- 213. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/15(月) 13:15:52.43 ID:bsB1nekY0
- 前回までの状況(トレーナとポケモン)
梓 ゆい ハッサム ヘルガー イーブイ ニューラ ガルーラ カイリュー ポリゴン2 プテラ ラプラス
澪 ゼニガメ エビワラー デンリュウ
律 リザードン サワムラー ニョロボン レアコイル ゴローニャ ゴルダック
ムギ フシギバナ カポエラー ギャラドス
純 うい カビゴン ゲンガー エレブー
VSロケット団編⑦ 「VS曽我部・後編」
- 214. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/15(月) 13:17:06.88 ID:bsB1nekY0
- 今回のメンバー ゆい ハッサム プテラ ヘルガー ニューラ ガルーラ
曽我部「やるじゃない」
曽我部さんはまるで、どこかのサ○ヤ人のような気を発しているういを前にして、クスクスと笑っています。
曽我部「来なさい、ファイヤー」
隣のビルの中から、ファイヤーが再び、舞い戻ってきます。
曽我部「この3匹の前でどこまで戦えるか、見せてちょうだい。もっとも、空を飛べないあなたじゃ、厳しいでしょうけどね」
3匹はういを挑発するように睨んできます。
うい「じゃあ、楽しもうか」
その言葉とともにういの姿が消えます。
曽我部「!?」
そして、次の瞬間にはフリーザーの背後に回っていました。
梓「はやっ!?」
フリーザー「フリ!?」
うい「ほのおのパンチ」
ういの炎を纏った拳をフリーザーに叩きつけます。
フリーザー「フリーーーーーーーーーーーーーーーーー」
フリーザーは体を炎を纏って、反対のビルまで、飛ばされていきます。
曽我部「チッ。ファイヤー、ほのおのうずでそいつの動きを封じて。そして、サンダーは十万ボルト!」
ファイヤーはういの動きを止めるべく、炎をういの周りに吐き出します。
うい「……この程度なの?」
ういは体を回転させて、風を発生させ炎を吹き飛ばします。
曽我部「馬鹿な!?」
サンダー「サンダー!」
サンダーは高圧の電撃をういに向かって発射してきます。
うい「ひかりのかべ」
ういは片手を構えて、壁を作り、サンダーの十万ボルトを防ぎます。
うい「この程度なの?伝説のポケモンって」
曽我部「くっ……」
- 215. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/15(月) 13:17:55.65 ID:bsB1nekY0
- 梓「……強すぎでしょ、あれ?」
純「……私もびっくりだよ」
ゆい「ほへー」
純「えらい違いね、随分と」
梓「ゆ、ゆい先輩は別の意味でういよりすごいよ!!」
純「別の意味って……例えば?」
梓「え、えーと……可愛さとか?」
純「完全に好みの問題じゃない」
梓「じゃ、じゃあ、何をするか分からないとか」
純「それ、いい意味じゃないよね」
- 216. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/15(月) 13:19:11.73 ID:bsB1nekY0
- 曽我部「調子に乗らないほうがいいわよ。フリーザー、ファイヤー、サンダー」
伝説の3匹はういの動きを封じるように取り囲みます。
曽我部「全員で、そのチビに攻撃よ!!」
フリーザーはれいとうビームを、ファイヤーはかえんほうしゃを、サンダーは十万ボルトをういにむかって、一斉に発射します。
ゆい・梓・純「「「うい!」」」
うい「……ふん」
3匹の技がういに激突する寸前にういの姿が消えました。
バーン
3匹の技が激突し、爆発が起こります。
梓「ういはどこに……」
曽我部「!?ファイヤー、後ろ!」
ういはファイヤーの後ろに手に電気を込めて、空中に浮かんでいました。
うい「まずは純ちゃんを殺しかけたあなたから……」
ういの力のこもったかみなりパンチがファイヤーに叩き込まれ、私達に向かって落ちて……って。
梓「避けなくちゃ!」
私は純を担いで、ゆい先輩とその場を離れます。
曽我部「くっ」
曽我部さんもその場も離れます。
バーーーーン
という、すごい衝撃とともにファイヤーは気絶しました。
曽我部「戻りなさい、ファイヤー」
