律「おいおいたまに練習しようとしたらそれかよ」

唯「ちょ、ちょっと待って!おっかしいなぁーここにあるはずなのに……」

梓「唯先輩、よかったら私の貸しましょうか?」

唯「えっいいの?ありがとーあずにゃん!あずにゃんありがとー!」

梓「いえいえ。あ、前使ってたやつなんでちょっと削れちゃってますけど」

唯「全然問題ナッシングだよあずにゃん!ありがとー!」

澪「……そろそろ始めていいか?」

唯「おー」


れんしゅうご!

紬「なんだか今日はみんな調子よかったみたいね」

律「新しいスティックに替えてみたんだが、そう言ってもらえると安心するな」

澪「やっぱ替えてたんだな、新品感があると思ったよ。前のスティックはどうしたんだ?」

律「昨日失くしちゃったみたいでさー。ま、ささくれだらけで買い替えようと思ってた所だったしちょうどいいけど」

唯「りっちゃん私とお揃いだね」

律「何が?」

唯「私もピック失くしちゃったんだもん♪」

律「いやでも唯の場合、ちゃんと探せばひょんと出てくる気しかしない」

澪「ギターケースの隅に転がってるってオチかもな」

唯「そっ、そんなはずないよ!……と思うよ!?」

紬「なんにせよ、唯ちゃんケースの中をじっくり探さなきゃね」

唯「それ なんにせよ っていうかりっちゃん達と同じこと言ってるじゃん!ひどいっ!」

紬澪律「あっはっは」ケラケラ

唯「むぅー」

梓「とりあえず唯先輩にはしばらくそのピック貸しときますね」

唯「ありがとうあずにゃん、ごめんね」

梓「今度私がピック失くしたときに貸してくれたらそれでいいですよ」

唯「あずにゃんったらやさしー!」ダキッ

梓「あっ、ちょっ……」///

澪「はいはい帰るぞー」


ひらさわけ!

唯「いや~ういのご飯美味しかった~」

憂「お姉ちゃんったら毎日そう言ってくれるんだから、作りがいがあるなぁ」

唯「ホントういと一緒に住んでるといいことばかりだなぁ」

憂「お姉ちゃんったらもう……」///

憂「あ、そうだ、先にお風呂入ってきていい?あとで見たいテレビがあるから」

唯「いいよ、いってら~」フリフリ

憂「いてきまー」トコトコ


唯「……」

唯「……」

唯「……」ゴソゴソ

唯「……あずにゃんの、ピック」ニタァ

唯「あずにゃん!あずにゃん!あずにゃん!ぅぅうううわぁああああああ
  ああああああああああああああああん!!!
  あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!
  あずにゃんあずにゃんあずにゃんぅううぁわぁああああ!!!
  あぁ!クンカクンカ!(ry」

唯「やったよー!ピック失くしてみるもんだねぇあずにゃんのお古が手に入るなんて!」

唯「こ、これを応用すればあずにゃんのお古のパ、パンティーまで手に入ったり……?」ソワソワ

唯「イヤッホウゥゥゥ!ってそれは無理があるかなぁぁぁ!でもピックゥゥゥ!」ドタバタ

唯「あぁあずにゃんのピック……あずにゃんかわいいよぉ……」スリスリ

唯「こ、これをあずにゃんはずっとつまんでたんだよね……」ジーッ

唯「……」ドキドキ

憂「お姉ちゃーん、お風呂あがったよー」

唯「わわっ!!えっ!?あっ、うん!じゃ、私入ってくるね」

憂「うん?うん、いってらっしゃい」

憂(私がカラスの行水過ぎて驚くお姉ちゃんかわいい!)


よくじつ!

