134. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/01(月) 21:31:46.15 ID:EV8HfC7I0
「やったよ?、ビリビリ、あずにゃ?ん、ビリビリ」

「とりあえず、落ち着いてください」

「……まさか、あなた達に負けるなんてね」

和さんはピカチュウを抱き、きびすを返そうとします。

「待って下さい!」

「……何」

「まだ、ロケット団で、実験とかをするんですか」

「……」

「私、あなたとポケモンリーグで戦ってみたいです。たしかに、和さんはポケモンにひどいことをしてきたと思います。でも、今の戦いで本当にポケモンを好きだということを感じました。だから、もうそんなことをやめて……」

「……一つ、約束しなさい」

「はい?」

「チャンピオンになりなさい。私ともう一度戦うまで、勝ち続けなさい。そして、あなたを最初に倒すのは私になるわ」

「……はい!!」

「……じゃあね」

「あ、後、サンダーは……」

「あれは私には止められないわ。別の管轄よ。あれを止めるには倒すしかないわね」

「そんな……」

「それじゃあね」

今度こそ、和さんはきびすを返し、その場を去っていった。

グレンタウン・郊外
135. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/01(月) 21:33:58.51 ID:EV8HfC7I0
グレンタウン・郊外

「『私ともう一度戦うまで、勝ち続けなさい』ね。もう、あなたにそんな機会はないのにね。どうして、そんなことを言ったのかな」

私の前で、AYUはそう言った。

「私に勝った人が詰まらない奴に負けるのは嫌だからよ」

「なるほどねー」

「もう、未練はないわ。サッサとしなさい」

それが、私が傷つけてきた、

「ポケモン達への報いだからかい?和ちゃんは優しいねー。普通はそんなこと、思わないのに」

「……なんでもいいから、早くしなさい」

「分かってるよー」

AYUは手にエネルギーを溜めて、私に向ける。一体、この子は何者なんだろうか。

「じゃあね、元気で生きるのよ」

私は抱いていた、ピカチュウを地面に置く。

それじゃ、いくよ」

「いつでもいいわ」

私は目を瞑る。

(覚悟はした。いつでも来なさい)

そう思って、最後の一撃を待っているのに、いつまでもこない。

「どうしたの、はやくしな……!?」

私が目を開けると、傷ついたピカチュウが私の前に手を広げて、立っている。

「ふーん。やーめた」

「は?」

「あなたがいなくなったら、この子がかわいそうだからね」

AYUはきびすを返す。

「あ、あなたは一体何がしたいの」

「……それを答える義務は仲間でもないあなたに言うことじゃないよ。これが最後だよ。次に会う時には敵だからね」

「……ありがとう」

「……ふん」

AYUは去って行った。

「ありがとね、ピカチュウ。これからも、よろしくね」

「チュウ?」

「……頼むわよ、梓」

私はこれから、今までやってきたことをどう償っていけばいいのかを考えながら、サンダーを見つめた。


136. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/01(月) 21:38:32.48 ID:EV8HfC7I0
VSロケット団編③  「VS和」  修了
139. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/06(土) 04:55:11.98 ID:Ex4FfjM30
前回までの状況(トレーナとポケモン)                                            
梓          ゆい  ハッサム  ヘルガー  イーブイ   ニューラ   ガルーラ  カイリュー  ポリゴン2  プテラ  ラプラス

澪          ゼニガメ   エビワラー  デンリュウ

律          リザードン  サワムラー  ニョロボン  レアコイル

ムギ        フシギバナ  カポエラー  ギャラドス

純          うい   カビゴン  ゲンガー

VSロケット団編④  「VSサンダー」
140. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/06(土) 04:57:14.98 ID:Ex4FfjM30
今回のメンバー  ゆい  ハッサム  プテラ  カイリュー  ニューラ  イーブイ