ゆい「おお。やったね、うい!!」
梓「ですけど、もう少し考えてほしかったですね。危なく死ぬところでした」
純「まあ、無事だし、結果的にはよかったじゃない」
うい「次は……」
ういはフリーザーに目を向けます。
うい「あなただよ」
ういは一瞬でフリーザーの懐に飛んでいきます。
うい「インファイトプラスほのおのパンチ!」
フリーザーの懐でそのまま、フリーザに炎を纏ったパンチを命中させ、フリーザーは再び、隣のビルに叩き込まれ、気絶しました。
梓「後、1匹です!」
ゆい「このまま、一気に決めちゃえー」
うい「後、1匹……謝ったら、許してあげるよ」
- 217. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/15(月) 13:19:58.88 ID:bsB1nekY0
- 曽我部「……調子に乗るなーーー!サンダー、ドリルくちばし!」
サンダーは体を回転させて、くちばしをドリルのようにういに突き刺すべく突撃してきます。
うい「……ぐっ」
その攻撃がういのおなかを貫いた。
ゆい「ういーーーーーー」
純「避けられたのに、どうして……」
梓「待って下さい!あれをよく見て下さい!」
サンダーが貫いたのはうい……の形をした人形です。
曽我部「みがわり……だと!?」
梓「じゃあ、本物は……」
ゆい「下だよ」
ゆい先輩が指差す方向にういが拳を構えています。
うい「いくよ、スカイアッパープラスれいとうパンチ」
サンダーの下から、滝を登る龍のように綺麗で冷気に包まれた拳のアッパーがサンダーを下から突き上げます。サンダーは跳ね上がり、隣のビ
ルの屋上に落下し、気絶します。
うい「ふー。私達の勝ちだよ」
ゆい・梓・純「「「うーい、うーい」」」
うい「あ、ありがと」
曽我部「……」
曽我部さんはサンダーをボールに戻します。
梓「さあ、これで私達の勝ちですよ」
純「全部、ういのおかげだけどね」
曽我部「フフフ、ハッハハハハ」
突如として、笑い出す曽我部さん。あまりのショックでちょっと頭の方に問題が生じたんでしょうか。
曽我部「これで勝ったと思ってるのかしら」
ゆい・梓・うい・純「「「「え?」」」」
- 219. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/15(月) 14:45:56.62 ID:bsB1nekY0
- シルフカンパニー・前
律「はあ……はあ……。何なんだよ、こいつの強さは」
ムギ「伝説の3匹の鳥ポケモンが可愛くみえるわね」
伝説のポケモンとロケット団との戦いである程度疲れているとはいえ、相手は2匹、こっちのほうが有利なはずだ。それなのに、こっちのメンバーで無事なのは、私のカメックス、律のリザードン、ムギのフシギバナだけだ。
澪「カメックス、れいとうビーム!!」
甲羅から生えているロケット砲で、カイリューに向かって、れいとうビームを発射する。
カイリュー「リュー!」
カイリューはそれをでかい図体に似合わず、ひらりと空中にジャンプしてかわす。
澪「今だ、律!」
律「任せろ!」
律のリザードンは上空にジャンプしたカイリューに向かって、空気の刃で攻撃するエアスラッシュを発射する。
カイリュー「リューーーーーー」
カイリューはそのまま、リザードンに鋭い殺気を放ちながら、エアスラッシュをも粉砕し、リザードンにドラゴンダイブを仕掛けてくる。
律「リザードン、かわ……」
律が命令を出す前にリザードンにカイリューの攻撃が命中し、律に向かって、リザードンが飛ばされてくる。
澪「律!」
律「分かってるよ」
律はなんとか、それを横にかわす。しかし、リザードンは気絶してしまった。
澪「大丈夫か、律」
律「馬鹿!奴から、目を離すな!」
カメックス「カメ!」
私がカメックスを見ると、カメックスはカイリューに持ち上げられている。
澪「カメックス、こうそくスピン!」
カメックスは体を回転させて、自分を叩きつけようとするカイリューから解放しようとする。
カイリュー「リュー!!」
カイリューは腕の力を強めて、その動きを強引に止めてくる。そして、力任せにカメックスを叩きつけ、カイリューの巨体で力任せにガシガシ
っと踏みつけてくる。
澪「カメックス、ハイドロポンプの勢いで脱出しろ!」
カメックスはロケット砲から勢いよく水を発射し、その勢いで、甲羅で滑って逃げる。
