AYU「戻って、ヘルガー。……そして、次はこれだよ、シャワーズ!」
梓「来て下さい、シャワーズ!」
梓 ヘルガー ひん死 シャワーズ
AYU ヘルガー シャワーズ
梓「また同じポケモンを……」
AYU「私は未来から来たんだよ。あなたが決勝戦にどんなポケモンを使ってくるかも分かってるんだ」
律「ちょっと待てよ。じゃあ、何で、あいつは梓にモンスターを合わせてるんだ。弱点を突いていけばいいのに」
紬「そうね」
澪「……多分、あいつは同じポケモンを使って、梓よりも自分が上だと証明したいんだよ」
律「力の差か」
紬「同じポケモンを使ってる場合、ポケモン自体の能力だけじゃなく、戦略の差も見えるわね」
澪「そして、もう一つ。梓に力の差を見せつけることで、絶望に落としたいんだ」
律「絶望?」
澪「力の差を見せ付けて、ポケモンマスターになりたいという梓の未来への希望を失くし、敗北という名の絶望に」
紬「なるほどね」
AYU「シャワーズ、ハイドロポンプ!」
AYUのシャワーズの強烈なハイドロポンプが私のシャワーズに迫ります。
梓「その程度なら、避けられますよ」
私のシャワーズは軽々とその攻撃をかわします。
AYU「そんなことは分かるよ。シャワーズ」
AYUのシャワーズはハイドロポンプを発射しながら、私のシャワーズに迫ります。
梓「なっ……」
AYU「あなたの出来損ないのシャワーズとは違うんだよ!」
その攻撃はさっきの攻撃をかわして、油断しているシャワーズに命中しました。
梓「シャワーズ!!」
AYU「シャワーズ、トドメだよ。ふぶき!」
凍てつくような吹雪が私のシャワーズに降り注ぎ、そのダメージで、私のシャワーズは気絶しました。
梓 ヘルガー ひん死 シャワーズ ひん死
AYU ヘルガー シャワーズ
AYU「あなたの出したヘルガーは元々、人間に捨てられていたものだよね。そして、あなたのイーブイはロケット団に改造された、いわば、身勝手な人間によって創られたもの。この2匹だけでも分かるでしょ。人間が如何に不必要なものかが!!」
AYUはシャワーズをボールに戻しながら、そんなことを言います。
AYU「梓ちゃんもこれで分かったでしょ?ポケモンにとって、人間は邪魔なんだよ。人間っていうのは破壊しか生まない。だから、ここで安らかに眠るように死んで、滅びていくことが地球のためなんだよ」
梓「……次、行きますよ」
AYU「まだ、抗うの? まあ、いいや。次は……来て、プテラ!」
梓「来て下さい、プテラ!」
梓 ヘルガー ひん死 シャワーズ ひん死 プテラ
AYU ヘルガー シャワーズ プテラ
梓「プテラ、アイアンヘッド!」
AYU「こっちも対抗して、アイアンヘッド!」
互いの固い頭が激突し、衝撃が風となって、私達に降り注ぎます。
梓「もう一度です!」
AYU「今度はうまくいかないよ!」
AYUのプテラは私のプテラの攻撃を華麗に避けて、私のプテラの横にすてみタックルを仕掛けて、私のプテラはその衝撃で地面に落下し、気
絶しました。
梓 ヘルガー ひん死 シャワーズ ひん死 プテラ ひん死
AYU ヘルガー シャワーズ プテラ
AYU「そのプテラだって、人間の都合で眠りから覚めさせられて、金儲けの道具にさせかけたんだよね?私が解放してあげなきゃ、ずっと、狭い檻の中で暮らしていくところだったんだよ」
律「セキチクの事件もあいつが原因だったのか」
梓「……」
AYU「どうしたの、うつむいちゃって。もう、諦めちゃった?」
ゆい「……」
梓「未来では英雄といわれてたけど、こんなにも弱いなんてね」
梓「……ふふ」
AYU「恐怖で頭がおかしくなっちゃたかな?」
梓「あなたはやっぱり、ゆい先輩にはなれません。それを確信しました」
AYU「はあ!? 何をおかしなことを言ってるの?もうすぐ、私はオリジナルを倒して、地球を救う英雄になるんだよ」
