・・・・・・



信代春子「「 うわぁ・・・ 」」

純「あの二人は・・・先輩方のクラスメイト・・・?」

澪「りつ・・・」ハァ

唯「」スヤスヤ

斉藤「・・・到着です。お疲れ様でした」

ガチャ

信代「ありがとうございましたー」

純「ありがとー斉藤さん!」

澪「ありがとうございました」

春子「ありがとうー!」

斉藤「誰も平沢様を起こさないのですね」

唯「」スヤスヤ

「「 ・・・ 」」シーン

澪「ほら、謝罪しろよ」ヒソヒソ

律「私悪くないもーん」

紬「・・・」オロオロ

純(気まずい・・・)

信代(置いていかれた二人・・・。これはキツイな)

春子(この空気・・・キャンプ帰りの空気ではないよな)

憂(ど、どうしよう・・・)

風子(楽しかったって言えない空気だよね・・・)

いちご(・・・眠たい)

「風子さん・・・髪型まで変えて・・・いいね」

風子「っ!」ギクッ

「似合ってて可愛いですねー」

和「そ、そうよね・・・」

ドルルルルルルルン

玉恵「ここでいいのー!?」

姫子「はいー!」

玉恵「よいしょっと・・・ふぅ」サラサラ

「だれ・・・?」

律「キャンプで知り合った人だ」

「・・・」

姫子「ふぅー、楽しかった!」キラキラ

ピキーン

さわ子「姫ちゃんの一言で空気が凍ったじゃないの」

姫子「うん?」

「「 うわーん! 」」

春子「泣き出しちゃったよ」

純「り、りつ先輩」

律「私が悪いのかっ!?」

紬「・・・」

唯「もぅ~着いたなら着いたって言ってよ~」

梓「結局むぎせんぱいと一緒になれなかった・・・」ションボリ

澪「乗ってたよな・・・?」

和「えぇ・・・寄り添って寝てたわ」

風子「テ、テントあるよ」

「それでどうするのよ!」

「河川敷はキャンプ禁止だよ」

紬「・・・」アセアセ

唯「エリちゃんとアカネちゃん・・・どうしてここにいるの?」

エリ「キャンプに行こうとしていたの!」

アカネ「ところがもう終わっていましたとさ・・・」

玉恵「あっはっはっは!」

紬「!」ピコン

梓「どうしたんですか?」

紬「・・・」

ギュ

紬「・・・」スラスラ

梓「写真・・・ですか」

紬「・・・」コクリ


――・・・


玉恵「紬ちゃんに言わないでくださいね」

斉藤「よろしいのですか?」

玉恵「もう・・・あの家とは関係ないですから」

斉藤「そうですか。かしこまりました」

玉恵「紬ちゃんとの?がりも切れちゃったから、みんなとは本当にお別れ。これでいいんですよ」

斉藤「・・・」

姫子「玉恵さんも一緒に写りましょうよ」

玉恵「私はカメラも撮れるようになりたいから、写す側でいいよ」

姫子「湖で撮った時だって」

玉恵「いいからいいから、みんなの所に行ってよ」

姫子「・・・」

玉恵「姫ちゃんだけいない記念写真になるよ」

姫子「・・・」シブシブ

スタスタ

斉藤「写る側でもいいのではないでしょうか。それでいいと思います」

玉恵「・・・」


・・・・・・



エリ「せめて、せめてこの時だけは!」

アカネ「一緒に写っていい?」

紬「・・・」ニコニコ

梓「・・・」

純「隣をキープしていらっしゃる」

