―――――ホーム


唯「冷凍みかんをくださいな」

「すいません・・・。あいにくそのような商品は・・・」

梓「駅の売店にあるわけ無いじゃないですか」

唯「一度電車の中で食べてみたかったんだよ!」

梓「・・・そうですか」

「あ、でも隣の売店ならまだあるかもしれないです」

律「あんのかよ・・・」

紬「・・・」

タッタッタ

未知子「?」

スタスタ

「・・・」コソコソ

prrrrrrrrr

梓「時間ですね。諦めましょう唯先輩」

唯「や~だ~!」グズグズ

梓「そこで駄々をこねているといいです。次は30分後に発車ですから、それに乗って追いかけてきてください」

唯「諦めるよ・・・」シブシブ

律「さすがに30分置いてけぼりは堪えたか」

『3番線間も無く発車です』キリッ

梓「・・・あれ?」

唯「どうしたの?」

律「あと30分で到着だ・・・それまでシリトリでもすっか」

澪「・・・」

プシュー

『発車します』キリッ

ガタン ゴトン

梓「むぎせんぱいが居ない!」

さわ子「ぅん・・・?」

律「寝てんなよさわちゃん!むぎは!?未知子もいないぞ!」

エリ「そ、外見て・・・」

三花「・・・あ」

ガラッ

梓「むぎせんぱいっ!」

ガタン ゴトンガタン

タッタッタ

紬「・・・!」スッ

梓「なんでみかん買ってるんですか!」

唯「危ないよむぎちゃん!」

紬「・・・」スタスタ

ガタンゴトンガタンゴトン

澪「むぎぃー・・・」

さわ子「むぎちゃんが乗り遅れるなんて・・・予想していなかったわ・・・」

アカネ「未知子さんまで・・・」

pipipipipipi

「・・・」ピッ

三花「多恵ちゃん!?」

多恵「もしもし」

『この後の電車で追いかけるから・・・』

多恵「うん、分かった・・・」

さわ子「未知子ちゃんから?」

多恵「・・・そうです」

さわ子「貸して。・・・もしもし・・・到着駅は分かってるの?」

『・・・紬さん、到着駅って知ってる?・・・・・・はい。大丈夫です』

さわ子「じゃそこに来てね。梓ちゃんは次の駅で待ってるそうだから」

『分かりました。それでは後ほど』

プツッ

さわ子「はい、ありがと。という事だから、私は到着駅まで寝るわね」

多恵「・・・」

さわ子「」スヤスヤ

律「私たちが次の駅で降りたらどうすんだよ、さわちゃん・・・」

ヒンヤリ

梓「冷たい・・・冷凍みかんですよこれ・・・」

唯「私がっあんな事言わなければっ!」

澪「まって小芝居は後だ。まずは状況を整理しようか」

唯「小芝居って・・・澪ちゃん・・・」シクシク

律「なんで多恵が乗ってんだ・・・?」

多恵「駅前で・・・未知子ちゃんとさわ子先生が一緒に居る所を見つけて・・・
   驚かせようと・・・思って・・・みんなが合流して・・・タイミングを逃して・・・」

律「アホだ・・・」

多恵「うぅ・・・」

澪「後をつけていたのに・・・未知子は多恵がこの電車に乗っている事に気付いていたんだ?」

多恵「後をつけていたの私だけじゃないから・・・」

アカネ「もう1人の誰かとつけてきたの?」

多恵「ううん・・・私を入れて・・・3人」

律「あぁ・・・多恵がこんなアホっぽい事するわけないもんな・・・後の2人は大体分かった」

梓「今のうちに食べないとただのみかんになりますから、食べましょう」

唯「ありがとうだよむぎちゃん」ムシャムシャ

澪「冷凍みかん・・・おいしいな・・・」ムシャムシャ

エリ「おいし~」ムシャムシャ

三花「季節的にどうかと思ったけどおいしいね」

アカネ「紬さん、駅員さんに怒られていないかな・・・」

多恵「未知子ちゃんがいるから大丈夫」



―――――ホーム



駅員「電車と並走して物を渡すなんて危険な行為されたら困るよ!」ガミガミ

紬「・・・」ションボリ

潮「・・・ごめんなさい」