梓「さて、律先輩達を助けに行かなくちゃ」

ゆい「そうだね。ビリビリ。でも、手持ちの。ビリビリ。ポケモンで無事なのは。ビリビリ。私だけだよ」

梓「……まひは大丈夫ですか?」

ゆい「大丈夫、大丈夫。ビリビリ。すぐに治るよ。ビリビリ」

梓「……ちょっと、気に入ってますよね。そのビリビリって」

ゆい「分かる?ビリビリ」

梓「……ビリビリっていうのをやめて下さい」

ゆい「ほーい」

その時、グレンジムの壁がどこかの野球少年が窓ガラスを割ったかのように粉々になり、ニドキングが倒れてきました。

律「これで最後か。おーい、あずさー。無事かー」

そんな声とともに、律先輩が現れました。

梓「律先輩!」

律「おお、梓。和はどうした?」

ゆい「私達が倒しました!」

律「そうか。よくやったな、梓」

ナデナデ

梓「えへへ」

ゆい「え、なに。この扱いの差」

律「冗談、冗談。ゆいも頑張ったな」

ゆい「まあね!エッヘン」
141. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/06(土) 04:58:33.02 ID:Ex4FfjM30
カツラ「おお。梓君も無事じゃったか」

梓「カツラさん!」

ジョーイさん「梓ちゃん、怪我はない?」

梓「ジョーイさんまで。一体、どうしたんですか?」

律「実はかくかくしかじか」

梓「なるほど。皆さん、無事で良かったです!」

私達はサヨナラ勝ちを収めた野球チームのように騒ぎます。

律「まあ、こんなところで和んでるわけにもいかないんだけどな」

梓「ええ」

今も上空ではサンダーが縦横無尽に雷を落としていますし。

ゆい「でも、私も含めて、回復しないと戦えないよ」

梓「そうですね。ポケモンセンターも使えないし、一体どうしたら……」

突如、ゴロゴロビシャーンという音ともに外が暗闇で急に電気がついたかのようにまぶしく光ります。

律「奴が来たのか」

梓「どうしましょう。私に戦えるポケモンがいません」

ゆい「私がいるよ?」

梓「まともな状態でも勝てるか分からないのに、そんなまひ状態だとボロ負けならまだましで、最悪、死にますよ」

カツラ「ポケモンセンターの回復させる機械があればいいんじゃが」

ジョーイ「だけど、ロケット団に壊されてしまったわ。残ってるのは簡易のパソコンだけよ」

律「そうか。……って」

梓「そうですか。……って」

律・梓「それだー(です)!!」
142. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/06(土) 04:59:42.89 ID:Ex4FfjM30
ジョーイ「え、何が?」

梓「このパソコンで博士にポケモンを送って……」

律「回復させてもらえば、まだ戦える」

梓「じゃあ、早速ポケモンを転送しましょう。さあ、ゆい先輩。ボールに入ってください」

ゆい「えー。まあ、仕方がないか。博士のところでゆっくりお茶でも飲んでくるよ」

梓「すぐに戻ってきてくださいね」

ゆい「あー。私がいなくてさび……」

ゆい先輩をボールに戻し、パソコンにセットする。

律「とりあえず、博士に連絡をしよう」

ピ、ポ、パ、ト

オーキド『なんじゃ、この一大事の時に』

律「今から、私たちのポケモンをそっちに送るから、すぐに回復させて戻してくれ」

オーキド『律君は一体、どこにいるんじゃ……っと、送られてきたのう。場所はグレンタウンじゃと!?しかも、梓君のポケモンまでいるとい
うことはそこに梓君もいるのじゃな!?』

律「訳は後で話すから、頼むよ」

オーキド『……分かった。じゃが、これだけは言わせてくれ』

律「なんだよ」

オーキド『死なないでおくれ』

律「縁起でもないこと言わないでくれ。じゃあ、頼んだぞ」

オーキド『任せるのじゃ』

ガチャと電話を切る。

梓「どうでしたか?」

律「すぐにやってくれるってさ」

ピシャーゴロゴロ

律「やばいな。こっちにどんどん近づいてきている」

梓「ええ」

その時、雷がドガーンという音ともにグレンジムに衝撃が起きて、地震のように揺れ、天井が落下してきます。

カツラ「危ない、梓君!律君!」

カツラさんは私と律先輩、そして、パソコンを庇うように楯になってくれます。そして、天井が落下して出来た穴から、黄色と黒の体で鋭いク
チバシを持った伝説のポケモンの1匹、サンダーの姿が現れました。しかも、親の敵を見るように私達のことを睨んできます。
143. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/06(土) 05:03:08.94 ID:Ex4FfjM30
律「くそ。こんな時に。まだ、送られてこないのか」

