梓 ガルーラ ひん死 サンダース ひん死 カイリュー ひん死 ニューラ ひん死 ハッサム ゆい

澪 カメックス スターミー キュウコン ひん死 ナッシー


実況『さて、ようやく、1勝をあげた梓選手。このまま、奇跡の逆転までいくのかー』

紬「スターミーじゃハッサムには厳しいし、カメックスはまだ取っておきたいわね」

律「でも、ナッシーじゃハッサムの技を受け切れないぜ」

うい「それでもいいんじゃないでしょうか?」

律「へえー、どうして?」

うい「ナッシーじゃ、お姉ちゃんとハッサムさんにはどうやっても勝てませんからね。なら、ここはハッサムの動きを封じるなり、多少のダメージを与えておけば、いいってことじゃないでしょうか?」

律「なるほど。まあ、澪にしてみれば、あのキュウコンの時点で6対1のビジョンを見てたんだから、そんな役割のポケモンがいてもいいわな」


澪「ナッシー、ねむりごな!」

ナッシーはこなを発生させ、フィールド全体にまかれます。

梓「……ハッサム!!」

ハッサムは素早くナッシーに接近し、バレットパンチを繰り出します。

ナッシー「ナッシー!」

ナッシーは顔面にその攻撃を受け、壁まで吹き飛ばされて、気絶します。

澪「一撃だと!?」

梓「あんまり舐めないで下さいね。私のハッサムは強いですよ♪」

澪「……梓」

審判「ナッシー戦闘不能。ハッサムの勝利です」


律「強気だな」

紬「でも、梓ちゃんは負けてるのよね」

うい「ええ。この差は大きいですよ」

律「けど、これくらいの気持ちじゃないとな」


梓 ガルーラ ひん死 サンダース ひん死 カイリュー ひん死 ニューラ ひん死 ハッサム ゆい

澪 カメックス スターミー キュウコン ひん死 ナッシー ひん死


梓「……ピクシー」

ゆい「随分、可愛いポケモンだね」

梓「ああ見えても、いろいろな技を覚えるみたいですからね。気をつけないと」

澪「いくぞ、ピクシー」

ピクシーは口を膨らませ、かえんほうしゃをハッサムに発射します。

梓「ハッサム、まもるです!」

ハッサムはバリアを出し、その攻撃を封じます。

澪「だが、まもるは何度も連続して出せる技ではない」

ピクシーはもう一度、かえんほうしゃの体制になります。

梓「くっ……ハッサム、みがわりです!!」

ハッサムは人形のようなものを出し、ピクシーのかえんほうしゃを避けます。

澪「やるな。だけど、いつまで、持つかな?」

梓「……なら、ハッサム、とんぼがえり!」

ハッサムはかえんほうしゃをかわし、ピクシーに体当たりを仕掛け、ボールに戻ります。

梓「出番ですよ、ゆい先輩」

ゆい「えー」

私はゆい先輩を下ろします。


律「なるほど。ゆいとハッサムを自在に交代させるのか」

紬「自由自在はいいすぎよ。ゆいちゃんは一度出したら、相手を倒すまで戻せないから」


澪「ピクシー、れいとうビーム!!」

ピクシーの手から、冷気のビームが発射されます。

ゆい「わー。 ゆいちゃん真拳奥義『ゆいぐるみ☆ガード』」

ゆい先輩はぬいぐるみを盾に攻撃をかわします。

ゆい「そして、そして、アズサ・マインド!」

ゆい先輩の体から、オーラが発生します。

澪「ピクシー、でんじはで動きを封じろ!」

ゆい「行くよ、ギー太」

微弱の電気がゆい先輩に迫りますが、ゆい先輩はギターをかき鳴らし、その電気を打ち消します。

澪「何!?」

ゆい「ゆいちゃん真拳奥義『ギー太・ブラスト』」

ギー太にエネルギーのような光がたまり、ピクシーに向かって、発射されます。

ピクシー「ピクーーーーー」

ピクシーは避けきれずに直撃し、気絶しました。

審判「ピクシー、戦闘不能。ゆいの勝利です」


梓 ガルーラ ひん死 サンダース ひん死 カイリュー ひん死 ニューラ ひん死 ハッサム ゆい

澪 カメックス スターミー キュウコン ひん死 ナッシー ひん死 ピクシー ひん死


実況『さあ、梓選手。ここまで怒涛の反撃を見せています。このまま、逆転まで行くのかー』

梓「ゆい先輩。戻ってください」

ゆい「はいはい。随分、忙しいね」

梓「行きますよ、ハッサム!!」

澪「来い、スターミー!!」


律「スターミーか。タイプとしては不利だけど、どうすんだ?」

紬「考えられるのは最後の1匹が不利だからか、隠しておきたいかだけどね」


澪「スターミー、ハイドロポンプ!」

スターミーはカメックスまでとはいかないまでも強力な水をハッサムに向かって発射します。

梓「ハッサム!!」

ハッサムはハイドロポンプを受けながらも、両手をクロスさせて盾にし、スターミーに向かってきます。

澪「頑張れ、スターミー!!」

梓「いっけー、ハッサム!!」

ハッサムは荒れ狂う水を突き進み、スターミーに近づきます。

澪「くっ……」

梓「ハッサム、シザークロス!!」

ハッサムはスターミーの中央のコアをXに切り裂き、スターミーは気絶しました。

審判「スターミー戦闘不能。ハッサムの勝利です」


梓 ガルーラ ひん死 サンダース ひん死 カイリュー ひん死 ニューラ ひん死 ハッサム ゆい

澪 カメックス スターミー ひん死 キュウコン ひん死 ナッシー ひん死 ピクシー ひん死


実況『さあ、梓選手の怒涛の反撃だー。このまま、逆転かー』

ハッサム「ハア……ハア……」

梓(ハッサムにだいぶ、ダメージが蓄積されてますね。勝ったけど、さっきのダメージが効いてるんですね。でも……)

私は胸にうずくまる、ゆい先輩を見ます。

ゆい「ほへ?な~に、あずにゃん」

梓(……もう少し、ハッサムには頑張ってもらわないと)