カイリュー「カイリュ」
カイリューはそのカメックスを素早くジャンプし、追いかける。しかし、滑ってるカメックスを邪魔したのは、カイリューではなく……、
- 220. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/15(月) 14:47:15.15 ID:bsB1nekY0
- 紬「フシギバナ!」
ギャラドスの相手をしていたムギのフシギバナだった。その衝撃で、2匹は気絶した。
紬「ごめんなさい、澪ちゃん」
澪「気にするな……」
ギャラドス「ドス」
カイリュー「カイリュ」
ギャラドスとカイリューは私達を睨み付けます。
タケシ「ここは俺達が食い止めるから、女性とカツラさんは逃げて下さい」
律「いや、無茶だろ、人間の力じゃ……」
その時、カイリューは突然上を向き、屋上に向かって飛んで行った。
律「どうしたんだ、突然……」
紬「そういえば、あの3匹がいないわ」
澪「梓達が倒したのか」
律「だから、カイリューが戻されたのか。これで、こっちはギャラドスだけになったわけだけど……」
ギャラドス「ドス!!」
律「こっちに手持ちがいないからな」
澪「どうしようもないな……」
私達は絶望な気持ちで、ギャラドスを見上げた。
- 221. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/15(月) 14:48:52.07 ID:bsB1nekY0
- シルフカンパニー・屋上
曽我部「来なさい、カイリュー」
その声とともに、下から何かがロケットのような音を立て、カイリューが現れました。
曽我部「ごめんね、いきなり呼んで」
曽我部さんは優しくカイリューを撫でます。きっと、さっき話していたミニリュウが進化した姿なのでしょう。
梓「でも、こちらには伝説のとりポケモンの3匹を圧倒したういがいます!!」
純「あんたのポケモンでもないのに、何でそんな強気なのよ」
ゆい「私はー?」
梓「……とにかく!!こっちの方が有利です。頑張って下さい、うい!!」
純「だから、あんたのポケモンじゃないし、勝手に命令しないでよ」
ゆい「あずにゃん。私はどうすればいいのー」
梓「……むー!」
純「何で、人がいい気持ちで敵に向かっているのに邪魔するのって、目で見られても……」
ゆい「駄目だよ、純ちゃん!あずにゃんの邪魔しちゃ。めっ!!」
純「思わぬところから、援護が来た!?」
うい「ははは。……もう少し、緊張感を持とうよ」
ゆい・梓・純「「「はい」」」
曽我部「そのチビが私のカイリューより強いかで試してみる?」
純「頑張って、うい!」
ゆい・梓「頑張って、うい!」
うい「や、やれる範囲で頑張るよ」
- 222. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/15(月) 14:51:34.47 ID:bsB1nekY0
- 曽我部「カイリュー、力の差を見せ……!?」
カイリューに声をかけていた、一瞬の隙を突き、私達の前にいたういの姿が消え、カイリューの前に現れました。
うい「れいとうパンチ」
ういは冷気のこもったパンチをカイリューのおなかに叩き込もうとしましたが、
カイリュー「リュー!!」
カイリューは懐にいたういを素早く、自分の懐から弾き出します。
うい「くっ……」
ういはその攻撃を何とか耐えます。しかし、カイリューの姿も消え、ういの前に現れます。
梓「あれはカイリューのしんそく!」
カイリュー「リューーー」
カイリューは力任せにういに殴りかかります。
うい「リフレクター」
ういは壁を張って、その攻撃を防ぎにかかりますが、
カイリュー「カイ……リューー」
カイリューはその壁を力任せに破壊し、ういを殴り飛ばします。
うい「キャーーーーーー」
ゆい「ういーーーーーーーー」
カイリュー「リュー」
カイリューは更に追撃をするべく、身構えます。
梓「ういが危ない。来てください、ニューラ、ハッサム」
純「来なさい、エレブー、カビゴン」
私達はそれぞれ、ポケモンを出し、ういの援護をします。
曽我部「くす。4匹で足りるの?」
梓「!?」
カイリュー「リュー!」
まず、カイリューの拳がニューラに迫ります。
カビゴン「カビ」
カビゴンが盾となり、その攻撃を受け止めます。
