166. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/08(月) 21:13:25.75 ID:2eZc6/4r0
今回のメンバー  ゆい  ハッサム  プテラ  ヘルガー  ニューラ  ガルーラ

上空

ゆい「急げや、急げ」

私達は全速力で、ヤマブキシティに向かっています。綺麗な夕日も出ていてゆっくり観賞したいんですけど、そんな場合じゃないのが辛いですね。

梓「律先輩。澪先輩達と連絡つきましたか?」

律「ああ。一旦、クチバシティ側で落ち合うことになった」

梓「町の様子とかは?」

律「……聞かない方がいい」

梓「……そうですか」

ロケット団の連中は一体、何を考えているんでしょうか。こんなにも犠牲を出して、何がしたいんでしょう。

ゆい「あずにゃん、スマイ?ル」

梓「はい?」

ゆい「また、顔がむっとなってたよ。そんなんじゃ冷静な判断できないよ。だから、スマイ?ルで落ち着こう」

梓「……はあ。いつも、かわりませんよね、ゆい先輩」

ゆい「なんか、あきれられてる!?」

梓「感心してるんですよ」

ゆい「私の目を見て、言おうよ」

梓「こんな緊迫してる状態で笑えませんよ」

ゆい「そうだけどねー」

ゆい先輩はうつむきます。

ゆい「悲しいよねー。ポケモンを争いの道具に使うなんてね」

梓「……そうですね」

なんとなく、人間側として、申し訳ない気持ちになります。

ゆい「ポケモンと人間さんも仲良くなれると思うんだ。それこそ、私達みたいに恋人同士みたいにさ」

梓「(仮)です」

ゆい「いい加減、素直になろうよ」

梓「私はロリコンではありませんので」

ゆい「恥ずかしがらなくてもいいのに」


167. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/08(月) 21:14:10.20 ID:2eZc6/4r0
梓「……とりあえず!!この話題はこっちにおいておきましょう。今は伝説のポケモン、フリーザー、ファイヤーをどう倒すかです」

ゆい「それは厳しいよね、現実問題として。サンダー相手でもこれだけ苦労したんだし」

梓「たしかにそうですね」

ゆい「まあ、希望がないわけじゃないんだけどね」

梓「そうですね。あの時は律先輩と2人だけでしたけど、今度は澪先輩達もいますし、ジムリーダーの人達、他のトレーナーの人達もいますし」

ゆい「それが希望だよね。でも、現段階で騒ぎが治まってないところをみると……」

梓「厳しいですよね」

ゆい「まあ、私達がいれば、大丈夫だよ。あずにゃ?ん」

梓「にゃっ!!」

ゆい先輩は私の胸に飛び込んできます。

ゆい「あずにゃん分補給?」

私の胸でほっぺをすりすりしてきます。

梓「や、やめてください」

ゆい「これは私のエネルギー源なんだよ?。ポケモンセンターでも補給できないんだよ?」

梓「な、なら、仕方がないですね」

ゆい「そう。仕方がないの」

梓「って、そんなわけないじゃないですか!!」

律「仲良いな、お前ら」
168. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/08(月) 21:15:32.14 ID:2eZc6/4r0
ヤマブキ・クチバシティ側