憂「湖の写真は現像に出してきたんですか?」

姫子「うん。玉恵さんのカメラからデータを抽出して、現像へ」

律「仕事はえー」

澪「デジカメは便利だな」

春子「どうして一緒に写らないんだろうか、玉恵さんは」

姫子「・・・多分」

唯「なにか知ってるの?」

姫子「・・・ううん、知らない」

唯「?」

信代「ほら、撮るって言ってるよー」

姫子「・・・」

和「姫子・・・連れてきて」

姫子「頑なに断られたよ」

唯「みんなで写ったほうがいいよ~!」

姫子「でも・・・」

紬「・・・」

ギュ

姫子「・・・?」

紬「・・・」スラスラ

姫子「い・・・ま・・・を・・・の・・・!」

紬「・・・」スラスラ

姫子「分かったよ、むぎ」

紬「・・・」コクリ

エリ「な、なにが分かったの?」

梓「・・・」

姫子「やっぱり一緒に写りたいよね」

タッタッタ

信代「このキャンプで変わったのは、風子と姫子だったか」

風子「え、私も!?」

アカネ「リアクションから違うよね」

いちご「うん」

姫子「今を残しましょう」

玉恵「・・・」

姫子「玉恵さん・・・自分をぼかしていますよね」

玉恵「・・・」

姫子「私は、『今』の玉恵さんと写りたいです」

玉恵「・・・」

姫子「一緒に・・・」

玉恵「事故ってから今まで写真に写った事はなかった。というか、自分を残すのが嫌だった」

姫子「・・・」

玉恵「姫ちゃんの言う通り、ぼかしてきたんだよ。今を通り過ぎていく過去が嫌だから、振り返らないように」

姫子「想い出も・・・嫌ですか?」

玉恵「・・・。旭川という選択肢がいつもチラついて・・・ね。前を、未来を見ていたら後悔なんてしないでしょ
   だから、思い出と一緒に自分を置いていくの」

姫子「それは・・・なんだか、寂しいです」

玉恵「うん・・・。そうだと、寂しい事なんだと『今』気づいたよ。ありがとう」

姫子「っ!」

玉恵「紬ちゃんのように、現実を受け入れられてなかったんだね、私は」

姫子(むぎのように・・・)

玉恵「斉藤さーん」

斉藤「かしこまりました」

姫子玉恵「「 気が利きますね 」」

斉藤「光栄です」

姫子「ブフッ」

玉恵「あはは」

姫子「並びましょう」

スタスタ

玉恵「どうして分かったの?」

姫子「むぎが・・・今を残そうって言ってくれたんです」

玉恵「そっか」

姫子「はい」

梓「・・・」

姫子「すごいね、梓ちゃんの大切な人って」

梓「はい」

玉恵「な、なんか恥ずかしいな」

澪「どうしてですか?」

玉恵「私だけ年上・・・あ」

さわ子「あ・・・ってなによ」

玉恵「ほっ・・・」

さわ子「声に出して安心するんじゃないわよ」

姫子「あはははっ」

いちご「・・・ふふっ」

エリアカネ「「 ! 」」

律「みんな笑えー!」

紬「・・・」フンス!

唯「・・・」フンス!

梓「・・・」フンシュ!

春子「この三人笑ってないけど・・・これでいいか」

風子「いえい」ピース

和「・・・」

澪「・・・」ピース

憂「・・・」

純「・・・」ダブルピース

信代「・・・」

斉藤「では・・・。はいチーズ」

玉恵(これだから――)

カシャッ

玉恵(――旅をやめられない)