ニューラ「ニュラ」
ハッサム「サム」
ニューラとハッサムはその隙を突き、ニューラはブレイククローを、ハッサムはメタルクローをカイリューに浴びせるべく、左右から挟み込む
ように攻撃を仕掛けます。
。
- 223. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/15(月) 14:53:58.27 ID:bsB1nekY0
- ニューラとハッサムはその隙を突き、ニューラはブレイククローを、ハッサムはメタルクローをカイリューに浴びせるべく、左右から挟み込むように攻撃を仕掛けます。
カイリュー「リューーーー!!」
すると、カイリューはサンダー以上の電力を持った、十万ボルトを3匹に浴びせます。
ニューラ「ニューーーーーーラーーーーー」
ハッサム「サムーーーーーーーーーーーー」
カビゴン「カビーーーーーーーーーーーーー」
梓「ニューラ!!ハッサム!!」
純「カビゴン!!」
3匹は黒焦げになり、気絶します。
梓「戻ってください、ニューラ、ハッサム」
純「戻って、カビゴン。でも、終わりじゃないわよ」
カイリューの横からエレブーが襲い掛かります。
純「かみなりパンチ!」
梓「よし!!これは効くは……」
曽我部「無駄よ」
カイリューはエレブーの攻撃を片手で受け止めます。
カイリュー「リュー!!」
カイリューは口に炎を溜め、エレブーを上に投げ、そこにだいもんじを噴出します。
エレブー「ブーーーーーーー」
エレブーは黒焦げになり、気絶しました。
ゆい「そ、そんな……」
梓「4対1で、こっちが圧倒的に有利だったはず……」
純「そんなことをもろともせずに圧勝するなんて……」
梓「……純は後、何匹、手持ちあるっけ?」
純「ういを除けば、後3匹ね。でも、あいつ相手じゃ、時間つぶしにもならないでしょうね。梓は?」
梓「私はゆい先輩を除けば、後1匹ね」
純「絶望的ね」
梓「ええ」
ゆい「ど、どどどどしよう、あずにゃん」
梓「落ち着いて下さい」
ゆい「でも……」
梓「いつも、ゆい先輩は言ってますよね。こういう時こそ、笑顔です」
ゆい「……そうだね。にこー」
梓「に、にこー」
ゆい「うん、私やるよ。あれを倒したら、いっぱい撫でてくれたり、抱っこしてくれるんでしょ?」
梓「それはまあ……」
ゆい「それに、ポケモンを使って、こんなことをするなんて、許せないもんね。私、やるよ!フンス」
梓「純、私達が囮になるから、ういを連れて逃げて」
- 224. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/15(月) 14:56:54.67 ID:bsB1nekY0
- 純「は!?ここまで来て、何を言って……」
梓「一旦退いて、回復させてくればいいの。ういの体力が満タンなら、勝つ可能性があるでしょ?ゆい先輩が倒すと思うけど、失敗したとして
も、体力はだいぶ削れるだろうし」
純「なら、手持ちが少ない梓が行くべきよ。私の足もあるし……」
梓「さっきの戦いを見る限り、純、いや、私達じゃ逃げ切るまでの時間を稼げないよ」
純「……一つだけ、約束しなさい」
梓「可能な限り聞くよ」
純「生きて帰りなさいよ」
梓「……善処するよ」
純「来なさい、ゲンガー」
ゲンガー「ゲンガー」
純「ちなみに、あのシオンの時のゲンガーよ」
梓「え、そうなの」
純「ゲンガー、ういを回収して!」
ゲンガーは素早く動いて、ういを抱きかかえて戻ってくる。
純「大丈夫、うい?」
うい「う、うん。……平気」
純「じゃあ、任せたわよ。戻って、ゲンガー。来なさい、カイリキー」
カイリキーは純とういを抱きかかえます。
うい「……うう。私はまだ、戦えるよ」
純「傷だらけで何を言ってんの」
ゆい「任せてよ、うい。ういが戻ってくる頃には私の大勝利だよ!」
うい「……お姉ちゃん」
梓「じゃあ、またね、純、うい」
純「ええ」
うい「頑張ってね」
純達は下に向かって行った。
曽我部「くすくす。空から、行けばいいのに」
曽我部さんはおかしそうにくすくすと笑っています。
梓「ここから行ったら、邪魔するくせに」
曽我部「くすくす。まあ、いいわ。もう勝負は終わったようなもの。さっきのチビはもういないからね」
ゆい「まだ、私がいるよ!」
曽我部「そうね。まだ、あなたがいたわね。くすくす」
ゆい「舐めていられるのも今のうちだよ!ゆいちゃん真……」