梓「無理でしょ、あなたじゃ。あなたは……ゆい先輩よりも弱いもん」
AYU「なんですって……!?」
梓「次、行きますよ」
AYU「余裕でいられるのも、今のうちだよ、ハッサム!!」
梓「行きますよ、ハッサム!」
梓 ヘルガー ひん死 シャワーズ ひん死 プテラ ひん死 ハッサム
AYU ヘルガー シャワーズ プテラ ハッサム
AYU「さあ、すぐに決めるよ。ハッサム、バレットパンチ!」
梓「受け止めて、ハッサム!」
ハッサムはAYUのハッサムの鋭くて素早いパンチを受け止めます。
AYU「弱い、弱い、弱すぎるよ!!」
ハッサムの怒涛のパンチが私のハッサムに叩き込まれます。
律「ハッサムでさえ、ここまでやられるとは……」
紬「強い、強すぎる……」
澪「ここまでなのか……」
ピキピキと、防御している、ハッサムの手にひびが入り始めました。
梓「なんていう威力……」
AYU「さあ、トドメだよ、シザークロス!」
梓「こっちもシザークロスです!」
互いの硬いハサミを交差した攻撃がフィールドの真ん中で激突します。
ハッサム(梓)「サム!!」
私のハッサムは力で相手のハッサムを押し切ろうとします。
梓「いっけーーーーーーー」
私のハッサムは力で相手を押し切り、怯んでいるAYUのハッサムに一歩退いて、アイアンヘッドを繰り出します。
AYU「……ハッサム」
相手のハッサムは冷静に自慢のハサミでその攻撃を受け止めます。
AYU「今度はこっちの番だよ!」
AYUのハッサムは力で押し切ろうとします。
梓「力なら、こっちの方が上です!」
私のハッサムはすぐに押し返します。
AYU「くす」
しかし、AYUのハッサムは素早く、後ろに退いて、バランスを崩したところにAYUのハッサムのシザークロスが私のハッサムに繰り出され
ます。そして、私のハッサムの胸にXの文字が出来て、見事に切り裂かれ、気絶しました。
梓 ヘルガー ひん死 シャワーズ ひん死 プテラ ひん死 ハッサム ひん死
AYU ヘルガー シャワーズ プテラ ハッサム
AYU「さてと。さてさて、強がりは今のうちだよ。来て、ラプラス!」
梓「行きますよ、ゆい先輩!」
梓 ヘルガー ひん死 シャワーズ ひん死 プテラ ひん死 ハッサム ひん死 ゆい
AYU ヘルガー シャワーズ プテラ ハッサム ラプラス
澪「たしかに、AYUの流れを止めたいけど、しかし、これは……」
紬「あの人が梓ちゃんのメンバーが分かっているとしたら、梓ちゃんのラストはラプラスになるわね」
律「だとすると、この判断は仕方がないのかな……?」
ゆい(違うよ、皆……。これは私に対するあずにゃんからのメッセージだよ。つまり『私のために全勝して下さい、ゆい先輩』ということ。つ
まり、これは……愛の試練だよ!)
ゆい「フンス」
梓(強い、強すぎる……)
前までの私なら、諦めていたかもしれません。でも……。
梓(私はこの旅を通じて、最後まで諦めないことを学びました。だから、諦めません。それにここまでみんなはよくやってくれました。相手が強かっただけです。後は……)
ゆい「いち、にー、さん、しー」
梓(ゆい先輩が勝ち上がってくれるだけです。私は……それを信じます!)
AYU「まあいいや。伝説の英雄のポケモンもこんなポケモンにやられるのもお笑いでいいよね!ラプラス、ハイドロポンプ!」
ラプラスは口に水を溜めて、強力な水を発射します。
ゆい「遅いよ!」
ゆい先輩は姿を消し、ラプラスの背後に現れます。
AYU「速い!?」
律「これは……アズサ・マインドだな」
紬「問題は体内の梓ちゃん分がどれくらい持つかどうかね」
ゆい(昨日、あずにゃんのポケモン達、りっちゃん、ムギちゃん、澪ちゃん、……そして、ういが頑張ってくれたんだ。皆のためにも勝つよ、私は!)
