さわ子「ここでなにをしていたのかしら」
姫子「・・・通りがかっただけですよ」
さわ子「『あの子ら』を眺めていたのに?」
姫子「通りがかったら川で遊んでいる律たちをみつけて・・・なにをしているのか見ていただけです」
さわ子「長い間?」
姫子「・・・」
さわ子「いらっしゃい」
姫子「・・・」
姫子「嘘を言っているかもしれませんよ?」
さわ子「大丈夫よ、少なくとも面識はあるみたいだから」
姫子「近づくための工作だとしたら」
さわ子「旅の話までしたんだから、ある程度信用しているのよ」
姫子「・・・」
さわ子「実態が掴めないイコール胡散臭いではないのよ」
姫子「・・・そうですか」
さわ子「それで、姫子ちゃんはどうして眺めていたのよ?」
姫子「ひ、姫子ちゃん・・・って」
さわ子「うふふ」
姫子「・・・けいおん部の唯、澪、律が鍵盤を勉強するのは分かります」
さわ子「・・・」
姫子「和まで・・・ってのが、ちょっと意外というか」
さわ子「そうね~」
姫子「・・・」
さわ子「姫子ちゃんと一緒じゃないの?」
姫子「え?」
さわ子「どうして勉強してるのよ」
姫子「あ・・・」
さわ子「みんな同じ理由よ、それだけなのよ」
姫子「そうですね・・・」
さわ子「ジャージあるわよ!?」
姫子「いいです」キッパリ
唯律「「 そーれっ 」」
バシャッ
紬「・・・」キラキラ
澪「・・・」
律「まったく、澪はリアクション間違えてるな」
唯「まったくだね」
澪「お手本を頼む」
律「うむ、どんと来いです」
紬「・・・」バシャッ
律「きゃー、つめたーい」キャピ
唯梓「「 ブフッ 」」
律「中野・・・」
ギュ
梓「な、なんですか」
律「振り回して放り込んでやる」
梓「や、やめてくだ」
律「・・・っ」
グルグル ジャブジャブ
梓「・・・なんですか?」
律「重ぇ・・・」
梓「水に浸かっているからですよ!」
純「手を繋いでグルグル周っているだけですよ」
澪「素敵な光景だな。背景にお花畑が広がっていたぞ」
唯「和ちゃん!」バシャ
和「・・・っ」
ザッブーン
憂「え・・・?」
紬「・・・?」
唯「の、和ちゃん?」
律「どうして尻餅ついたんだ」
和「避けようとして足を掴まれたわ」
澪「またかっ!」
純「また、誰か水中に・・・え?」
唯「・・・ん?」
梓(みんないるような・・・)キョロキョロ
和「・・・」サァー
憂「日が沈むし、充分楽しみましたよね」
律「そ、そうだなー!」
紬「・・・」コクコクコクコク
純「つむぎせんぱーい、たのしかったですねー」
澪「なんだ・・・?」
唯「どうしたのみんな・・・」
梓「み、澪先輩・・・早く行きましょう」
ギュ
グイグイ
澪「・・・どうした?」
梓「聞かないでください」
唯「もうちょっと遊ぼうよ~」
和「早くこっちに来て唯」
唯「ん~?」
和「川から上がって。風邪ひくわよ」
唯「このあと銭湯に行くから平気だよ」
和「・・・いいから、来てちょうだい」
唯「そ~れっ」バシャ
和「・・・」
唯「リアクションが薄いよ和ちゃん」
和「あのね」
唯「お・・・その手には引っかかりませんよ!」
ヒョイ
唯「ふっふっふ、甘いよむぎちゃん・・・あれ?」
紬「・・・!」ジャブジャブ
ギュ
唯「あれ、むぎちゃんじゃないの?」
紬「・・・」ヒヤヒヤ
グイグイ
唯「そんなに引っ張ったら転ぶよ~」
紬「・・・」アセアセ
唯「どうして急いでるの?」
紬「・・・」フゥ