澪「遅いぞ、律、梓」

梓「すいません」

律「無茶言うなよ。これでも、全速力できたんだぞ」

カツラ「久しぶりじゃのう、澪君、ムギ君」

澪「お、お久しぶりです」

紬「お久しぶりです」

カツラ「他のジムリーダーは?」

ムギ「タマムシシティ側で戦っています」

カツラ「それじゃ、ワシも行って来るかのう。ではまたな」

カツラさんはギャロップにまたがり、走っていった。

律「それで状況は?」

紬「あんまり芳しい状況ではないわね。ジムリーダーの人と協力してるけど、フリーザーとファイヤーの相手は辛いわ」

梓「他のトレーナーの協力はないんですか?」

澪「皆、自分の命がほしいからな」

つまり、逃げたってことですか。まあ、間違った判断じゃありませんけど。

梓「これから、どうしますか」

澪「現在、エリカさん達がフリーザーを相手しているが……現実問題厳しいだろうな」

律「私達だって、2人でサンダーを倒したんだから、フリーザーとファイヤー、2匹でも倒せそうだけどな」

紬「その2匹だけじゃなくて、ロケット団の相手もしなきゃいけないから」

澪「それにあの2匹は協力して攻撃してくるからな」

梓「それは辛いですね」

ゆい「ロケット団の本拠地みたいなところは?」

紬「シルフカンパニーにボスがいるみたいね」

律「じゃあ、そこに潜入して、サッサとボスを叩いちまおうぜ」
169. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/08(月) 21:19:03.41 ID:2eZc6/4r0
澪「無茶言うなよ」

律「でも、頭をサッサと倒した方がいいだろ?」

紬「そこまで行くのが大変よ。シルフカンパニーはヤマブキシティの中央にあるし」

澪「それまでに上空のあの2匹やロケット団を倒していかなくちゃいけないし」

律「ロケット団員をいちいち相手にする必要もないだろ」

澪「それはそうだが……」

律「上の2匹だって、他が囮になれば、その間に潜入できるから問題ないしな」

紬「結構厳しい気がするけど……」

律「とにかく!!このままじゃ、埒が明かない」

澪「それはそうだけど、このままこう着状態が続けばあの2匹の体力も尽きてくる。そこをつけば、もっと楽に勝てるんじゃないか?」

ムギ「ジムリーダーの人もそう考えてるわ」

ゆい「駄目だよ!」

突然、大きな声を出す、ゆい先輩。

澪「何が駄目なんだ、ゆい」

ゆい「それじゃ、犠牲になる人とかがたくさん出るよ」

澪「ただ、こう着状態を続けるわけじゃない。そうならないように守るようにする」

紬「こうやってジムリーダーの人達が戦っているのも、早く体力が無くなるようにするためよ」

ゆい「でもでも、建物とかは?」

澪「この騒動が治まってから、復興できる。命には代えられないしな」

ゆい「……う?」

ゆい先輩はまだ、何かを言いたそうに口をつぐみます。

梓「……ですが」

私は一呼吸おいて、言います。

梓「敵はそんなことを許すでしょうか」

紬「どういうこと?」

梓「敵がファイヤーやフリーザーの体力が尽きるまで、何の対策もしてないこともないと思うんですけど」

澪「たしかに。だけど、あの様子を見るとロケット団にあのポケモン達を完全にコントロールし切れてない。だから、対策をしようもないだろ。命令も聞かないんだから。ボールに戻したら、こっちのチャンスのわけだし」

澪先輩の言うことも分かります。ですが、私は一抹の不安を感じていました。今は闇雲に暴れているあの2匹が、もしあの2匹を完全にコントロールできるトレーナーが現れたら、どんな被害が起きるのかと。
170. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/08(月) 21:19:59.14 ID:2eZc6/4r0
ヤマブキシティ・シルフカンパニー

AYU「やっほー、お届け物だよー。……あれ?」

サカキ「……」

AYUが部屋に入ると、サカキが壁にめり込み、血を流しながら気絶している。サカキの手持ちポケモンも無残に全匹やられている。

AYU「アチャー。これはやりすぎだよ」

曽我部「申し訳ありません。手を抜ける相手ではありませんので」

AYU「それは分かるけどねー。まあいいや。はいこれ」

AYUはサンダーの入ったボールを曽我部に手渡す。

曽我部「ありがとうございます」

AYU「頑張ってね」

曽我部「任せて下さい」

曽我部は社長室を出る。

AYU「さて。じゃあ、ショーを見せてもらうよ」

AYUも社長室を出る。そして、この部屋にはボロボロになった、サカキだけが残された。

ヤマブキシティ・シルフカンパニー・屋上

曽我部「さあ出てきなさい、サンダー」

曽我部はサンダーを出す。

曽我部「さあ、ショーの始まりよ。これから、カントー地方が生まれ変わる」

曽我部はほくそ笑み、そう呟いた。

171. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/08(月) 21:20:55.61 ID:2eZc6/4r0
ヤマブキシティ・タマムシ側