梓「あと少しです!!」

カツラ「仕方がない。来い、ウインディ!」

カツラさんは弱りきっている、ウインディを出します。

カツラ「すまんのう、ウインディ。ちょっとの間、頑張るんじゃよ」

カツラさんのウインディは今にも崩れ落ちそうな中でも、なんとか立ち、サンダーと対峙します。

カツラ「おそらく、ワシのウインディでは時間つぶしも出来んじゃろう。じゃが、サンダーにダメージを与えることは出来るはず。ウインディ、フレアドライブ!」

ウインディはどこから力がわいてくるのか、炎の弾丸のようにサンダーに突撃していきます。

律「よし!この攻撃が通れば……。なんだ、あの体制は!!」

サンダーは体を横向きにし急速に回転させ、ウインディに向かって、こちらも銃弾のように素早く突撃していきます。ただ、ウインディは普通の銃弾なのに対し、こちらはマグナムを射撃したような威力の違いがありそうな感じですね。

カツラ「これは、ドリルくちばし!?」

律「くそっ。このままじゃ、ウインディが……」

梓「来ましたよ、律先輩!」

律「何!?よし、来い、サワムラー!」

律先輩は迷わずに、サワムラーを選びます。ここらへんはさすがですね。

ブルブル

私のボールの一つが携帯電話のバイブのように振動しています。まあ、なんだか、分かりますが。

梓「やれやれです」

私はそのボールを手に取り、ボールから出します。

ゆい「わーん。寂しかったよ、あずにゃ?ん」

梓「よしよし」

ナデナデ

ゆい「えへへ?」

律「サワムラー、ウインディを蹴り飛ばせ!」

サワムラーはそのゴムのように伸びた足でウインディを蹴り飛ばします。そして、攻撃をかわされて、そのまま、突撃したサンダーはグレンジムの壁に激突し、壁はまるで発砲スチロールのように粉々になります。

カツラ「すまん、律君。危なく、ウインディが…」

律「気にするなよ。困った時はお互い様だろ」

梓「カツラさんはジョーイさん達を避難させて下さい」

カツラ「じゃが、律君達は……」

律「私達なら大丈夫だよ。それにカツラさんがいても、ポケモンが回復できてない状態なら、正直いても何も出来ることないよ」

カツラ「……分かった。頼んじゃぞ、2人とも。行くぞ、皆」

カツラさんは皆をまとめて、一緒に避難していきました。

144. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/06(土) 05:04:33.23 ID:Ex4FfjM30
サンダー「ンダー!!」

サンダーは私達を睨んでいます。

律「どうした、梓。怖いのか?足が震えてるぜ」

梓「律先輩こそ、手が震えてますよ。逃げるなら、今のうちです」

律「ふん。ちっこいくせに無理すんなよ」

梓「律先輩には言われたくありません」

律「私達の戦績は出発した時とマサキさんとこのを除けば、どれくらいか知ってるか?」

梓「さあ?」

律「50O勝50O敗だ」

梓「そうでしたっけ。もっと、私が勝ってるかと思ったんですけどね」

律「だから、1001戦目をして、決着をつけなきゃいけないんだ」

梓「何が言いたいんですか?」

律「死ぬなよ」

律先輩はモンスターボールを構えます。

梓「……そっちこそ」

私もモンスターボールを構えます。

ゆい「2人とも頑張ってー」

梓「ゆい先輩も頑張るんですよ。ほら」

ひょいとゆい先輩を抱き上げます。

律「さあ、いくぞ」

梓「いつでもいいですよ」
145. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/06(土) 05:06:41.65 ID:Ex4FfjM30
律「オーケー。来い、ニョロボン!」