唯「・・・あれ?」
紬「・・・」
澪「?」
梓「・・・」
純「たのしかったたのしかったー」
律「今日が暑い日でよかったぜ」タラタラ
憂「・・・」
和「・・・」
さわ子「・・・どうしたの、みんな顔が蒼白なんだけど?」
姫子「なにかあったの?」
唯「・・・どうして・・・ここにいるの?」
和「やっと気づいたのね」
唯「姫子ちゃん?」
律純「「 そっちかいっ(ですか)!! 」」」
澪「なんの話?」
紬「・・・」フルフル
梓「澪先輩自身の為にも聞かないほうがいいです」
澪「え・・・、そう言われると聞きたくなるじゃないか」ウキウキ
律「正に、自ら墓穴を掘るだな」
カポーン
紬「・・・」マッタリ
梓「いい湯ですね」
澪「ちゃんと温まらないとな」
唯「さわちゃんは?」
律「買い物だ」
和「そのおかげで川で遊べたのよね」
憂「てっきりうちに寄るのかと思っていました」
純「集団であんな格好で歩けないでしょ」
梓「そうだね」
律「むぎ~」
紬「・・・?」
律「風呂から上がったら、アレやろうぜ」キラン
紬「・・・」キラキラ
澪「アレな!」
姫子「アレって?」
梓「風呂上りにコーヒー牛乳を飲むんです」
姫子「あぁ、なるほど・・・、ってなんで私まで銭湯に来てるの?」
唯「ま~よいではないか~」
律「ってか、湯船に浸かってからそれを言うのかよ」
姫子「・・・」
律唯「「 ほ~げ~ 」」
紬「・・・」ボケー
和「デジャヴね」
澪「いや、現実にもあったことだから、デジャヴではないぞ」
姫子「?」
梓「夏の旅で・・・みんなで温泉に入ったそうです」
姫子「へぇ」
梓「よろしくです」
姫子「よ、よろしく」
純憂「「 よろしくお願します 」」
律「なぜ自己紹介しあってるんだキミ達は」
唯「あの時飲んだのはフルーツ牛乳だよあずにゃん」
ガラガラッ
さわ子「コラァー!」
澪「ヒィッ」
律「銭湯で叫ぶなよ~」
唯「そうだよ~。他にお客さんがいないからって」
さわ子「待ってなさいって言ったでしょ!」
梓「待っていたら風邪ひきますよ」
さわ子「置いてけぼりくらったみたいで寂しいじゃない!」
和「そんな事ないですよ」
紬「・・・」コクコク
純「寂しいって・・・」
さわ子「まったく・・・私がいなかったら川で遊ぶ事できなかったんだから」ブツブツ
姫子「・・・」
憂「・・・?」
律「びっくりしてんだよ、姫子は」
憂「そうですね、確かに校舎とは違いますよね」
澪「そうだな」
唯「さわちゃんじゃないよね」
さわ子「私を否定しないでくれる!?」
和「そろそろ出ましょうか」
純「置いてけぼりだ!」
紬「・・・」キラキラ
梓「私もやってなかったので嬉しいです!」
澪「・・・」
澪「梓は見つけたのか?」
梓「・・・」
澪「・・・」
梓「・・・なにを・・・ですか?」
澪「その・・・『最高の場所』ってやつを・・・」
梓「どうしてそれを・・・?」
澪「唯に聞いたんだ。むぎがその場所を知っているから、笑顔でいられるんだって」
梓「そうですか」
澪「・・・」
梓「いいえ」
澪「・・・そっか」
チョンチョン
梓「?」
紬「・・・」ズイッ
梓「あ、ありがとうございます」
律「よーし、みんなちゃんと持ったな!」
純「いえす!」
憂「はい!」
唯「おー」
さわ子「・・・むぎ茶がいいんだけどね。アルコー」
和「私たちの前でそのむぎ茶を飲まないでください」
姫子「・・・」
澪「姫子」ヒソヒソ
姫子「?」
