

梓「来ますよ、ゆい先輩!!」

ゆい「任せてよ。ゆいちゃん真拳奥義ゆいぐるみガー……」

紬「ゆいちゃん、梓ちゃんのスカートがめくれてるわよ」

ゆい「え、うそ!!」

ゆい先輩はムギ先輩の言葉にいち早く反応し、私のほうを見ます。

梓「そ、そんな訳ないじゃないですか。ムギ先輩のデタラ……ゆい先輩、後ろ!!」

ゆい「ほへ?後ろ?」

カメラを構えてのん気そうに私のほうを見る、ゆい先輩にカポエラーの足が迫ります。

ゆい「ひゃー」

ゆい先輩はかわしきれずに、その攻撃を受けて、スタジアムの壁まで飛ばされます。

梓「ひ、卑怯ですよ、ムギ先輩!」

紬「引っかかるほうが悪いのよ」

梓「……まあ、そう言われると何も言い返せませんけどね」

ゆい「いや、言い返そうよ!!」

梓「あ、ゆい先輩」

ゆい先輩はのそりのそりとフィールドに向かって歩いてきます。


律「まったく、ムギには困ったもんだな」

うい「でも、仕方がないですよね。ああ言われたら、見てしまうのはもう人間の性ですし」

律「そうだけどさ」

澪「とりあえず、律にういちゃん、カメラをしまえよ」


ゆい「むう……。ムギちゃん、よくもやったね」

紬「ごめんなさい。こうでもしないとゆいちゃんを倒すのは厳しくて」

梓「ゆい先輩、油断しないで下さい。まだ、何か仕掛けてきますよ。速攻で倒しましょう」

ゆい「うん!!」

紬「なんか、ショックね。そんな対応されると」

ゆい先輩は目を瞑り、神経を集中させます。

ゆい(落ち着いて、集中するんだ。心を無にするんだ。そうすれば、達することが出来る。新たなる伝説の境地に。あの時の感覚が蘇る。さて、やるよ。……アズサマインド)

ゆい先輩の体が光り輝きます。

紬「いよいよね。カポエラー!」

カポエラー「カポ!」

ゆい「いくよ!」

ゆい先輩の姿が消え、カポエラーの前に現れます。

紬「慌てずに、みきるのよ」

カポエラーはゆい先輩の鋭いパンチを見切ってかわし、ゆい先輩に反撃するもゆい先輩は片手で防御し、対応します。


律「しかし、なんだかんだでゆいもちゃんとポケモンらしく戦えるのな」

澪「まあ、あれが普通なんだけどな」


梓「いいですよ、ゆい先輩!」

紬「カポエラー、距離を取りなさい」

カポエラーはゆい先輩を弾き飛ばし、距離をとろうとします。

ゆい「させないよ!!」

ゆい先輩はどこかの有名なジャンプ漫画のキャラのように一瞬で姿を消し、カポエラーの背後に現れます。

紬「!?」


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最終更新:2011年09月21日 19:39