9月16日


さわ子「―――と、朝のHRはお終い。琴吹さんちょっと」

ザワザワ

紬「?」

テッテッテ

律「・・・ふぁ・・・ねみぃ」

さわ子「明後日の金曜日になるんだけど、冬服持ってきてね」

紬「・・・」ププップー

さわ子「卒業写真を先に撮っておくのよ」

律「!」

春子「・・・」

「・・・」

紬「・・・」プップププー

さわ子「・・・それは・・・その」

「紬さんはなんと?」

律「集合写真は・・ってさ」

さわ子「・・・右上になる・・・わねぇ」

紬「・・・」ガーン

律「そうはさせねえ!」ガタッ

春子「お、なにかするのか?」

律「させねえけど、案がねえ!」

さわ子「・・・どうするのよ」

律「うぅ・・・ん・・・」

紬「・・・」プププップー

いちご「なつ・・・ふく・・・で・・・・・・・・・」

春子「こる」

律「惜しい、夏服で撮るだな・・・え!?」

紬「・・・」キリ

さわ子「あのねぇ、あなた一人だけ夏服で残るのよ?」

(いちごさんも春子さんも聴けるの・・・?)

律「あ!」ピコン

澪「なにか閃いたな」

律「平目烏賊!」

澪「はいはい。なにを閃いたんだ?」

律「んだよー」ブーブー

英子「どうしたの?」

「律さんがなにか閃いたって」

信代「つまらないギャグを言っていたなー・・・」

風子「どうしたのどうしたの?」

律「私も夏服で撮るぜー!」

澪「本気か?」

律「冗談でこんな面白い事やっちゃいけないだろ」

澪「そうだな、私も夏服で撮りたいです」

さわ子「・・・」

春子「面白いな、ページを捲っていったら私たちのクラスは夏服で真っ白なんだな」

「いいね、面白い~」

エリ「みんな集っているけど、どうしたの三花」

三花「うん、夏服で卒業写真を撮ろうって案が出ているんだ」

唯「採用した!」

律「集合写真も夏服でいいじゃん!」

澪「・・・そうだな」

唯「おぉ!」

姫子「出来るの?そんな事」

和「どうかしらね」

紬「・・・」キラキラ

潮「あ、張本人がその気だ」

アカネ「いいよね、写真だけじゃなく思い出にも残る」

さわ子「あのねぇ・・・進路の写真にも使う画像にもなるのよ?それでいいの?」

律「いいじゃん!むしろ好都合!」

信代「よし、唯と潮、面接を設定したやりとりをさわちゃんに見せ付けるから手伝って」

潮「了解」ルンルン

唯「任せてよ!」ドン

和「やり取りね・・・」


―――――コント

潮「コンコン」

信代「どうぞ」

潮「失礼します。ガラガラガラ」

律「ちょっとまて!シャッターを開けるってどんな部屋で面接すんだよ!」

紬「・・・」メモメモ

風子「なるほど」メモメモ

唯「こんこん、失礼します」

信代「どうぞ」

唯「・・・」スタスタ

律「ドアを開けて入れよ!内側からノックしたのか!?」

信代「お名前をどうぞ」

潮「太田潮と申す」

律「武士は元いた時代に帰れ」

信代「自己アピールをどうぞ」

唯「じゃじゃーんぎゅいぃーん!」

律「でたー・・・。エアギター・・・」

信代「うちの会社で働く事でうちにメリットはありますか?」

潮「ここ大学の面接じゃないんですか?」

律「場所間違えたよこの子!」

信代「うちの大学で学ぶ事は決まっていますか?」

唯「友情と青春のラビリンスです」

律「勉強しろ!だから使い方も間違えるんだよ!」

信代「学生生活の中で学んだことを教えてください」

潮「そう・・・です・・・ね・・・」

律「遠い目をするな!好奇心沸くけども!」

信代「どのようなサークルに入るか決めていますか?」

唯「近所の麦畑で作ってみます。毎日が楽しそうですよ!」

律「ミステリーサークルだな・・・。勉強しろ!」


さわ子「・・・」


信代「最後に質問はありますか?」

潮「大学の面接会場はどこですか?」

律「面接官に聞く事じゃねえ!」

信代「質問はありますか?」

唯「大学の面接会場はここであっていますか?」

律「最初に聞いとけ!」

さわ子「あのねぇ・・・私はそんなにヒマじゃないんだけど」イライラ

律唯信代潮「「「「 ごめんなさい 」」」」

さわ子「肝心な所はどうなっているのよ」

潮「和パス!」

和「え?」

潮「唯と一緒に答えることができそうだから」

唯「・・・ー☆」ウィンク

和「そうね」

さわ子「和ちゃん、コントなんかしたら承知しないわよ」

和「できませんよ・・・」

澪(見たかった!)

姫子(見てみたかった)