ドルルルルン

玉恵「それじゃ、みんな」

唯「・・・」

姫子「ほら、唯・・・。笑顔で見送ろうよ」

憂「・・・」

和「・・・」

玉恵「元気でね」

律「楽しかったぜー」

澪「とっても楽しかった」

梓「バイクに乗せてくれてありがとうございました」

紬「・・・」コクコク

玉恵「乗ってみてどうだった?」

梓「とっても視界が狭かったですけど、とっても楽しかったです」

紬「・・・」コクリ

姫子「・・・」

玉恵「そっか」

純「やっぱり寂しいー」

信代「なんか、寂しくなってきた」

玉恵「あはは、そう言ってくれるんだ」

さわ子「元気でね。運転気をつけなさいよ」

玉恵「もちろん!怖さは誰よりも知っているからね」

春子「かっこいいなぁ」

風子「うんうん」

玉恵「照れちゃうな」

いちご「・・・お元気で」

憂「さようなら・・・」

和「バイバイ」

唯「さようなら・・・」

紬「・・・」フリフリ

姫子「また、どこかで・・・」

玉恵「ありがとう」

姫子玉恵「「 さようなら 」」

ドルルルン

ドルルルルルルルルルル・・・

姫子「・・・」

律「さーて、そろそろ解散すっかー」

信代「そうだね・・・」

いちご「終わった・・・ね」

エリ「始まってもいないよ」シクシク

アカネ「・・・」

唯「・・・帰ろっか」

憂「・・・うん」

和「・・・えぇ」

澪「うー・・・ん、と」ノビノビ

紬「・・・~」ノビノビ

春子「意外に楽しんだなー」

律「そうか、それはよかった」

風子「一日がとても濃かった・・・。旅ってあんな感じなんだね」

澪「私たちはこの一日を10日体験したんだ」

信代春子「「 マジで!? 」」

梓「むぎせんぱいは15日ですね」

紬「・・・」ニコニコ

エリ(なんの話だろう・・・)

風子「はぁー・・・。大変そうだけど・・・楽しそう」

純「くぅ・・・私は一日だけ・・・」

梓「その一日も結構濃かったんだよ」

純「そうは言ってもさ~」

姫子「・・・」

唯「ひめ・・・」

和「唯・・・、今はダメよ」

唯「う、うん・・・」

姫子「どうして?」

和「感傷的になっているでしょ?」

姫子「感傷的・・・って、そんな乙女じゃないよ私は」

和「・・・それならよかったわ」

姫子「ふふっ」

唯「よかった」

アカネ「・・・エリ」

エリ「ん?」

アカネ「どうして日にち間違えたの」ゴゴゴ

エリ「わ、私のせい!?」


――・・・


律「みんな帰ったか」

澪「あの二人には悪いことしたな」

紬「・・・」コクリ

梓「・・・ですね」

律「埋め合わせぐらいしようぜ」

澪「頑張れよ」

姫子「がんばってね」

律「いや、あなたたちも参加ですけど」

紬「・・・!」キラキラ

梓「なにか企画しているんですか?」

律「いいえ」

紬「・・・」ションボリ

梓「ですよね」フッ

律「・・・」グリグリ

梓「無言ですかっ!」ジタバタ

澪「あのさ・・・むぎ」

紬「・・・?」

澪「湖で聞こうと思っていたんだけど」

梓「あ・・・!」

澪「むぎの『最高の」

梓「むぎせんぱいの『最高の場所』を教えてくれますか!?」

紬「・・・?」

律「なんで遮った?」

姫子「『最高の場所』って・・・?」

澪「・・・えーと」

梓「誰でも持っている大切な場所だそうです」

澪「相馬さんのお父さんの写真が分かりやすいかな」

姫子「・・・あぁ」

紬「・・・」コクコク

律「・・・」

澪「・・・」

梓「・・・」

姫子「・・・?」

紬「・・・」チョンチョン

梓「え・・・?ここですか?」

紬「・・・」コクリ

律「確かに、河川敷には・・・最近よく来るけど・・・」

梓「・・・」

澪(てっきり部室かと・・・)

紬「・・・」ニコニコ

姫子「よく分からないけど・・・。じゃあ、私も帰るよ」

律「じゃあなー」

梓「また月曜日です」

姫子「うん、バイバイ」フリフリ

紬「・・・」フリフリ

澪「あ、姫子・・・さっき撮った写真のデータ、あとでくれる?」

姫子「さっきのは無いよ」

澪「?」

姫子「玉恵さんが『宝物にする』と言って持って行った・・・からね」




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最終更新:2011年10月03日 23:10