- 42. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/25(月) 06:18:48.17 ID:pLulvVGw0
- 「では、次のポケモンを」
「はい。来てください、ポリゴン2」
「次はこいつじゃ、キュウコン」
相手はキュウコンですか。しかし、カツラさんのさっきのポケモンから、考えても、さいみんじゅつには気をつけるべきですね。とりあえずは、様子見ですね。
「どうした、かかってこないのか」
「……」
「まあ、さっきのギャロップを見て、とりあえず、様子見といったところか」
くっ、読まれていますね。
「そっちがこないなら、わるだくみでもするかの」
「あずにゃん、あのおじいさん、悪いことする気だよ」
「違いますよ。わるだくみというのは自分の特殊攻撃力をあげ……しまった!?ポリゴン2、攻撃を……」
- 43. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/25(月) 06:20:16.02 ID:pLulvVGw0
- 「遅いぞ、キュウコン、だいもんじ!」
キュウコンは大の字をした炎をポリゴン2に向けて、発射し、ポリゴン2は真っ黒に焦げてしまいました。
「ああ?、ポリ太?」
「くっくっくっ、いちゃついてる間に、ポリゴン2がやられてしまったな」
「べ、別にいちゃついてなんか……」
「じゃが、さっきの言葉に反応しなければ、まだ、ポリゴン2はやられなかったぞ」
「ま、まだ、ポリゴン2は負けてません」
「時間の問題じゃがな。じゃが、いずれにしても、今のは大きいなあ」
「ご、ごめんね、あずにゃん、ポリ太?。シクシク」
「別にゆい先輩のせいじゃありませんよ」
「(ふう?。別にこんなことをしたくはないんじゃが、最後のゆい君にまわすのは、得策ではない。こうやって、精神に揺さぶりをかけて、こ
の戦いを勝てばいいのじゃ。仮に負けても、ゆい君を動揺させれば、まだ、勝てる可能性があるしのう)ほれほれ、じゃれている場合じゃないそ、キュウコン、オーバーヒート!」
キュウコンはフルパワーで、ポリゴン2に向かって、突撃してきます。
「ポリッ」
ポリゴン2はその攻撃を受け、飛ばされて、倒れます。
「ああ、ポリゴン2!」
「また、ゆい君のせいで、指示が遅れてしまったのう。まあ、これで、終わりじゃ。勝負はまた……」
「あうう?」
「……まだ、終わってませんよ」
「ポリ!」
「……ほう。あの技を受けて、立ち上がるか」
- 44. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/25(月) 06:23:32.83 ID:pLulvVGw0
- 「それはそうですよ。だって、ほのおタイプの技の威力は……半減しますから」
「? そのポケモンはポリゴン2じゃろ。そんなはずは……まさか……」
「そうです!さっきのだいもんじの後で、テクスチャー2を使っていたんです!」
テクスチャー2は最後に自分の受けた技に抵抗できるように自分のタイプを変化させる技です。だから、今の炎の攻撃の威力も減ったわけです。
「くっ。だが、まだ、こちらが有利じゃ。キュウコン、だいもんじ」
「ポリゴン2、まもる!」
キュウコンのだいもんじを一度だけ、壁を張り、無効にします。
「そして、十万ボルト!」
ポリゴン2は自分の体から電気を放出し、キュウコンを攻撃します。
「キュ?」
キュウコンは体がビリビリとしびれているようで、動きが鈍くなっています。
「キュウコン!」
「今です!ポリゴン2、はかいこうせん!」
ポリゴン2はエネルギーをため、動きの鈍い、キュウコンにつよいこうせんを発射します。
「グハッ」
キュウコンはそれを直撃し、気絶しました。
「キュウコン戦闘不能。ポリゴン2の勝利です。梓に1ポイント。1対1」
- 45. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/25(月) 06:29:19.98 ID:pLulvVGw0
