律「私の案が通ったか」フフン

澪「それぞれ作るって意味だろ」

梓「なんで混ぜるんですか、危険ですよ」

純「そうだそうだ!食べ物を粗末にするなー!」

律「こんにゃろ!」グリグリ

純「調子に乗りすぎたっ・・・痛いですよ!」ジタバタ

憂「準備しなくちゃねお姉ちゃん」

唯「そうだね!」

紬「・・・」ワクワク

梓「学校終わって、出発ですよね」

唯「さわちゃん大丈夫かな」

澪「・・・うん」

律「さわちゃんチームと斉藤さんチームで別れようぜ」

紬「・・・」トントトントトン

律「・・・ごめん、もっかい弾いて」

紬「・・・」トントトントトン

律「さわ・・・子・・・おいっ!」

梓「さわ子先生チームに入るって事ですね」

紬「・・・」コクリ

澪「いや・・・斉藤さんチームでいてくれ」

紬「・・・」ションボリ

憂「時間が時間ですから、先に向かうグループが料理というのはどうでしょう」

唯「採用です」

律「じゃあ斉藤さんチームか・・・この名称長くてめんどいな」

純「斉藤・・・サイトウ・・・サトウ・・・砂糖というのはどうでしょう」

唯「シュガーだね」

澪「さわ子先生は?」

純「山中さわ子・・・山中・・・さわ子・・・山というのはどうでしょう」

さわ子「却下よ!」

純「!」ビクッ

さわ子「山ってなによ!どれだけ端折るのよ!!」グリグリ

純「ご、ごめんなさい!」ジタバタ

律「どうしたんだよさわちゃん?」

澪「用事ですか?」

さわ子「・・・ゆっくりするのはいいけど、昼休みあと5分よ?」

律「うそっ!?」

唯「もうっ!?」

澪「まだ半分も食べてない!」

梓「私とむぎ先輩は食べ終えてますよ」

紬「・・・」

憂「ごちそうさまでした」

純「はやっ」

律「むしろ私らがおそっ」



―――――放課後・廊下

純「~♪」

憂「そんなにいい曲なの?」

純「いい曲というか・・・今の状況にあってるって感じ」

憂「歌詞が?」

純「そうだよ~・・・って言っても最後の一箇所だけなんだけど」

憂「どういう歌詞なの?」

純「ラヴマイデイズ、ウィアインザレイズ」

憂「?」

律「愛しい日々、だらだら過ごした時間・・・だな」

純「律先輩知っているんですか?」

律「私も好きなんだよそのバンド、いいよな!」

純「いいですよね!」

憂「・・・」

律「夏に参加したライブでさ、中学生達が演奏していただろ?」

純「そうですそうです!コピってましたよね!」

律「あの演奏は微妙だったけど、なんかひっかかってな~」

純「ありますよねそういうの!」

律「う、うん・・・」

憂(純ちゃんテンション高い・・・そんなに好きなんだね・・・)