律「次はいよいよ、最後の6匹目を見せるか」
紬「そうね。さすがにカメックスはゆいちゃんにとっておかないといけないからね」



澪「……来い、カメックス!!」

梓「!?」


律「カメックスだと!?」

紬「別に驚くことではないわよ、りっちゃん。最後の1匹がハッサムと相性が悪いだけかもしれないし」

律「そうだけどさ」

うい「それにここで、梓ちゃんの流れを止めておきたいですしね」


澪「カメックス、決めろ、きあいだま!」

カメックスは気合を溜めた、こん身の力の玉で、ハッサムに向かって、発射します。

梓「ハッサム!!」

ハッサムは何とか、その攻撃を横に動いてかわします。

澪「やはり、もう、体力が残り少ないな」

梓「!?」

読まれてる。さすがは澪先輩。でも……。

梓「負けませんよ!ハッサム、バレットパンチ!」

ハッサムは先制をとって、速くて重いパンチを繰り出します。

カメックス「カメ!」

カメックスはその攻撃を片手で軽々と受け止めます。


律「さすが、カメックスだな。相当鍛えられてる」


澪「カメックス、上に放り投げろ!」

カメックスは軽々とハッサムを持ち上げ、上に放り投げます。

澪「打ち落とせ、ハイドロポンプ!!」

空中にいる、ハッサムにむかって、ハイドロポンプが射出されます。

梓「ハッサム!」
ハッサムはそのハイドロポンプに逆らいながら、カメックスに接近します。

梓「シザークロス!」

ハッサムのシザークロスがスターミーに引き続き、胸にXの文字が刻まれます。

梓「勝った!」

澪「まだだ!カメックス、カウンター!」

カメックスは傷つきつつ、技を決めて、油断しているハッサムにカウンターを決めます。その攻撃を受けて、壁まで吹き飛ばされ、カメックス
は気絶しました。

カメックス「……クス」

カメックスはその攻撃を決めて、気絶しました。

審判「カメックス、ハッサム、共に戦闘不能」


梓 ガルーラ ひん死 サンダース ひん死 カイリュー ひん死 ニューラ ひん死 ハッサム ゆい

澪 カメックス ひん死 スターミー ひん死 キュウコン ひん死 ナッシー ひん死 ピクシー ひん死

実況『さあ、互いに残り1匹。このまま、梓選手の逆転勝ちかー。あるいは、澪選手の逃げ切りかー』


梓「出番ですよ、ゆい先輩!」

ゆい「うん!」

澪「……因果なものだな」

梓「?」

澪「来いっ、エビワラー!」


梓 ガルーラ ひん死 サンダース ひん死 カイリュー ひん死 ニューラ ひん死 ハッサム ゆい

澪 カメックス ひん死 スターミー ひん死 キュウコン ひん死 ナッシー ひん死 ピクシー ひん死 エビワラー


律「あれは……」

紬「ゆいちゃんに初めて黒星をつけたポケモン」


ゆい「むむ。今度は負けないよ~」

ゆい先輩は体にオーラを発生させ、エビワラーに突進します。

エビワラー「ワラ!」

エビワラーはその突進を正面から、受け止めます。

澪「エビワラー、スカイアッパー」

エビワラーはゆい先輩を上空に突き上げるかのようにアッパーを決めにいきます。

梓「ゆい先輩!」

ゆい先輩はその攻撃を両手でガードするも、上空に飛ばされます。


律「上空に飛ばされたが……」

うい「両手のガードでダメージを減らしてる!」


澪「エビワラー、落ちてきたところをとびひざげりだ!」