- 「どうですか、これで、ゆい先輩のせいで負けじゃありませんよ」
「あずにゃ?ん」
「やりおるな」
「さあ、いきますよ、ゆい先輩」
「うん!私、頑張って、名誉を返上するよ」
「それをいうなら、名誉挽回です。名誉を返上してどうするんですか」
「おお、そうだった」
「ならば、ワシはブーバーを出すかのう」
相手はブーバー。ゆい先輩なら大丈夫でしょう。
「さて、今日はどうしようかな」
う?ん、と悩みこむ、ゆい先輩。
「今のうちに先制じゃ、ほのおのパンチ!」
ブーバはゆい先輩に炎をまとった拳を叩き込もうと、ドシドシと走ってきます。
「う?ん」
「ゆい先輩、ブーバーが来ますよ!」
「仕方がない、今日はこれでいこうかな」
「ゆい先輩!」
ブーバーの拳がゆい先輩に迫ります……が
ガシャーン
ゆい先輩はブーバーの拳をギー太で受け止めました。
- 46. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/25(月) 06:30:28.44 ID:pLulvVGw0
- 「ああ、ギー太。よくも、ギー太を……えいっ!!」
ゆい先輩はギー太をブーバーのおなかに叩き込みます。
「グバッ」
ブーバーはその攻撃で、1メートルくらい飛ばされ、尻餅をつきます。
「まったく、プンプンだよ」
「いや、今のは、ゆい先輩のせいじゃ……」
「とにかく、始めるよ。ゆいちゃん真拳奥義『テニスのお姫様』」
「なんか、いろいろと問題のありそうな名前ですね」
ゆい先輩は手から、光の玉を出します。
「これは私の体内から、あずにゃん分を取り出した、エネルギーの玉。これを相手に当てることでダメージを与えることが出来るんだ」
「へー、それはすごいですね」
「そのかわり、私の活動エネルギーの減りも早くなるのが難点なんだけどね。さてと」
ゆい先輩はその玉をパンパンと地面にバウンドさせ、ギー太を構えます。
「いくよ、ギー太」
ゆい先輩はその玉を上に投げます。
「いくよ、トリャーー」
ゆい先輩はギー太に光の玉を当てブーバーに向かって、飛ばします。しかし、その玉はブーバーの手前に落下しました。
「残念じゃが、その技はしっぱ……」
「まだだよ」
その光の玉はすごいスピンにより、ブーバーの顔面に向かっていきます。
「これぞ、ツイストサーブ」
- 47. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/25(月) 06:31:07.29 ID:pLulvVGw0
- フンスと胸を張る、ゆい先輩。そして、ブーバーの顔面に当たった光の玉はやまなりにゆい先輩の方に飛んできます。
「そして、ダンクスマッシュ!!」
その光の玉を思い切り叩きつけるように、ブーバーに飛ばします。
「グハッ」
その玉はブーバーのおなかに直撃します。
「これがゆい君の実力か」
「すごいでしょ?」
「あと少しですよ、ゆい先輩」
「任せなさいな。出てきて、ゆいぐるみ?」
ポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポン
- 48. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/25(月) 06:32:30.11 ID:pLulvVGw0
- 「さてと。実は前回のサムちゃんの戦いで、一つ、覚えた技があるんだよね」
「へー、ゆい先輩でも、そういうのを考えてるんですね」
「失礼だよ、あずにゃん」
「そうですね、すいません」
「では、……皆ー、踊ろう。うんたん♪うんたん」
ゆい先輩の掛け声で、ゆいぐるみはカスタネットとともに踊りだします。
「へー、たくさんの数でやるのも、かわい……じゃなくて、これのどこがハッサムから、学んだんですか」
「まあまあ、落ち着いて。これはつるぎのまいだよー」
そんなことをしてる間に、ブーバーは起き上がります。
「ブーバー、今のうちじゃ、もう一度、ほのおのパンチ!!」
「ブバ!……ブバ!?」
