――・・・


憂「・・・」モグモグ

いちご「・・・」モグモグ

轍「どうかな」

憂「意外とあっさりしていておいしいです」

いちご「・・・うん」

轍「よかった」ホッ

憂「これは旅の料理なんですか?」

轍「これも沖縄料理。ヒラヤーチーって言うんだ」

いちご「ひらやーちー・・・」

憂「少ない材料で・・・すごいですね・・・」

轍「おやつみたいなものなんだけどね」

いちご「・・・ニラの香りとツナの味が・・・いい」

憂「はい」

轍「残りの焼く分は任せていいかな?」

いちご「はい・・・」

憂「一緒に食べて行きませんか?」

轍「時間がもうないな・・・。それじゃあね」

いちご「まってください」

轍「?」

憂「どうぞ、お礼のサンドイッチです」

轍「・・・お礼のお礼か・・・ありがと。旅の醍醐味だね」

いちご「・・・」

憂「最後に一つだけ・・・聞かせてください」

轍「?」

憂「どうして梓ちゃんに不安定な道しるべを示したんですか?」

轍「・・・」

いちご「道しるべ?」

憂「はい。ちゃんと示してくれたら、梓ちゃんだって」

轍「それは俺の役目じゃないから。キミ達の役目でしょ?」

憂「・・・」

轍「俺は外から来た者だから。余所者に踏み込まれるのは嫌だよね」

憂「それなら、知らぬフリをしていればいいのではないでしょうか」

轍「そうだね。・・・だけど、俺とキミ達は出会ったから。袖触れ合うも他生の縁ってね」

憂「おせっかいじゃないですか?」

いちご「・・・」

轍「性分なんだ・・・。俺も旅の中でたくさんの人に助けられたから、そのお返しをだれかにってね」

憂「そうですか」ニコ

いちご「・・・!」

轍「なんて・・・。実は余計なお世話をしたのかもしれないと、気になっていたんだ」アハハ

憂「クスクス」

轍「みんなにちゃんと挨拶が出来ないのは心苦しいけど、伝えておいてくれないかな」

憂「玉恵さんにも挨拶していかないんですか?」

轍「玉恵も旅人なら分かるよ。大丈夫だ」

憂「そうですか」

轍「それじゃ、元気でね。さようなら」

憂「はい、ありがとうございました。さようなら」

いちご「・・・さようなら」



――・・・



玉恵「えぇー・・・」ガーン

いちご「大丈夫じゃなかったね」

玉恵「せっかく再会したのに~」シクシク

律「なんで泣いてんだ、玉恵ちゃんは?」

唯「うまさん、帰ったんだ・・・」

憂「うん。みなさんによろしくって」

澪「この料理は置き土産って事かな」

律「朝から重たそうな・・・」

憂「見た目よりは重くないですよ」

唯「それじゃいただきまー」

和「待って、みんな揃ってないわ」

唯「おぉっと危ない危ない」

いちご「憂ちゃん」ヒソヒソ

憂「はい?」

いちご「さっき・・・怒ってた?」

憂「ちょっとだけ」エヘヘ

いちご「・・・羨ましい」ボソッ

憂「?」

玉恵「それで、私がテントへ行った後どうなったの?」

律「梓の話を聞いて、お終い」

澪「といっても2時間くらい話をしていましたけど」

いちご「結構喋っていたよね」

憂「はい」クスクス

玉恵「ふ~ん・・・」

和「玉恵さんの話を聞いて思うところもあったみたいですよ」

玉恵「思うところ?」

唯「あのね~・・・」

・・・・・・

・・・

梓「虚無感を・・・やりきれなさを感じたと・・・」

唯「うん」

紬「・・・」

梓「もし、私が、あの旅を、むぎせんぱいと一緒に行ったあの旅を
  一人で行ったとしたら・・・。と思ったら、とても怖くなりました」

憂「どういう事?」

梓「きっと玉恵さんとは違う、『何も無かった』を感じただろうから」

純「でも、列車に乗ってくる人たちは同じ・・・。そっか、律先輩が言っていた事は
  そういうことなんだ。一緒にいないと見られない景色・・・」

律「・・・」

梓「うん。旅行が楽しかった。それだけで終わる思い出になっているんだと思う」

澪「そうだな、それは私も同じだ」

唯「うん!」

紬「・・・」コクリ

・・・

・・・・・・

玉恵「・・・」

律「お、来た来た!やっとご飯にありつけるぜ」

純「・・・ふぁ」

梓「いい朝ですね」

紬「・・・」ニコニコ

姫子「すごかったよ」

澪「なに・・・が?」

信代「むぎと梓ちゃんのコンビネーション」

梓「普通ですよ」フフン

憂「満足そうな顔してる・・・」

春子「あ、朝ごはん用意してくれてたんだ・・・。さんきゅー」

唯「えっへへ~」

和「・・・」

いちご「・・・」

風子「憂ちゃんありがとー」

憂「いえいえ~、髪形変えたんですね」

風子「ちょっと変えてみました」

さわ子「さて、みんな揃った事だし、いただきましょうか」

玉恵「いただきまーす!」

律「ちょっとま」

風子「ちょっと待ってください」

玉恵「え?どうして~、冷めちゃうよ」

律「趣向を凝ら」

風子「趣向を凝らして、私が」

さわ子「別に乾杯の音頭をとらなくてもいいでしょ」

風子「」ガーン

律「さっきから風子!私の言葉をさえぎるなよ!」

風子「」ガーン

澪「同じ事言おうとしてただろ・・・」