律「じゃあな、部活頑張ってくるぜー!」

タッタッタ

純「もうちょっと深く話したかった!」

憂「まだ時間あるよ・・・」

純「・・・」

憂「だらだら過ごしてる?」

純「過ごしていた・・・だねー、私も部活行って来るよ。じゃあ、明日」

憂「頑張ってね~」



―――――夜・平沢邸

憂「・・・」

『非常に強い勢力を保ったまま北上しており・・・』

憂「・・・」

『今後の情報に注意してください。では次のニュース

ピッ

憂「・・・外はこんなにしずかなのに・・・・・・」

ガチャ

唯「たっだいま~」

テッテッテ

憂「おかえり~」

唯「今日もたくさん練習したよ」

憂「おつかれ様・・・ご飯用意する?」

唯「うん、お願い~」

憂「分かった・・・。天気どうだった?」

唯「うん?晴々していたよ」

憂「そっか・・・」

唯「台風来てるんだよね」

憂「うん・・・」

唯「なにも今こなくてもいいのに」

憂「はやく通り過ぎてほしいな・・・」

唯「だいじょうぶだよ~」

憂「・・・明日のキャンプ、心配じゃない?」

唯「むぎちゃんが参加するんだよ?」

憂「ふふっ、そうだったね」

唯「あの旅を引き当てたくらいだから、台風なんかメじゃないよ」ウンウン

憂「ご飯の用意するから着替えてきてね」

唯「はいよ!」




9月11日


―――――澪の部屋

ビュウウウウウウウウウ

ガタガタガタガタ

澪「・・・ぅん?」

ビュウウウウウウウ

澪「・・・朝・・・?」

シャー

澪「うわっ!」

ザアアアアアア

ビュウウウウウ

澪「うわー・・・」

ジリリリリリリリ

カチッ

澪「朝とは思えない暗さだな・・・」

ザアアアアアア

澪「この雨・・・」

pipipipipipipi

ピッ

澪「はい・・・」

『おはよ』

澪「おはよう・・・すごいな・・・風と雨」

『あぁ・・・キャンプ大丈夫かよ』

澪「キャンプの前に行く所あるだろ」

『・・・え?』

澪「学校だ・・・」

『・・・テレビ見てないのか』

澪「・・・今起きたから」

『つけてみろ』

澪「・・・?」

ピッ

澪「あ・・・」

『テロップ出てるだろ?』

澪「うん・・・交通機関の運休・欠航・・って事は」

『休みだっ!』

澪「喜ぶ所じゃないだろ・・・」

『まぁな・・・でも、見方によればラッキーかもしれないじゃん』

澪「・・・どうして」

『午前中に通りすぎれば、キャンプに間に合う。学校が終わるより早く到着する』

澪「・・・なるほど」

『テルテル坊主作っとけよー』

澪「今から・・・?」

『なにもしないよりはいい!』

澪「分かった」

『そんじゃ後でなー』

澪「うん」

プツッ

澪「何年ぶりに作るんだろ・・・」

pipipipipipi

澪「・・・今度はメールか」

ピッピッ

『お昼に河川敷に集合!』

澪「唯の予報では晴れになるのか・・・」

ピッピッピッピ

『どうして河川敷なんだ?学校でいいんじゃないの?』

ピッ

澪「・・・とりあえず準備しておくか」

pipipipipipi

澪「おっと・・・」

ピッ

『さわちゃんが学校嫌だって』

澪「ふふ・・・教師が登校拒否してるみたいだな・・・」

ビュウウウウウウウウウ

ガタガタガタガタ

ザアアアアアアアアアア

澪「この台風はすごいな・・・」



―――――昼・河川敷

ゴゴゴゴゴゴゴゴ

紬「・・・」ヒヤヒヤ

憂「流れが凄いですね・・・」ゴクリ

姫子「・・・自然は侮れないね」

律「少し風が強いな・・・」

純「キャンプ地に到着する頃には落ち着いてますよ」

律「なんで分かるんだよ」

純「・・・女の勘です」

憂「使い方間違ってるような・・・」

澪「よいしょっ」ドサッ

唯「荷物載せたよっ!」

斉藤「それでは参りましょう」

紬「・・・」コクリ

唯律純「「「 お願いしまーす! 」」」

澪憂姫子「「「 お願します 」」」

ガチャ

律「うっしゃー、乗り込め乗り込めー!」

純「よっしゃー」

姫子「凄いテンションだねぇ」

唯「自分だってワクワクしてるくせにぃ~」ツンツン

澪「・・・」

憂「よいしょっ・・・」

バタン

紬「・・・」チラッ

律「・・・ん?」