澪「律の合図で飲まないでね」ヒソヒソ
姫子「・・・う、うん?」
梓「・・・あぁ・・・なるほど」
紬「・・・」
律「腰に手を当てて、いっただっきまーす!」
「「 イタダキマース 」」
律「・・・」ゴクゴク
紬「・・・」
憂「・・・」
唯「・・・」
さわ子「・・・」
姫子「・・・」
梓「・・・」
純「・・・」
和「・・・」
律「?」ゴクゴク
澪「疾走するザーサイ」
律「・・・・・・ブフーッ」
さわ子「それじゃみんな」
「「 いっただっきまーす! 」」
律「・・・想像してしまった・・・・・・ひっでえ」ポタポタ
紬「・・・」ゴクゴク
憂「・・・」ゴクゴク
唯「・・・」ゴクゴク
さわ子「・・・」ゴクゴク
姫子「・・・」ゴクゴク
梓「・・・」ゴクゴク
純「・・・」ゴクゴク
和「・・・」ゴクゴク
澪(律が被せて何か言うだろうな・・・)
律「背面とびするザーサイ」
純「グフッ」
澪「・・・」ゴクゴク
紬「・・・」プハー
憂「おいしい」プハー
唯「やっぱりうまい!」プハー
さわ子「牛乳でもいけるわね~」プハー
姫子「おいしい・・・」プハー
梓「おいしいです」プハー
和「いいわね、この気分」プハー
純「けほっ、けほっ!」
律「純だけかよー」
梓「来ると分かっていたら防御力は上がるんです」
和「そういうことね」
澪「おいしいな!」プハー
律「ちぇー」
憂「大丈夫?」
純「器官に・・・けほっ、けほっ」
紬「・・・」サスリサスリ
純「あ、ありがとうございます・・・けほっ」
唯「りっちゃん、背面とびはないよ」
律「むむむむ・・・結構屈辱だな・・・って、まともに飲んだ事ないぞー!」
さわ子「むぎちゃんは私が送るとして、あと三人乗れるわよ」
唯「はいっ!」ズバッ
さわ子「じゃあ、姫子ちゃんと純ちゃんと・・・」
紬「・・・」ペコリ
姫子「わ、私も・・・?」
純「おぉ、ラッキーだ」
唯「ハブられちゃった」ションボリ
和「憂と私が残っちゃうじゃない」
憂「そうだね」
唯「そっか」
律「面白い組み合わせだな」
さわ子「あと一人乗れるわよ~」
梓「はいっ!」ズバッ
さわ子「じゃ、澪ちゃん」
梓「なんでですか!」
澪「?」
律「まてまて、澪と同じ方向に帰る私を一人にするなよな」
唯「寂しいんだね、分かるよ」
律「分かられるのなんか嫌だな」
さわ子「しょうがないわね、後ろ4人乗れるかしら」
紬「・・・」コクリ
澪「なにを言って・・・」
純「乗りましょう!」
姫子「私が降りる・・・っ」
唯「いいからいいから~」
グイグイ
姫子「押さないで唯!」
紬「・・・」ガチャ
唯「よいしょー」
姫子「ちょっと、降りるって!」
さわ子「人の車で暴れないでよねー」
姫子「う・・・」
澪「・・・」スッ
律「失礼しまーす」
純「狭いっ!」
紬「・・・」グイグイ
律「いや、むぎは前だろ・・・なんで後ろに入ろうとするんだよ」
紬「・・・」
姫子「後ろ五人って・・・」
さわ子「日が暮れたんだから気をつけなさいよ~」
梓「・・・」ムス
唯「はいよ~」
憂「それでは、また明日」
和「じゃあね」
紬「・・・」フリフリ
梓「また明日です」
紬「・・・」ニコニコ
律「じゃーな」
紬「・・・」フリフリ
ブォォオオオオ
和「帰りましょ」
憂「夕飯の準備してないけど・・・」
唯「お母さんいるから大丈夫だよ」
梓「・・・」
唯「あずにゃん行くよ~」
最終更新:2011年10月03日 00:05