信代「では・・・ゴホン」

唯「・・・」

和「・・・」

信代「どうして進路に提出する写真が夏服なのですか?」

唯和「「 その『時』を一生思い出せるように。です 」」

紬「・・・」

律「おっけー!」

さわ子「・・・」

律「どうよ、さわちゃん」

さわ子「話題が増えるなら・・・それでいいのかもね」

和「はい」

さわ子「半分強制的になるわよ?夏服で統一するのなら」

律「いや、自主的だ。な?」

澪「うん」

唯「うん!」

和「えぇ」

姫子「うん」

信代「もちろん」

潮「うんうん」

いちご「・・・うん」

春子「右に同じく」

風子「同じく」

英子「同じ」

「同じく」

エリ「自主的です」キリ

アカネ「うん」

三花「うん」

「うぬ」

律「おい、王様が紛れ込んでいるぞ」

「クスクス」

さわ子「分かったわ。それじゃ金曜日、集合写真も撮影するから用意していてね」

「「「 はーい 」」」

紬「・・・」

律「なーに困った顔してんだよーむぎ!」

紬「・・・」

澪「どうした?」

紬「・・・」

ギュ

唯「ん?」

紬「・・・」スラスラ

唯「う・・・れ・・・し・・・く・・・て・・・」

紬「・・・」スラスラ

唯「心・・・が・・・い・・・っぱ・・・い・・・」



―――――昼・中庭

梓「和先輩がコント!?」

和「えぇ」

唯「嘘ついた!」

和「もちろん冗談よ」

梓「びっくりした・・・」

風子「本当は私がやったの」

梓「嘘ですよね」

風子「うん。信用しているんだね」

梓「今疑ったんですけど・・・」

風子「私がするわけがないって思ったでしょ?」

梓「は、はい・・・」

風子「ほら」

梓「いや・・・あれ?」

和「言葉に踊らされてはダメよ」

唯「どういう人か知っているから、嘘だと見抜いたんだよ」

梓「そ、そうです」

風子「惜しかったね」

梓「なにがですか」



・・・・・・




澪「いいな、この写真」

紬「・・・」コクリ

姫子「撮り手の腕がいいとお店の人も言っていたよ」

律「ふーん」

エリ「あれ?大きい」フガッ

姫子「・・・」

律「どうしたんだよ?」

姫子「なんでもないよ」

澪「14枚あるけど・・・、姫子の分も持ってきたの?」

姫子「う、うん・・・」

澪「そっか・・・」

アカネ「真実を知っているのはエリだけじゃないんだよひめ」フガッ

律「さっきからなにをしているんだよ?」

姫子「ごはんを食べさせているんだよ」

律「ぇ・・・」

姫子「ごめん、嘘だからひかないで」

澪「挙動不審で少し怖い・・・」

紬「・・・」スッ

姫子「ちょっとむぎ、距離を取らないで?」

紬「・・・」ススッ

姫子「近い近い」

澪「・・・」

エリ「姫子さんの分私が貰っていい?」

姫子「・・・うん」

エリ「ありがとー。いい写真だよね・・・」

アカネ「・・・」ジー

律「アカネも欲しいのか・・・誰かが貰えなくなるな」

澪「そんなの嫌だ!」

紬「・・・」サッ

律「うわっ!ずりぃぞむぎ!」

澪「・・・っ」サッ

アカネ「・・・っ」サッ

ゴツッ

澪アカネ「「 いった~ッ! 」」

律「なんでアカネが参戦してるんだよ」

純「なにをしているんですか・・・?」

憂「こんにちは」

姫子「今からお昼?」