曽我部「カイリュー」
カイリューは素早く、ゆい先輩に接近し、殴り飛ばします。
ゆい「ひゃーーーーー」
梓「ゆい先輩!!」
私は飛ばされてくる、ゆい先輩を受け止めます。
梓「ぐっ。だ、大丈夫ですか、ゆい先輩」
ゆい「なんとか」
- 225. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/15(月) 14:58:26.56 ID:bsB1nekY0
- 曽我部「くすくす。特別に教えてあげるわ。そのチビと戦う上で、気をつけなければいけないのはそのチビのペースに乗せられないようにすることよ。あなたが今まで、倒してきたジムリーダーとかは皆、あなたのペースで、つまりあなたの土俵で戦っていたのよね。だから、あなたを倒すにはその土俵に乗らなければいい」
たしかに澪先輩の時も速攻で倒されていましたからね。
曽我部「さてと。あなたのポケモンは残り、1匹。それもおそらくはプテラ。それじゃ、カイリューには勝てないし、逃げられもしない」
ゆい「まだ、私も戦えるよー」
曽我部「あなた程度のポケモンじゃ、カイリューには足元にも及ばないわね。それにしても哀れなものね」
曽我部さんはゆい先輩に向かって、嘲笑するような笑みを浮かべます。
曽我部「妹は伝説の3匹のとりポケモンを倒す実力なのに、姉は使えないカスポケモン。どこで、差がついたのかしらね」
ゆい「……あう」
梓「……」
曽我部「それなのに、自分の実力も分からずにカイリューを倒すだなんてね。哀れなものね、妹も。こんな屑な姉を持って」
ゆい「……うう」
梓「……黙って下さい」
曽我部「ん?」
梓「あなたにゆい先輩の何が分かるんですか!来てください、プテラ!!」
私はゆい先輩を横に置き、プテラを出します。
梓「プテラ、加速をつけて、アイアンヘッド!!」
プテラは上空から全速力で鋼のように硬い頭をカイリューにぶつけにいきます。
曽我部「やっぱりね。その子を悪く言えば、あなたは激昂して襲い掛かってくると思ったわ」
梓「!?」
カイリューは向かってくるプテラをパンチで対抗する気のようです。
ガッツーーーーン
プテラがカイリューの拳と激突し、衝撃が私達の所まで、風になって伝わります。
梓「どうですか!?」
曽我部「くすくす」
プテラ「……テラ」
プテラは頭にひびが入り、気絶しました。
曽我部「くすくす」
梓「何がおかしいんですか」
私はプテラをボールに戻します。
曽我部「あなたが重要なミスを犯したからね」
梓「ミス?」
- 226. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/15(月) 14:59:35.29 ID:bsB1nekY0
- 曽我部「本当なら、さっきの純さんが戻ってくるまで耐えなければいけなかったのに、安易に攻撃をしてくるなんてね。もっとも、そうしてくるとは思ったけどね」
梓「……どういう意味ですか?」
曽我部「。だって、あなた、そのゆいが大好きなんでしょ?口には出さないけど。そんなあなたが私の暴言をスルーできるわけないわ。その結
果、安易に突っ込んでくると予想できるわ。もっとも、加速をつけた、今の攻撃は素晴らしかったけどね」
曽我部さんはパチパチと拍手しながら、カイリューとともに私達に近づいてきます。
ゆい「あ、あずにゃんに近づくなー」
ゆい先輩はカイリューに向かうも、軽くカイリューに弾き飛ばされます。
ゆい「うわっ!!」
梓「ゆい先輩!!」
曽我部「さあ、あなたにも見せてあげるわ。カントーの最後を」
曽我部さんは私を引っ張りあげました。
- 227. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/15(月) 15:00:45.68 ID:bsB1nekY0
- ゆい「ぐす……私に力があれば……」
あずにゃんを救えるのに。私はそろそろ夜になる空を見つめる。
???(……ちゃん)
ゆい「ん?」
私の耳に何かの声が聞こえる。なんだろ?
???(ゆいちゃん、諦めるの?)
ゆい「この声は……誰?」
???(僕が誰かなんてどうでもいいんだよ。ゆいちゃんは諦めるの?君の梓ちゃんへの想いはその程度なの?)
ゆい「でも、私には何もできないよ……」
???(あるよ!君の想いを届けるんだ!!!)
