前回までの状況(トレーナとポケモン)
梓 ゆい ハッサム ヘルガー イーブイ ニューラ ガルーラ カイリュー ポリゴン2 プテラ ラプラス
澪 ゼニガメ エビワラー デンリュウ
律 リザードン サワムラー ニョロボン レアコイル ゴローニャ ゴルダック
ムギ フシギバナ カポエラー ギャラドス
純 うい カビゴン ゲンガー エレブー カイリキー
ポケモンリーグ編⑦「決勝戦・梓VSAYU~決勝前夜~」
梓の部屋
梓「……」
紬「お茶が入ったわよ~」
ゆい「わ~い」
律「ケーキは?」
紬「ふふふ、ちゃんとあるから安心して。ほら、澪ちゃんも」
澪「え、えっと……」
ゆい「澪ちゃんも遠慮しないで食べなよ。おいしいよ~」
澪「で、でもな……」
梓「……はあ。いいですよ、遠慮しなくても。もう、慣れましたし」
澪「……悪いな」
律「遠慮すんなよ。どんどん食べろよ」
梓「律先輩は少しは遠慮してくださいよ。1回戦終わってから、ずっといるんですから」
澪「そ、そうなのか?」
律「ん?ああ。まあな」
ゆい「昨日は楽しかったよね」
紬「ええ」
澪「……」
律「ん?どうした、澪」
澪「いや……どうして、昨日呼んでくれなかったのかなって……」
律「そりゃあ、梓が嫌がったから」
澪「そうなのか!?」
梓「違いますよ。そんな嘘つかないで下さい」
澪「り~つ~」
律「悪い、悪い。単純に邪魔しちゃ悪いと思ったからな」
澪「梓はいいのか?」
律「……このケーキうまいな」
梓「ちゃんと答えましょうよ」
律「まあ、さすがに今日は遠慮するよ」
梓「そういえば、澪先輩は3位決定戦は……」
澪「……対戦相手のういちゃんから、辞退したらしいから、不戦勝で3位だよ」
梓「……そうですか」
……純。
ゆい「それでね……」
梓「ん?何を話してるんですか?」
ゆい「べ、別になんでもないよ。ねえ、ムギちゃん」
紬「ええ。なんでもないわよ。それよりも、梓ちゃん。ここの大浴場にでも入ってきたら?疲れを明日に残さないためにも」
梓「? まあいいですけど。皆さんは?」
紬「私達はちょっと用事があるから」
梓「そうですか。じゃあ、行きましょうか、ゆい先輩」
ゆい「ご、ごめんね、あずにゃん。せっかくのお誘いは嬉しいんだけど、私にも用事があるから……」
梓「何の用事ですか。まあ、いいです。皆さん、行かないなら、私も部屋のシャワーですませま……」
紬「それなら、安心して。澪ちゃんが付き合うから」
梓「え、澪先輩が?」
澪「え、私?」
紬「だからね、ゴニョゴニョ」
ヒソヒソ
澪「え、それは梓に直接言えば、いいじゃん」
ヒソヒソ
律「分かってねーな。隠れてやるのがいいんだよ」
ヒソヒソ
ゆい「そうだよ」
ヒソヒソ
梓「さっきから、何を話してるんですか?」
ゆい「なんでもないよ」
梓「?」
紬「ほら。着替えも用意したから、澪ちゃんと行って来て」
梓「は、はあ……」
澪「ほら、行こう、梓」
梓「わ、分かりました」
私は急ぐ澪先輩を追いかけるように部屋を出ました。
ゆい「行ったね……」
律「そうだな」
ゆい「それじゃ、特訓をするよ!」
律「でも、前日にやってもな……」
紬「それでも、何もやらないよりもましよ。ポケモンの場合」
律「そうだけどさ」
ゆい「ふふふ、この特訓の成果が明日出れば……」
ゆい・妄想
ゆい「ゆいちゃん・パンチ!」
AYU「うわー、やられたー」
実況「梓選手の優勝だー」
ゆい「わーい」
梓「ゆいせんぱーい」
ゆい「あずにゃん、私、やったよ~」
梓「さすがはゆい先輩ですね!」
あずにゃんは私を抱っこする。
ゆい「えへへ~、そんなことないよ~」
梓「いえいえ。ゆい先輩がいなかったら、優勝できませんでしたよ。これはお礼です」
チュッ。
ゆい「……ふおおおおおおおおおおおおおおおお」
ゆい・妄想終了
ゆい「えへへ~。こうなること間違いなしだね!!」
律「随分、都合のいい妄想だな」
紬「まあ、妄想ってそういうものだし……」
ゆい「とにかく、特訓だよ。サムちゃん達は?」
紬「ええ。偽造も完璧よ」
律「こえーな、おい」
ゆい「それじゃあ、出発!」
――――
梓「それにしても、変でしたね、皆さん」
澪「そ、そうかな。私には何も変わってないように見えたけどな」
梓「そうですかね」
澪「と、ところで、純ちゃんのところには行かなくていいのか?」
梓「……」
澪(って、何を聞いてんだ、わたしーーー)
梓「……」
澪「……」
澪(気まずい。私のせいだけどさ)
梓「……純にはういがついてますしね。私達が行っても、迷惑ですし」
澪「……」
梓「それに、どうせ行くなら、優勝してから行きますよ」
澪「……そっか」
梓「ちょっと、しんみりしちゃいましたね。さっさとお風呂に行きましょう」
澪「そうだな」
私達は浴場に向かおうとすると、正面から、フードをしたローブの女、AYUが歩いてきました。
AYU「ヤッホー」
澪「……梓、無視しよう」
ゴニョゴニョ。
梓「それもいいですけどね」
ゴニョゴニョ。