カスミ「スターミー、ハイドロポンプ!」

スターミはハイドロポンプをファイヤーに向かって発射する。

ファイヤー「ファイヤー!」

ファイヤーはその攻撃を片羽で受け止め、はじき返す。

カスミ「弱点なのに、まったく効かないなんて……」

フリーザー「フリー!!」

フリーザーは羽を振り、激しい吹雪を発生させて攻撃してくる。

ナツメ「バリヤード、ひかりのかべよ」

バリヤードはひかりのかべを張り、その攻撃を耐える。

タケシ「強すぎるな。これで、サンダーまでいたら、お手上げだな」

エリカ「もう、すでにお手上げ状態ですよ。体力が尽きるまで、この町に止めるようにするのが限界なんですから」

タケシとエリカはロケット団員を相手にしながら話す。

キョウ「上を見ろ!」

突然のキョウの叫びで皆は上を見る。

マチス「ば、馬鹿な……」

エリカ「……カツラさんからの連絡によれば、梓さん達が倒したはずなのに……」

上空には黄色と黒の鳥、サンダーが現れた。
172. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/08(月) 21:22:26.18 ID:2eZc6/4r0
ヤマブキ・クチバシティ側

澪「どうなってるんだ!律達はあいつを倒したんだろ!?」

紬「落ち着いて、澪ちゃん。おそらく、ボールに戻して、回復させたんでしょうね」

律「確認を怠った私達があまかったか」

澪「……ここで皆に聞いておきたいことがある」

律「なんだよ、突然」

澪「これはジムリーダーの人達に言われたんだが……これから、どうする?」

梓「え?どういう意味ですか?」

澪「つまり、このまま、逃げるか戦うかだ」

律「逃げるわけにもいかないだろ」

紬「ええ。でも、このまま戦えば、死ぬかもしれないわ」

律「それは逃げても同じことだろ?」

紬「たしかにそうね。でも、戦うよりも生き残る可能性がある」

律「……まあ、そうだな」

澪「そういうわけだから、ちゃんと考えて判断しろって」

紬「といっても、時間はもうないけどね」

逃げるか、戦うか、そんなことはもう決まっています。

梓「戦いましょう!」

紬「危険よ」

梓「覚悟の上です」

律「よし!!それでこそ、梓だぜ」

律先輩は私の頭を乱暴になでます。

梓「や、やめて下さい」

ゆい「あずにゃんがやるなら、私も頑張るよ!!」

紬「私も。皆で頑張りましょうね」

律「もちろん、私も戦うが……。澪は?」

澪「……皆が戦って、私が逃げるわけにもいかないだろ」

律「じゃあ、皆で頑張ってこの戦いに勝利して、その勢いでポケモンリーグでマサラ旋風を巻き起こそうぜ」

ゆい「お、いいねえ!!」

澪「いや、そこまでうまくいかないだろ……」

梓「そうですよ」

ムギ「でも、夢があっていいじゃない」

ゆい「じゃあ、皆、頑張ろう!」

皆「「「「オー!!!」」」」
173. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/08(月) 21:23:43.88 ID:2eZc6/4r0
ヤマブキシティ・シルフカンパニー・屋上