梓「来て下さい、ニューラ!」

律「ニョロボン、右かられいとうパンチ!」

梓「ニューラ、左からブレイククロー!」

ニョロボンは冷気をこめた、鋭いパンチをサンダーの右から仕掛け、ニューラは自慢のツメをサンダーの左から切り裂くべく、飛び掛ります。

サンダー「…サンダー!!」

サンダーはその攻撃に対し、その両方に対し十万ボルトを繰り出します。

ニョロボン「ニョロー!!」

ニューラ「ニュラー!!」

その攻撃を受け、2匹はアニメで十万ボルトを受けて、黒焦げになるロケット団のように黒焦げになり、気絶します。

律「くそ。あいつは左右同時に攻撃できるのかよ」

梓「さすがは伝説のポケモンですね」

私達がニューラ達をボールに戻している時に、サンダーはさっきのウインディに仕掛けたドリルくちばしの体制に入ります。

律「ちっ。どうすんだよ、あの技」

梓「あの技を受けたら、私達跡形もありませんよ」

律「仕方がない。梓、1匹、囮にしてくれ」

梓「何をする気ですか?危ないことなら嫌ですけど」

律「梓が1匹、奴の注意を引き付けている間に横からサワムラーのキックを、反対側からゴローニャがすてみタックルを仕掛ける」

梓「それは名案ですね!律先輩には珍しく!」

律「おう、ありがとう。お礼に後で説教な」

梓「では、来て下さい、カイリュー!」

カイリュー「リュー!」

律「随分でかいのを出したな」

梓「他のを出したら、下手したら殺されちゃいますよ」

律「まあな」

ゆい「私は何をすればいいの?」

私の腕の中でゆい先輩は聞いてきます。

梓「とりあえず、大人しくしていて下さい」

ゆい「分かったー。お口、チャック」

ゆい先輩は口を小さい子がやるみたいにチャックを閉めます。その仕草は実に可愛いです。サンダーは体を横向きにし急速に回転させ、私達にに向かって、こちらも銃弾のように素早く突撃していきます。

梓「カイリュー、頼みますよ」

律「来い、サワムラー、ゴローニャ!」

律先輩はサワムラーとゴローニャを出します。カイリューはその間にサンダーのドリルくちばしを受けます。

カイリュー「……リ、リュー」

カイリューはその攻撃を受け、おなかに鋭利なくちばしが刺さり、血を流しながら、膝を突きます。その両手でくちばしを握りながら。

梓「カイリュー!律先輩、今のうちです!」

律「サワムラー、右からメガトンキック!ゴローニャ、左からのしかかりだ!」

律先輩は予定通りの指示を出します。サワムラーはサンダーに向かって、鉄球のような重く、力をこめたキックを繰り出します。その反対側からは、300kgの体重を持つ、ゴローニャが体当たりを仕掛けます。

律「今度はかわせないはずだ」

サンダー「……サンダー!」

サンダーはカイリューの手を振り切り、体を回転させ始めます。それと同時に回りに電撃を放ちます。
146. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/06(土) 05:08:46.51 ID:Ex4FfjM30
サワムラー「ムラー!!」

サワムラーはその電撃で、キックを当てる前にダウンします。その間にも体を回転させ、カイリューの体にネジを回すかのようにめり込んでいきます。

梓「カイリュー!」

律「サワムラー!だが、ゴローニャに電気タイプの技は……」

ゴローニャ「ゴローーーーー!」

ゴローニャも電撃を喰らい、体が黒焦げになります。

律「馬鹿な!」

梓「それだけ、相手の威力が強いってことですよ。それよりも、戻って、カイリュー!」

私はカイリューをボールに戻します。

律「どうしろってんだよ、あんな奴相手に。もう、私のポケモンは3匹しかいないし」

梓「私も実質3匹ですし」

ゆい「ンーンー」

梓「しゃべっていいですよ」

ゆい「私もいるよー」

梓「やっぱり、黙ってください」

ゆい「ひどっ!」

梓「冗談です。何かいい方法はありませんかね」

ゆい「空で戦おう」

梓・律「は?」

ゆい「だって、地上だと向こうの方が有利だよ。なら、空中の方がいいよ」

梓「たしかにそうですが……」

律「とは言っても、空を飛べるのはリザードンだけだ」

梓「私はプテラだけです」

律「だが、悪い案じゃないな。だって……」

サンダーは私達の方を睨み、またもや、ドリルくちばしの体制に入ります。

律「地上じゃ、あれを避けるのも辛いしな」

梓「じゃあ、早速……プテラ、君に決めた!」

律「来い、リザードン!」

私達は背中に乗って、空中に出ます。

サンダー「ンダー!」

サンダーはそれを見て、ドリルくちばしをやめて、上空に向かってきます。

梓「来て、イーブイ」

イーブイ「ブイ♪」

梓「体に負担をかけちゃうかもしれないですけど、ごめんね」

私はイーブイにみずのいしを当てて、シャワーズに進化させます。

シャワーズ「シャワ」

梓「シャワーズ、れいとうビーム!」

シャワーズは冷気のビームを上空に向かってくる、サンダーに発射します。
147. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/06(土) 05:10:51.71 ID:Ex4FfjM30
律「よし!サンダーはとりタイプだから、この攻撃は有効のはずだ」