ブーバーはほのおのパンチをゆい先輩に与えるべく、突撃しようとしましたが、足元にはゆいぐるみがたくさんいました。
「皆、いっせいの……」
ゆいぐるみはブーバーの足を持ちます。
「せー!!」
ゆい先輩の掛け声で、ブーバーの足を持っていた、ゆいぐるみはブーバーを上に放り投げます。
「次は私を頼むよー」
ゆいぐるみはゆい先輩を持ち上げます。そして、ブーバーの落下に合わせて、ゆい先輩を落下する、ブーバーに向かって、投げます。
「ひゃー、これに回転も加えるよー」
ゆい先輩はゆいぐるみに弾丸のように投げられ、そのうえ、自分で回転を加えて、ブーバーの背中に向かって、突撃します。
「くらえ、。ゆいちゃん真拳超奥義『ゆいちゃん☆マグナム』」
「グバッ」
ゆい先輩は頭から、ブーバーの背中に激突し、壁まで飛ばされ、壁に激突した衝撃で、煙が巻き起こります。
- 49. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/25(月) 06:34:25.77 ID:pLulvVGw0
- 「目が回ったよ?」
煙の中から、眼をグルグル回しながら、ゆい先輩が出てきました。
「ブバ」
その後に、ドサッという音ともに、ブーバーが倒れました。
「なるほど、つるぎのまいで、ゆいぐるみの攻撃力も上がっているから、ゆい君を飛ばす勢いも上がっている。それに加えて、ブーバーを攻撃
した、ゆい君の攻撃力が上がって、ブーバーに与えるダメージも倍になる。つまりは4倍以上の力を引き出したわけじゃな。あっぱれじゃ」
「ブーバー戦闘不能。ゆいの勝利です。 梓に1ポイント。2対1。よって、梓の勝利です」
「ハラホロヒヘ?。あずにゃん、私、頑張ったよ?」
「まずは落ち着いて下さい。というか、まだ、目を回していたんですか」
それにしても、初めて出会った時から、比べて、だいぶ強くなりましたよね。一体、この成長は何なんでしょうね。才能なんでしょうか。
「あずにゃ?ん、抱っこ?」
「はいはい」
……とても、才能があるようには見えませんが。
「すまんのう、梓君」
「何がですか?」
「いや、最初の方にいろいろと言ったことじゃ。すまん」
「そ、そんなに謝らなくてもいいですよ。気にしてませんし」
「本当はあれで動揺してくれれば、と思ったんじゃがな。お前さん達はすごいトレーナーじゃ」
「ありがとうございます」
「それじゃ、クリムゾンバッジをあげようかのう」
カツラさんは私にバッチを手渡します。
- 50. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/25(月) 06:35:58.27 ID:pLulvVGw0
- 「これで、後1個だね、あずにゃん」
「はい!」
「どうじゃ、ちょうどいい時間だし、昼飯にでもせんか?奢ってやるぞ」
「それはわ……」
「え、いいの!?」
「ちょ、ゆい先輩」
「どうしたの、あずにゃん」
「少しは遠慮というものを」
「でも、奢ってくれるって言ってるし」
「それはそうですけど」
「まあまあ、遠慮するでない。そのかわり、今までの旅のことを話してくれればいいんじゃ」
「それくらいなら、お安い御用だよ。だから、美味しいものを……」
「もう、ゆい先輩ったら。分かりました。お付き合いします」
私達がジムの外に出ようとすると、
「待って下さい、カツラさん」
というジムの職員の声がありました。
- 51. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/25(月) 06:36:50.77 ID:pLulvVGw0
- 「なんじゃ。お前さんも奢ってほしいのか」
「そうじゃありません。緊急の電話です。今、大変なことになっているので」
「大変なこと?」
「とにかく、電話に出てください」
グレンジムのメンバーさんがカツラさんに電話を渡します。
「何だろうね」
「とにかく、まちましょ……ん?」
私の携帯にも着信がありました。着信名は……エリカさん?