曽我部「手ぬるいわね」

伝説のポケモンの戦いを見て、曽我部は呟く。

曽我部「……ファイヤー。そんな雑魚達はどうでもいいわ。狙うべきなのは……」

タマムシデパートを見る。

曽我部「やりなさい、ファイヤー」

ヤマブキシティ・タマムシ側

カツラ「待たせたのう、皆」

タケシ「カツラさん!」

カツラ「どうじゃ、様子は?」

タケシ「なかなか、厳しいですね」

カツラ「どれ。のん気に話してる場合じゃないし、ワシも頑張るか」

カツラはブーバーを出す。

カツラ「とりあえず、フリーザーの動きを……ファイヤーの様子が変じゃぞ?」

ファイヤーは戦っている、カスミ……ではなく、もっと遠くの方を見る。

カツラ「あの方角は……まずい!?」

タケシ「カスミさん、ファイヤーの動きを!」

カスミ「分かってるわ」

カスミはスターミーとヒトデマンに標的をあわせて、ハイドロポンプを発射する。しかし、それをフリーザーのふぶきによって、凍らされる。

カスミ「なっ!?」

キョウ「3匹そろうと厄介だな」

キョウはロケット団員をあしらいながら、喋る。

マチス「ライチュウ、フリーザーに十万ボルト!」

ライチュウの十万ボルトがカスミの邪魔をするフリーザーに迫ると、サンダーの電撃が邪魔をする。

ナツメ「嫌になるわね」

エリカ「そんなことより、ファイヤーが……」

ファイヤーの口に炎がたまり、まるで、ビームのようなかえんほうしゃがタマムシデパートに向かって発射され、バーンという音ともに、オレンジ色の炎がろうそくのように。

エリカ「タマムシデパートが……」

カツラ「避難は終わってるのか!」

タケシ「連絡では誰もいないはずです」

カツラ「なら、まだましか。……それにしても、どうして急に標的を……」

174. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/08(月) 21:26:19.87 ID:2eZc6/4r0
ヤマブキ・クチバシティ側

律「あれはタマムシデパートか?」

紬「多分、そうだと思うわ」

澪「早く、行ったほうがいいな」

梓「そうですね」

律「じゃあ、どんな組み合わせでいくか」

ゆい「どういうこと?」

律「これから、あの3匹を倒すためにジムリーダーに加勢する役とシルフカンパニーに潜入する役割だな」

澪「シルフカンパニーに潜入する必要があるか?」

律「さっきまではジムリーダーの相手をしてたんだろ、あの3匹」

ムギ「ええ」

律「それが急に建物を狙い始めたわけだ。これはおかしいだろ?」

澪「たしかに」

ムギ「そうね。ロケット団の本拠地がシルフカンパニーだとすると、なるほど。潜入する価値はあるわね」

ゆい「???」

梓「つまりですね。今まではただ闇雲に戦っていた3匹が急に狙いをつけて、建物を攻撃し始めたということは、あの3匹の考えが変わったか、誰かが指示をしたのどちらかです。でも、前者は考えづらいので、必然的に後者になります。じゃあ、どこから指示を出すのかというと,ロケット団の誰かですが、シルフカンパニーを本拠地にしてるようなので、シルフカンパニーから指示してる可能性が高いということです」

ゆい「おお!なるほど」

律「といっても、他のところにいる可能性もあるけどな」

澪「それは仕方がないと割り切るしかないな」

紬「じゃあ、組み合わせだけど……」

律「じゃあ、私がジムリーダーの支援に行くよ。ムギ達はシルフカンパニーに向かってくれ」

澪「1人で大丈夫か?」

律「場所まで行けば、ジムリーダーの人がいるし、大丈夫だよ。それよりも、澪達の方が心配だけどな」

ゆい「何で?」

梓「私達は3人だけで、ロケット団のいるところを行くからです」

紬「それは大丈夫だと思うけど……」

律「なら、さっさと行動した方がいいな。来い、リザードン!」

律先輩はリザードンをボールから出します。
175. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/08(月) 21:27:01.13 ID:2eZc6/4r0
律「じゃあ、皆。後は任せた」

そう言って、律先輩はヤマブキシティ・タマムシ側に向かいました。

澪「それじゃ、私達も行くか」

紬「ええ」

梓「はい」

私達はシルフカンパニーを目指すべく、ヤマブキシティに潜入しました。

176. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/08(月) 21:28:55.61 ID:2eZc6/4r0
ヤマブキシティ・シルフカンパニー・屋上

