姫子「今は飲み物だけでいいかな。唯ボタン押してくれる?」

唯「はい、りっちゃん!」

律「またこの流れかよー!」

紬「・・・」ワクワク

エリ「なにが始まったの?」

母「?」

梓「律先輩の一人ボケツッコミ大会です」

律「勝手に規模を大きくするな!」

姫子「・・・」ソォー

紬「・・・」ガシッ

姫子「ご、ごめん・・・」

母「流れを止めようとした姫子さんを紬さんが止めた・・・」

律(うぅーん・・・。デコピンで押しても痛いだけで見た目地味だしなぁ)

澪「・・・」

梓「・・・」

律(期待してない顔してんな・・・。確かに外してばっかりだからな)

エリ「・・・」

母「・・・」

律(ちょっと期待している顔だな・・・。嬉しいかも)

姫子「・・・」

律(部活帰りで早く飲み物頼みたいって感じか・・・。なんかごめん)

唯「・・・ふぁ」

律(ぐっ・・・)

紬「・・・」チラッ

律(ん?・・・割り箸・・・よし、やってみるよむぎ)コクリ

紬「・・・」スッ

律「さーんきゅ」

唯「さぁ、割り箸を手に入れたりっちゃんです。それを使ってどうボタンを押すのでしょうか」

澪「楽しみですね」

律「・・・」タンタンタタタン

エリ「机を叩いて・・・」

母「リズムを取っている?」

タンタンタンカンカンタンタタン

律「~♪」

梓「リズムに乗ってきましたね」

姫子「この曲は・・・」

紬「・・・」ルンルン

唯「カレーのちライスだよ」

澪「~♪」トントントン

梓「~♪」トトトントン

紬「~♪」トントトントン

唯「~♪」トトントントトン

律「~♪」タンタカンタタカンカン

エリ「演奏してる・・・」

タンタンタタタン

澪(なんか楽しくなってきた)トントン

梓(演奏したくなってきた)トトトントトン

紬「♪」トントトントトン

唯「~♪」トトントン

律「・・・」タタタタタタタン

ポチッ

ピンポ~ン

「はーい!」

澪「」ズルッ

梓「」ズルッ

紬「・・・」コクリ

唯「そうきましたか」

律「どうだー」

「ご注文ですか?」

姫子「アイスティーと英子は?」

英子「アップルティーを」

英子「私の地元がこっちだから」

律「そうだったのか・・・。梓とお母さん一緒だったのか」

梓「そうみたいですね」

英子「どうしてみんな集っているの?」

姫子「記憶の掘り起こしかな」

梓「ブフッ」

紬「・・・?」

姫子「どうして笑ったのか・・・気になるなぁ」

梓「な、なんでもないですよ!」アセアセ

姫子「ほんとかなぁ・・・」

梓「ほ、本当です」

姫子「ふーん・・・」

梓「・・・」アセアセ

英子「・・・」

唯「今日はあずにゃんの『最高の場所』を探す日です」

エリ「次は?」

律「土曜日は私と澪、日曜日は唯だ」

エリ「紬さんは?」

澪「もう見つけたそうだ」

紬「・・・」キリ

姫子「・・・それはどこなの?」

律(ここを指すのかな・・・)

澪(多分ここを指すはず・・・)