梓「おはようございまーす」ガチャッ

澪「おっ梓か」

梓「あれ?澪先輩だけですか?」

澪「見てのとおりさ。あ、そうだ、ちょっとトイレ行ってくるからベース見といて」

梓「はい?」

澪「持ってくのも面倒だけど置いてくのも心配だなって思ってたとこなんだ。じやっ、頼んだ!なんならケース開けて触っててもいいぞー!」タタタ…

梓「あっ、ちょっ!……行っちゃった」

梓「……わざわざこんなとこ来てベース盗ってく人もいない気がするけどなぁ」

梓「……」

梓「……」ジジーッ

梓「……」カチャカチャ

梓「……」クルクルササッ

梓「……」ジジーッ

梓「……」


唯「やっほー!」ガチャッ

律「うぃっす」

紬「こんにちは」

梓「先輩方おはようございます」

紬「あら梓ちゃん、先に来てたのね。」

唯「澪ちゃんはまだ来てないの?」

律「ベースと鞄はあるし、トイレじゃね?」

梓「あ、そうです。私と入れ違いで行っちゃいましt」

ガチャッ
澪「おーみんな揃ってんじゃん、練習やろーぜ」

律「きたきた」

紬「二日連続で練習するなんて……雨が降らなかったらいいけど」

梓「いやムギ先輩これごくフツーのことですから」

唯「そうだあずにゃんごめんね、まだピック借りとくよ?」

梓「はいどうぞ……というよりいっそ貰っちゃってください」

唯「いいのっ!?」キラキラ

梓「私が持ってても多分もう使いませんから」

唯「うわっはぁーい!!ありがとあずにゃん!」

唯(あずにゃんのピックが私のピックあずにゃんのピックは私のピックあずにゃんのものは私のものあずにゃんは私のもの)ニタァ

律「なんか喜んでる顔が気持ち悪いぞ?」

澪「あああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!???」

紬「どっ、どうしたの澪ちゃん!」

律「びっくりさせんなよ、どうした?」

澪「ベース……ベースの弦が……」

唯「弦?……あ」

澪「ベースの弦が無いっ!!!」

律「は、張り忘れたんじゃないのか?弦交換のときとかに」

澪「そんなはずはない……昨日の練習が終わってから弦を外したりはしてないから……」

唯「持ち運んでる最中に弦が切れてケースの底にたまってるとかは?」

澪「ベースだぞ?そんな切れるほど乱暴に扱ってないって……てかそもそもケース内に切れた弦がない……」

紬「学校に置いてる間にイタズラされたとか」

澪「……否定はできないわな、けど目的が不明過ぎるだろ」

梓「イ、イタズラって案外そんなもんかもしれませんよ?」

澪「……」

澪「ま、今はそんなこと考えててもしょうがないな。替えの弦を張るからちょっと待っててくれ」

紬「じゃあその間にお茶でも……」

梓「いりません」

紬「あら残念」

唯「ホント残念」

律「飲みたかったな」

澪「お前ら楽しむな」


れんしゅうちゅう!

紬「澪ちゃんなんか音おかしくない?」

澪「あぁ新しい弦はすぐチューニング狂うんだよな。チューニングしなおすからちょっと待ってくれ」

梓「その間にトイレ行ってきていいですか?」

唯「いいよーいっといれー、なんちゃって」

律「今日は冷えるなぁ」

梓「あはは、行ってきまーす」テクテク

澪「……」コトッ

律「ん?ベース置いてどうしたんだ?」

澪「……」サッ

紬「梓ちゃんのギターケースがどうかしたの?」

澪「……」ガサゴソ

唯「ペグ回しなら私貸すよ?ってサイズがベースには合わないか」

澪「……無いな」スッ

唯「あっそれあずにゃんの鞄だよ?」

澪「知ってる」ガサ

律「おいなに人の鞄勝手に漁ってんだよ!?」

澪「梓しか考えらんないんだよ」ガサゴソ

律「えっ?何がだ?」

紬(澪「もう梓のことしか考えられない」 ですって?)ドキドキ

澪「私がさっきトイレに行ってる間に梓がベースにイタズラした、それしかないんだ!」

紬(なぁんだ)