しかし、サンダーは体を回転させて、そのビームをはじきます。

律「またかよ。強すぎだろ、あのサンダー!」

梓「まあ、こうなるとは思ってましたけどね」

律「くそ。来い、レアコイル、ゴルダック!」

梓「来て下さい、ハッサム!」

律「おいおい。ハッサムでどうするんだよ」

梓「でも、私の手持ち、これしかいませんし」

ゆい「大丈夫!私に任せなさい!」

梓「どうやってですか?」

ゆい「もう!忘れたの?プテラとの戦いを」

梓「ああ。なるほど」

律「なんだ、一体」

ゆい「見てれば分かるよ。いくよ、ギー太、ハッサム。ミュージックスタート!(翼をくださいを想像してください)」

ゆい先輩の音楽とともにハッサムの背中から天使のように白い羽が生えます。そして、空を飛び始めます。

律「おお。これなら、戦力になるな。他のポケモンには出来るか?」

ゆい「悪いけど、1匹が限界なんだよ?」

律「なら、仕方がないか。……よし、とりあえず、近距離はハッサムに任せて、私達が遠距離でサンダーを攻撃していくしかないな」

梓「それが理想ですね」

律「じゃあ、いくぜ。ゴルダック、れいとうビーム!レアコイル、マグネットボム!」

梓「シャワーズ、れいとうビーム!」

ゴルダックたちはサンダーの逃げ道を防ぐべく、左右に発射します。

梓「ハッサム、まずはつるぎのまいで攻撃力アップです!」

ハッサムはあらぶる踊りを踊り、攻撃力をあげます。

律「おし。リザードン、かえんほうしゃだ!」

左右に攻撃をして、動きを封じている中央にリザードンのかえんほうしゃを発射し、サンダーはそのかえんほうしゃを直接浴びます。なるほど、これならよけるのは厳しいですね。

律「やったか!?」

サンダー「……サンダー!!」

サンダーはドリルくちばしの体勢で体を回転させ、炎を弾き飛ばします。

律「またかよ。それしか、技がないのか」

梓「絶対の自信があるんでしょうね。律先輩、リザードンを下げてください。頼みますよ、ハッサム!」

律「正面から受けきる気かよ。無茶だぜ」

梓「大丈夫です、私のハッサムなら!」

律「どっから、そんな自信が出てくんだよ」

梓「とにかく!ハッサム、おんがえしです!」

ハッサムはハサミにエネルギーを溜めて、サンダーに対抗するべく、突撃していきます。
148. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/06(土) 05:11:59.78 ID:Ex4FfjM30
梓「いっけー、スクラップフィストー!!」

サンダーのドリルのような一撃とハッサムの鋼鉄のハサミが激突し、その振動が私達のところまで風になって、伝わってきます。

律「やったのか!?」

ピキ……ピキピキ。

ハッサムのハサミがひび割れる音が聞こえ、ハサミだけでなく、体中にひびが入り、羽を失って、落下していきます。

梓「ハ、ハッサム!プテラ、急いで下さい」

私はハッサムを助けるべく、プテラとともに救助に向かいます。

149. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/06(土) 05:12:27.90 ID:Ex4FfjM30
律「化け物かよ、あいつは……」

梓はハッサムを助けに下に向かっている。まあ、梓がいても無駄だけどな。梓が弱いとかじゃなく、こいつは強すぎる。

律「けど、やるしかないか。頼むぞ、皆」

私は残りのメンバーに望みを託した。
150. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/06(土) 05:13:16.02 ID:Ex4FfjM30
私はハッサムが落下したところを見つめる。私がここにいるのはただ、自分のやったこことの行く末を見るためだ。それにしても、やはり、伝説のポケモン……私を倒した梓がまったく歯が立たない。おそらく、ゆいでも勝てないだろう。

和「なのに、あのハッサムはどうして、立ち上がるの……!?」

ハッサムはまだ諦めていないのか、上空を見上げ、サンダーを悔しそうに見つめる。なんていう精神力だろう。上空からは梓達が向かってくる。多分、ハッサムを助けに来たのだろう。