「もしもし、どうしたんですか、エリカさん」
『大変なんです。今、どこにいるんですか?』
「今ですか。グレンジムに……」
「何じゃと!!」
突然、カツラさんが大きな声を出します。
『今の声は何ですか?』
「カ、カツラさんにも電話があって……」
『カツラさんがいるということはグレンジムにいるんですか』
「ええ。それよりも、何があったんですか?」
- 52. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/25(月) 06:38:02.86 ID:pLulvVGw0
- 『ヤマブキシティにロケット団が攻めてきたんです』
「ロケット団が!?」
『はい。それで、今回はジムリーダの私達にも、出動要請が出ているので、よければ、協力してほしいんです』
「でも、私なんかが行っても……。警察とかの方が……」
『今回はロケット団の人数も違いますし、幹部などの強い連中も来ています。敵も本気ということでしょう。なので、1人でも多くのトレーナーが必要なのです。それにこれはロケット団よりも、恐ろしいのですが……』
エリカさんは一息ついて、こう言いました。
『実はロケット団の他に伝説のポケモンの2匹、フリーザとファイヤーが出て、暴れているんです』
「伝説のポケモンですか!?」
『ええ。それを止めるためにも、強いトレーナーの力が必要なんです』
「なるほど、分かりました。すぐに……」
ん?ちょっと、待って下さい。伝説のポケモンはフリーザ、ファイヤー、そして、サンダーの3匹のはずです。もう1匹はどうしたんでしょうか。
- 53. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/25(月) 06:38:55.49 ID:pLulvVGw0
- 『どうしたんですか、梓さん。私も行かなければならないので……』
「あ、いえ、大丈夫です。それでは私もすぐに行きます」
『よろしくお願いします』
私は携帯をきります。
「どうしたの、あずにゃん」
「実はかくかくしかじか」
「なるほど」
「梓君にも電話があったか」
カツラさんも電話が終わったようで、私に話しかけてきます。
「はい」
「では、理由は分かっていると思うが、残念ながら、食事はなしじゃな。お前さんはどうするんじゃ?」
「もちろん、行きます」
「ではポケモンセンターで回復やメンバー調整をしてから、ヤマブキシティに向かおう」
「そんな、悠長にしていて大丈夫ですかね」
「慌てて行っても仕方がないじゃろ。万全の準備をしておくべきじゃ」
たしかに、そのとおりですね。
「では、早速ポケモンセンターに……」
- 54. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/25(月) 06:39:49.06 ID:pLulvVGw0
- その時、事務のドアがバンッと勢いよく開かれました。そこには、何人かの男の人が入ってきました。
「どうしたんじゃ。悪いが、挑戦者はおことわ……」
「大変だ、こ、この島にロケット団とサ、サ、サンダーが」
「え!?」
「なんじゃと!?」
私達が外に出ると、そこには、黄色と黒の鳥ポケモンが飛んでいました。
「ど、どういうことですか、なんでここにサンダーが……」
「まあ、なんにしても、敵も本気だということじゃな」
「そうですね」
私はこの戦いがロケット団との最後の戦いになるでしょうね。そんなことを思いながら、サンダーのいる空を見上げました。
- 55. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/25(月) 06:40:39.32 ID:pLulvVGw0
- グレンタウン編④ 「VSカツラ」 終了
- 58. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/27(水) 19:05:53.21 ID:ItQ3i7dY0
- 前回までの状況(トレーナとポケモン)
梓 ゆい ハッサム ヘルガー イーブイ ニューラ ガルーラ ハクリュウ ポリゴン2 プテラ ラプラス
澪 ゼニガメ エビワラー デンリュウ
律 リザードン サワムラー ニョロボン レアコイル
ムギ フシギバナ カポエラー ギャラドス
純 うい カビゴン ゲンガー
VSロケット団編① 「ポケモンセンターへ」 以下、投下
- 59. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/27(水) 19:06:58.69 ID:ItQ3i7dY0
- 今回のメンバー ゆい ハッサム ラプラス ヘルガー ニューラ ポリゴン2
「とにかく、まずはポケモンセンターに行かないといけませんね」
私の手持ちのうち、ゆい先輩を抜いても、ラプラスとポリゴン2は厳しいですし、ここを抜けるにも、プテラが手持ちにいませんしね。