唯「・・・」

梓「・・・」

紬「・・・」スッ

律澪「「 外!? 」」

紬「・・・」ニコニコ

唯「うぅ~ん」

梓「・・・」

英子「風子がね・・・。昔の風子に戻ったような気がして」

エリ「昔の風子さん・・・?」

姫子「風子と英子って幼馴染だったの?」

唯「意外だよ!」

澪「うん・・・意外だ」

英子「と、言っても中学3年間は会っていないの」

紬「・・・」

梓「・・・」

英子「高校で・・・この学校で再会して驚いた。大人しくなっていたから」

律「へ、へぇ・・・」

英子「小学校時代の風子は子供が子供をしているって感じで、子供だった」

澪「分かる、分かるよ。見本がいるからな」

律「だってさ梓」

澪「おまえだっ!」

梓「・・・」

エリ「・・・」

英子「再会してから話をしていると、面影はあったから、お互い成長していたんだと思った」

唯「・・・うん」

英子「たまに子供っぽいところ見せるでしょ?あの子」

姫子「うん」

英子「でも、昨日の風子を見て、みんなと一緒にキャンプへ行ったふぅを見てビックリした」

梓「・・・」

英子「あの『ふぅちゃん』に戻っていたから」

紬「・・・!」

英子「だから・・・とっても懐かしい気持ちになれたんだよ。昨日の朝」

エリ「・・・」

英子「誰がそうさせたのかなぁ・・・って気になっているんだけどなぁ」

エリ「キャンプへ行った内の誰かって事だ?」

英子「うん」

澪「むぎ・・・か?」

紬「?」

律「思い当たる人がもう一人」

梓「・・・はい」

英子「だれ?だれなのかな?」

唯「それはね~」

姫子「一人じゃないよ律。二人だね」

律「え?」

英子「教えて、姫子さん」

姫子「英子には面識が無い人だよ」

英子「あ、そういえば聞いた事がない名前が二つ出てきていたっけ・・・」

姫子「そう。その人たちだよ」

英子「へぇ~」

姫子(と、梓ちゃんとむぎ・・・かなぁ)

梓「演奏したくなりましたね」

紬「・・・」コクリ

「ありがとうございました~」

唯「ごちそうさま~」

律「よーし、続けるかー!」

澪「ご飯も食べたし、夕方までまだまだ時間あるな」

エリ「行きましょー!」

英子「私も参加するよ」

梓「私の思い出探しのようなものですよ?」

英子「私の地元でもあるからいいよね」

梓「はぁ・・・そうですか」

姫子「英子自転車持ってないでしょ」

英子「姫子さんの後ろに乗るよ」

梓「!」ピコン

澪「ん?」

梓「ひ、英子先輩使ってください!」

英子「ありが」

梓「むぎせんぱい!後ろに乗っていいですよね!?」

紬「・・・」コクリ

律「すっげえアグレッシブ」

唯「あずにゃん私のうし」

梓「乗れませんよ」

澪エリ「「 バッサリだー! 」」

チリンチリン

梓「風景が違って見えます!」

紬「・・・」ニコニコ

キィコキィコ

梓「あ!昔あの家には太った猫が住み着いていたんですよ!」

紬「・・・」ニコニコ

キィコキィコ

梓「私たちからは絶対餌を貰わないんです!だけどずーっと太ってて!」

紬「・・・」ニコニコ

キィコキィコ

梓「それなのに動きは俊敏で!誰も撫でた事なんて無かったんです!」

紬「・・・」ニコニコ

キィコキィコ

梓「あ!あっちの大きい木がありますよね!あの木には毎夏セミが大合唱するんです!」

紬「・・・」ニコニコ

キィコキィコ

梓「今年の大合唱もすごかったですよ!」

紬「・・・」ニコニコ

律「すっげえ楽しそう」

姫子「クスクス」

エリ「紬さんの表情見えないはずなのに・・・」

澪「聴いてくれているって安心しているんだ」

英子「いい関係だねあの二人。お互いを信頼しているんだね」

律「達観してるな!お母さんか!」

澪「だからお母さんだろ」

唯「み・・・んな・・・まってぇ・・・」ゼェゼェ

姫子「大丈夫?はい、水だよ唯」

唯「あり・・・がとぉ・・・」ゴクゴク

姫子「唯・・・」

唯「なぁに~」ゴクゴク

姫子「その場所は終着点になるの?」

唯「・・・うん」

姫子「そっか・・・」

唯「でもね・・・。私たちまだ若いから、そう簡単には見つからないと思うよ」

姫子「でも、むぎは・・・」

唯「むぎちゃんは私たちの先を歩いている人だから」

姫子「・・・」

澪「おーい!」

律「早く来ないと置いていかれるぞー!」

エリ「はやくこーい!」

英子「おいで~!」

律「お母さんか!」

姫子「みんなで追いかけている・・・と」

唯「そだよ~」

姫子「最後まで付き合うよ」

唯「えへへ、ありがと姫ちゃん」

姫子(私自身のためにも・・・ね)