曽我部「いい働きよ、ファイヤー。次は……そうね」

曽我部は次の標的を考える。

曽我部「ハナダの町を火の海にしましょうか。頼むわよ、ファイヤー」

ヤマブキシティ・タマムシ側

律「皆、加勢しに来たぜ」

タケシ「律さん!」

エリカ「お久しぶりですね」

律「まあ、積もる話もあるが今はそんな場合じゃないな」

律は上空にいる3匹を見つめる。

エリカ「ええ」

律「では、早速やるか。……ん?」

ファイヤーは今度はハナダシティに目を向けている。

律「何で急に見る方向を……まさか!?」

カツラ「ファイヤーを止めろ!」

ジムリーダーと律のポケモンで攻撃を仕掛けるも、フリーザーとサンダーによって、邪魔される。

律「やめろーーーーーーーーーーー」

そんな叫び声を無視し、ファイヤーはハナダシティに向かって、かえんほうしゃが発射され、ここからでも、分かるくらいに赤い火が燃え上がった。

177. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/08(月) 21:30:21.55 ID:2eZc6/4r0
ヤマブキシティ・シルフカンパニー前

澪「律の言ったとおりだな。おそらく、誰かがあの3匹に指示してる」

梓「でも、さっきまで手に余ってた状態だったのに、一体誰が……」

私達は物陰に隠れて、移動しながら言います。

紬「それにしても、うようよいるわね」

澪「やっぱり、それぞれ相手していたら、めんどくさいことになってたな、うん」

梓「大丈夫ですか?足、震えてますよ」

澪「……気のせいだ」

紬「まあ、それはともかくとして、早く移動していかないと……」

澪「そうだな。うん、そのとおりだ」

ゆい「ごまかしたー」

梓「そこはスルーして下さい」

澪「後、ちょっとなんだけどな」

梓「さすがにたくさんいますね」

紬「……よし!」

ムギ先輩は何かを決意したかのように言います。

紬「私が囮になるから、その間にシルフカンパニーに潜入して!」

梓「え?」

澪「無茶だぞ、あの人数で」

シルフカンパニーの前には10人くらいのロケット団員の姿があります。

紬「でも、それしか方法がないわ」

梓「全員で強行突破という方法もありますよ」

紬「突破できなかったら、持久戦になるだけよ」

澪「……分かった。私も囮になる」

梓「澪先輩まで!?」

澪「1人じゃ辛いからな。それに2人で盛大暴れれば、中のロケット団員も出てくるかもしれない」

梓「ですけど……」

紬「じゃあ、早速やりましょう。ここでのんびりしてて、見つかったら、終わりよ」

澪「よし!梓、後は任せたぞ」

そう言って、私が制止する前に2人は行きました。
178. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/08(月) 21:31:10.02 ID:2eZc6/4r0
紬「大丈夫、澪ちゃん。怖いなら、逃げてもいいのよ」

澪「大丈夫だ。……っていうか、何だ、その主人公のライバルみたいな台詞は」

紬「一度、言ってみたかったの。来て、カポエラー!!」

澪「来い、エビワラー!」

紬「梓ちゃん達は大丈夫かしらね」

澪「大丈夫じゃなくても、やってもらわなくちゃな」

ロケット団員「なんだ、お前らは?ポケモンなんか出して……まさか、おれ達と戦う気か」

紬「そのまさかよ!どこからでもかかってきなさい!」

澪「あんまり挑発するなよ」

ロケット団員「上等だ、行くぞ、お前ら」

その言葉をきっかけにバトルが始まった。



梓「どうしましょう」

ゆい「とりあえず、潜入しないと。澪ちゃん達の思いを無駄にしないためにも」

梓「ですね」

私達は派手に戦いを繰り広げ始めた、澪先輩達を尻目にシルフカンパニーに潜入しました。

179. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/08(月) 21:32:19.99 ID:2eZc6/4r0
シルフカンパニー・内部

ロケット団員「女2人が玄関先で暴れている。至急、応援を!」

隠れている私の前で、携帯で連絡をしながら、通り過ぎていきます。

梓「ロケット団の数が多すぎですね」

ゆい「そうだね」

梓「とりあえず、階段で、最上階に……むぐ」

ゆい「あず……むぐ」

???「静かにして、お姉ちゃん」

???「いい?今から、手を離すけど、大きな声を出さないでね」

私はこくりとうなずく。そして、手が離され、振り返ると……。

梓「純!」

ゆい「うい!」

ロケット団の制服を着た純と純の胸に隠れている、ういの姿がありました。

うい「静かに」

純「ここじゃ、のんびりとしてられないからね。ちょうど、もう1着あるから、トイレで着替えてましょう」

180. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/08(月) 21:34:29.31 ID:2eZc6/4r0
シルフカンパニー・トイレ