ゆい先輩はラプラスの首を持って、ジャイアントスイングをし始めます。その回転は勢いをまし、竜巻が発生するかと思うほどの風をフィールドに巻き起こりました。
律「これ、ゆいが喰らってた時は死ぬかと思ったよな」
紬「見ていたこっちもね」
梓「この技は一体……」
しばらく竜巻が続いていると、中から弾丸のようなものがAYUの横を通過して、壁に激突し、気絶しました。
梓 ヘルガー ひん死 シャワーズ ひん死 プテラ ひん死 ハッサム ひん死 ゆい
AYU ヘルガー シャワーズ プテラ ハッサム ラプラス ひん死
ゆい「これぞ、ひらさわ家48の殺ポケ技の1つ『竜巻・殺し』!……でも、この技をやると目が回るんだよね~」
ゆい先輩は目を渦巻きにして、酔っ払いのようにふらつきます。
AYU「……まあ、いいよ。次はこれだよ、ヘルガー!」
律「ヘルガーか……」
紬「ゆいちゃんにとっては仲間と戦うようなものね」
AYU「ヘルガー、かえんほうしゃ!」
ヘルガーの口から、すごい勢いの炎がゆい先輩に向かって、発射されます。
ゆい「はらほろひれ~」
ゆい先輩はまるで酔拳のようにその炎をよけます。
AYU「なら、かみくだく!」
ヘルガーの鋭い牙がゆい先輩に迫ります。
ガシッ!!
ゆい先輩の……人形にヘルガーの首が突き刺さります。
AYU「なにっ!?」
ゆい「ゆいちゃん真拳奥儀『ゆいちゃん・アッパー』!!」
ゆい先輩の拳がヘルガーのお腹にめり込み、上空に跳ね飛ばされます。そして、地面に落下し、気絶しました。
梓 ヘルガー ひん死 シャワーズ ひん死 プテラ ひん死 ハッサム ひん死 ゆい
AYU ヘルガー ひん死 シャワーズ プテラ ハッサム ラプラス ひん死
AYU「どこにそんな力が……なっ!?」
ゆい先輩の右手には光のオーラが発生してました。
律「百戦錬磨のアズサか」
紬「随分、ハイペースね」
澪「それだけ、余裕がないんだろうな」
AYU「まあいいよ。次は……これだよ!」
AYUはシャワーズを出してきました。
ゆい「今の私は止められないよ!」
ゆい先輩は今度は足にオーラを溜めて、シャワーズに接近します。
AYU「シャワーズ、あく……」
ゆい「ほい。アイスだよ~」
ゆい先輩はシャワーズの口にアイスを突っ込みます。
シャワーズ「シャワ~」
シャワーズは幸せそうな顔をして、アイスを舐めています。
AYU「今は戦闘中なのに……」
ゆい「隙あり!」
ゆい先輩はシャワーズの前足を足払いして、バランスを崩させます。
ゆい「トリャーーー」
ゆい先輩はオーラを右手に溜めて、そのまま、シャワーズに叩き込み、壁に激突して気絶しました。
梓 ヘルガー ひん死 シャワーズ ひん死 プテラ ひん死 ハッサム ひん死 ゆい
AYU ヘルガー ひん死 シャワーズ ひん死 プテラ ハッサム ラプラス ひん死
ゆい「これは普通のギガインパクトだよ!」
澪「これは……歴史を変えたことの副産物だな」
律「どういう意味だ?」
澪「ロケット団の戦いとかが無ければ、実際、ゆいはここまで強くなることはなかったはずだ。例えば、ミュウツーがそうだな。あの戦いがなければ、アズサ・マインドとかいう訳の分からない技ができなかったかもしれない」
紬「結果論かもしれないけど、そうね」
澪「それだけじゃない。今回の戦いで、ゆいはういちゃんに怪しげな技を教え込まれたわけだ。そして、仲間のポケモンとの特訓もした。つまり、今のゆいはポケモンの技、ゆいちゃん真拳、ひらさわ家48の殺ポケ技、3種類の技を会得した」