駅員「どれだけ危険な事か分かってるの!?怪我じゃすまない事だってあるんだよ!?」ガミガミ

紬「・・・」シュン

ちか「・・・はい」

駅員「・・・どうして本人が謝らないのかな・・・?本当に反省しているの?」

紬「!」

未知子「すいませんでした!」バッ

駅員「・・・」

未知子「私がお願いした事なんで、この子は悪くありません。全部私が悪いんです」

駅員「・・・」

未知子「すいませんでした」

駅員「・・・怪我をして泣くのはキミ達だけじゃないんだからね・・・。もう二度としないように」

紬「・・・」ペコリ

未知子「・・・はい」

潮「はい!」

ちか「はい」

駅員「それじゃ、気をつけて・・・」

スタスタ

潮「すいませんでしたー」

ちか「・・・ふぅ」

未知子「許してくれてよかったね・・・」

ギュ

紬「・・・」スラスラ

未知子「どういたしまして・・・」ニコ

ギュ

紬「・・・」スラスラ

潮「いえいえ」

ギュ

紬「・・・」スラスラ

ちか「ううん、気にしないで」

紬「・・・」ペコリ

潮「・・・」

ちか「・・・」

未知子「・・・」

紬「・・・」ニコ

潮「うん・・・。とりあえず座ろっか」

ちか「そうだね・・・。30分って長いねー」

未知子「どうして多恵ちゃんまでいたの?」

紬「!」

潮「駅前で・・・あ!信代との約束忘れてた!!」

信代「やっと思い出したか!」ガシッ

潮「うぐっ」

信代「私を置いてさっさと行きやがって!」グリグリ

潮「ごめんなひゃいごめんなひゃい」

紬「・・・」ニコニコ

信代「で、どこに行くの?」

潮「さぁ・・・?」

ちか「どこへ行くの?」

未知子「海だよね?」

紬「・・・」トントントン

信代「た・・・い・・・へ・・・いようか」

潮ちか「「 太平洋!? 」」

紬「・・・」コクリ

未知子「太平洋だったんだ・・・」


――・・・


さわ子「」スヤスヤ

律「さわちゃんどこでも寝るな」

三花「疲れているのかな・・・」

梓「・・・」

エリ「実をいうとね・・・駄菓子屋のおばぁちゃん、小田おばぁちゃんなんだけど」

唯「うん・・・?」

エリ「さっき・・・どう話せばいいのか分からなくて・・・。それで無理やりここについてきたの」

唯「そうなんだ」

エリ「なんていうか・・・話題をみつけられなくて・・・、挨拶だけならできるんだけど」

唯「ふむふむ」

澪「・・・」

エリ「私のおじぃちゃんとおばぁちゃんは小さい頃に会って以来、それっきり
   だから余計、接し方が分からなくて・・・」

梓「それじゃどうして、今日駄菓子屋に行ったんですか?」

エリ「そ、それは・・・その・・・」

澪「話をしたいから・・・じゃない?」

エリ「・・・うん」

唯「その気持ちがあれば充分だよ~。何度か足を運んで、顔を合わせれば自然と言葉が生まれるよ」

エリ「・・・そっか」

アカネ「・・・」

梓「あ・・・、そういえば屋台の方はまだ内容決まっていませんでしたよね」

唯「名案だよあずにゃん!姫ちゃんに確認とってみるよ!」

ピッピップ

trrrrrrrrr

三花「名案って・・・?」

澪「駄菓子屋にしようって事じゃないかな。私もそう思った」

プツッ

唯「もしもし、姫ちゃん?駄菓子屋にしようよ!」

エリ「単刀直入すぎるよ・・・」

『姫子さんじゃないよお姉ちゃん。・・・海に着いたの?』

唯「ううん、まだだよ。どうしてういが姫ちゃんのケータイに・・・?」

『この番号私だよ。ちゃんと確認してね』

唯「・・・おぉ、間違えたよ」

『はーい』

プツッ

唯「えへへ、間違えちゃった」

律「唯・・・」

trrrrr

『もしもし、・・・梓?』

梓「はい。今バイト中じゃないんですか?」

『ちょうど休憩中だよ。どうしたの・・・?』

梓「学園祭の屋台の件なんですけど、駄菓子屋はどうですか?」