ゆい「ん?」
突如として、私が背負っていたギー太が光り輝きだした。
ゆい「あ、さっきのは……」
私はギー太を構える。
ゆい「……頑張ろうね、ギー太」
私は足に力を込め、空に飛び出した。
- 228. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/15(月) 15:01:34.71 ID:bsB1nekY0
- 梓「ゆい先輩!?」
ゆい先輩は屋上から飛び出し、上空に飛んでいきました。
曽我部「怖くて逃げ出したのね」
梓「ゆい先輩はそんなことしません!!」
曽我部「まあ、現実から目を背けたいあなたの気持ちも分からないわけじゃないわ」
梓「……ゆい先輩」
ゆい「頑張ろうね、ギー太」
私はギー太から、音楽を鳴らす。
ゆい「ミュージックスタート(ふわふわ時間を想像してください)ゆいちゃん真拳究極㊙(マルヒ)奥義『アズニャン・パラダイス』」
- 229. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/15(月) 15:02:36.22 ID:bsB1nekY0
- シルフカンパニー前
ギャラドス「ドス!」
ギャラドスはシルフカンパニーの前でガードマンのように仁王立ちしている。あの後、私達は何とか逃げて、今、もう一度戻ってきた。
律「くそ。ポケモンさえ、元気なら……」
私達は物陰から、ギャラドスの様子を見る。
澪「だが、ギャラドスだけでも十分に強いからな。いないよりもましだけど、どっちにしたって厳しいさ」
紬「でも、やっぱり他の町のポケモンセンターを利用した方が……」
律「それじゃ、時間がかかりすぎるだろ。その間に梓達がどうなるか……それに利用できるかも分からないし」
ジムリーダーの人達は他の町のポケモンセンターに向かっていったが、さっきの3匹の攻撃で町がボロボロになっている。うまく利用できるとも限らないから、律の言ってることは間違っていない。私達は梓が心配だからここで様子を見ているわけだけど……。
澪「なんとか、現状を打開できないものか」
律「難しいな」
紬「見て!!ロケット団員が中から出て来たわ」
律「何だと!?」
ムギの言うとおり、カイリキーに抱きかかえられたロケット団員がいた。
澪「あれは……女か?」
律「なんか、ぬいぐるみみたいなのを抱いてないか?」
紬「ゆいちゃんに少し、似てないかしら」
澪「だとすると、梓を襲って……」
律「あいつめ……」
紬「見て!何故か、ギャラドスと戦い始めたわ」
- 230. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/15(月) 15:03:23.85 ID:bsB1nekY0
- 純「そう言えば、下にもいるって、言ってたわね」
襲い掛かってきたギャラドスに私はゲンガーを出して、対抗する。
うい「ごめんね。私が戦えたら……」
純「ういはもう十分働いたわよ。他のポケモンにも活躍してもらわなくちゃね。……うん?」
私が周りを見渡すと、こっちを見ている3人の女の人がいた。
純「なんだろ?とりあえず、あそこに逃げるわよ、ゲンガー!」
ゲンガー「ゲンガー!」
ゲンガーはシャドーボールを発射し、ギャラドスをけん制しながら、そっちの方向に向かった。
- 231. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/15(月) 15:06:16.88 ID:bsB1nekY0
- 澪「おい!!こっちに来たぞ、どうする!」
律「どうするって言ってもな」
紬「相手がカイリキーだとね。逃げ切れそうにないわね」
澪「何で、お前ら冷静なんだよ」
純「すいません、ここはき……」
澪「わっ!そうこうしているうちにロケット団員が来たじゃないか!」
純「ロケット団?……あ。いや、これは違うんです。私はロケット団じゃないです」
律「じゃあ、何でそんな格好してるんだ?」
純「これにはいろいろと事情がありまして……」
うい「今は説明してる時間も惜しいよ」
紬「こんな小さい女の子を連れて……、このロリコン!!」
純「別にそんなつもりじゃ……」
澪「おい。ギャラドスがこっちに向かってくるぞ」
純「くっ。ゲンガー、シャドーボールで牽制して!」
ロケット団(?)のゲンガーはシャドーボールギャラドスに向かって発射するも、ギャラドスの尻尾に弾かれる。
純「やっぱり、上のカイリューと同じような強さか……」
澪「カイリュー!?あなたは屋上にいたのか?」
純「まあ、一応……屋上で、あず……友達がいるので……」
律「ロケット団なのに?」
純「私の名前は鈴木純で、ロケット団ではなく……かくかくしかじか」
紬「なるほど。疑ってごめんなさい」
澪「便利な言葉だな」