梓「こんちには。いえ、そろそろ、こんばんわでしょうか」
澪「あ、梓……」
AYU「……へえー。てっきり、無視されるかと思ったのに」
梓「それでもいいんですけどね。あなたに聞きたいことがあります」
AYU「何でも聞いていいよ。でも、その前に……」
梓「その前に?」
AYU「お風呂にでも入ってきなよ。それから、じっくりお話ししよう。部屋の番号は……」
AYUは私達に番号を教えます。
AYU「その代わり、あなた達、2人で来てね。そうじゃなきゃ、質問には答えないよ」
梓「……分かりました」
澪「あ、梓……」
その頃のゆい達
ゆい「みんなー、動きが鈍いよー」
ヘルガー「ヘルッ!」
ヘルガーの牙をニューラは軽やかにかわす。
ゆい「こらー。ちゃんと当てないと駄目だよー。ニュー太はその動きはいいよー」
律「なあ、ゆい」
ゆい「なんだい、りっちゃん」
律「ゆいは戦わないのか?」
ゆい「私は……ゴホン。腰が……」
律「ジトー」
紬「ジトー」
ゆい「うっ、視線が痛い」
律「お前なー」
ゆい「分かってるよ。今のは冗談だよ。どれ、私の相手は……」
ハッサム「サム!」
ゆい「……やっぱり腰が」
律「おい」
――――
梓「……」
澪「ふう~、いいお湯だったな」
梓「……そうですね」
澪「? どうしたんだ?」
梓「……いえ、なんでもありません」
梓(たった1年違うだけなのに、この差は一体……)
澪「ところで、梓」
梓「何ですか?」
澪「……どうしても行くのか」
梓「ええ。別に怖いなら、来なくてもいいですよ」
澪「こ、怖いわけないだろう。さあ、行こう!」
AYUの部屋
梓「……ここですね」
澪「そ、そうだな」
梓「あの、怖かったら……」
澪「だ、大丈夫だ、問題ない」
梓「そうですか。では……」
コンコンと、ドアをノックします。
AYU「ほーい」
AYUはドアを開けて、私達を迎え入れます。
AYU「よく来たね。どうぞ、座って」
梓「失礼します」
私達は椅子に腰掛けます。
AYU「それで聞きたいことはなんだい?」
梓「……分かりませんか?」
AYU「まあ、大体分かるよ。純ちゃんだね?」
梓「そうです!どうすれば、眼を覚ますんですか!?」
AYU「うーん、結論からいうと、どうにもならないんじゃないかな?私自身、あの技を使って、元に戻したことないしね」
梓「なんですって……」
AYU「まあまあ、そんなに怒らないでよ」
梓「ふざけないでください!」
澪「落ち着け、梓」
澪先輩は私をなだめます。しかし、私をなだめる手も震えているので怒っているのでしょう。
澪「ところで、部屋の中でもフードをつけているのか」
AYU「まあね」
澪「変わってるな」
AYU「えへへ、格好いいでしょ?」
屈託なく、笑うAYU。
澪「で、どうしてだ?」
AYU「何が?」
澪「どうして、あんなことをしたんだ」
AYU「別に純ちゃんを攻撃したかったわけじゃないんだけどな~」
梓「純はういを庇って……」
澪「梓!!」
梓「くっ……すいません」
AYU「まあ、どっちにしろ、かまわないんだけね。どうせ、君達はしんじゃうんだし」
澪「……どういうことだ。お前は何者なんだ?」
AYU「そう、それ。それを最初に聞いてくれればいいんだよ」
AYUは席を立つ。
AYU「ちょっと、長くなるけど大丈夫かな?」
澪「……ああ」
梓「……ええ」
AYU「それじゃあ、まずは立って」
梓「どうしてですか?」
AYU「まあ、いいから、いいから」
私達は言われたとおりに目をつぶりました。
AYU「目を開けていいよ」
梓「一体これで何が……!?」
私達は目を開けると、廃墟のようなビルや瓦礫の山がそこらへんにたくさんありました。
梓「ここは一体……」
ガサゴソ、ガサコソ。
澪「ひいい」
AYU「安心していいよ。ただの風だからね。ここには人間どころか、ポケモンすらいないから」
梓「ポケモンすらいない……」
AYU「お話しようか。未来の地球に何があったのか」
その頃のゆい達
ゆい「とりゃー」
バシンッと、力強く、パンチをする。
ゆい「ふう~、いい汗をかいたよ」
律「何やってんだよ」
ゆい「特訓だよ、特訓」
律「それは分かるが……お前、自分のぬいぐるみで遊んでるだけじゃん。他のポケモンは私達のポケモンとかと組み手とかしてんのに」
ゆい「うっ……分かってるよ」
律「本当かよ……」
うい「……お姉ちゃん、皆さん」
ゆい「あ、ういだ!おーい」
うい「何をしてるの?」
ゆい「特訓だよ、特訓。それよりも、純ちゃんは?」
うい「……まだ」
ゆい「そっか……。でも、大丈夫!私とあずにゃんで、純ちゃんを元に戻してみせるよ!!」
うい「……本当に出来る?」
ゆい「ほへ?どういう意味?」
うい「今のままじゃ駄目だよ」
ゆい「でもでも、どうすればいいのか、分からないし」
うい「……本当はやりたくないけど、フィールドに出て、お姉ちゃん」
ゆい「ほへ?」
うい「戦おう、お姉ちゃん。私がお姉ちゃんの練習台になるよ」
最終更新:2011年09月21日 19:46