和「私に勝った以上、負けたら許さないわよ」

そう呟き、様子を見た。

151. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/06(土) 05:14:52.75 ID:Ex4FfjM30
梓「ハッサム!!」
ゆい「サムちゃん!!」
私達が地上に着くと、ハッサムは傷だらけになりながらも、上空を悔しそうに見つめています。
梓「待っててください。今、ボールに戻し……ッ!?」

私はボールに戻そうと構えた手を止めます。というのも、ハッサムの目はまだ戦いという、戦意のこもった目をしています。さらに、体からも

そんなオーラが流れています。

ゆい「……サムちゃん」

ハッサム「サム(俺はまだ、戦える)」

梓「……もう、いいですよ。これ以上、傷ついたら、ハッサムの命が……」

ゆい「そうだよ。サムちゃんは頑張ったよ。だから、少し、休んで……」

ハッサムはそんな私達の言葉を無視し、プテラに向かって歩いていきます。

ハッサム「ハッサム(サッサと俺を上に乗せて戦わせろ)」

プテラ「プテラ、テラ(俺は死に掛けを上に乗せる趣味はないんだ。それに、お前を倒すのは俺だ)」

梓「ハッサムは戦いたがってる。でも、もう勝つための手段がない……」

和「諦めるの?」

突如として、さっきまで私と戦っていた相手……和さんの声がしたので、その方向を見ます。

梓「和さん!どうして、ここに……」

和「別に深い理由はないわ。それよりも、諦めるの?ポケモンよりも先にあなたが諦めるの?」

梓「でも、勝つ手段がなくて……」

和「たしかにあいつは強いわ。でも、相手も所詮はポケモン。上を見なさい」

上を見ると、律先輩がサンダーの攻撃を避けながら、ハイドロポンプなどを当てています。

和「サンダーを見なさい」

私は言われたとおりにサンダーを見ます。

サンダー「……はあ……はあ」

サンダーは息遣いを荒くしています。

和「サンダーだって、ポケモン。体力は無限じゃないのよ。無限じゃないなら、勝つ手段は絶対にあるはずよ」

梓「……そうですね」

体力が無限ではない。当たり前のことだけど、サンダーの強さを見て、失念していました。

梓「ありがとうございます、和さ……あれ?」

私がもう一度、和さんのいたところを見ると、和さんはいなくなってました。

梓「……ありがとうございます、和さん」
152. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/06(土) 05:15:53.10 ID:Ex4FfjM30
梓「さてと。どうしますか」

私の手持ちでまだ、戦えるのはシャワーズ、プテラ、ゆい先輩。……そして、

ハッサム「……サム!」

ボロボロだけど、戦う意思の消えないハッサム。どう戦うべきでしょうか。

ゆい「……よし!私いい方法を思いついたよ」

梓「どんな方法ですか?」

ゆい「それにはサムちゃんの協力が不可欠なんだけど……いけるよね?」

ゆい先輩はハッサムに問いかけます。

ハッサム「……サム!(もちろん!)」

ゆい「なら、大丈夫かな。方法はね、シオンタウンでバンギラスにやった、サムちゃんをプテラの口にくわえて、はかいこうせんとともにサムちゃんを発射して、その勢いでサンダーにぶつけるの」

梓「……たしかに、悪い作戦ではないですけど、ハッサムは大丈夫ですか?」

ハッサム「サム(もちろん)」

ゆい「問題はサンダーが避けられたらなんだけど……」

梓「それは問題ないですよ」

ゆい「何で?」

梓「だって、あのサンダー、避けられる場面でも力押しできましたからね。多分、避けずに向かってくると思います」

ゆい「なるほど。王者の驕りって奴だね」

梓「それは知りませんけど……。とりあえず、シャワーズは援護をお願いします。では、それで頑張りましょう!」
153. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/06(土) 05:16:49.41 ID:Ex4FfjM30
律「リザードン、避けろ!」