「じゃが、問題は……」
「ええ」
上空にいるサンダーと下に迫ってきている、ロケット団ですね。今はなんとか、他のトレーナーの方々が進行を止めてくれているので、何とかなっていますが。
「それにしても、どうして、サンダーがここに。ヤマブキで一気に攻めた方が……」
「たしかにのう。思うに、お前さんをここに足止めしときたかったんじゃないかな」
「どうしてですか?」
「シオンの事件を解決したのはお前さん達じゃないのか?」
「まあ、そうですけど」
「じゃから、ここで足止めをしておくのが無難な選択じゃ。もし、倒せれば、それはそれでいいじゃろ」
「たしかに。でも、そこまでして、私を止める意味はあるんですかね」
「梓君を止めたいんじゃなくて、ゆい君を止めたいのかもしれんのう」
「ほえ、私?まっさか?」
- 60. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/27(水) 19:08:03.51 ID:ItQ3i7dY0
- 「いやいや、ゆい先輩はそれに値するポケモンですよ」
「あずにゃんまでそんな?。照れますな?」
クネクネと顔を赤らめるゆい先輩。そりゃ、何をしてくるか、トレーナーの私ですら、分からないんですから、相手なんか、もっと分からないでしょうし、警戒は当然でしょうね。
「いたぞ!ツインテールのガキと幼稚園児のクソガキだ。捕獲しろ」
私達がグレンジムの前で、そんな話をしていたら、ロケット団の連中の姿が見えました。
「やばい、のんびりしすぎた。こっちから……」
逆のほうを見ると、そっちからもロケット団の連中の姿が。
「くっ。一旦、ジムに戻るんじゃ」
私達はジムの中に逃げ込み、カツラさんはドアに鍵をかけます。
「さて、梓君」
「なんですか」
「ドアに鍵をかけても、おそらく、すぐに突破されるじゃろう」
「……」
「じゃから、ここはワシ達が囮になる。その間に、裏口から逃げるのじゃ」
「それじゃ、カツラさんは……」
「大丈夫です!」
私の後ろにカツラさんのジムに所属するトレーナーの方々が話に入ってきました。
「安心してください。私達も戦います」
- 61. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/27(水) 19:08:48.92 ID:ItQ3i7dY0
- 「でも、私のために皆さんが危険に……」
「これは梓さんのためだけじゃありません。僕はこの島の出身なのですが、あんな連中にこの島やジムを好き勝手にされたくないだけです」
「ほっほう、頼もしい言葉じゃ。どうじゃ、梓君。こやつを彼氏に……」
「駄目だよ!あずにゃんは私のなんだよ」
「そうか、そうか。残念じゃ、もう、振られてしまったのう。これで、何連敗じゃ?」
「も、もう、カツラさん」
ジムに所属するトレーナーさんとカツラさんに笑いが起きます。
「こら!!サッサと開けろ!!!」
ドアをドシドシと蹴る音がします。
「おっと、のんびりしてる場合じゃないな。これで分かったじゃろう。ワシ達は大丈夫じゃ」
「……カツラさん。分かりました。皆さんを信じます」
「うむ。では、裏口まで案内してやれ」
「はい。……こっちです」
「カツラさん」
「なんじゃ」
「もう一度……戦いましょうね」
「……ああ。頑張るんじゃよ」
「はい!」
私はカツラさんに背を向け、駆け出しました。
- 62. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/27(水) 19:09:33.33 ID:ItQ3i7dY0
- 梓が裏口に駆け出した後、ドアがガチャンとドアが蹴破られた。
「これはこれは、ジムリーダーのカツラさん。ツインテールのガキはどうした?」
「もう、ここにはいないぞ」
「そうかい。まあ、いないなら残念だが、カツラのじいさんだけでも、潰しておくか」
「……すまんのう」
カツラはロケット団ではなく、自分のジムに所属するトレーナーに言う。
「こんなジジイと心中は嫌かもしれんが、悪く思わんでくれ」
「……思う必要はないでしょう」
「そうですよ、勝つんですから」
「フッ。ではいくかのう」
カツラを先頭にトレーナー達は自分達の倍以上もいるロケット団に向かっていった。
- 63. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/27(水) 19:10:33.21 ID:ItQ3i7dY0
- 「大丈夫かな、カツラさん達」
「今はそれを信じましょう」
私達はヘルガーにまたがり、ポケモンセンターに向かっています。
「それよりも、私達のすべきことです」
「えーと、なんだっけ?」
「まったく、ゆい先輩は。私達はサンダーを倒すんですよ」
「いつも、思うけど、無茶だよね。ただの女の子なのにさ」
「それは思いますけどね。……ヘルガー、止まってください!」