純「私たち二人!は梓に置いていかれたので、二人!で食べました」

紬「・・・」

律「そ、そうか・・・。やたら二人を強調しているのは怒りか」

憂「あ、私とおねえちゃんの分いただきますね」サッ

律「さすがだ」

純「あっ!あの時の写真だっ!」サッ

アカネ「・・・」サッ

ゴツン

純アカネ「「 ~ッ! 」」

姫子「アカネはどうして?」

エリ「ノリかな?」

律「ノリでやって痛い思いしてんのか、アホだな」

アカネ「」ガーン

澪「よし、確保だ」ホクホク

純「よかった」ホッ

律「あれ?一枚残ってるぞ?」

姫子「信代と春子といちごには渡してあるよ」

澪「和、梓、風子には渡したよな」

憂「山中先生は・・・?」

姫子「渡したよ」

律「あ・・・私だ」

アカネ「・・・ッ」サッ

律「あ!」

アカネ「取っちゃった・・・」

律「ビックリしてんじゃねえ!それ私のだぞ!」

アカネ「ごめんね」

律「謝られると・・・」

紬「・・・!」

澪「どうした?」

紬「・・・」ペラ

律「あ・・・持ってきてくれたのか」

紬「・・・」コクリ

律「さーんきゅ」

エリ「それは?」

澪「夏の旅の写真なんだけど・・・集合写真以外の写真だな」

純「見たいです!」

憂「私も見てみたいです」

律「じゃ一緒に見ようぜー」

姫子「集合写真は?」

澪「部室にあるよ」

エリ「今度見に行くよ」

アカネ「うん」

律「・・・」

純「・・・」

憂「・・・」

澪「空・・・」

紬「・・・」コクリ

律「ぜ、全部?」

紬「・・・」キリ

律「そ、そっか」

姫子「澪、大きいの貰っていい?」

澪「ん?・・・うん?」

姫子「了承を得たよね」

エリ「・・・・・・うん」



―――――放課後

唯「うまうま」ムシャムシャ

紬「・・・」ニコニコ

律「梓・・・ちょっと外に来てくれ」

梓「なんですか?」

律「バトミントンしようぜ」

唯「がんばってね~」フリフリ

紬「・・・」フリフリ

梓(話があるのかな・・・)

澪「・・・」





律「はい、ラケット」

梓「え?」

律「ん?」

梓「バトミントンするんですか?」

律「部室出るときそう言っただろ。勝負だっ」

梓「はぁ・・・」

律「なんだよ、ノリ悪いな」

梓「てっきり話があるのかと」

律「ねえよー。ただ、遊ぼうぜってだけだよん」

梓「・・・はい」

律「よし、3点先取な。サービスは私から」

梓「・・・」

律「それっ」ポンッ

梓「えいっ」ポンッ

律「そりゃっ」パシッ

梓「よいしょ」ポンッ

律「やるなっ」ポンッ



・・・・・・




紬「・・・」

唯「あずにゃん上手上手!」

澪「律のスマッシュに反応した・・・」

紬「・・・」

唯「でもどうして急に?」

澪「昨日帰りに店で見つけたんだよ。それで公園で勝負したんだけど、負けてしまった」

紬「・・・」

唯「そっか~」

澪「多分、明日に唯とむぎも勝負もちかけられると思う」

紬「・・・」メラッ

唯「むぎちゃんも燃えてきたね。私も負けないよりっちゃん!」メラメラッ

澪(律なりの探し方なのかな・・・)

唯「澪ちゃん、新曲だけどさ~」

澪「うん、なんだ?」

紬「・・・」


42
最終更新:2011年10月03日 23:25