律「そうですけど」

玉恵「冷めちゃう~」

純「・・・いただきまーす」

「「 いただきまーす 」」

梓「おいしいよ、憂」モグモグ

憂「ありがと~」

姫子「これ、いちごも作ったの?」

いちご「・・・うん」

春子「・・・マジかよ」

信代「おいしいんだけど・・・」

唯「おいしいが一番だよ」モグモグ

風子「」

梓「固まっていないで食べてください。コーンポタージュおいしいですよ」

風子「ハッ・・・。うん、ありがとう」

紬「・・・」ニコニコ

和「むぎ・・・食べないの?」

紬「・・・」イソイソ

澪「すごかったって・・・どうすごかったの?」

姫子「それは・・・」

・・・・・・

・・・

姫子「・・・」シャカシャカ

純「うー・・・ねむい・・・」

信代「夜中に律が起こしてきたから・・・」

風子「はい、歯磨き粉。先にどうぞ」

純「ありがとうございますー」

さわ子「しゃきっとしないと置いてくわよ」

純「置いてかないでくださいよー」


梓「・・・」スッ

紬「・・・」コクリ

梓「・・・」シャカシャカ

姫子(阿吽の呼吸・・・)シャカシャカ

紬「・・・」シャカシャカ

信代(言葉は邪魔なのか・・・)シャカシャカ

純「・・・」シャカシャカ

ジャー

姫子「・・・」ブクブク

さわ子「・・・朝は少し冷えるわね」

風子「そうですね・・・。本格的に秋到来です」

ジャー

紬「・・・」スッ

姫子(コップに水をいれて、渡した・・・)

梓「・・・」ブクブク

紬「・・・」シャカシャカ

姫子(ゆすぐタイミング分かっていた・・・?)

さわ子「姫ちゃん、交代しましょ」

姫子「はい・・・」

風子「信代ちゃんも終わったんでしょ?」

信代「う、うん・・・」

梓「・・・」スッ

紬「・・・」ブクブク

姫子(なんでタイミングが分かるんだろ)

信代(すごい・・・)

純「・・・」シャカシャカ

さわ子「・・・ん」スッ

純「・・・?」

さわ子「水よ・・・」シャカシャカ

純「・・・」コクリ

風子「・・・歯を磨きながら喋るのは危険ですよ」シャカシャカ

梓「風子先輩もですよ」

紬「・・・」スッ

梓「あ、ありがとうございます」

紬「・・・」ヒョイヒョイ

梓「もうちょっと・・・」

紬「・・・?」

梓「そうです。そこで結ってください」

紬「・・・」キリ

梓「よし、これでおっけーです」

姫子「すごいなぁ」

信代「うむ」

梓「?」

紬「・・・」キラキラ

風子「どうしたの、むぎさん?」

梓「髪を結ってみたいという事だと思います」

風子「私!?」

さわ子「そうねぇ、ふぅちゃんは澪ちゃんと髪型被ってるから、変えましょう」

紬「・・・」キリ

梓「どんな髪型がいいですか?」

風子「ポニーで」

姫子「注文した・・・」

信代「乗り気だ・・・。純はいつまで歯を磨いているの?」

純「・・・」シャカシャカ

・・・

・・・・・・

澪「被っているって・・・」ズドーン

さわ子「おいしかったわよ、憂ちゃん」

憂「お粗末様でした」

玉恵「たまにはこんな豪勢な朝ごはんもいいね」フフフ

律「いつもはどんなの食べてんだよ」

玉恵「トカゲとかカエルとか」

姫子「嘘ですよね」

玉恵「うん」

風子「よかった。食べ終えてて」

さわ子「変なこと言わないでよね」

唯「・・・」モグモグ

純「まだ食べてる!」

いちご「どうだった?ひらやーちー」

梓「ひらやーちーって言うんですか・・・」

紬「・・・」キラキラ

梓「おいしかったそうです」

和「梓は食べなかったの?」

梓「私の分が無かったので・・・」

憂「少なめに作ったみたいだったから・・・。要望があれば今度作るよ?」

唯「ひゃっほう」



―――――設営班


紬「・・・」ガタガタ

信代「・・・よし、こうやって」

春子「たたんでしまえば・・・!」

梓「テント班の仕事は終わり・・・!」

風子「ですね!」

和「これでいいわね」

さわ子「あら、手際いいのね」

紬「・・・」コクリ

和「玉恵さんが立てるとき手伝ってくれたので、その要領でやっただけですよ」

さわ子「そうだったわね。それじゃ、荷物を纏めるわよ、行きましょう」

信代「任せとけ!」

春子「頼もしいなー」

風子「ふふっ」

スタスタ

和「よいしょ」

梓「よっと」

紬「・・・」ヒョイ



―――――料理班


信代「お、片付いてるな」

春子「本当だ、なんかキレイになるとさみしくなるな」

玉恵「キャンプの醍醐味だよ」

純「来たときと同じようにしただけなのに・・・」

憂「うん・・・」

さわ子「私が運んだ荷物を先に載せちゃうわよ」

唯「はいよー」

澪「キャンプも終わりか・・・」

律「寂しがってるヒマねえぞ、これからもっと忙しくなるんだからな!」

澪「そうだな」

和「あら、ずい分片付いてるわね」

梓「よいしょっと、これは斉藤さんの車に載せる分ですよね?」

紬「・・・」コクリ


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最終更新:2011年10月03日 23:07