私はヘルガーを止めます。というのも、前には……。
「ロケット団!」
ロケット団が5人くらいいて、それぞれ、ニドキング、ニドクイン、オコリザルが10匹くらいずついて、私の行く手をさえぎります。どうしますか、中央突破か、迂回して逃げるか。でも、ノロノロしてるとポケモンセンターもやばいですし。
「ここは中央突破です。皆、来てください!」
- 64. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/27(水) 19:11:30.62 ID:ItQ3i7dY0
- 私は手持ちのハッサムとニューラ、そして、さっきの戦いで体力が万全ではないポリゴン2を出します。
「くくく、たった、5匹で30匹もいる俺達を突破できると思っているのかな?」
「やってみなければ、分かりませんよ」
「上等だ。こっちは力押しでいくぜ。いけっ、お前ら」
その言葉を合図にオコリザル達が突撃してきます。
「こっちも、迎え撃ちます!」
「私も応援するよ!」
皆、いつでもいいとばかりにやる気を見せています。
「ザルザル!」
オコリザルが足に力をため、メガトンキックをニューラに繰り出します。
「ニュラ(サルの癖に生意気な奴だ)」
ニューラはそれをひらりとジャンプで避けて、オコリザルの背後に回り、オコリザルの背中を切り裂きます。
「ザル!」
オコリザルは背中から、血を噴出し、倒れます。
「ニュラ(さあ、次はどいつだ)」
ニューラはオコリザルのほうを向き、挑発をしているようです。
- 65. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/27(水) 19:12:41.49 ID:ItQ3i7dY0
- 「さすがはニューラですね」
「そうだね」
「ゆい先輩も戦いましょうよ」
「私は切り札だもん。それよりも、早く、ここを出発しなきゃね」
「そうですね、敵も集まってくるかもですし。……やっぱり、ゆい先輩が戦った方が早い気もしますが」
「無理だよ」
「なら、仕方がありませんね」
「ポリ!」
その時、バシンという音ともにポリゴン2が飛ばされてきます。
「ポリ太!」
「戻ってください、ポリゴン2!」
やはり、カツラさんとの戦いのダメージが大きいですね。
「クイン!」
ニドクインは咆哮を上げ、こちらに向かってきます。
「ヘル!」
ヘルガーは私に向かってなにやら、ほえ始めます。
「どうしたんですか?」
「私が戦うから、いったん、降りてだって」
「……分かりました。頼みましたよ、ヘルガー」
- 66. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/27(水) 19:13:40.07 ID:ItQ3i7dY0
- 私はヘルガーから降りて、急いで、その場を離れます。
「このままじゃ、不利ですね」
皆、頑張ってくれていますが、そもそもの数が違います。
「サム!」
私が不安そうにしていると、ハッサムが2匹目のニドキングを倒しました。
「おおっ、さすがはサムちゃん。あずにゃん、不安そうにすることないよ。皆、とっても、強いもん」
「ですね」
「たしかに、あのハッサムは強いな」
「ああ。……だが、これまでだな」
「強がりですか?一体何を言って……」
んです?と言おうとしたところに、ハッサムに向かって、ビシャーっと、稲妻が落ちます。
「サムーーーー」
鋼鉄の体を持つ、ハッサムも黒焦げになり、膝をつきます。
「い、一体何が……」
- 67. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/27(水) 19:14:52.26 ID:ItQ3i7dY0
- 「上を見てみな」
私が上を見てみると、そこには……。
「サンダー!!」
上空には無差別に雷を落としている、伝説のポケモン……サンダーがいました。
「今の攻撃はサンダーの……」
「そのとおりだ。お前が無駄な抵抗をするから、サンダーは無差別に雷を落としているんだ」
「……サム」
なんとか、立ち上がろうとする、ハッサム。
「無駄だ。さっきまでの仕返しをしてやれ、ニドキング」
「キング!」
ニドキングはハッサムを上に放り投げ、その大きくて硬いツノで思い切り、突き刺す技、メガホーンを放とうとします。
「このままじゃ……」
「私に任せ……ひゃー」
ハッサムを助けに行こうとしたゆい先輩は他のニドキングに摘み上げられます。
- 68. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/27(水) 19:16:03.37 ID:ItQ3i7dY0
- 「は、離してー」
ジタバタと暴れるゆい先輩。
「お前はこれから、ご主人様のあられもない姿を見ることになってんだよ」
いつの間にか、ロケット団の連中が私に近づいてきます。