サンダーの十万ボルトを横にかわす。

律「ったく。なんてポケモンだよ」

レアコイルやゴルダックの技はちょくちょく命中はするんだが、まったく効いている様子がない。

律「どうしろってんだよ、まったく」

梓も戻ってこないし。いつやられてもおかしくない展開だし。

律「ん?」

サンダーの背後に梓達の姿が見えた。しかも、プテラはハッサムをくわえている。

律「一体、何をする気だよ……」

呆れ半分、期待半分で梓の様子を見つめた。
154. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/06(土) 05:18:15.34 ID:Ex4FfjM30
梓「シャワーズ、サンダーにれいとうビーム!」

シャワーズは冷気のビームをサンダーの背後に向かって発射し、サンダーの背中に命中します。

サンダー「……ンダー!」

サンダーは怒りの眼で私達の方を見ます。そして、ドリルくちばしの体勢になります。

梓「来ましたか!頼みますよ、プテラ、ハッサム!!」

プテラ・ハッサム「「テラ(サム)!!」」

梓・ゆい「「いっけー、『レッド・シューティングスター』」

プテラの口からはかいこうせんとともにハッサムが発射されます。そして、サンダーも体を回転させ、それに対抗します。さながら、赤い弾丸と黄色の弾丸のようです。

ガッキーン

口ばしとハサミが激突し、ハッサムは下に、サンダーは上にはじかれます。

ハッサム「……サム」

ハッサムのハサミがひび割れて、砕け散りました。

梓「ハッサム、戻ってください!」

私はハッサムをボールを戻します。

梓「ありがとう、ハッサム」

ゆい「あずにゃん、サンダーが……」

ゆい先輩がサンダーを指差します。

サンダー「ンダーーーーーーーーーーー」

サンダーの口ばしがひびが入り、血が噴出します。そして、怒りの表情で私達を睨みます。

律「レアコイル、だいばくはつだ!!」

私達を親の敵のように睨むサンダーの背後で、レアコイルがだいばくはつを仕掛け、黒い煙に覆われます。

梓「やりましたか!?」

ゆい「多分、まだ無理だよ。それより、あずにゃん。私を抱っこして」

梓「後にして下さい」

ゆい「これはサンダーを倒すために必要なんだよ!」

梓「……分かりました」

私はサンダーの方を見て、ゆい先輩を抱きます。

ゆい「えへへ。あずにゃんのちっぱいだ?」

梓「さて、シャワーズでも、抱っこを……」

ゆい「冗談だから怒らないでよ」

そうこうしているうちに煙が晴れます。そこには大ダメージを受けながらも、まだ敵意を放っている、サンダーの姿がありました。
155. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/06(土) 05:19:21.86 ID:Ex4FfjM30
律「本当に不死身かよ」

ゆい「よし!あずにゃん分、補充完了。いくよ、ギー太。ゆいちゃん真拳奥義『ゆいちゃん☆ビーム』」

ギターの先端に高エネルギーがたまり、サンダーに向かって発射します。

シャワーズ・プテラ「シャワ(プテ)!」

そのビームにあわせて、シャワーズのれいとうビームとプテラのはかいこうせんも加わり、サンダーに命中します。

サンダー「ンダーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

サンダーは断末魔の叫び声をあげて、グレン島を見渡せる火山に激突し、気絶しました。

156. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/06(土) 05:20:04.72 ID:Ex4FfjM30
ゆい「やったーーーーーーーーーーーーーーーーー」

ゆい先輩は小さい体をピョンピョンと跳ねて、喜んでいます。実に可愛いらし……おっと、誰か来たようです。

律「やったな、梓」

梓「やりましたよ、律先輩」

私達は空中で手をパンと叩きあいます。

律「とりあえず、地上に戻るか」

梓「ええ。さすがに疲れましたよ」

私達が地上に戻ると、カツラさん達が話しかけてきます。

カツラ「やあ、律君。梓君。よくやってくれたよ」

梓「ロケット団の奴らは?」

カツラ「だいぶ、沈静化しているから、安心せい。たぶん、奴らはヤマブキシティに戻っているんじゃろう」

律「そういえば、ヤマブキシティは大丈夫か?」

カツラ「正確な情報が出回ってきてはいないんじゃが……とりあえず、ヤマブキに向かうぞ」

梓「ですが、私達のポケモンの体力が……」

ジョーイ「それなら、安心して。なんとか、応急処置的に直すことができたわ」

ゆい「なんていうご都合主義」

梓「ではパソコンを貸してください。少し、モンスターもチェンジします」

カツラ「うむ。万全の状態で行こうじゃないか」

律「カツラさんも行くのか?」

カツラ「当たり前じゃろう」

梓「さて、カイリューのダメージが大きかったですから、ここは……これでいきましょう」

157. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/06(土) 05:21:17.14 ID:Ex4FfjM30
今回のメンバー  ゆい  ハッサム  プテラ  ヘルガー  ニューラ  ガルーラ

