姫子「家族4人とも楽しそうに笑っているよね・・・」

紬「・・・」コクリ

姫子「仲が悪いとは思っていないけど、その逆のような気がするんだよね・・・」

紬「・・・」スラスラ

姫子「むぎもそう思ったんだ・・・」

紬「・・・」コクリ

唯「お邪魔しまーす」

律「なんで和が謝るんだよー」

澪「二人が遊ぶからだろっ」

憂「もぅ・・・」

和「本当に・・・申し訳ありません・・・」

母「面白かったわよ」

律「よっしゃ!」

唯「蕎麦とどっちがですか!?」

母「うーん・・・インパクトが大きかったから律さんかしら」

律「分かる人には分かるんだよ」

澪「・・・」

姫子「馴染んでる・・・」

紬「・・・」ニコニコ

憂「夏ちゃんはいないんですか?」

紬「・・・」トントントン

憂「そうですか」

律「乙女だもんなぁ~」

澪「律とは大違いだな」

和「そうね、女性はお風呂が好きと相場が決まっているわ」

律「な・・・」

姫子「クスクス」

母「どうして机をトントン叩いただけで伝わるの?」

唯「よくぞ聞いてくれました。りっちゃん!」

律「はいよー!」

ペラッ

母「紙にかいた鍵盤・・・よね?」

紬「・・・」トントントン

澪「写真?」

紬「・・・」コクリ

母「?」

紬「・・・」スッ

母「あれは・・・、二人が小さい頃に撮った写真です・・・。場所は北海道のどこだったかしら」

唯「かわいい~」

憂「ほんとだ~」

紬「・・・」

母「その鍵盤で会話しているのですね」

和「はい、そうです」

母「・・・」

紬「・・・」ツンツン

姫子「うん・・・。すいませんが、話の続きを聞かせてくれませんか・・・?」

唯「ん?」

律「なんだ?話の続きって」

澪「そ、それじゃ、私たちはこれで」

和「失礼します」

憂「それでは」

母「・・・」

唯「帰るの?」

律「むぎたちは・・・?」

紬「・・・」

姫子「えぇと・・・」

澪「察しろ」ヒソヒソ

律「あ、はいはい。失礼しました」

母「・・・よければ唯さん達も聞いていってください」

唯「?」

母「部屋を移動しましょう」

律「和!だな!」

澪「頼むからしずかにしてくれ」

唯「おしとやかにしなくちゃいけないよ、りっちゃん」シンナリ

憂「・・・」

母「すいません、おもてなしもできなくて・・・」

和「いえ、押しかけたようなものですから。お気になさらないでください」

紬「・・・」コクリ

姫子「・・・」

律「広いなーこの部屋」

唯「みんなで書道が出来るよね!」

母「・・・」

澪「こ、こら」

律「あ、すいません」

唯「ごめんなさい」

母「いえ・・・。姫子さん、今日は・・・?」

姫子「ボウリングで遊びました」

母「まぁ・・・」

唯「冬ちゃん大活躍だったよ」

律「あれは凄かったな」

紬「・・・」コクコク

母「そうですか・・・、みなさんと楽しそうに遊べたのですね・・・」

憂(お母さんの表情だぁ・・・)

和「冬さんの入院期間はどのくらいになりますか・・・?」

姫子(のどか・・・)

母「小学校の時に三度、高校受験終わってから高一の秋までです」

唯「そんなに・・・」

母「冬は生まれつき体が弱くて・・・そのせいですぐ寝込んでしまうんです・・・
  それでも、最近は体力もついてきてみなさんと遊べるくらいには元気になりました」ニコ

澪(なんだか安心できる笑顔だな・・・)