純「いやー、まいった、まいった」

梓「どうして、純がここに?」

純「それが聞くも涙、語るも涙なんだよ」

回想

純「バッチも全部集まったから、シルフカンパニーでも見学しますか」

うい「そうだね」

ロケット団員「オラー!今から、ここはロケット団の本拠地だー」

純「え?隠れなきゃ」

うい「急いでー」

私達は急いで、トイレに隠れた。


純「以上!」

梓「……え?それだけ?どこに涙とかの要素が?」

純「普通に観光してるだけで、こんなことに巻き込まれるなんて涙もんよ」

梓「間違ってはないですが……その格好は?」

純「適当に襲って奪った」

梓「……それはすごいね」

純「で、あんたは何しに来たの?」

梓「それは……」

ゆい「もちろん、ロケット団を倒しにだよ!」

私が言うよりも前にゆい先輩が答えます。

純「……やっぱりね」

あきれたように言う、純。

純「あんたも面倒なことが好きね」

梓「別に好きってわけでもないけどね」

純「まあ、ここまで来たら、私も手伝うよ。ボスはここの社長室にいるみたいだし」

梓「よく分かったね」

うい「普通に会話してるからね」

梓「……よくばれないね」

純「堂々としてれば、ばれないもんよ」

梓「そんなもんかな」

純「とにかく、上に行きましょう」

梓「分かってるよ」

私はサッサと着替え始めました。

181. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/08(月) 21:37:34.89 ID:2eZc6/4r0
シルフカンパニー・社長室前

純「ここがボスのいる部屋よ」

梓「見張りはいないね」

純「聞いた話だけど、曽我部っていう人が見張りはいらないって、言われて、誰もいないんだってさ」

梓「……すごいね、いろいろと」

うい「純ちゃんだからね」

梓「……まあ、いいです。とりあえず、中に入りましょう」

ゆい「大丈夫かな」

梓「ここまで来て、罠とか警戒しても仕方がないですし」

私は社長室の重苦しいドアを開けます。

梓「さて、中は……なんですか、これは」

私が中の様子を見ると、そこには無残に倒れているポケモン達と1人の男の人がありました。

梓「大丈夫ですか」

その男の人は頭から血が出てるみたいですけど、たいした傷ではなさそうです。

サカキ「……うう」

純「あ、目を覚ましたみたい」

梓「大丈夫ですか?」

サカキ「……うう、オマエ達は?」

梓「私は、えーと……」

果たして、ここは名乗るべきかと考えていると、

ゆい「私はゆいだよー。こっちは中野梓ちゃんであだ名はあずにゃん。それで、こっちは鈴木純ちゃんで、最後に妹のういだよー」

ゆい先輩が代わりに答えました。

梓「ちょ、ゆい先輩」

サカキ「……そうか。オマエ達が例の……」

梓「それで、あなたは一体……」

サカキ「私の名はサカキ。一応、ロケット団のボスだ」

梓「へえー、そうなんですか。……ってえー!!」

純「それがどうしてこんなところで、気絶してるんですか?」

サカキ「……さあな。こっちが聞きたい。一つ分かることは俺は道化のピエロとして利用されたということだな」

梓「はい?」

サカキ「屋上に行けば、分かることだ。そこに『奴』はいる」

梓「奴?一体、誰が……」

サカキ「私にも分からない」

純「じゃあ、とりあえず、上に行く?」

梓「そうだね。サカキさんは……」

純「まだ動けないみたいだし、誰かが近くにいなきゃいけないほどひどい怪我でもないし。それにロケット団のボスをこれほどの力で倒す敵を

1人で相手にするのはね」

梓「……そうだね。じゃあ、上に……」

サカキ「待て!!」

サカキさんは何とか立ち上がり、私を制止します。
182. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/08(月) 21:39:49.33 ID:2eZc6/4r0
梓「何ですか?」