澪「全員乗ったよ」

紬「・・・」コクリ

斉藤「それでは、出発します」

唯「ごーごー!」

純「レッツゴー!」

律「レッツゴーゴー!」

澪「このテンションのまま2時間持つのか・・・」

姫子「途中で飽きるんじゃないかな」

律「私らのテンションを見くびるなよ」フフン

憂「クスクス」

紬「・・・」ウキウキ

ブオオオオオオ


―――――30分後・シュガー車

律「・・・」

純「・・・」

唯「・・・」

澪「はやっ!」

律「飽きたんじゃないぞ、体力を温存してるだけだ」

純「はい」

唯「そう・・・だよ・・・」

憂「お姉ちゃんは眠そうだね」

紬「・・・」ルンルン

姫子「紬はまだテンション高いみたいだよ」

律「むぎー、体力温存しておか・・・なくていいよこの子!」

澪「体力あるからな」

紬「・・・」フンス!

斉藤「音楽でもおかけしましょうか?」

純「じゃあクラシックお願します」

斉藤「かしこまりました」

ピッ

~♪

紬「・・・」ルンルン

唯「」ウトウト

憂「・・・」

律「こら!」

斉藤「なんでしょう?」

律「斉藤さんじゃなくて・・・純!」

純「すいませんでした」

姫子「・・・」

律「まったく、これからキャンプだってのに落ち着いてはもったいないだろ」

純「そうですね、それではどのようなジャンルがいいでしょう」

律「それは唯が教えてくれる」

澪「キラーパス・・・」

憂「お姉ちゃん」ユッサユッサ

唯「ぅ・・・ん・・・うん?」

憂「キャンプへ向かう時に聞く曲って何かな」

姫子「結構攻めるね、憂ちゃん」

紬「・・・」メモメモ

律「しっかり覚えるんだぞむぎ」

紬「・・・」コクリ

澪「なにをだ」

律「教えてやれ唯」

唯「姫ちゃんが聞いてる曲だよ~」ムニャムニャ

姫子「えっ!?」

紬「・・・」メモメモ

律「なるほど、こういう手もあるのか」

純「なるほど~」

憂「姫子さんは主にどんなジャンルを?」

澪「攻める攻める」

姫子「律に――」

律「パスはもう無しな」

姫子「――教えてもらった曲がこのプレイヤーに入っているんですけど、再生できますか」

澪「これは律に責任が回ったな」

律「ぐっ・・・」

純「なるほど~」

斉藤「お嬢様、申し訳ありませんがお願します」

紬「・・・」コクリ

姫子「お願いね」

紬「・・・」

斉藤「そこの線・・・そうです」

紬「・・・」

ピッ

ダンッダンッダンッダンッ

純「おぉ、このバンド!」

律「あぁ、これかー」

紬「・・・」ルンルン

唯「」スヤスヤ

澪「・・・」

a vapor tail disappears

I lost my feeling in the sky

憂「いいですね、曲調と外の天気が合っているような気がします」

律「合ってるなー」

姫子「・・・」ホッ

純「憂、このバンドだよ昨日言ってたの」

憂「最近お気に入りっていう・・・?」

純「そう」

姫子「いいよね、このバンド」

純「いいですよね!」

澪「あ、テンション戻った」

姫子「どうかな・・・紬?」

紬「・・・」グー

律「へぇ・・・むぎもこういうの聞くのか?」

紬「・・・」

斉藤「ボサノバの要素もありますから・・・そこが合っていると思われます」

紬「・・・」グー

澪(知らなかった・・・)

律(むぎの知らない部分ってまだあるんだな・・・当然か・・・)

憂「河川敷で話したバンドだよね?」

I could not see

純「そうだよ、アシッドジャズやダンスクラシックを取り入れたってヤツね」

any hope

姫子「へぇ・・・」

if I'd stay here

律「ここに留まっていても、何の希望もみえない・・・」

澪「・・・?」

唯「」スヤスヤ

律「・・・」

紬「~♪」

律(重なるな・・・)

紬「・・・」ルンルン

    so take me higher
律(もっと高くヘ連れていってくれ)

 to get back the song I lost
律(失くした歌を取り戻す為に)


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最終更新:2011年10月03日 00:20