紬「……じゃなくて。なんてこと言うのよ」

唯「そんな……あずにゃんはそんなことしないよ……」

律「他にもベースから離れたときくらいあるだろ、決め付けはよくないぞ」

澪「私はケースの表を壁に向けて立てかけてたのに、トイレから帰ったら表がこっち向いてたんだ」ガサゴソ

紬「記憶違いかもしれないわよ?」

律「ケースの向きを変えてロゴを見てただけかもしれないな」

澪「そうだけど……でも梓な気がするんだ」ガサゴソ

紬「女のカンってやつかしら」

澪「……くそうっ、使用後の弦が出てきたら証拠になるってのに」ガサゴソ

唯「ちなみにさっきごみ箱見たけどごみ箱に捨てられてもなかったよ」

律「おい澪そのへんにしとけ、そろそろ梓が帰ってくr」

ガチャッ
梓「チューニング終わりまし……た…………か……?」

澪「あ……」


澪「あぁすまん梓、ペグ回しを借りようと思ってさー」

紬「えっ?」

澪「唯に借りようとしたら今日は持ってないとか言うからさー」

唯「えっ?」

梓「ペグ回しならギターケースのほうに入ってますよ?出しますね」

澪「ケースのほうかー、そっちはまだ見てなかったよ」

律「えっ?」

梓「あ、でもギター用のじゃあサイズ合わないんじゃないですか?」

澪「おぉそういやそうだ、じゃあ借りなくていいや、ははっ」

梓「もうっ、早くチューニングしちゃってくださいね」

澪「ごめんごめん、すぐやるよ」

律(これは……黙っとくべきなんだろうなぁ……)

紬(梓ちゃん何も知らず……かわいそう……)

唯(ころっと騙されるあずにゃん……かわいい……)



かえりみち!

律「んじゃ唯、梓、また明日な!」

紬「明日は美味しいお菓子を持ってこれると思うわ」

唯「おぉームギちゃん期待してるよっ」

澪「こらこら明日も練習するんだぞ?ったく、じゃあな二人とも」

梓「はい、また明日ー」


梓「唯先輩聞いてくださいよ、今日授業で……」

唯(澪ちゃんがあずにゃんを疑ってたってこと、あずにゃんに言うべきなのかなぁ……)

梓「……それで憂ちゃんが……」

唯(でもわざわざ変に波風立たせることもないような気も……)

梓「……ってなっちゃって、おもわず笑っちゃいまし……唯先輩聞いてます?」

唯「え!?あぁごめんボーッとしてたや、めんごめんごー」

梓「唯先輩ってばもう。まぁいいです、これがその調理実習で作ったクッキーです!……ってどこいったかな」ゴソゴソ

唯「あずにゃんクッキー作ったの?」

梓「さっきからそう言ってるじゃないですか。……っとありました、はいどうぞ」スッ

唯「もしかして、コレくれるの?」キラキラ

梓「はい!本当は先輩方全員分作りたかったんですけど、割れたりしちゃったんで唯先輩の分しか確保できませんでした」

唯(あずにゃんが私だけのために!私だけを特別扱い!)

梓「こうして二人きりで渡す時間がとれるのって唯先輩だけですかr」

唯「あずにゃんありがとおぉぉ~~~」ダキッ

梓「あうっ!」///

唯(……んん?)ギュー

梓「は、離れてくださいー、歩けないです」グイッ

唯「あ、あははごめんごめん……」

梓「すぐ抱きつくのやめてくださいよぉ……はい、クッキーどうぞ。他のみなさんには内緒にしといてくださいね」

唯「うんわかったよあずにゃん!お家に帰ったら美味しくいただくね!」

梓「お口にあえばいいんですけど。じゃあ私はこのへんで。」

唯「また明日ねー」フリフリ

梓「はい、また明日学校で」フリフリ


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最終更新:2010年01月24日 23:41