サカキ「これを賭けて勝負だ」

サカキさんは何かのバッチを投げる。

梓「これは……グリーンバッチ!!」

純「じゃあ、この人が本当のジムリーダー!」

ゆい「どういう意味なの?」

うい「私達が戦ったのは代理の人で、本当のジムリーダーは別にいるって噂だったんだよ」

梓「……でも、私達には時間が……」

サカキ「長くは取らせん。ルールは1対1だ」

梓「分かりました」

私とサカキさんは距離をとります。

ゆい「見ててね、うい。私の大活躍を」

うい「うん。頑張ってね、お姉ちゃん」

梓「では私のポケモンは……」

ゆい「さあ、頑張るよ。フンス」

梓「出てきてください、ニューラ!!」

ゆい「よし!!……ってあれ?」

サカキ「……そいつじゃないのか?」

梓「ええ」

ゆい「えーー!何で、何で!」

梓「これから、上で最後の戦いがあるんですよ。その時のための温存です」

ゆい「そっかー。なら、仕方がないね」

シュン

うい「ど、どんまい、お姉ちゃん」

サカキ「……なら、俺はペルシアンだ」

サカキさんはボロボロのペルシアンを出します。

梓「それでいいんですか?」

サカキ「油断してると負けるぞ」

梓「分かってます」

純「では……」

「「「バトルスタート」」」

その言葉と同時に互いのモンスターが交差する。しばしの沈黙の後、ペルシアンは倒れた。

サカキ「やはり、強いな。これを受け取れ」

サカキさんはグリーンバッチを私に渡します。

梓「できれば、ちゃんと勝負したかったんですけどね」

ゆい「まあ、ゲットできたんだからいいじゃん」

純「じゃあ、サッサと行こうか」

サカキ「……待て」

サカキさんは再び、私達を制止します。
183. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/08(月) 21:42:00.20 ID:2eZc6/4r0
梓「今度はなんですか?」

サカキ「老婆心ながら、忠告してやる。上にいる奴はお前らのポケモン全てで戦っても、勝てない。たとえ、ジムリーダー全員と戦っても、おそらく勝てない。それくらい強い。それは覚えておけ」

梓「……分かりました。一応、お礼は言っておきます」

私達は今度こそ、屋上に向かいました。

ヤマブキシティ・シルフカンパニー・屋上

梓「ここが屋上……」

私は屋上に続くドアの前に立つ。

純「まあ、気楽にいきましょうよ」

ゆい「そうだよ。笑顔、笑顔」

梓「ですけど、ここには今まで戦ってきた中でも、一番強い敵が……」

ゆい「大丈夫だよ。あずにゃんには私がいるし!」

梓「……はあ」

ゆい「え、何、その溜息」

梓「まあ、悪ふざけもここまでにして、屋上に行きますか」

私は屋上の扉を開く。そこには髪の長い、女の人が燃えゆく町と伝説の3匹のポケモンを見ていました。そして、私達が来たことに気づくと、私達の方に振り返りました。

曽我部「初めまして、梓さん、ゆいさん。それと……たしか、純さんとういさん。楽しいショーにようこそ」

目の前の綺麗な女の人がまるでこれから、ショーが始まる手品師のように綺麗にお辞儀をしました。

184. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/08(月) 21:42:42.74 ID:2eZc6/4r0
VSロケット団編⑤  「伝説のポケモン強襲」  終了
186. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/12(金) 20:40:30.78 ID:CBnLOVZ30
前回までの状況(トレーナとポケモン)                                            

梓          ゆい  ハッサム  ヘルガー  イーブイ   ニューラ   ガルーラ  カイリュー  ポリゴン2  プテラ  ラプラス

澪          ゼニガメ   エビワラー  デンリュウ

律          リザードン  サワムラー  ニョロボン  レアコイル  ゴローニャ  ゴルダック

ムギ        フシギバナ  カポエラー  ギャラドス

純          うい   カビゴン  ゲンガー

VSロケット団編⑥  「VS曽我部・前編」
187. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/12(金) 20:41:45.51 ID:CBnLOVZ30
今回のメンバー  ゆい  ハッサム  プテラ  ヘルガー  ニューラ  ガルーラ