梓「では、早速ヤマブキに向かいましょう」

律「きっと、澪達もいるはずだ」

カツラ「ふむ。あのデカ乳のお嬢さんか。あれは実に……」

ゆい「お口、チャック!」

私達はヤマブキに向かうべく、グレンタウンに向け、出発しました。
158. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/06(土) 05:21:49.35 ID:Ex4FfjM30
AYU「負けちゃったか……」

AYUはサンダーを見つめる。

AYU「でも、ゆっくりしてる場合じゃないね。君にはまだ出番はあるからね」

AYUはサンダーをモンスターボールに戻す。

AYU「早く、届けてあげなきゃね」

AYUはある人物に届けるために全力でヤマブキシティを目指した。
159. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/06(土) 05:22:40.76 ID:Ex4FfjM30
VSロケット団編④  「VSサンダー」  終了
164. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/08(月) 21:09:26.89 ID:2eZc6/4r0
前回までの状況(トレーナとポケモン)                                            
梓          ゆい  ハッサム  ヘルガー  イーブイ   ニューラ   ガルーラ  カイリュー  ポリゴン2  プテラ  ラプラス

澪          ゼニガメ   エビワラー  デンリュウ

律          リザードン  サワムラー  ニョロボン  レアコイル  ゴローニャ  ゴルダック

ムギ        フシギバナ  カポエラー  ギャラドス

純          うい   カビゴン  ゲンガー

注意  今更だけど、曽我部はオリキャラ扱いでお願いします。

VSロケット団編⑤  「伝説のポケモン強襲」

165. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/08(月) 21:11:17.47 ID:2eZc6/4r0
ヤマブキシティ・シルフカンパニー

サカキ「感慨深い光景だな」

曽我部「ええ」

シルフカンパニーの社長室から夕日の中ファイヤーとフリーザーによってボロボロになっていく町を見る。

サカキ「これでロケット団の天下を取れる」

曽我部「そうですね。……このまま順調に事が進めば、ですけど」

サカキ「どういう意味だ?あの、お前が警戒していた少女達のことなら、大丈夫だろう。フリーザーとファイヤーの2匹を同時には相手にはできまい」

曽我部「いえ、違います」

きっぱりとした否定にサカキは曽我部を見る。

サカキ「では、お前は何を心配しているんだ」

曽我部「心配?そんなことはしてませんよ」

サカキ「では、さっきの言葉は何なんだ」

曽我部はサカキの言葉を無視し、携帯電話を取り出し、どこかに連絡をする。

曽我部「……そうですか。ありがとうございます。……はい。では」

サカキ「誰に電話をしていた」

曽我部「……うるさいな」

曽我部が今までとは違った対応にサカキは驚く。

曽我部「あなたにはお礼を言っておきます。『私の』野望のために協力していただき、ありがとうございます」

サカキ「野望だと……!?」

曽我部「もう、舞台は整いました。あなたにはご退場願いましょう」

サカキ「なんだと!?」

曽我部「本来なら、あなたは私に感謝すべきですよ。『本来の歴史』なら、あなたはここまでのこともできずにあの少女達にボロ負けしていた
んですから」

サカキ「……お前は何を言ってるんだ」

曽我部「あなたには分からないでしょうね。まあ、これまで、世話になりましたから、自分で投降するなりなんなり、好きにして下さい」

サカキ「……何でもいいんだな?」

曽我部「ええ」

サカキ「では、お前を倒す!」

サカキはサイドンを出す。

曽我部「そうきますか。でも、めんどくさいので持ちポケモンを全部出してください。もっとも、それでも私には勝てませんが」

サカキ「……舐めるのもいい加減にしろ」

曽我部「これは正当な評価ですよ。まあいいです」

曽我部も構える。

曽我部「後悔しないでくださいね」

サカキ「……お前がな!」

その言葉をきっかけに2人の戦いが始まった。



最終更新:2011年09月22日 21:26