律「もう入院の心配はしなくていいのか・・・ですか?」

母「えぇ、お医者様のお墨付きですから」

紬「・・・」ホッ

唯「よかったぁ~」

憂「・・・本当に・・・よかった」

和「えぇ」

律「へへっ、よかったよかった」

姫子「・・・」

母「・・・」

紬「・・・?」

母「あの子・・・いえ、やっぱりよしましょう」

唯「え・・・?」

母「ごめんなさいね、夏と冬の周りにあなたたちがいてくれるのが嬉しくて
  つい、頼ってしまう所でした」

姫子「・・・」

母「迷惑をかけたお礼に今日の夕飯食べていってください」

唯「メニューはなんですかな!?」

母「お鍋にしましょう」

唯律「「 ごちそうになります! 」」

澪「・・・はぁ」

和「遠慮しなさいよ」

憂「もぅ・・・」

母「うふふ、こうでなくっちゃ」

紬「・・・」トントントン

律「あ、ごめん。もう一回弾いてくれ」

紬「・・・」トントントン

母「?」

唯「うんうん、そうだよねむぎちゃん」

律「うむ」

母「鍋はダメでしたか?」

姫子「私たちにできることがある・・・だよね?」

和「えぇ」

憂「はい」

澪「・・・」

母「あら、手伝ってくれるの?嬉しいわ~」キラキラ

唯「えーとね~」

律「夏と冬がすれ違っている事だ・・・です」

紬「・・・」コクリ

母「!」



・・・・・・



ザァーーーー

キュッキュッキュ

夏「・・・」

ピチョンピチョン


『ごめ・・・んね・・・』

夏「・・・っ」ズキッ

ピチョンピチョン

夏(なんで・・・)

ガチャ

夏(・・・冬は小さい頃から・・・少しも変わらない・・・)