梓「ゆい先輩、ゆいぐるみでガードです!!」

澪「!?」

ゆい「あ、そっか」

ゆい先輩はぬいぐるみでその攻撃を防御し、飛ばされて、転がるもダメージを減らしました。


律「……梓」

紬「梓ちゃんがゆいちゃんに指示を出すなんて……」

うい「? 前にも指示を出してましたよね?」

紬「ここまでの指示を出したことはないはずよ」

うい「あ、たしかに……」


梓「ゆい先輩、インファイト!」

ゆい「まかせんしゃい」

ゆい先輩は一瞬で姿を消し、エビワラーの懐に入ります。

澪「くっ……、エビワラー、みきりだ」

エビワラーは突然の攻撃でもゆい先輩の攻撃に対応し、その攻撃をかわします。

梓「速い!?」

澪「今度はこっちの番だ!かみなりパンチ!」

エビワラーの電気を溜めた拳がゆい先輩に迫ります。

梓「ゆい先輩、横にジャンプ!」

ゆい先輩は私の声に素早く反応し、かみなりパンチを間一髪かわします。

梓「反撃です!うたって下さい」

ゆい先輩は『ふわふわタイム』を歌い始めます。

澪「エビワラー、マッハパンチ!!」

エビワラーは歌い始めたゆい先輩に物凄い速いパンチを繰り出します。

ゆい「ぐっ……」

ゆい先輩はギー太でガードするも、その攻撃で歌うのを封じられます。

実況『両者、ここまで1歩も引かない攻防だー』

律「こうなると、どっちが先に先制を取れるかが問題だな」

紬「たしかにね」

梓「ゆい先輩!」

ゆい「うん。そろそろ、決めるよ」

澪「エビワラー、インファイト!」

エビワラーはゆい先輩の懐に入り、防御を無視して、パンチを繰り出します。

梓「ゆい先輩、ゆいぐるみでガードを……」

しかし、ゆい先輩はゆいぐるみでガードをしないで、ギー太でガードをします。すると、ギー太は光り輝きます。

ゆい「エビワラー君。君はとっても、とっても、強かったよ。じゃあね」

ギー太の輝きが1ヵ所に集まり、エネルギーとなり、ビームとなって、エビワラーに発射されます。

澪「よけろっ!」


律「無理だ。避けきれない」


ゆい「ゆいちゃん真拳奥義『ギー太・ブラスト・カウンター』」

エビワラーはその攻撃をまともに受け、フィールドの外の壁に激突し、気絶しました。

審判「エビワラー戦闘不能。ゆいの勝利です。澪選手のポケモンは全滅。よって、梓選手の勝利です」


梓 ガルーラ ひん死 サンダース ひん死 カイリュー ひん死 ニューラ ひん死 ハッサム ゆい

澪 カメックス ひん死 スターミー ひん死 キュウコン ひん死 ナッシー ひん死 ピクシー ひん死 エビワラー ひん死


実況『大逆転だー。圧倒的な不利な状況をひっくり返して、梓選手、決勝戦進出だー』

澪「そ、そんな……」

澪先輩はドサッと膝をつきます。

梓「……澪先輩」

澪「……梓」

梓「は、はい」

澪「……強くなったな」

梓「……ありがとうございます」

澪「次は……」

梓「?」

澪「……次は負けないからな」

梓「……はい」

澪先輩はそれだけを言うと立ち上がり、目に涙を浮かべながらフィールドを去りました。


ポケモンリーグ編⑥ 「準決勝・梓VS澪」 終了



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最終更新:2011年09月21日 19:45