律「とにかく、梓の友達なら、私達とも友達だな。ところで、その小さいのは……」
うい「あ、私の名前はういです。よろしくお願いします。これでも、ポケモンです」
澪「うい……。ゆいと何か関係があるのか?」
うい「お姉ちゃんです」
律「ゆいに妹がいたのか。それにしても……」
律・澪・紬(姉に似ないでしっかり者だな)
律「梓は屋上か。早く助けに行かないとな」
紬「もっとも、あのカイリュー相手じゃ、手も足も出ないかもだけど……」
澪「そうだな……ん?」
空から、何か、優しい歌声が聞こえてきました。
- 232. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/15(月) 15:07:50.30 ID:bsB1nekY0
- 律「この声は……ゆい?」
紬「それに何か、降ってきたわ」
ムギの言うとおり、小さいツインテールの女の子のようなものが降ってきました。
澪「これは……梓?」
私はそれに触れてみた。他の皆も私に続いてそれに触れてみる。
澪「うわっ!」
私がその小さい梓に触れると、弾けて消えてしまった。
律「何なんだ、一体」
紬「でも……なにかしら、この感じ」
澪「なんだか、優しい気持ちになる」
純「周りを見てください!」
鈴木さんは周りを指差す。いろいろな所に小さい梓が降ってきて、弾けて消える。すると、壊れていた建物が元通りになった。
澪「これは……」
うい「きっと、お姉ちゃんの技だよ……」
律「ん?」
澪「どうした、律」
律「私のモンスターが回復してる!!」
澪「え?」
紬「あ、本当。私のも!」
純「私のもです。それにういも!ついでに私の足も!」
うい「あ、本当だ」
澪「待てよ。なら、ロケット団のポケモンとかも回復してるかも」
紬「それはないわ。あれを見て」
ムギの指差したところにはロケット団の置いていったポケモンがあるが回復してる様子はない。
紬「どうやら、敵には効かないみたいね」
澪「そうみたいだな」
律「これなら、いける!」
純「皆さんは屋上に梓を助けに行ってください。ここは私が防ぎますので」
澪「でも、あいつは強いぞ」
純「私のういは伝説のポケモンを3匹も倒したので、大丈夫です!」
うい「ちょ、ちょっと、純ちゃん」
律「それなら、安心だな。時間もないし、積もる話も後でな。じゃあ、任せた!!」
その場を鈴木さんに任せ、私達は屋上に向かっていった。
- 233. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/15(月) 15:09:48.88 ID:bsB1nekY0
- シルフカンパニー・屋上
曽我部「何よ、これ……」
曽我部さんは次々と直っていく町の様子を見て、驚愕の声を上げる。
曽我部「これじゃ、私のやったことが……」
梓「無駄ですね。もっとも、成功しても無駄ですけど」
曽我部さんは私を掴んでいた手に力を込める。
曽我部「あなたに私の何が分かるの……」
梓「何も分かりませんよ。私が分かるのはあなたがゆい先輩の力を甘く見たことです」
曽我部「……くっ」
曽我部さんは図星をつかれたかのように顔をそらします。
曽我部「でも、私にはまだカイリューがいるわ。あなた達には到底倒せないわ」
律「それはどうかな!」
バンッ!!!
という、どでかい音とともに律先輩達が現れました。
梓「律先輩!澪先輩!ムギ先輩!」
曽我部「のこのこ何をしに来たの?もう手持ちポケモンもないでしょうに」
律「それはどうかな?」
澪「さっきの技で私達のポケモンは全員回復した」
紬「つまり、これから、私達のポケモン全員とあなたのカイリューはまた戦えるのよ。その体力の減っているカイリューとね!!」
曽我部「なんだと!?」
その時、さっきまで聞こえていた優しい歌声が止み、ゆい先輩が落下してきました。
梓「ゆい先輩!」
私は曽我部さんを振り切り、ゆい先輩を受け止めました。
ゆい「あずにゃん……私の歌、届いたかな?」
梓「……はい。とっても、良かったです」
ゆい「ありがと。えへへ」
- 234. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/15(月) 15:11:18.52 ID:bsB1nekY0
- 私は曽我部さんを睨みつけます。
梓「さあ、決着をつける時です。夢を叶えようともしないあなたとね!!」
曽我部「……どういう意味よ」
梓「あなたは所詮は夢を諦めたんです。何もしないで!!」
曽我部「私がどれほど努力をしたと思ってるの?」
梓「じゃあ、あなたはポケモンと人間が仲良く暮らせるような世界を創るために何をしたんですか!!」
私は少年漫画の主人公のように語りかけます。