・・・・・・

・・・


―――――病院


ガラガラガラ

「・・・ふ、冬・・・?」

冬「あ、夏!また来てくれたんだ!」

夏「う、うん・・・。はい・・・梨・・・お母さんが」

冬「わーい!」ウキウキ

夏「ほ、他の患者さんに迷惑だよ」

冬「あ・・・えへへ」

夏「・・・もぅ」

冬「嬉しいんだもん」ルンルン

夏「・・・」

「少しはしずかにしてほしいぞ」

「またそんな事言って・・・」

「そうですよ、私たちも元気を貰っているんだから」ニコニコ

冬「えへへ、ありがと~」

夏「・・・」ビクビク

冬「怖くないよ、あの子検査の為にご飯止められているから、ピリピリしてるの」ヒソヒソ

「聞こえてるぞ、冬子」

夏「・・・っ」ビクッ

冬「ごめんなさい・・・お詫びに梨を・・・」

「止められているって言ったばかりだぞ」

冬「あげると言ってないよ~」

「ぐっ・・・」

「あはは、一本取られましたね」

「うふふふ」

冬「あはははっ」

「検査が終わったらいただくとするかな」

冬「その時はもう無いよー。それに私の名前冬だよ」

夏「・・・」ビクビク

―――――・・・

冬「また入院だって・・・」

夏「しょうがないよ・・・。検査もあるんだから」

冬「・・・うん」

夏「ほら、雑誌・・・」

冬「ありがとー!」

夏「体に障るから・・・少しはおとなしく」

冬「さすが夏!いいチョイス!」

夏「・・・もぅ」

冬「けほっけほっ!」

夏「だ、大丈夫!?」

冬「う、うん・・・」

「斉藤冬さーん、体温測りますね~」

夏「あ・・・」

「あら、夏ちゃん」

冬「・・・ふぅ」

夏「看護師さん・・・冬の担当になったんですか?」

看「そうよ~、はい冬ちゃん」

冬「・・・はい」

看「少し顔色が悪いわね・・・」

夏「・・・」

看「私が担当になるからにはすぐ退院させるわ」ドン




――・・・中庭


夏「大丈夫?」

冬「少しは歩いたほうがいいって看護師さんに言われているから・・・大丈夫」

夏「・・・」

冬「ベンチまで頑張るっ」

夏「うん・・・」

冬「っしょ・・・よい・・・しょっ」

夏「・・・」

冬「・・・ふぅ」

「・・・ん?」

「どうしたの?」

「誰かに呼ばれたような・・・?」

「驚かせるのやめてよ」

「でこちゃん怖がり~」

「怖がり~」

冬「・・・」

夏「・・・」

冬「あの三人仲が良さそう・・・いいなぁ・・・」

夏「・・・っ」

冬「ここの空は広くていいね・・・」

夏「うん・・・」

冬「部屋の窓は狭いから空が縮こまっていて・・・」

夏「あの雲・・・ボールみたい」

冬「あんぱんみたい・・・」

夏「お腹空いてるの?」

冬「うん・・・」

夏「食欲あるの?」

冬「うん、最近はよくお腹がすく」

夏「・・・そっかぁ・・・先生がお腹が空くのは健康の証拠だって言ってた」

冬「じゃあそろそろ退院できるね」

――・・・


「さっさと体力つけりゃいいんだ」

看「こらっ」バシッ

「いだっ」

看「医者がそんなぶっきらぼうに言っていいんですか?」ジロ

医「看護師が医者に手を上げていいのか?」

看「時と場合によります」

冬「ふふっ」

夏「・・・」

医「じゃあな。しばらくは安静にしていなくてはいけないが、学校に通える様になるから
  そんな神妙な顔するなよ」

夏「・・・」

看「こらぁ!」ゴン

医「ごふっ」

母「あらあら」

冬「あははっおもしろーい」

看「・・・まったくもう」

夏「せ、先生・・・」

医「いでで・・・ん?」

夏「冬は・・・」

看「・・・」

冬「?」

母「夏・・・冬と先に車に行っているからね」

夏「うん・・・」

冬「ちょっと待ってお母さん・・・夏が・・・」

母「はいはい、暴れると落ちるわよ~」

冬「・・・」

医「怖いな夏のかーちゃん・・・おんぶしながらさらっととんでもない事いいやがる
  退院した直後だぞ・・・」

看「・・・それで、夏ちゃんどうしたの?」

夏「冬は・・・ちゃんと学校に通えるんですか・・・?」

医「あぁ、そう言っただろ」

夏「だって・・・前に退院した後も・・・しょっちゅう風邪をひいて学校に行けなかったんだよ
  友達も・・・誰も冬の話しないし・・・学校に行かないからみんな忘れてしまっているんだよ」

看「そんな事ないわ」

夏「・・・だって・・・冬・・・いないもん・・・」

医「あのな、夏がそんな顔していたら冬が元気になれないんだぞ?」

夏「え・・・?」

医「元気を貰うって言葉があるだろ」

夏「?」

看「少し難しいかもしれないですよ・・・」

医「一番近くにその手本がいるだろ」

夏「冬・・・?」

医「あぁ、夏が冬を元気にするんだよ」

夏「どうやって・・・?」

医「だから、近くに手本がいるだろ」

夏「・・・」

医「冬から元気を貰っているだろ?」

夏「うん・・・!」

医「ほら、冬が心配しているぞ、はやく戻りな」

夏「う、うん!ありがと先生!」

タッタッタ

看「・・・」

医「仕事に戻るかぁ・・・」グッタリ

看「去年より体力が著しく低下していますが・・・」

医「あぁ・・・。医者が言う台詞じゃねえが・・・神に頼るしかねえな」



―――――・・・学校・6年生クラス

「であるからしてー」

「先生トイレー!」

先生「先生はトイレじゃありません」キリ

「・・・」

シーン

先生「あ、あれー?」

「いいから早く授業を進めてください」

先生「はい・・・」

「中野こえー!」

「こえー!」

中野「・・・」

「ちょっと男子!しずかにしなさいよね!」ドンッ

「委員長こえぇ・・・」

先生「うぅ・・・小学6年生こえー・・・」

「先生!」

先生「だからトイレでは」

「斉藤さんがっ」

先生「え・・・」

冬「はぁ・・・っはぁ・・・」

先生「・・・委員長は斉藤夏さんを呼んできて。クラス分かりますよね?」

委「は、はい・・・」

テッテッテ

冬「ぅっ・・・・・・はぁっ・・・っ」


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最終更新:2011年10月04日 23:02