『そうだね。お茶と合うから・・・いいと思う。それで進めようか』

梓「了解です。それでは、バイトがんばって下さい」

『ん。ありがと・・・。海に着いたの?』

梓「いえ・・・それが・・・。明日話しますね、変な事になっていまして』

『楽しみにしとく。それじゃ、明日ね』

梓「はい」

プツッ

唯「あずにゃん・・・私の仕事だよ・・・」シクシク

梓「いいじゃないですか。それより、ちゃんとむぎせんぱいに謝ってくださいね」

唯「了解しました!」ビシッ

アカネ「きっかけが出来たね」

エリ「・・・うん」

多恵「・・・」

三花「あ・・・到着するよ」

澪「さ、さわ子先生」ユッサユッサ

さわ子「ぅん・・・?」

ガタン ゴトン ガタン

プシュー

潮「おまたせ~」

信代「よっ!」

多恵「信代ちゃん・・・?」

ちか「やっほー」

エリ「ちかも来てたんだ」

律「あれ、潮とちかは予想できたけど、信代は予想外だな」

さわ子「じゃ、みんな乗るわよ~」

唯「ご、ごめんねむぎちゃん・・・」

紬「・・・」フルフル

唯「お詫びの品だす!」

律「買ったのむぎだけどな」

ヒンヤリ

紬「?」

澪「駅に到着してすぐに売店の冷凍庫借りたんだ」

紬「・・・!」

梓「私たちだけ楽しむのは物足りないと思いまして」

紬「・・・」ルンルン

未知子「嬉しそう・・・」

『6番線間も無く発車です』

紬「・・・」ムシャムシャ

プシュー

紬「・・・」ウットリ

潮「・・・」ゴクリ

律「潮涎垂れてる」

潮「・・・」フキフキ

紬「・・・」スッ

潮「ありがと」ムシャムシャ

紬「・・・」スッ

ちか「ありがと」

紬「・・・」スッ

未知子「ありがとう」

紬「・・・」スッ

信代「私もいいの・・・?ありがと」

さわ子「・・・ふわぁ」

紬「・・・」ヒョイ

さわ子「ん?・・・ちょっと、あくびしてる人の口に放り込まないでね・・・おいしいわね」モグモグ

潮「紬が頑張った理由が分かったよ」

ちか「・・・うん。みかんを冷凍庫に入れようと考えた人は表彰ものだよね」

信代「ノーベル賞あげてもいいな」

未知子「・・・」モグモグ

「「 ・・・ 」」ジー

未知子「・・・?」

さわ子「オチはどうしたの?」

未知子「オチ・・・?」

多恵「一言ぼやいて笑いを取れって言ってる・・・雰囲気がそう言ってる・・・」

未知子「ぇ・・・」

紬「・・・」スッ

未知子「二個目・・・?」

律「はい、スタート」ポン

さわ子「おいしかったわね」

潮「乗り遅れる危険を犯してまで手に入れようとする訳だ」

未知子「・・・」ドキドキ

ちか「・・・みかんを凍らせて食べた最初の人って表彰もんだよね」

未知子「・・・」ドキドキ

信代「国民栄誉賞あげてもいいよな」

未知子「さ、さすがだよねルーシーさん」

律潮「「 外国人だったのか! 」」

澪「ブフッ」

未知子「さ、さっきノーベル賞って」オロオロ

信代「そう落とすとは思わないでしょ・・・」

唯「ルーシーさん・・・」

エリ「・・・」ヒョイ

未知子「あ・・・」

エリ「もぐもぐ」

梓「偉大な発見ですよね」

エリ「うん。お袋の味だね」

律潮「「 やっすいな! 」」

澪「グフッ」

三花(なんか楽しそう・・・私もやってみたい・・・)

紬「・・・」スッ

アカネ「私もやるの・・・?」

紬「・・・」キリ

アカネ「もぐもぐ」

三花「その味を星に例えるならなにかな」

信代(恨みでもあるのかな・・・)

アカネ「天の川」

律「幾億の数だ!」

アカネ「オリオン」

潮「それは星座だ!」

アカネ「ベテルギウス」

潮律「「 どちらさまで・・・? 」」オロオロ

澪「星の名だ・・・」

多恵「ブフッ」


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最終更新:2011年10月04日 23:25