―――――夕方

律「今日はこれで 解 散 ッ!」

唯「ハッ!」ビシッ

紬「・・・」ビシッ

澪「・・・」

エリ「・・・」ビシッ

姫子「・・・」

英子「・・・」

梓「・・・」ビシッ

姫子「じゃあね、また明日」

シャー

律「姫子は、急いでんのか?」

澪「キャンプで撮った写真を受け取りに行くんだって」

紬「・・・」ワクワク

梓「私も見るの楽しみです!」

唯「楽しみだよ!」

律「写真か・・・」

エリ「それじゃ姫子さんについて行こうっと!みんな、明日ねー」フリフリ

紬「・・・」フリフリ

シャー

澪「エリ・・・河川敷の写真は無いんだけど・・・いいのかな・・・」

英子「?」

律「湖で撮った写真だからな・・・置いていかれた事を思い出さなきゃいいけど」

紬「・・・」ゴクリ

英子「・・・よく分からないけど、私もこれで・・・みんなおやすみ」

唯「また明日ね~」フリフリ

梓「私もこれで失礼します」

紬「・・・」コクリ

梓「また、明日です」

澪「あぁ、また明日な」

英子「一緒に帰ろうか」

梓「はい」

スタスタ

律「あの二人が並んで歩くなんて・・・なんていうか、凄いな」

紬「・・・」ニコニコ

唯「私も帰るよ~、あでぃお~す」フリフリ

紬「・・・」フリフリ

シャー

澪「・・・」

律「むぎー」

紬「?」

律「夏の旅の写真さー」

紬「・・・」コクリ

律「集合写真以外にもあるだろ?」

紬「・・・」コクリ

律「見せてくんない?」

紬「・・・」コクリ

澪「やった!」

律「まてまて、私が最初だかんなー」

澪「どんな写真なんだろう」ワクワク

紬「・・・」ニコニコ

律「じゃ、明日なむぎ」

紬「・・・」フリフリ

澪「明日な!」

チリンチリン

英子「まさか梓ちゃんまで敬礼するとは思わなかった」

梓「一応ノリですから」

英子「うん・・・合わせることも大事だよね」

梓(お、お母さんだ・・・雰囲気がそう思わせるんだ・・・)

英子「あ・・・」

梓「あ・・・」

風子「あ・・・!」

英子「これからお出かけ?」

風子「ううん・・・。帰る所だけど・・・。珍しい組み合わせだね」

梓「そうですね」

風子「もしかしてけいおん部と・・・!」

英子「その通りだよ」

風子「・・・」ゴゴゴゴ

梓「え?・・・え!?」

英子「私はたまたま会っただけだよ、ふぅ」

風子「え・・・?」

英子「久しぶりだね、この呼び方」

風子「・・・うん」

梓「??」

風子「梓・・・ちゃん・・・」ユラリ

梓「っ!」ビクッ

風子「なにかやるなら呼んでって言ったのに・・・」

梓(怖いっ!)

英子「ふぅは今日用事あるって言っていたでしょ?」

風子「だけど・・・」

英子「だけどじゃないの、後輩を怯えさせるのはよくないよ」

風子「・・・はい」

梓「・・・」ホッ

風子「ごめんね梓ちゃん」

梓「いえ・・・。明日の夜は月見ですよふぅせんぱ・・・!」

英子「・・・」プクク

風子「うん」ニコ

梓「・・・」フゥ

英子「月見するの?」

梓「はい・・・。学校終わって河川敷近くの森林公園で・・・です」

風子「団子は用意するの?買うの?」ウキウキ

梓「えぇと・・・唯先輩と憂が用意すると言っていましたけど・・・」

英子「・・・」

風子「それじゃ飲み物だね。なにがいいかな」

梓「むぎせんぱいがお茶を用意しますから、それはいいかと」

風子「手ぶらで参加するのも・・・ね?」

英子「そうだね」

梓「あ、それなら風子せんぱ」

英子「ダーメ。さっきの呼び方がいいよ」

梓「で、でも・・・」

風子「許可するよ」ニコ

梓「そ、そうですか・・・ふぅ・・・先輩・・・」

風子「うん」ニコニコ

英子(なるほど・・・この子も数に入っていたんだね。・・・姫子さんってば)


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最終更新:2011年10月03日 23:20