梓「あなたは一体、何者なんですか?」

曽我部「これは失礼しました。私の名前は曽我部恵と言います」

純「曽我部さんね。それで、あなたはここで何をしてるの?危険だよ、ここにはサカキっていうロケット団のボスを倒すほどのトレーナーがい
るみたいだから」

曽我部「それは大変ですね」

梓「ちょっと、純。ここにいるのはこの人だけだし、そのトレーナーって、この人なんじゃ……」

私は純に耳打ちをします。

純「でも、こんな人がとてもじゃないけど、サカキさんを倒せるとは思えないけど……」

梓「それはそうだけど……」

曽我部「どうしたんですか?」

梓「いえ、別に。それよりも、あなたは何をしてるんですか?」

曽我部「私は見物してるんですよ」

梓「何をですか?」

曽我部「崩れゆく町並みを」

曽我部さんが指差す、方向を見ていくと、赤い炎に燃えるタマムシシティ、ハナダシティ、クチバシティ、シオンタウンの光景がありました。タマムシシティの攻撃は見ましたが、他のところの攻撃を見ていなかったので、私がシルフカンパニーに入っている間におこなわれたんでしょう。

梓「……どうして、そんなことを?」

曽我部「面白いからです」
188. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/12(金) 20:42:41.87 ID:CBnLOVZ30
純「面白い、ですって……」

純は顔を真っ赤にして、怒りの目を曽我部さんに向けます。

純「人が犠牲になってるかもしれないのに!」

梓「まあまあ。あなたがサカキさんを倒したんですか?」

曽我部「ええ」

梓「あなたが伝説のポケモンを操ってるんですか?」

曽我部「ええ、そうよ」

梓「どうして、こんなことをしたんですか?」

曽我部「あなたはポケモンを好き?」

曽我部さんは私の問いかけに答えずにそんなことを聞いてきます。

曽我部「どうなの?好きなの?」

梓「それは……好きですよ」

ゆい「えへへ?」

梓「何で、ゆい先輩が照れるんですか?」

ゆい「私もポケモンだもん。だから、私のことも好きなんだよね」

梓「……少し、黙っててください」

曽我部「なるほどね。思うんだけど、ポケモンにとって、人間って何なんだと思う?」
189. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/12(金) 20:44:30.96 ID:CBnLOVZ30
梓「え、えーと、一緒に生きていくべき、仲間というか友達です!!」

曽我部「プッ、ククククククク」

私の答えを聞いて、笑い始める曽我部さん。

梓「何がおかしいんですか!!」

曽我部「ごめんなさい。なんか、小さい子みたいな答えだったから。体とよくあってる答えだと思うと、笑えてきちゃって」

ゆい・うい・純「「「あー」」」

梓「何で私の体を見て、皆で納得するんですか!!」

曽我部「冗談はともかく、人間の立場らしい答えだと思ってね」

梓「……どういう意味ですか?」

曽我部「ポケモンにとって、人間は害虫に等しい存在ということよ」

ゆい「そんなことないもん!!私もポケモンだけど、あずにゃんのことは大好きだし、純ちゃんやりっちゃん達に会えてよかったと思ってるよ!」

曽我部「あなたはそうでしょうね。でも、そうじゃないポケモンもいるのよ。例えば……あなたの持っているヘルガーはどうやってゲットした
のかしら?」

梓「それは捨てられていたのを……!?」

曽我部「フフフ。あなたは自分を捨てた存在達を友達と呼べるのね」

ゆい「でも、あずにゃんに拾われて、ビル太も考えが変わったはずだよ」

曽我部「そうかしらね」

梓「……そんなことより、どうしてこんなことをするのか答えてください!」

曽我部「どうして、こんなことをするのかね。……まあ、いいわ。話してあげるわ。あれはちょうど、私が小さい頃の話よ」


最終更新:2011年09月22日 21:28