梓「私は心無いトレーナーの人達に捨てられたポケモンを拾って、一生懸命面倒を見てる人を知っています。その人のやっていることだって、小さいことかもしれないけど、ポケモンと仲良く暮らすために頑張っています。あなたはそういうことをしたんですか?」
曽我部「……黙れ」
梓「たしかに、心無い悪い人もいます。でも、一部の悪い人達のためにたくさんのいい人達を犠牲にするなんて間違っています」
曽我部「黙れ!!じゃあ、お前の夢は何なのよ。夢なんてものは必ずしも叶えられるわけじゃない。どんなに綺麗事を言っても、人間を滅ぼさなければ、ポケモンは滅ぼされるのよ。人間によってね」
梓「私は……ポケモンマスターになる女です!!!」
私は大きな声で宣言しました。
曽我部「……」
フフフ、私の宣言にびっくりして、言葉も出ないようです。
- 235. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/15(月) 15:14:16.28 ID:bsB1nekY0
- 曽我部「プッ」
曽我部さんは腹を抱えて笑い始めます。
律「プッ、ククククク」
澪「クククク、律、笑うなよ、梓は真剣なんだぞ。クククク」
紬「そういう澪ちゃんだって。フフフフフフ」
梓「何で、皆して笑うんですか!!」
律「いやー、真剣な場面でそんな某海賊漫画の主人公みたいな宣言されてもな」
澪「なんていうかな、そのー」
紬「なんか、中学生の男の子みたいねえ」
梓「……」
言われてみれば、恥ずかしいかもしれません。
ゆい「大丈夫!!とっても、可愛かったよ!!」
梓「微妙に褒められてない気もしますが……とにかく!!」
私は曽我部さんを睨みつけます。
梓「どっちが正しいか、あなたに見せてあげます。皆さんは下がっていてください」
私は皆さんを後ろに下げます。
梓「皆さん、手を出さないでくださいね」
澪「大丈夫か?」
律「そりゃ、ポケモンマスターになる女なんだから、大丈夫だろ」
梓「……」
澪「おい、律!!」
曽我部「舐められたものね、私も」
梓「あなたが人間を滅ぼさなければ、ポケモンが滅びるというなら、そのふざけた幻想をぶち壊してやるです。やってやるです!!」
律「なあ、梓に何があったんだ?あんな中二病みたいな台詞を……」
ひそひそ
澪「きっと、アニメでも見たんじゃないか?」
ひそひそ
紬「だとしてもね……あの台詞は……」
ひそひそ
ゆい「まあ、展開がけいおんっていうよりも少年漫画に近いから、そっちに合わせてるんだよ」
ひそひそ
律「そんなに少年漫画に近いか?ただ、言いたかっただけじゃね?」
ひそひそ
梓「さっきから、ひそひそとうるさいですよ!!」
- 236. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/08/15(月) 15:16:48.71 ID:bsB1nekY0
- 曽我部「いいわ。かかってきなさい」
梓「来てください……」
ゆい「さあ、私の出番だね!あずにゃん、私を下ろし……」
梓「ハッサム!!」
ゆい「え〜!!」
梓「だって、さっきので、ゆい先輩、疲れてるでしょ?」
ゆい「まあ、そうだけどね」
曽我部「ハッサム……あなたのエースモンスターね」
私のハッサムと曽我部さんのカイリューは西部劇の決闘のように対峙して睨みあいます。そして、わずかの沈黙が訪れます。そして、どちらと
もともなく、バトルが始まります。
梓「……行きますよ。ハッサム、おんがえし!!」
ハッサムの体からオーラが発生させ、そのオーラを右手に集中させ、カイリューに向かって、突撃します。
梓「いっけー……」
梓・ゆい「スクラップ・フィスト!!!」
曽我部「カイリュー、げきりんよ!!」
バシーーーーーーーン
ハッサムのハサミとカイリューの拳が激突し、その振動で私達のところまで、風が吹き抜けます。
カイリュー「リュー」
カイリューの拳から血が噴出し、拳を押さえて、苦しそうに膝をつきます。
曽我部「な!?」
梓「今です、シザークロス!!」
ハッサム「サム!!」
ハッサムは手をクロスさせ、カイリューの胸をXに切り裂きます。
カイリュー「……リュー」
カイリューはバタンと力尽き、倒れました。
梓「あなたは強かったです。のも含めて、たった2匹でここまで戦ったんですから」
曽我部「……戻りなさい、カイリュー」
曽我部さんはカイリューをボールに戻します。
梓「私の勝ちです。さあ、どうしますか」
曽我部「……そうね。今回はあなたの勝ち、いえ、あなた達の勝ちね。それは認めてあげるわ」
曽我部さんはボールを2個、取り出す。そして、片方を私達のところに投げます。
梓「これで何を……」
曽我部「来なさい、ケーシィ」
そのボールから、煙が噴射され、あたり一面が真っ白になる。
曽我部「また会いましょうね。テレポート」
その言葉を最後に曽我部さんは姿を消しました。
最終更新:2011年09月22日 21:31