律「そう聞くとすごいとは思うけど……ゆいを見てると、そこまですごいとは思えないよな」
澪「だけど……今のゆいは最強だ」
AYU「来い、プテラ!!」
紬「相手にも余裕が無くなってきてるわね」
AYU「プテラ、アイアンヘッド!」
梓「ゆい先輩!」
ゆい「任せなよ、あずにゃん。……このパターンは読んでいるから」
ゆい先輩はまるでプテラの動きが分かるかのように、軽々とよけます。
ゆい「次のパターンは……」
AYU「プテラ、すてみ……」
ゆい「タックルだろうね」
プテラがこん身の力で、ゆい先輩に突進してきます。しかし、ゆい先輩は事前にその攻撃を読んでいたかのように上空にジャンプして、その攻撃を避けて、プテラの上に飛び移ります。
AYU「振り落としなさい、プテラ!」
ゆい先輩はプテラが体を横に回転させ始めたと同時に上空にジャンプします。
紬「さっきからのゆいちゃんの行動を見るに……才気煥発のアズサまで会得したのね……」
律「ゆいの奴、完璧に梓分を使いこなしてやがる……」
AYU「空中なら、避けきれないはず。プテラ、もう一度、すてみタックル!」
プテラは旋回し、空中にいるゆい先輩に向かって、突進を仕掛けてきます。
ゆい「あの時は1人じゃ勝てなかったけど……今なら、勝てるよ!!」
ゆい先輩は右手にオーラをためます。
ゆい「きあいパンチ!」
ゆい先輩の拳とプテラの頭が激突し、ピキピキとプテラの頭がひび割れて、プテラは落下し、気絶しました。
梓 ヘルガー ひん死 シャワーズ ひん死 プテラ ひん死 ハッサム ひん死 ゆい
AYU ヘルガー ひん死 シャワーズ ひん死 プテラ ひん死 ハッサム ラプラス ひん死
ゆい「はあ……はあ……」
梓(ゆい先輩、だいぶ疲れてる……)
律「当然だな。あれだけのハイペースで戦ってきたんだ」
紬「それに……梓ちゃん分の不足も激しいからね」
AYU「じゃあ、最後は……ハッサム!」
ゆい「ハッサム……」
AYU「君達がゆいを除いて、梓ちゃんが一番頼りにしていたポケモン。それにやられるのなら、伝説の英雄、ゆいも満足でしょ?ハッサム、バレットパンチ!」
ハッサムの重くて、鋭いパンチがゆい先輩に迫ります。
ゆい「くっ……」
ゆい先輩はその攻撃をギー太で受け止めます。
ゆい(いつも、ごめんね。ギー太……もうちょっとだけ、頑張ってね)
ゆい先輩は距離を取って、ギー太を弾き始めます。その音はどこまでも優しく、聞くものを心を浄化するような音でした。
AYU「今がチャンスだよ、ハッサム!……なっ!?」
その音にハッサムも聞き惚れていて、ゆい先輩に攻撃をしようとしません。
AYU「……何で、攻撃をしないんだよ!!」
ゆい「今がチャンスだよ!」
ゆい先輩はハッサムを掴んで、上空にジャンプします。ゆい先輩はハッサムの足を持って、ハッサムの首をゆい先輩の肩口で支える体勢になります。
AYU「しまった!?」
ゆい「ひらさわ家48の殺ポケ技の1つ『ひらわわバスター』」
その体勢のまま、地面に激突し、ハッサムは衝撃で気絶しました。
梓 ヘルガー ひん死 シャワーズ ひん死 プテラ ひん死 ハッサム ひん死 ゆい
AYU ヘルガー ひん死 シャワーズ ひん死 プテラ ひん死 ハッサム ひん死 ラプラス ひん死
最終更新:2011年09月21日 19:54