「あ、あずにゃんに何をする気だー。変なことしたら許さないぞー」
ジタバタ
「おお。怖い、怖い」
「うう、サムちゃーーん」
ゆい先輩は大きな声で叫びます。
「……サム!」
突如として、やられるのを待っていた、ハッサムの目に光が戻り、その硬いハサミで敵を攻撃する技、メタルクローを落下を待っている、ニドキングに攻撃します。
「キング!」
ニドキングもメガホーンで対抗します。
ガッシーン
お互いのハサミとツノが激突します。
- 69. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/27(水) 19:17:02.25 ID:ItQ3i7dY0
- 「……キング」
ニドキングのツノがガラスのようにビキビキとひび割れ、粉々になり、倒れました。
「……サム!」
ハッサムは怒りの目で私達の方……ロケット団とニドキングを睨みます。
「ひっ」
「落ち着け。まだ、こっちには7匹のニドキングがいる。あんな手負いのハッサムごときでは相手にはならん」
「じゃあ、私のサワムラーはどうだ?」
そんな声とともに、私に一番近づいていた男が何かに蹴り飛ばされます。
「り、律先輩」
私がその方向を見ると、律先輩とサワムラーが立っていました。
「あ、りっちゃん。こっちも助けてよー」
「くそ。ニドキング、そいつをサッサと倒せ」
「ええっ!?」
ニドキングはさっきのハッサムにやったように、ゆい先輩を放り投げます。
「ひゃー、あずにゃーん」
- 70. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/27(水) 19:18:01.19 ID:ItQ3i7dY0
- 「ゆい先輩!!律先輩、ゆい先輩を助けなきゃ」
「落ち着けよ、梓。ゆいがあれくらいでやられるか?」
「……それもそうですね」
「ええっ!?ひどいよ、2人とも!」
そんなことを言ってるうちにニドキングまで、落下してきます。
「もう!こうなったら、ゆいちゃん真拳奥義『アイス☆ミサイル』」
ゆい先輩はアイスをどこからか取り出し、ニドキングの目に向かって、落とします。
「キング!」
ニドキングは目を押さえて、うずくまります。
「律先輩!」
「はいよ」
律先輩はサワムラーに命令し、サワムラ?はうずくまっているニドキングを蹴り飛ばし、ゆい先輩を回収します。
「わーん、怖かったよー」
「よしよし」
私はゆい先輩の頭をなでてあげます。
「くそが。こうなったら、ニドキング6匹、全部で……」
「それは無理だろう」
「は!?」
「後ろ」
「……キング」
背後で、5匹目のニドキングがハッサムによって、倒されました。
- 71. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/27(水) 19:19:02.37 ID:ItQ3i7dY0
- 「何だと!?」
「すごいです、ハッサム!」
「だが、まだ、オコリザルが……」
「……ザル」
その言葉と同時に8匹目のオコリザルが倒れました。
「おおっ!ニュー太もすごい!」
「ならば、ニドクイン!」
「クイン」
ヘルガーも頑張って、4匹は倒し、1匹と戦っていますが、残りの5匹のニドクインがこちらに向かってきます。
「でも、5匹じゃ足りないだろ。その程度の強さじゃ」
「う、うるせえ!」
「だが、ここは退いた方がいい」
「ああ。ツインテールのガキなら、このまま、押し切れるがもう1人はさすがに」
「たしかに」
「応援はどうした」
「今、ここにいるトレーナーの妨害にあっている」
「なら、一旦、退くぞ」
「おお!」
ロケット団の連中はポケモンを回収して、逃げていきました。
- 72. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/07/27(水) 19:21:06.37 ID:ItQ3i7dY0
- 「まったく、腰抜け共だな」
私がハッサム達をボールに戻している時に、律先輩が話しかけてきます。
「ありがとうございます、律先輩。危ないところでした」
「ん?気にするなよ、ピンチの時はお互い様だろ」
「……そうですね」
「ところで、梓達はどうして、ここに?」
「私達はグレンジムに挑戦に来たんです。律先輩は?」
「実はあずにゃんの様子を見に来たとか、だったりして?」
「まさか?」
「実はそうなんだ」
「はい?」
突然、律先輩は私を抱き寄せます。
「!?」
「ちょ、律先輩」
「嫌か?」
「嫌とかじゃなくて……」
「会いたかったよ、梓」
「わ、私は……えーと」
というか、顔が近すぎですよ、律先輩。
「駄目だよ!!」
バーン、とゆい先輩に体当たりをされます。
「な、な、な、なんのつもり、りっちゃん!!」
「何って、冗談だよ、冗談。大体、ゆいが変なことを言うからそれにのっただけだよ」
「のりすぎだよ!」
最終更新:2011年09月22日 21:32